○
吉田正雄君 先般来、
石油備蓄問題についていろいろ
質疑をやってまいりました。この問題も、できたらきょうで
通産当局の見解を伺って一応終わりたいと思っておりますが、また残るようなことがあれば、これは別の機会でお伺いいたしたいと思っております。
そこで、
大臣、いままで何回か私の質問をお聞きになっていただいて、私の言い分についてはそれなりに御
理解もいただいたと思うんです。私は、
経済安保とか、
エネルギー安保という
観点で、
国民生活に必要な
エネルギーというものを確保していくということは、
行政上、
政治上、これは重大なことであると思いますし、その
必要性は認めますけれども、ただ、そこに
エネルギー浪費構造を逆につくり上げていくということになっては非常にまずいと思うんです。たとえば、今度法案がかかっております
特定不況産業の
構造改善等につきましても、長期的な
展望がないままに
生産設備を拡大をして、そして
過剰生産に陥って、逆にまたその
設備を廃棄しなければならないということですから、
資源のない
わが国、
エネルギーの少ない
わが国にとっては非常にむだだということになるわけですね。
そういう点で、私は長期的な見通しというものについては、現状の
分析というものをきちっとやる必要があると思いますし、それから、
数字的に明らかになる問題は、これはやはり科学的、客観的にきちっと
分析上から
数字というものをはじき出していく必要があると思うんです。そういう客観的な
情勢分析に立って、仮に、答えが
二つといいますか、どういう
政策選択をするかというときには、
政治的判断とか、
政策的判断ということで、これは
事務当局が積み上げてきた、そういう
客観資料に基づいて、
最高責任者である
大臣が
判断をしていただく、これが私は正しい
政治的な
判断じゃないかというふうに思っておるんです。それだけに私は、
事務当局の、
大臣の
判断を仰ぐ場合の
資料等については、正確なものでなければいけないし、的確なものでなきゃいけないと思うんですね。もし、そこに誤りがあるといたしますと、
政策判断を誤るということになろうかと思うんです。
そこで、ずいぶん
石油問題でも、私時間をかけてやってまいりましたけれども、いままでの答弁の中では、将来の
展望について
情勢が流動的であるとか、あるいは
財政面で不明確な点があるとか、あるいは大蔵省との
交渉状況によるというふうな
説明で、空白な部分というものがあるわけです。しかし、最終的な
計画に基づく
数字というの
ははっきりいたしているわけですね。したがって、途中経過についてどうなのか、あるいは
国備予算関係の
展望というものはどうなるのか、こういうものがないと、
計画だけあるけれども、やってみたら大変な
赤字財政になるということでは困ると思うんです。いままでの
論議を通じて、しかも
通産省当局からいただいた
資料をもとにしても、この
国家備蓄基地計画の将来
展望というものを見ますと、財政的に非常に
困難性が予想されます。
御
理解をいただくために、きょう
大臣のお手元にも行ったかと思いますけれども、各
委員の
皆様方にも
資料を配付をして、余り
数字を口で言ってもなかなかはっきりいたしませんので、そういうことで、今後の
国備関係費用というものが一体どういうふうにふくらんでいくのかということを
一覧表にしたのが一枚と、その内容について注釈をつけた
補注という、二枚を出しましたので、それをごらんになりながら、
大臣からも十分ひとつ御
検討をいただきたいと思っております。
そこで、表の
説明を若干いたしますけれども、いまの
通産省の
備蓄計画というものを見たとき、三千万キロリットルということになっておるわけです。三千万キロリットルの
備蓄の際、
民間が仮に
参加をしたという場合には、二割が上限ということになっておりますけれども、その場合には
タンク容量が四千四百万キロリットルになるわけです。
それから
民間が
参加をしないという場合、三千万キロリットルというものを
備蓄をするということになりますと、
タンク容量というものは三千五百二十万キロリットルになります。
それから仮に
民間タンク等でまだ
余裕のあるところがたくさんあるわけですね。この前の
数字でも概算では二千万キロリットルくらいあるのじゃないかということだったんですが、その後
審議の中や、
民間タンクの
状況等を
資料によって調べますと、少なくとも千六百万キロリットルくらいは
余裕量というものを持っております。その場合どういう
