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政府委員(秋山智英君) 最近林業をめぐる情勢はきわめて厳しくなってきたわけでございますが、戦後人工造林を営々としてやってまいりまして、現在一千万ヘクタールに及ぶ人工林ができたわけでございますが、その約半数が現在間伐等をしなきゃならぬ山でございますが、なかなかこれが進め得ないということが今後将来に向けましての、
森林の公益的な機能はもちろんでありますが、林業生産の基礎になる健全な
森林をつくるために非常に問題がございます。
そこで、私
どももやはり適正管理と申しますと、基本的にはやはり現在間伐並びに保育を適正にいたしまして、成長に従って
森林の密度がちょうど陽光の入るぐらいの程度の明るさになるように、逐次手入れをすることによりまして
森林が健全な
状況になるわけでございますので、私
どもは現在の適正管理ということで考えてまいりますものは、そういうふうな状態に持っていくということでございます。
そこで、今
国会で御
審議をいただくことになっております
森林法と分
収造林特別措置法の一部改正の
法律案と申しますのは、これは間伐等を行い、
森林を適正に維持するために、
森林法の中に、市町村に
森林整備
計画をつくっていただきまして、それに基づいて、まず、
森林所有者が間伐等をするようにこれは指定するわけでございますが、できない場合にはさらに、今度は造林公社、市町村等にその
森林を委託するというような方法を考え、さらにできない場合には、今度はその費用負担者等をあっせんをして、分収育林という形で契約をして、
森林の管理を適正化しながら伐期まで持っていこうということでございます。特に、最近の緑資源に対する要請というのは国民的な要請になってきておりますし、従来の山づくりと申しますと、これはどちらかと申しますと山村に住む方々だけでこれはつくられておるわけでございますが、これからの
森林造成と申しますと、やはり国民が一緒になりまして
協力し合ってやっていくということがきわめて重要でございますので、私
どもはそういう基本的な
考え方に立ちまして、まずこの
森林の適正管理をしてまいりたいと、かように考えておるところであります。
そこで、具体的なこの事業といたしましては、まずは適正な管理を行う必要性とか、あるいは緑資源の確保の重要性ということを
一般の国民の方々に御
理解をいただくということがございますし、それからさらに、
一般の方々から積極的にこの
森林整備に御
協力いただくための資金を
導入するための啓蒙活動、あるいは
森林基金を設置をすることにつきまして御
理解をいただくというような方法、それからさらには、
森林管理を適正に持っていくためには市町村が今後は中心になってやっていただくわけでございますが、市町村におきまして
森林所有者にそういう御
理解をいただくと同時に、今度は具体的に、この
森林整備
計画の一番のポイントになりますのはやはり林道網をさらに進めまして間伐が出しやすい方向を強めていかなきゃならぬと、そういう
意味での作業道、林道等の整備、それからそれに関連する必要な施設の整備ということを、これは私
どもこの適正管
理事業の中身として考えておるところでございます。
なお次に、第二点としての御
指摘でございますが、まあ
都市の方々から
森林整備に必要な資金を
導入するどういう方途があるかということでございますが、先ほど触れましたこの
森林法及び分
収造林特別措置法の一部改正の中身におきまして、そういう資金を
一般の方々から募集をいたしまして
森林管理をするわけでございますが、その場合にはやはり育林分収というふうな
考え方で、伐採時期におきまして収益を分取するという
考え方が第一点であります。それから第二点は、最近各
地域の重要水源地帯で、
森林基金とかあるいはその他の方法で下流の受益される方々が奥地の
森林造成に資金を提供しているというふうな形が全国各地で大分出てまいっております。したがいまして、そういう利水の受益の
関係の方々から資金を出していただきまして、まあ分収育林形式あるいは分収造林形式、さらには費用を助成するという方式で、たとえば福岡県の水源
地域の
森林造成基金でございますが、ああいう形で出していただくというような方法によりまして適正に
森林管理が進め得るようなことを考えていこうと思っております。
それからもう一点、私
どもこういう事業を進めていくに当たりまして、現在各県にございます林業公社とかあるいは造林公社等は、非常に奥地の
森林造成に大きな役割りを果たしているわけでございますので、私
ども、今後は
森林整備法人としてこれらのものを制度的に改正しながら、林業の担い手としてこれからも進めてまいりたいと、かように考えておるところでございますが、以上の
考え方に立ちましてこれから
森林の適正管理にさらに一層努力してまいりたいと考えておるところでございます。