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政府委員(
鈴木義男君) ただいま御
指摘のございました行刑
施設運営問題
調査対策
委員会と申しますのは、事務次官が
委員長となりまして、それから
関係局長すなわち刑事局、保護局、矯正局の
局長、それから官房長、それから官房の各課の長、これだけを
委員といたします
委員会でございます。昨年の十月末に設けられまして、本年の一月までに
委員会は三回、しかし、そのほかに幹事会というのを七回開きまして、今後の対策について検討をいたしたわけでございます。一番中心になりましたのは、この福岡
刑務所の
事件をもとにいたしておりますけれ
ども、
一つは
刑務所、それから拘置所における作業の管理の問題でございます。それからもう
一つは一般的な
刑務所における規律の維持の問題でございますが、この二つを中心にいたしまして、現状を検討し、対策を考えたわけでございます。
主な事項について申し上げますと、まず作業の方法につきましては、
一つは作業
指導員の扱いの問題でございまして、
先ほども申しましたように、福岡
刑務所の
事件では、この作業
指導員が受刑者から頼まれて、できた銃を部品に数回に分けて出しておりますので、
本人はそれが銃であったということは知らなかった、あるいは知っていたという認定ができないわけでございますけれ
ども、いずれにしろ運び出したということでございますので、この作業
指導員につきましては、
刑務所へ通ってくる
指導員の数を必要最小限度にとどめること。それから作業
指導員を選任する場合には、派遣する企業との間で、
本人の平素の行動等について企業と十分相談して、身元の確かな人だけを任命する。それから作業
指導員と認めました者につきましては、まずなった場合に計画的な研修を行って作業
指導員としてはどういう態度で工場に出入りすべきかという点について研修を行う。それからさらに、この作業
指導員が
職員のいないところで受刑者からおどされたりということがありませんように、常に問題があれば
職員、特に幹部の
職員に通報して保護を仰ぐようにする、こういうようなことを作業
指導員との
関係では考え、結論が出たわけでございます。
それからもう
一つは、工場の管理でございますが、工場へは毎日たくさんの材料が外部から運ばれてまいりますし、それから製品が外へ出ていくわけでございますが、そういう物の出入りについてのチェックを
強化するということ。それから、本件福岡の
事件で特に問題になりましたのは、材料とか、あるいは余った素材、そういう物の管理が必ずしも十分にいっておりませんために、そういう余った材料を使って銃がつくられたという状況がございますので、そういう材料、製品、それから残材、そういうものを含めて工場内にある物の管理を厳重にするということに努める、特に工場に不当な物が置いてないかどうかということも十分チェックするということでございます。
それから、作業に関連いたしまして、作業の中には福岡の場合のように銃ばかりではございませんが、何か凶器に使われるような材料を使うものもございますので、そういう危険のある作業には一体どういう受刑者をつかせるべきかという点についても、暴力団等に
関係する受刑者は、そういう作業につかせないように配慮するということなどを決めて結論として出したわけでございます。
それからもう
一つは、一般的な規律の問題でございますが、
一つには、
職員の研修を従来以上に
充実させていきますとともに、この個々の
職員が
収容者からおどされたり、あるいは誘惑されたりということがないように、受刑者の
処遇については、
施設の全
職員が一丸となって対応する、特に
第一線の
職員が問題があるというような場合には、常に上司の方で十分事情を聞き、それに基づいて対応できるような体制をつくるということ、それから、