状況になるのかということです。
三千万キロリットルで
民間が
不参加の場合でも、
II―(i)、
II―(
ii)、
II―(i
ii)、
II―(
iv)というふうに
民間が全然ないという場合が一番左の
II―(i)になるわけですね。それから
II―(
ii)というのが少しある場合、三番目がもっとある場合ですね。四番目というのができるだけ
民間というもの――これは
民間不参加ですね。
それから、三番目の方です。三番目の方が二千万キロリットルで
民間が
不参加の場合、いろいろ例があります。たとえば
むつ小川原、それから
苫小牧東と、
福井の
一期分、
秋田の
一期分、この
福井の
一期分がことし三月、から
建設に入っているわけですね。それから
秋田の
一期分というものが四月から
建設に
着工するというふうになっておるわけですが、その場合大きな
マルというのは、そこに可能な限り入れていくということになるわけです。小さな
マルというのは、全部でなくてもある程度入れていくというふうな
状況ですね。幾つかの
ケースに分けてあるわけです。大きなI
IIというのは一番右になりますが、二千万キロリットルで
民間が
不参加という場合の
タンク容量、これはいまの三千万キロリットルでは過大だという想定のもとで二千万キロリットルでもいいんじゃないかと、これは
IEA等の、この前から
論議をやっております
備蓄量そのものの
適正量というものは何かということを考えた
場場には二千万キロリットルでも十分ではないかという
観点から二千万キロリットルで、これは
民間不参加という場合を考えておるわけです。
そこで、
左側のうち
国備基地でA1、A2、A3、A4ということで、ずっと各
基地の名前が書いてありますけれども、いま申し上げましたように、A1というのはすでに
基地建設が行われ、
着工したところなんですね。
それからA2というのはいまも申し上げましたように、三月
着工、
秋田が四月
着工予定というところです。
それからA3というのは
福井、
秋田の二期分と白島、上五島ですが、これは
立地は
決定いたしておりますけれども、未
着工というところです。
それからA4というのは、候補に挙がっておりますけれども、まだ
立地は
決定を見ていないというところ、
志布志、
馬毛島、
久慈などです。それから、その表の中で
マルの次に括弧がしてありますのは、これは
タンクの
容量です。先ほど申し上げましたように、大きな
マルというのは十分にその
タンクを活用するということと、小さな
マルというのは全部でなくて利用できるとき、一部利用するということであるわけです。それからその詳しいことは、A1からA4の違いというのは、
補注のもう一枚の紙の方に、そこにずっと書いてありますからこれを見ていただきたいと思います。
それからもうちょっと具体的に申し上げますと、いま
通産省が進めようとしている
民間借り上げのない、一番左の方に
民間借り上げのないI―(i)、それからI―(
ii)ないし両者の
中間ケース、これは
民間参加を零から二〇%という場合の
説明と、それから
真ん中の三千万キロリットルで
民間が
不参加の場合の
II―(i)というもの、そういうものに沿ってもうちょっと詳しく
説明を申し上げますと、まずここで申し上げたいと思っておりますのは、将来の
建設費とか
油代借り入れの利息なり、それから
建設総額がどのようにふくらんでいくのか、その
返済がどういうふうになっていくのかということを
説明をいたしたいというふうに思っておるわけです。一番左の欄のところに、一番上が
タンク容量になっておりますが、その下に
借り入れ等と、こういうふうになっておりますので、その
借り入れ等について
説明を申し上げます。
まずイ、このイとそれからニ、
つまり建設費借り入れの
累計と、
油代の
借り入れ累計がどうなるかということですけれども、そこに
米印が書いてあります。たとえばニの
油代借り入れ累計というところが、一番左のところを見ますというと一兆五千億円、こうなっているわけですね。これは
借り入れですから、これはずっと右までずっと一兆五千億円になっているわけですが、これは
通産省からいただいた
資料でそうなっておるわけですね。
それから
イ建設費借り入れについても、この
数字八千八百というのと、それから三千万キロリットルのところの
II―(i)ですね。そこのところでは一兆一千億円ということになっておるわけです。
それから二番目のロのところです。ロというのは、
備蓄会社から
