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粕谷照美君 確かに
医学教育の根底にある医の倫理を涵養するために人体解剖の
実習というのが非常に貴重な
教育の場所になっているということはわかります。私も新潟
大学の方で組織をしている白菊会の資料だとか、あるいは解剖
実習を終えた学生の手記の
報告書な
ども拝見いたしまして、本当に
趣旨説明、
提案のとおりだというふうに思うわけであります。
それだけに、この
法律ができることによって
献体数がふえるということを望むものでありますけれ
ども、私自身は、この
法律ができたからといって
献体の数はふえるというふうには思わないわけであります。やっぱり
献体をしていただきたいということを真摯にじみちに運動される方々の数というものが、運動というものが大きく前進していくことでこの
法律は生かされるというように思っているわけです。
それにしてもどうも死体収集の数が足りませんですね。資料をいただきましたが、非常に足りないというふうに思いますよ。しかも
国立大学においてその足りなさというのがちょっと問題だと思いますのは、五〇%を割っているところがある。その一方で一〇〇%を上回っているところもある。これはやっぱり
献体運動に取り組まれる方々の熱意のあらわれかなというふうに思いますけれ
ども、
国立大学で金沢などは三六・七%、四〇%台もずいぶんあります。そして医・歯
学部、
国立においては、
北海道では二七・五%、東京医科歯科で三八・三%、鹿児島三〇%、徳島三八・七%と大変大きく割り込んでいるわけですね、まあ新設医大ということなどのハンディなんかもいろいろあると思いますけれ
ども。公立においては大阪市立二七・五%、私立においても五〇%を割っている学校が非常にたくさんあるわけであります。こういう
問題点を
文部省は安易に許しては私いけないというふうに思うんです。
というのは、きのういただきました資料の中に、医
学部は学生定員の二分の一、歯
学部は学生定員の四分の一として算出したと、こう言いますけれ
ども、私立
大学なんというのは定員よりも学生の数の方がいっぱいなんですから、本当はここのところが割り込んでマイナス、もっともっと大きな
不足になっているというふうに考えないわけにはいきません。そういう中で、模型なんかでやることができるんだから十分配慮されるならばさらに学生定員の医
学部では四分の一以上、歯
学部は学生定員の六分の一以上とすることができるなどといって、そういう状態を黙認するような私は姿勢というのは非常に間違いではないかというふうに思っているところでございます。しかしながら、いろいろとお
伺いしたいんですが、私の時間も迫っておりますので、こういう
問題点をこの
法律が通ることによって解決できるという判断をしていらっしゃるかどうか、お
伺いいたします。