○上條勝久君 私は、
自治省所管の全体についてお尋ねをいたしたいと思いますが、きょうのこの予算の委嘱審査ということにはあるいはなじまないかもしれませんけれども、それぞれ私自身非常に大事であるという
考えのもとにお尋ねをしてまいりたいと思います。一問一答方式を避けまして全部一遍に聞いてしまいますから、お答えの方もそれぞれひとつまとめて
大臣なり
政府委員からお答えをいただきたい、そう思います。時間がありませんので、簡明にまずお願いをしておきたいと思います。
第一点は、基地交付金の問題でありますが、実は私は以前の
予算委員会でもこの問題の持つ非常な重要性を痛感いたしまして、当時のたしか大蔵
大臣、
自治大臣、防衛庁長官、それぞれ私の
考え方に対して御賛意をちょうだいしておる、こう思うわけでございます。
〔
委員長退席、
理事亀長友義君着席〕
というのは、やはり
日本の国を守っていくということは、これはやはり全国民の私は義務である、その守り方に問題はあろうかと思いますけれども、それは義務である。その中で基地と言われるものがかなりありますけれども、いずれも非常に大事に施設を持った基地である。しかもその基地の所在する市町村、当該市町村におきましては、これまた
精神的あるいは
経済的に直接間接にかなりの負担を強いられておることも事実であろう、こう思うわけでございます。
仮にこれらの基地を他に移転しなければならぬというようなことになりますると、私は
日本の国は狭いと皆さんおっしゃいますけれども、決して狭くないという
考えを持っておる一人でありまするが、どこの市町村なり
地域でも、どうかひとつおいでくださいというところは
一つもないだろう、そういうことを
考えてみますると、その基地の当該市町村の状況等を勘案されて交付される防衛庁の交付金なり、あるいはまた
自治省で御所管になっておるこの交付金というものは、その
意味が非常に高いものがある、しかもまたこの予算は非常に使い価値のある金である、かように思っておるわけであります。この点を
予算委員会でもただし
たのでございます。
そこで、この基地交付金というのは、私の概念では基地に所在する固定資産に対比して百分の七十五が配分される、それからあとの二十五は、これは基地の性格なりあるいは市町村の
財政事情等を勘案して配分されるという仕組みに相なっておると思うのでありますが、これがゼロシーリングの中において、五十六年度にこの五十七年度を比較してみますると、私の記憶では四%ぐらい基地の固定資産
関係が伸びている。というのはいわゆる防衛予算が増額をしておる、にもかかわらずこの基地交付金を含んだ
自治省の予算はゼロシーリングに抑え込まれてしまっておる、そういう結果であろうと、こう思うわけでございます。
そこで、これがまたことしあるいは来年に一体どうなってくるかということになりますと、現在の状況でいけば、防衛費は御承知のとおり伸びているわけでありますから、恐らくやはり五十六年度、五十七年度対比以上の比率でふえてくるんじゃないか。そうなった場合に、今後これは
自治省のやりくりでいろいろ配慮をされて、当該市町村にしわ寄せにならぬような配慮はあるものとは私は思いますけれども、それはつまびらかに承知いたしておりません。しかし、そういう措置が講ぜられることな、特に専門家であり、また
期待の中に就任された
山本自治大臣でありますから、大変私は大きな
期待を寄せているところであります。
ただ、きょうは大蔵省来ておりませんが、いまの大蔵
大臣が
予算委員会でこのことについて了承しておるわけでありますから、その竹下大蔵
大臣のもとでこれがやはりゼロシーリングの中に抑え込まれるということは、私はどうも大蔵
大臣はこの予算の特質というものを理解しておらぬなと、こういう
感じを強く持っておる次第でありまして、どうかひとつこの交付金についてはそういう点等を配慮の上ぜひひとつ、予算はこれは力の分捕りですから、理屈はどっちにもあるわけでありまして、私は中川科学技術庁長官壮健なりしころ、あなたはなかなか元気がいいのだから、渡辺みっちゃんの横びんたを張り回してでも予算を分捕ってきなさいよということを言ったことがあります。そういうものなんです、これは予算は。だから、ぜひひとつ
自治省では、この点については腰を強くお取り組みをいただきまして、向後にいま私が申し上げたような現象があらわれることのないように、また私も
機会を得て大蔵
大臣にもひとつお尋ねをし、お願いをいたしたい、こう思いますので、お願いをしておきたいと、こう思います。そのことについてどうお
考えになっておるか、これが第一点であります。
〔
理事亀長友義君退席、
委員長着席〕
それから、
地方の
財政が非常に厳しい。先ほども
志苫委員の御発言の中にもありましたが、私は国の公共事業等を含めまして
地方の公共事業に該当するような都道府県、市町村を含んだ
単独事業、これもかなりな予算になるわけでございまするので、特にこういう緊縮の場合にはこの予算の使い方、すなわち工事を行うならばその施工法を
合理化する、
合理化するということはよりいい仕事をより安くやる、こういう創意工夫というか研究