公団への六十三年度までの
元金返済額です。これが千二百五十億円です。これはたとえば一番上の方にあります
むつ小川原というところがありますが、
むつ小川原では五十八年度にオイルインしているわけですね。そうすると六十三年度までに約五年半、
タンク利用料のうち
減価償却費を、これが千九百円、一キロリットル当たりということになっているわけですけれども、これを
備蓄会社から
公団への
建設元金返済に充てるということになっているわけです。
それからA1からA3の既存六プロジェクト全体で、六十三年度末までに約六千六百万キロリットルの
返済が出てくるわけですね、
計画に従ってやっていきますと。そういたしますと、
減価償却分、
つまり備蓄会社から
公団への借入金の
返済額というのは、一キロリットル千九百円ですから、それに六千六百万キロリットルというものを掛けますと、千二百五十億円というロの
数字というものが出てまいるわけです。
それからハの
建設費借り入れ残高、
つまりイの
借り入れ累計から
備蓄会社が
公団へ
返済した分を引いた分ということになるわけですが、これは一兆五千億円から千二百五十億円を引けばよろしいわけですね。そうするとその
数字が出てまいるわけです。一番左のところでは一兆五千億円から千二百五十億円引きますから、
残高というのが一兆三千七百五十億円、それから
真ん中の三千万キロリットルの
民間不参加の
II―(i)というところを見ますと、これは
建設費借り入れが一兆一千億円、これは
通産資料から出ておりますから、そこから
返済金の千二百五十億円引きますというと、九千
七百五十億円という
数字が出てくるわけです。
それから
油代の
借り入れは先ほど申し上げたとおりです。一兆五千億円になるわけです。
それからホ、六十三年度末の
油代借り入れの
残高がどうなるかということですけれども、これは
通産省も認めておりますように、
油代借り入れの
利子補給だけは千三百億円というものをこれは
通産省も認めているわけですね。そうすると六十三年度までの
利子補給はあっても
元金の
返済がないわけですね。いままでも返されていないわけですから、そういう点で
元金の
返済がないということで見ていきますというと、そこに
残高というものがそのままずっと、
借り入れ累計がそのまま
残高として残っていくということになるわけです。
その次、六十四年度
国備関係費というのがございますけれども、その六十四年度
予算ですね、そのうち③の
公団備蓄増強対策補給金、これは
油代の
借り入れの利息です。これはいま申し上げましたように千三百億円。これは大体
予算に乗っかっておるわけですが、これはずっと続いていくものというふうに思われるわけです。
それから、④は
公団備蓄事業費等交付金、主として
備蓄経費ということで、これも千五百億円というものが
通産資料で示されております。
そういたしますと、①と②ですね、これは
建設費元金の
返済、それから
建設費借り入れの
利子ということになるわけですけれども、この
①プラス②の金額の
合計ですね、これをいま三千万キロリットルの
II―(i)というところを見ていただきますというと、一番上の三千万キロリットルの
民間不参加というところがありますが、そこは
四つに分かれておりますけれども、そのうちの一番左の
II―(i)というところですね、そこを見ていただきますと、ずっと下へ参りますと、千十五から千百六十という
数字がございますけれども、これはいま申し上げました
建設費元金の
返済と、その
借入利子の
合計です。これを、そこに二十年
返済、十五年
返済というふうに書いてありますが、いま
減価償却が十五年ということですから、十五年の
計算でやれば千百六十億円返さなければいけない。それから、二十年という場合には千十五億円。これは
元利均等という
計算で出したものです。
元金だけ均等にいたしますというと、当初の
返済額が非常に大きくなってくるわけですね、後に行ってだんだん小さくなりますけれども。この場合には一応十五年、二十年の
元利均等返済の
数字がそこに掲げましたように、二十年の場合には千十五億円、十五年の場合には千百六十億円ということになるわけです。
そういたしますと、これらの①、②、③、④というところをずっと
合計といいますか、それを見ますというと、必要となる
国備関係費というのが、いま国が進められておるのは三千万キロリットルで
民間不参加というふうにおっしゃってますから、主としていま申し上げましたこの
