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参考人(
小倉武一君)
所得税減税をいたしますということを前提にした場合の
財源の
お尋ねでございますが、
国会での
与野党の
合意といいますか、お
約束ですか、また
官房長官がそれを尊重するという御趣旨の中に、やはり
財源を確保してというお言葉がございますが、私
ども税制
調査会をまだ開いておりませんけれ
ども、これは税制
調査会にとっては新しい事態でございまするので、税制
調査会でそういった新しい事態を踏まえて
所得税減税をやるとして、税源はどうするんだということは、これは税制だけの問題でもございませんが、税制
調査会としても検討しなきゃならぬことと思います。
そこで、この
減税の恐らく御趣旨は、本
年度、あるいは本年限りの臨時の
減税ということではないというふうに承知しておりますが、そうだとすれば、まあ恒久的といいますか、臨時的というよりは恒久的な
財源を求めざるを得ない。そういたしますというと、釈迦に説法でございますけれ
ども、いま税制の中で大きなウエートを占めるのはやはり直接税、中でも
所得税と
法人税ということになります。間接税というのは、日本では御承知のとおり非常に低いウエートしかございませんが、しかし、その間接税も無視できないのは、やっぱり国税としては三割近くなっておるわけでございますので、直接税と間接税を合わせましてどういう
財源措置が講ぜられるかということになるかと思います。
その際、いろいろ御意見がございますように、アメリカを除いては日本は他の先進国と比べて間接税のウエートが低過ぎる、また間接税は必ずしも所得の増なり、あるいは
国民経済の向上によって当然に
所得税、あるいは
法人税みたいに増収となるという性質のものでもない場合もございます。他方、しかし余り景気に変動されないで、安定的な税を確保できるという長所もないことはない、間接税の仕組み方にもよると思いますが。
そこで、もう少し国家財政の収入源としては間接税にウエートを置いた方がいいんではないかという説がこれはかねてからあるわけです。これと必ずしも
所得税減税とは結びつくわけでもございませんけれ
ども、たまたまといいますか、
所得税減税の必要性が迫られてくれば、やはり間接税というものにも着目すると。特に、いまの
減税問題は
所得税でございまするから、その他の税とすれば、あるいは
法人税、あるいは間接税というものがこの主なものになりますから、どうしても間接税について税源を求めるという勉強は避け得られないんではないかというふうに考えます。
その場合、どういう間接税がいいかということは、これは一般消費税ということでかねて税調で研究したものは、
国会の御決議の次第もあり、それによるというわけにもまいらぬだろうと、ほかにどういうかわるべきものがあるかということはこれからの研究問題だと、こう存じております。