○鶴岡洋君 そこで、流通、販売の問題ですけれ
ども、いま木材価格が低落している、こういうことで
林業関係者は非常に沈帯ムードになっている。これは確かなことでございますけれ
ども、しかし、私が思うのには、今日でも木材に対する需要がないわけでもないし、やり方、
方法によってはもっともっと需要がふえると、こういうふうに思っているわけなんですが、今回の法改正でも問題となっているいわゆる間伐材を含めて、その点については非常に根強いものがあると、こういうふうに私は考えます。
この市場情報を徹底して調査し、そして川下というんですか、
皆さんが使うニーズに即した伐木、それから造村、製材、そして加工、こういう
方法をとって販売すれば、木材は大変有利な販売ができるものと考えておりますけれ
ども、この点についてはわが党のかねてからの主張でありますので、今国会の参議院の
予算委員会、それから衆議院の
農林水産委員会で同僚
委員がこの点について同
趣旨の
質問はしておりますけれ
ども、どういうことかというと、同じ樹種でも造材、製材、販売のあり方を改めただけでも二倍、三倍、物によっては数十倍、数百倍の価格で販売される実例が非常に多いわけです。
ここに写真を
一つ持ってきましたので、ちょっと
長官見ていただきたいんです。(写真を手渡す)その写真は岩槻市で撮った写真でございますけれ
ども、真ん中にある門柱、これは青森ヒバです。青森ヒバというのは
長官も御存じだと思いますが、これまであんまりすぐれた木材としては取り扱っていなかった。まあ鉄道のまくら木だとか、それから人目につかない家の土台角、こういうことで東京方面に出荷されていたものでありますけれ
ども、この写真の門柱は、宅建業者が土台角として安い値段で買ったものですけれ
ども、土台角にはもったいないと、こういうことで、そこの写真にあるように門柱に使ったわけです。この青森ヒバですけれ
ども、門柱に使っただけではなくて、やっぱり使えば用途によっては非常に効果的であると、こういうことで、大体この宅建業者はほとんどその青森ヒバをほかの用途に使ったと、こういうふうに私聞いております。これは装飾を目的とする門柱ですから、当然高いものである、こういうふうになるわけです。この青森ヒバの値段というのは、ごく最近でも立方メーター当たり高いところで八万円、こういうふうに私聞いておりますけれ
ども、それから計算していくと、その門柱の大きさからいって大体一本二千五百円程度じゃないか、こういうふうに思われるわけです。この場合、全く同じ樹種で門柱の価格は土台角より当然高いわけですから、比べると二千五百円の大体十数倍ぐらいの値段でそこに建てられたんじゃないか、こういうふうに思うわけです。こういうことは青森だけの特殊な話ではなくて、私そちこちでたくさん聞くわけなんです。このことが青森の現地の人が知っていたかどうか、これはわかりませんけれ
ども、いずれにしてもそういう利用
方法によって非常に高く売れるというか、処理されるというか、そういうふうに私は思うわけです。したがって、これから
林野庁が的確に市場情報を把握して、これを分析して、山元のいわゆる
林業生産者へその情報を
提供していき、そして利用者のニーズに合わせたいわゆる造材、製材、加工をすれば有利な価格で販売できるんじゃないか、こういうふうに私は思うわけです。
そこで、提案でもあれば要望でもございますけれ
ども、いま申しましたような例でわかるように、理屈ではなく、こういった実物で身近なところから体得できるように、たとえば
先ほど生産基地
造成をつくったり、いろいろその点については配慮をしている、こういう
長官のお話ございましたけれ
ども、たとえば
林業生産地にモデルのいわゆる製材工場とか加工工場とかそれから原木市場、製品市場も増設していくという、こういう積極的な
施策を講じてはどうか、こういうふうに思いますが、この点についてはいかがお考えでしょうか。