真ん中の三千万キロリットル
民間不参加の
II―(i)に沿っていまずっと
説明をいたしますというと、その
国備関係費が二十年
返済を考えた場合には三千八百十五億円、十五年
返済を考えた場合には三千九百六十億円というものが必要になってくるわけです。
そこで、今度はその下の段へ移りまして、一番
左側にa、b、c、dというふうに書いてありますが、aというところは五十八年度から六十三年度の
国備関係費の
不足累計額がしたがってどうなるかということを
計算をいたしたわけです。そうすると、
国備関係費というのは五十八年度
予算では千六百五十億円なんですね。そこで、どんどんどんどんふえていくわけですね。それで、六十四年度にはどうなるかというと、三千八百十五億円から三千九百六十億円と、毎年
一定額ずつふくらんでいくというふうに考えた場合、
石油の
税率三・五%のままで充当可能な
国備関係費がどれくらいになるかというと、千五百億円なんですね。そういたしますと、いま言った
国備関係費が三千八百十五億円から三千九百六十億円ということになってまいりますから、その千五百億円との差額というものがそこへ出てくるわけですね。したがって、そこのaの
数字の六千三百億円から六千七百億円というのは、五十八年度から六十三年度までの
累計額です。
つまり、これだけ
赤字になるということですね。
三角印で六千三百億から六千七百億円というふうに書いてあるわけですが、これが
国備関係費が五十八年度から六十三年度の間に
不足する
累計額です。どうして出てきた
数字かはいま申し上げたとおりですね。
そこで、充当可能な千五百億円のこの
国備関係費というのは一体どこから出てきたかということになるわけですけれども、これは
石油勘定の原資として、
原重油関税、
剰余金等、これが五十八年度
予算では二百二十一億円です。それから
石油税の
繰り入れが四千二百九十億円のほぼ一〇〇%近い九九%が
繰り入れられておりまして、これが四千二百五十億円ということで、
石油勘定の
合計というのが四千四百七十一億円、うち、
国備関係費がその約三七%の千六百五十三億円ということになるわけですね。
ところが、御
承知のように
石油税が減少してまいるわけですね。この前も
原油等の値下がりによって、
石油税の場合には従価税なんですね、したがってこれが減ってくるということで、大体この前の場合には約六百億円くらい減ってくるだろうということでありますから、いまの四千二百九十億を三千六百五十九億として、さらにその
繰り入れを九九%でなくて一〇〇%としても、そのまま三千六百五十九億円です。したがって、これを全部
石油勘定に入れても、さっき言った
原重油関税、
剰余金、これが二百二十一億円ですが、それをそのまま入れますと
石油勘定全体で三千八百八十億円になります。したがって、そのうち
国備関係費を
現行と同じく三七%と見ますと千四百三十四億円になるんですね。まあしかし、これを多目に見ても千五百億円という
数字が出てくるわけです。したがって、いま言ったように五十八年度から六十三年度までの
累積不足額が六千三百億円から六千七百億円という
数字にふくらんでいくわけです。いまのは
不足累計額a。
その次のbというのは、その
不足額に、
通産の
質疑の中でのやりとりで、いままでの余った分の約五千億円を積んであるといいますか、手持ちがあると、こういうことですね。その五千億円というものを加えた分、
一般会計からの未繰
入分です、これが約五千億円くらいあるということですから、その
不足額に五千億円をつぎ込んだというものと、それから
備蓄会社から六十三年度までの
元金返済というものがあるわけですから、これらを全部加える、
つまり五千億円と
備蓄会社からの六十三年度までの
元金返済、これを全部入れても、いま言ったaの
不足額と比較をいたしますというと、二十年
返済でも五十億円の
赤字、それから十五年
返済の場合には四百五十億円の
赤字という
数字が出てくるわけですね。
それからcです。六十四年度以降約十五年間の毎年の
備蓄会社から、
公団への
建設元金の
返済がどうなるかということですけれども、これは、先ほど申し上げましたように、
タンク利用料、そこから
減価償却分で返していくわけですから、六十四年度以降三千五百二十万キロリットル、一番上に書いてあります
タンク容量三千五百二十万キロリットルですから、この三千五百二十万キロリットル分の
タンク利用料、その中の
減価償却分、一キロリットル千九百円というものの総計というのが六百六十九億円になるわけですね。
