○渋谷邦彦君 そのことを、いま新井さんが
答弁されたことをいま総理もお聞き及びいただいたと思いますが、この日本列島の周辺、申すまでもなく米ソの原潜がとにかく相当数と言った方がいいんでしょう、相当というのは多い場合もあるし、少ない場合もあるけれ
ども。これが恐らく遊よくしていることは間違いない。もし仮にそこで、どこかでやられた場合に、日本が被害国となり得るという可能性は、私はなきにしもあらずである。それでなくても、エンプラが来た、ミッドウェーが来たということになると、大騒ぎになる。何も形に見えるものだけが問題じゃないですね。海の底、しかも深海を走っているわけですから。そういうことを心配すると、もう際限がない。やはり核の脅威というものは現実的に、しかもわれわれが実感として、それがもう目の前にある。したがって、もう何としてでも軍縮の方向へ日本がやっぱりやらざるを得ないということは、これは恐らく総理も実感であろうと思うんです。実際あるんですから。しかも、この中でひどいのがあるんですよ。墜落したB29かなんかの搭乗者を調べてみたら麻薬中毒者だった、そういう場合だってあり得るんです、アメリカの場合ですから。どういう人間が操作しているかわかりません、これは。そういう危機感をこの機会に、せっかくの機会でありますから、これは私のみならず大いにそれを認識を深めて、この問題の一日も早く解消されんことを全力を挙げて、やっぱり国民の総意としてこれに取り組んでいかなきゃならぬであろう、こう思うわけであります。
それから、まだあるんですよ。ジュネーブの軍縮
委員会、これは外務省の大使の皆さん方、いわゆる出られている方、大変苦労しているんです。四十カ国集まっているけれ
ども。米ソは別です、密室でやるんですから。せめて同じテーブルについて科学兵器の禁止であるとか、先ほ
どもおっしゃられた核拡散防止法、地下実験の禁止、こういった問題もうたくさん残っているわけですね、未解決のままに。その話がかみ合わない。軍縮
委員会に加盟している四十カ国自体の
議論がかみ合わない。かみ合わない問題点があるようです。これは幾つかあるんですよ、ここに。一つは、特に非同盟、それは名指しで言うことはいかがなものかと思いますけれ
ども、軍縮をやるだけの政治意識が欠乏しているとか、いろいろ参加されている特に発展途上国の中には利害が相反するという、その利害関係の対立によってなかなか話がかみ合わないとか、あるいは議事規則自身の不備というものもあるのではないかというような、こういう
指摘があるわけです。こういった問題なんかは実質的に
政府が強力にバックアップして、それでもちろん出先の方を督励されるもよし、各国とやはり話し合いの機会を絶えず持ちながら、まずジュネーブの軍縮
委員会自体からの改革ということも、軍縮を進める一つの手段ではなかろうか、こういう考え方があるわけです。
それから、こればかりやっているとほかの
質問に入れませんから。もう一つは、私はこの機会に、総理なら総理の提唱で結構ですよ、専門家によるところの核防会議なんというものをこの際おつくりになったらいかがか。つまり、科学者であるとか、あるいは哲学者を含めてもいいでしょう、それから政治家、あるいは軍人、あらゆる面にわたって経験のある、豊富な知識を持っているそういった方々、あるいはその非核保有国のメンバーだけでも最初いい場合があるかもしれない。あるいは、できれば核保有国のメンバーも全部入ってもらって、そこで真剣に討議をして、あたかも、例としては適切でないかもしれませんけれ
ども、先ほど申し上げた、ドイツでいまつくっております国際開発独立問題
委員会であるとか、あるいはストックホルムの国際平和問題研究所であるとか、それよりももっと強力な、オーソライズされた、そういう
機関をつくって、それを軸にして、そして世界の深刻な世論喚起のための
行動を起こす一つのグループとしてつくることも一つの考え方ではなかろうか。これは一つの提言でございますけれ
ども、これを踏まえて総理御自身はどんなようにお受けとめいただけますでしょうか。