○
政府委員(
魚津茂晴君) まず、この
簡易生命保険の最高制限額現行一千万円を、昨年の暮れ、これも先ほどの
運用範囲の
拡大と一緒に、いま
一つの大きな柱として一千八百万円に引き上げるべきであるという主張をしたところでございます。なぜ去年実らなかったかということを反省を加えながら
考えてみますと、何といっても昨年は
臨調が大詰めの
審議をやっていた。
臨調がどのような
答申を出すか待とうじゃないかというような空気が非常に強かったという点が決定的な大きな理由であったと思います。
それからさらに、
臨調の
答申よりも
臨調の
哲学の中に
民業補完論があるということはしばしば申し上げているわけでございますが、よしんばこの一千八百万というものが必要であるにしても、それから
生命保険のいろいろの調査によりますと、四千万円ぜひとも必要であるという調査結果も出ております、その額が必要であるにしても、一定の額以上はむしろこれは
生命保険と言いましても、
民間生命に頼ったらいいじゃないかというような、
民業補完論というような
考え方もあるにはあるわけでございます。
それからいま
一つは、今度の
臨調の
答申の中にそういう文言もあるわけでございますが、
保険料の負担能力がどうかというような点も議論として出たところでございます。一千万円でもかなり
保険の種類によりますと月々相当払うということが所得の伸びが余りないという中で期待できるのだろうかというような問題も出たことは事実でございます。
しかしながら、私
どもは、一方
郵政省が伝統的に主張しておりますのは、
保険金というのは単なる見舞い金ではないのだと、見舞い金じゃなくてやはり亡くなった場合の遺族の生活を保障するためのものであるということであるとすれば、そこにこの額が
条件の変動によって変われば当然それによって引き上げるべきだという主張を続けまして、特に一千八百万円という金額は、五十二年の九月の一千万円と
考え方としては全く一緒なのだと。生活費とか、医療費とか、葬祭費というものによって一千八百万円というものを
改正方要求しているわけでございますが、
考え方としては全然五十二年と変わってないのだというような主張を、向こうが、先ほど御
説明したような理由を挙げて言ってきてもなお最後までがんばったところでございますが、最終的にはこれは
大臣折衝によって決まったところでございますが、今後は引き続いてこの問題については
折衝を続けるというような大蔵との間の合意を見まして今日に至っているわけでございます。
したがいまして、私
どもの主張してきていた従来の
立場、それから今日
大臣折衝で引き続いてこの問題については
折衝するというような合意があったということを踏まえまして、来年度はぜひとも最高制限額の引き上げということに最大限
努力をいたしたいというふうに思っているところでございます。
それから、
年金の問題は、端的に言いまして、私
どもの
立場からまだ現行の七十二万円を幾ら幾らに引き上げるべきだという要求はしていないところでございます。いきさつとしまして、七十二万円の前に
郵政省の
立場に立てばという額があったことは承知はしているところでございますが、何分期間がそうたっていないというようなことを判断いたしまして、出していないところでございます。しかしながら、これもやはり
年金が
年金の機能を果たすために額というのはあるわけでございまして、その額が
年金としての
意味のない額にならないように、絶えず周囲の変化に目を向けてチェックしながら、必要に応じて
改正要求を出してまいりたい、こういうふうに思っているところでございます。