それからdというのが――これはいま言ったその上のc、
返済分が、
石油勘定の
国備関係費、先ほど申し上げました千五百億円からは独立した
財源になり得るから、したがってこの千五百億円にcを加えたものというものがdになるわけです。それからその額がその同じ欄のところに二千百六十九億円と、こういうことになるわけです。そしてそのdの下のeというのは、したがってdから
⑤――先ほどの、その上の欄に①②③④⑤と書いてありますが、その必要となる
国備関係費、⑤をdから引いたもの、これが幾らになるかということになるわけですね。そういたしますと、そのdから⑤を引きますというと千七百九十億円の
赤字、
つまり六十四年度以降毎年
国備関係費が千七
百九十億円も
不足をするということなんですね。
そこで今度はfということなんですけれども、fは御
承知のように
石油税の
税率を
現行三・五%ですが一体それを引き上げる必要があるのかないのかという
検討に入ってくるわけです。そういたしますと、各欄三千万キロリットル、
民間参加の場合が
二つの
ケース、それから
民間不参加の場合が
四つの
ケースというふうにずっと大きく三つに分けてあるわけですけれども、それぞれについていま言ったような
計算をいたしますというと、一番左から申してまいりますというと、三千万キロリットルの
備蓄で
民間が
参加をした場合、その場合には
タンク容量が四千四百万キロリットルですけれども、その場合も、A1、A2、A3、A4というそこのところだけという場合と、それからまだ
立地が
決定をしていないA4、
志布志、
馬毛島、
久慈などを除いて、そのかわりにBの
北海道共備あるいは
北海道共備以外の
民間タンクというものの五百万キロリットル、それから七百四十四、こういうものを利用した場合というふうにあるわけなんですが、そういうふうに見てまいりますと、一番左の欄から
民間不参加ということでまいりますというと、とにかく
不足財源が二千百億円も出てまいるわけですね。したがって、
現行の三・五%ではとうてい足りない。少なくとも
税率を五・七%くらいまでに上げないというと追いつかないということになってくるわけです。
それから、同じ三千万キロリットル
民間参加の場合でも、
北海道共備、これはほとんどいま、十五基のうち十二基が
民間のものが入っているわけですね。したがって、これは当然利用すべきだということになりますから、そういたしますというと、この場合は約千六百八十億円の
不足になるということですから、
税率を五・一%くらいに上げなければならなくなるだろうということです。
それから、
真ん中の三千万キロリットル
民間不参加の場合の一番左の欄の
II―(i)のところですね、これは先ほどずうっと
説明をしてきたんですが、この場合ですというと、千七百九十億円の
不足ですから、これは五・三%
税率を引き上げなきゃならない。
それからその次の(
ii)の欄は、
北海道共備とここのところ、これはまだ
立地が
決定してない
志布志だとかそういうものを除いて、
北海道共備の一部を利用する、三百六十四万キロリットル利用したという場合ですね、そのときが少し減ってまいって千六百二十億円
不足するということですから、この場合でも五・一%を上げなければいけない。
同じようですから、今度I
IIの、二千万キロリットルで、
民間がそれでは
不参加の場合どうなるかということですが、この場合、I
II―(i)、
民間の借り上げがないとした場合、その場合はA1の
むつ小川原と
苫小牧東は大部分利用する。
福井の
一期分と
秋田の
一期分も、これも最大限利用する。そして
福井、
秋田の二期分と白島、上五島の一部八百三十四万キロリットル、これを利用したという場合で
計算をいたしますというと、
赤字が四百六十億円に減ってまいります。そういたしますと、いまの
税率が三・五ですけれども、三・五四%、ちょっぴり上げる程度で済むということになります。
それから、I
II―(
ii)の場合ですね、この場合は三百十億円、少し少な目になっておりますけれども、これはもう、この程度の
数字はほとんど率から見ますと影響がないということが言えますから、この程度の
赤字ならばほぼ
税率というものは
現行で据え置いてやっていけるんじゃないかということです。
こういうことで、
大臣のところにもう一枚、
委員の皆さん方には二枚しか表が行ってないんですが、
大臣のところには、
通産からいただいたもう一枚の