努力を御指導いただく必要があるんじゃないかなと、こう
考えておる次第であります。これは私の希望でありまして、そういうお
気持ちで御指導いただく必要があってもしかるべきじゃないかと、こういうことでございます。それが二点であります。
あと消防庁
関係で、長官見えておるが、どうも最近のホテル等の火災の状態を見ておりますと「適」マークをいただいておるホテルが必ずしも完全ではない。また「適」マークがなくても、その管理の状況によりましてはそういう事故が発生していないという事実もこれは事実であります。
そこで、私は
自分の郷里のことを言って恐縮でありますけれども、宮崎に比較的有名な、これは皆さんもぜひ一遍お泊まりをいただきたいと思うわけでありますが、海岸に「フェニックス」というホテルがあります。そこの社長は佐藤棟良といいまして、東大を出て商売をやっておるわけでありますが、実は守衛の部屋からあるいは便所の隅々まで社長みずからが、これは大阪でも旭洋製紙とかいろいろな総合的な企業をやっておる社長なんですよ。それがやっぱりみずから
自分のお客様を泊める大事な施設である、また一方においてはホテルも繁盛しなければ大変だと、こんなことで見回りまして、そして社長みずからがその管理に怠りない。もとより月に一遍か二月に一遍ぐらいであります。
しかし、私はこの前から施設を整備すること、これも大事です。また消防管理者等の教育も必要です。しかし、より一番大事なことは、一番トップにおる企業の長がやはりそういったような心構えを持っていただくような指導を、できれば義務づけると一番いいのだが、そこまであるいはいかないかもしれないから、そうすれば指導でやっていただいて、そしてここは、私の申し上げた「フェニックス」は「適」マークはないんです、これは御承知のとおり。そういうことでありまするので、ぜひひとつやっぱり企業の総元締めの教育、そうしますと、やっぱり社長が陣頭に立ってそういう細かいことまで配慮いたしますると部下がこれを見ております。見ておる部下には非常に大きな励みになる。でありまするから、私は単にその担当者だけの教育をする、あるいは施設を整備するだけでは十分じゃないのじゃないか。そういう点について、ひとつ
消防庁長官ぜひ前向きに
検討をして取り組んでもらいたい、こう思います。
それから、最後に
警察庁、先ほど
志苫委員の発言もありましたが、
日本の警察というのは、先ほども
大臣から御発言のとおり、やはりこれは世界に冠たる警察である、こういうふうに私自身も非常に誇りに思っております。そしてまた多い数の中でありますから不心得な者がたまに出てくること、これもまたみんな神様でないのですから、しかしそういう言い方をいたしますると、これは非常に危険も伴いまするので、これは適当でないと思いますが、要するに今度の事件の状況を見ておりまして
感じますことは、単に不心得な一人、二人じゃなくて、どうも何か
一つの固まったグループがというような
感じを受けるわけでありまして、まことに残念であります。
しかし、先ほどはっきり
大臣もおっしゃいましたが、私は、
所信表明の中で綱紀の粛正をやるという
お話がありましたので、この中に今後これらの問題については遺憾であるし、そういうことのないように万全の措置をして綱紀の粛正をやっていきたいと受け取っておったのでございます。ございますが、またこの経緯なりあるいは処分等につきましては、先般警務局長から細かい報告をいただきました。警察の中に起きた事件でありますけれども、厳正に対処されたと、私はそれは
それなりに
評価をいたしております。
ただ、これから再びこういう問題が起こらぬようにという
大臣の
お話もございましたが、そのとおりで、それはもう心から
期待いたしますけれども、この前の具体的な警務局長の対策を伺いましたけれども、私は余り詳しくはありませんけれども、ささやかな教育に対する私の経験からいたしましても、先ほどのホテルのことではありませんけれども、警察官で一番大事な時期というのは巡査部長試験に合格するときじゃないかなという気がいたします。
事件をずっと見ましても、一巡査その他いろいろありますが、主としてやっぱりその辺のクラスが多いのじゃないか、今度の事件でもそういうことが言えるのじゃないかと、そう思うわけでありまして、この巡査部長試験というのはやはり警察官上進の
一つの大事なはしご段じゃないか。したがいまして、この巡査部長試験の際に警察大学へでも何でも一週間でも十日でも缶詰にしていただいて、学問も大事でありますし、いろいろ制度上の問題も大事でありますが、今度のようなことが再び発生しないような思想教育といいますか、そういうことを徹底的にひとつやっていただいてはどうかなと、これは私の提案であります。そして、できれば御多用の際でありまするが、
大臣にもおいでをいただいて
大臣みずからもひとつ十分
お話しをいただく、そういうふうなことも
一つの
考え方じゃないかと思いますので、ひとつお聞き取りの上、
考え方を承れば幸いである。
以上申し上げましたが、時間が十五分しかありませんから、どうかひとつ十五分以内に、早い方が結構ですが、簡明にお一人ずつお答えをいただきたいと思います。