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藤原房雄君
災害のときに対処するいろんな手だてにつきましては、それぞれ法文化されておるわけでありますが、森林
火災というのが主になっておりますけれ
ども、農業、漁業また
中小企業それぞれに大変な
被害を及ぼした、それは先ほど来同僚
委員からもいろいろお話ございましたが、是が非でも、経済力のないといいますか、三年連続冷害の中での、あの
久慈を
中心とします、
岩手県を
中心といたします
状況、その
地域によっては多分に差異があろうかと思いますが、農林水産業施設
災害復旧事業費国庫補助の暫定
措置に関する法律、これの三条の二なんかを見ましても、結局「当該三
年間の
災害により
被害を受けたこれらの施設の
災害復旧事業の事業費の総額につき、当該三
年間の
災害がその年の一月一日から十二月三十一日までの間に
発生したものとみなし、」という、三
年間災害のあったものについては、それはまた特別なことをしてみようじゃないかという、こういう法律もあるようですね。こういうこと等も考え合わせて、去年も
久慈では風水害の
被害もございましたし、これは
山林ということだけではございませんで、農業施設も
各地で
被害が相当あったわけでございますから、そういう点も十分に法の運用を弾力的に、そしてまたぜひ力強く復興のできるようなことでひとつ御努力もいただきたいと思うんであります。
あと、自作農維持
資金をどうするとか、また住宅
資金についてはどうするかということについては、先ほど来同僚
委員からいろいろお話がございました。いずれにしましても、住宅を建てるにいたしましても、仮設住宅についてもお話ございましたが、
現地に行ってみますと、私も
宮城沖地震のとき渦中にあった一人だったものですからよく存じておるんですが、これ六坪程度の建物で、しかし、
宮城県のときは家族構成がそんな大きくなかったものですからそれでもよかったのかもしれませんが、七坪程度ですね。しかし
久慈へ参りますと、家族構成が多いものですから、規格どおりの七坪、八坪の建物を建てても実際大変だという。規則は規則なんですけれ
ども、こういう現状を見た上で、またこれは今後の検討課題としていただく、また現実にお住まいになった
方々についてはそれなりにひとつ御考慮いただくようにしていただきたいと思います。また、建てた建物がいくらもしないうちに、またこのたび、しかも部落のだれかが失火したというんじゃなくて、もう何キロもかなたから火の粉が飛んできたということでございまして、一年も二年もたちもしないうちにという。そこへまた今度住宅金融公庫でもいろいろ御配慮いただいて、五・〇五で
融資しようということであります。三年据え置きということですから、それはそれなりの御努力いただいたわけでありますけれ
ども、いままで建てたやつの支払いもしなきゃならないところへまたということですから、三年の据え置きの間にどれだけの生活の基盤が確立できるかというこんな問題等も出てまいります。これは個人差もありますし、おしなべての話というわけにいかないかもしれませんが、
地域としましては非常に出稼ぎが多い。三年も冷害で、半農半漁。農業、漁業、またそれぞれの立場、
中小企業の
方々、
地域の問題等としましては、こういう現況にあるんだということの上に立って、先ほどは
大臣がおっしゃったように、焼け野原に立ったときのあの気持ちを忘れず、ひとつまた温かい気持ちで御配慮いただきたい、こう思います。
私は、これ先ほどいろいろお話ございましたが、
山火事というのは
年間平均しますと、さっきもちょっとお話あったようですが、ずいぶんあるんですね、この
白書なんかを見ますと。今回も二十二カ所一遍に火を吹いたということですが、四千件から八千件ぐらい。
平均しますと年に二十億ぐらいの
被害総額という、こういうことが
白書にも出ておるようですね。これだけの
被害を受けて、これだけの危険な
状態にありながら、今日まで何もしないとは言いませんけれ
ども、それなりの
対策をしながらもこれは去年と同じこと、一つも前向きといいますか、こういう事実に対して真剣な取り組みというのはなかったように思うんであります。実際今回は、空中消火ということに対しましても、
岩手県、
宮城県もそうでしたが、消火剤が不足しておった。非常に
強風の中ですから、なかなか散布するにも困難な面があったんだろうと思いますけれ
ども、
山火事に対する取り組みというのは、四十四年に
岩手県でやはり大きな山形村を
中心といたしましての大変な
災害があって、私も
現地へ行って、あのとき当
委員会におきまして、いわゆる空中からの
消火体制というものに、アメリカみたいなわけにはいかないかもしれませんが、ぜひこれは取り組まなきゃいかぬ、こういうことを声を大にして叫んだ
記憶があるんですが、あれからもう十三年も四年もたっておる。逐次それに
対応する形は整えられておるのかもしれませんが、もう三月、四月というと、必ずこういう季節を迎えるわけでありますので、やはりこういう同じ轍をいつも繰り返しているようなことではならぬ。これはぜひ
加藤大臣の時代に何とかひとつこれに歯どめをかけるような
体制をお考えいただきたい。
これは恐らく見識ある
方々が新聞とか雑誌、いろんなものにも発表なさっていらっしゃるようでありますが、広域的な
山火事防止のための
体制、これは部内でもいろいろ御検討になっていらっしゃるんじゃないかと思うんですけど、どうでしょう
大臣、まだそこまでの御検討の余地じゃなくて、罹災者に対する救済ということなのか。
年間五千件も六千件もこういう
山火事があって、二十億もの
被害を続けておるということに対して何かしなきゃならないぞ、こういうことでのお取り組みはどうなんでしょう。