資料が行っていると思うんです。「
国備関係費について」ということで、「空欄の部分は未定である」という表が一枚行っていると思うんですが、
大臣御存じでしょうか。――したがって、私が非常に――空欄の意味はわからぬわけじゃないんです、そこにるる釈明が書いてあります。釈明が書いてありますけれども、その上の欄の一番右の六十四年度というところには、もう、
公団備蓄増強対策補給金の千三百億、それから
公団備蓄事業等交付金が千五百億ということと、それから、上の方へ参りまして、
建設費借り入れの
累計が一兆一千億円、それから
油代の
借り入れ累計が一兆五千億円という
数字は、これはもうぴちっと決まっておるわけなんですね。決まっておりますし、
石油の消費量も大体横ばいでいくだろうし、
タンクの
容量はどうか。いずれにしても、三千万キロリットル
備蓄すれば、年度で若干
建設のおくれがあったとしても、必要な
返済金とか
利子補給金がどうなるかということは、おのずからここに埋められてこなきゃならないんですが、これは埋めてない。埋めてなくても結構なんですが、いずれにしても、いままでの
通産の
資料や答弁から
計算をしてまいりますと、いま言ったような、こういう
一覧表ができ上がってくるんです。少しぐらいそこで五十億や百億違っても、大きな
数字についてはほとんど変わりがないということなんです。そこで、この表全体を見ますと、この
数字は変わっても、ほとんど大差ない
数字にしかならないと思うんですね。
そこで、
通産省が進めようとしているのは、この中で一番左の三つの大きな枠の三千万キロリットル、
民間参加のI―(i)と、あるいは
民間不参加の
II―(i)と。だから、一番左の欄と、先ほど来
説明をしてきた
II―(i)ですね。あるいはその両者の折衷と。両者の折衷と言う場合には、
民間参加が大体二〇%を上限とするんでしょうけれども、そういう場合ですね。いずれにしても、
通産省がいま進めようとしておる方針でまいりますと、
石油税率というものを五・七%から、いま言った
IIの(i)の場合でも五・三%に引き上げなきゃならぬという結果が出てくるわけですね。そうなりますというと、これはもう財政破綻は避けられないんですよ。それから、
民間参加をなくして、必要な
タンク容量を少なくした方が、また
民間借り上げを進める方が財政負担が少なくなるというのが、この表からずっとわかってくるということです。
それから、三千万キロリットル国家
備蓄では、いずれの
ケースの場合でも、いま言ったように、
税率は引き上げなきゃならないんですが、もし
税率を引き上げないで国家
備蓄を進めていくということになれば、あの答申にも出ておりますように、当面はとにかく二千万キロリットルまではやると。それから長期的には、いろいろな
石油の需給
状況等、諸条件というものを勘案し、それらを照合しながら
検討を加えるということになっておりましてね、絶対三千万キロリットルやれという答申ではないんですよ。そういう点で、
石油の値段が非常に下落をしてきた、
石油の需給
状況というものが非常に緩んできておる。たとえば、七九年から八一年度までに、重油、ナフサ等の減少というものが、三千九百万キロリットルも減っているわけですね。このうち燃料転換分が二千二百万キロリットル、それから省エネ分が千万キロリットル、それから不況対策分というのはわずかでして、これはたった七百万キロリットルなんですね。これは、素材産業というものが、構造改善がどんどん進んでいるということですから、不況が克服されたら
石油の需要が大幅に増大するというのは、これは誤りです。燃料転換という場合には、一バレル十七ドルぐらいでないと、これは再転換というのはあり得ない。その辺が大体めどだと、こういうふうに言われておりますから、仮に
現行二十九ドルが二十五ドルに引き下げられても、燃料の再転換ということはあり得ないということがはっきりいたしておるわけですね。
したがって、大幅な
税率引き上げを避けるためには、少なくともいろんな組み合わせがありますけれども、私は、財政の負担あるいは財政再建という考え方からするならば、二千万キロリットルの国家
備蓄にこれは縮小していくということでないと、大変な結果になるんではないかというふうに思うわけです。
さらに、同じ二千万キロリットルの国家
備蓄であっても、
国備基地としては、現在
建設中のA1ですね、
むつ小川原、
苫小牧東、それからすでに
着工した
福井と
秋田のそれぞれの
