○
吉田正雄君 いまの
大臣の
答弁ですと、ちょっと納得しかねるんですね。と申しますのは、いまの
答弁の中では、
型式認証手続に関して、これはもうどこの
法律についても、たとえば
農水関係についても同じなんだから、そういうところだけ取り出して、一本の
法律にまとめてもおかしくないんじゃないかと、これ都合のいい私は解釈だと思うんです。なぜかというならば、これは何も
認証手続だけでなくて、共通する
事項を全部選び出していくということになれば、これは何もこの
事項だけにはかかわらずに、いろんな
問題点について類似したものを全部集めて考えるなんということになったら、そういう面から
法律を変えていくということになりますと、現在の
法体系全体について、今後の
審議のあり方というものは全部そういう方向でもってやられるということに私はなってくると思いますし、それから、単なる
型式承認の
手続に関する問題だとおっしゃいますけれ
ども、これは
農水なら
農水で、
農業関係なら
農業関係、あるいは
薬品関係なら
薬品関係、そういう全体の問題というものを討議をする中でバランスのとれたものであるのかどうかという、そういうことを考えなきゃいけないと思うんですね。
たとえば、Aという
人間、Bという
人間の目だけ取り出して集めてみたって、その目なり
心臓なりというのはその人の体に合っている
心臓なんで
して、この
心臓を他人に移植をした場合には
拒否反応が起きてくるということも御
承知なんでして、そういう点で
心臓だけ集めて、
心臓だけ研究すればいいということにはならないわけなんですね。したがって、それぞれの
認証手続であっても、そのそれぞれの
法律内における位置づけとか
関連性というものがあるわけなんです。それを、そこだけ変えればいいんだ、だから一本にまとめたんだということだけではどうも納得できないということと、仮にそれを前提としたといたしましても、そうであれば、それなりのまた
質疑というものを十分行う必要があると思うんですね。ところが、非常に差し迫っておるということでありますし、私、もっと率直に申し上げますならば、これだけの、私
どもの一応
理事会で約束をした時間ではきわめて不十分だと思ってるんですよ。しかし、残念ながら、何しろ
与党絶対多数でありますので、そういう中でもってぽんとこういうふうに決められた。しかし、
審議時間が十分かと言えば、私はこの
法案に限らず前の新
特安法等についても聞きたださなければならない点というのはまだまだ多く残っておるんです。そういう点で、私はこういう
状況が続いていくというのは、まさに
議会制民主主義というものが
形骸化をしてくる、まさに
国会の
審議権というものが
形骸化をされる
危険性というものが私は強まっていくんではないかということを恐れるんです。
そういう点で、いまの
大臣答弁については、その限りにおいてはいささか納得しかねるということでありまして、そうであるならば
審議時間は十分保証されるのかというと、これはまた時間が詰まっております、後が決まっておりますということで、なかなか
審議時間も十分にとれないということであります。そういう点では力不足ですから、いたし方がないと言えばそれまでなんですけれ
ども、しかし
政府の立場としてこういうやり方がいいのかどうかということは、私はここでもう一回真剣に考えていただきたいと思うんです。
そして、これは私は何も野党だけでなくて、多数を握っている
与党・自民党にとってもこういうことが今後どんどんどんどん行われるということになりますと、これはまさに
与党も含めて議会
制度のあり方についての疑問というものが生じてくるんではないか。そんなに大きな
法案でないから言うほど大騒ぎする問題じゃないというふうに
大臣はお考えになるかもわかりませんけれ
ども、私は最近の
国会審議の
状況というものを見ておりまして、非常にそういう傾向が強まっているという
感じを強く持っておるものですから、あえてここで申し上げたいというふうに思います。
それからもう
一つ、
予算審議等の関係もあったので、
予算が成立した後、それではゆっくりやってもらいましょうかということになれば、ゆっくりでも何でもないんですね。もう
会期末ぎりぎりのところへ来て
国会審議が行われておるということであります。そういう点で、なぜ急がれるのか。いやそんなに急いでないんだということになれば、まだ
会期末は五月の二十六日でありますので、もう一、二回
委員会を持って、さらに十分時間をかけてやればいいじゃないかと思うんですけれ
ども、そうはならないということでありますので、どうもその辺はつじつまが合わないんじゃないかというふうに思います。
そこで、これだけ急いだ
背景として、
中曽根総理のサミットに対する
一つの——これはみやげ物になるほどの私は中身じゃないと思っているんですけれ
ども、そういうこともうわさをされているわけですね。ここで
大臣、そうだとはなかなか
答弁はできないと思いますけれ
ども、まあしかし、そういう
背景としてあるんじゃないかということは、これは否定できないんじゃないかというふうに私は思います。サミットとの関係は全然ございませんか、これ。