一期分、これはもう仕方がないわけですね。しかし、あとの分については、これがなくてもやっていけるんですね。この前も申し上げましたように、三千万キロリットル認めても、
民間の借り上げが季節変動値の八百万キロリットルを考慮に入れても十分ある。
北海道共備と沖縄を入れますと千六百万キロリットルくらいの
備蓄余裕量というのがあるんです。
そういうことで私は、未
着工の部分と、それからまだ
立地を
決定してないA4ですね、
志布志だとか
馬毛島とか
久慈、こういうところの
建設というものは取りやめるべきだ。そしてあとは、
民間の借り上げを無理のない最大限に引き上げていく必要があるんではないか。そうでないというと、この
数字が示しておりますように、
税率の引き上げはもうやむを得ないというふうに思うんですね。
しかも、これは報道等ですから、これはきょう
大臣からもお考えを聞きたいと思っておるんですけれども、
石油税率の引き上げというものを、原子力を除くその他の石
油代替
エネルギーの経費というふうなことを言われておるんですけれども、実は石
油代替
エネルギーの経費というのは非常に少ないんですね、
大臣。何かもう石
油代替
エネルギーというと、原子力も何もみんなごっちゃになっていますけれども、原子力
予算は、いま言ったこの
石油勘定とは全然別なんですよ。
石油勘定の中に含まれております石
油代替
エネルギーの
予算というのは、
エネルギー対策
予算ですね、これは五十五年度が三百四十九億円ですが、決算は三百九億円。それから五十六年度の場合は五百五十六億円なんですが、決算は二百九十四億円。五十七年度は、今度五十六年度よりも減って五百三十七億円で、これはまだ決算出ておりません。五十八年度
予算が五百五十億円ということで、ほぼ石
油代替
エネルギー対策費の
予算というのは横ばいになって、決算はほぼ五十六年度あたりというのは半分くらいなものなんですね。これはそんなに大幅にふえる内容の費用じゃないんですね。
したがって、この石
油代替
エネルギー対策
予算がふくらむから
石油税率を上げなきゃならぬというのは、全然筋違いであり、見当外れなんです。そういたしますと、このまま国家
備蓄計画を進めるということになりますと、これはもう
税率の引き上げというのはどうしようもなくなってくるということで、現在の財政再建という
観点からすると、大変な問題が出てくるということがこれは表から言えることなんですね。
そこで私としては、いきなりこういう
数字を並べてやったものですから、なかなかいますぐ返答というのはできかねると思うんですけれども、少なくとも客観的に示されたこういう
数字、これは
通産資料を基本にしておりますから、あとは
計算は、もう金利が幾らとか、長期プライムレート八・四%あるいは八・三%という、そういう
計算でずっとやっていっているわけです。
そういうことで私としては、
大臣に大いにひとつ今後
検討をしていただきたいと思う点を申し上げますと、
石油情勢が変化をしているということはもう御
承知のとおり、
大臣専門家でおいでになりますから、一番よく御存じなんですが、それと財政事情ですね。私は、五十九年度以降も財政というのはますますどうも厳しくなるんじゃないかというのが、この間の
予算論議を通じて感じたことです。そういう点から、いま無理をして三千万キロリットルにしなければならぬという客観的な根拠、
エネルギー需給
状況に財政上ないということで、二千万キロリットルにまず減らすことが必要なんじゃないかと思いますし、それから国備
基地建設については、先ほど来るる申し上げておりますように、
むつ小川原と
苫小牧東部と、それから
着工に入った
福井の
一期分と
秋田一期分、ここのところで取りやめて、あとは
民間の
余裕タンクを借り上げると。これはもうこちらの方がずっと安くつくということも、この間の
論議で申し上げたとおりです。安く済むんですね、ということでやるべきではないかと。したがって、なおさらまだ
立地も
決定をしていないその他の地区については、これはもう抜本的に再
検討すべきじゃないかというのが私の見解であるわけです。
もう一気にいろいろずっとしゃべりましたから、
大臣もいきなり
数字を示されて、いま直ちにということはお答えはできないと思うんですが、少なくとも、しかし問題があるということについては御
理解をいただいたんじゃないかというふうに思っておりますので、いまお聞きの限りでのまた御見解等があれば、これは印象でもいいんですが、そういう点があればお聞かせを願いたいと思うんです。