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井上吉夫君 非常に幅員の広い
高速道路なり、いろんな比較のやり方でまた別の評価もあるのかもしれません。いわゆる骨格の
道路と同時に、俗に言う
生活道路、そういうものがどういうぐあいになっているかという細かい比較もこれまた必要でありましょうし、逆にあの
臨調答申の中で、こんな
財政事情の厳しいときだから、たとえば本四架橋の問題でも、一遍に三カ所なんというのは思い直せとか、もっともっと
生活に密着した
道路の
整備に力点を置けとか、あるいは新しい
道路に手をつけるよりもとりあえず現在着工中の
道路を早く仕上げてしまえとか、いろんなかかわり方があるんですが、これらに共通するのは、非常に
財政事情が厳しいからあっちもこっちもと一遍にはできないと思う、したがって
道路整備の効率というのを特に
重点的に考えてやれということだと思います。
しかしながら、いま
説明を受けた限りで概括的に考えましても、少なくとも日本の
道路整備の
水準という、言い回しをかえれば
社会資本の
整備の
状況というのは、まだまだかなりおくれているということだけはまず間違いがなさそうな気がいたします。
そこで、今回の第九次の五カ年間の総投資、調
整費を加えて三十八兆二千億、要求よりも四兆円
余り削られたじゃないかという
質問も先ほどありましたが、この三十八兆何がしという金を賄うにしても、問題は、第八次のやつは全体でいいますとどうやら
計画ぐらいになった。
道路種別で多少の違いはありますけれども、総計ではどうやらほぼ
計画を
達成したようですが、その前、第一次、第二次、第三次あたり、ずっと過去を振り返ってみますというと、
達成率というのは
計画にずいぶん開きがあった
時代もありました。しかし、第八次ではようやく
計画数字を
達成して、
整備計画というのが単なる
計画ではなしに、十分に実現可能であり、絶対実現させるんだという姿勢を示したのが第八次だというぐあいに評価できると思います。
問題は、第九次が、数字的に見た場合に、第八次に比べまして、大ざっぱに言いまして約十兆ぐらい多かったんじゃないか、そういう数字におおよそなっていると思います。二十八兆何がしかですね。したがって、このような
財政事情が厳しくて、そして第九次の五十八年分はすでに予算に見ているわけですね。そして、前の年とほとんど同じという、
伸びなしということですから、残り四年で言うならば、第八次よりもほぼ十兆前後の
道路整備費の
伸びを実現しなければならぬということになる。
さて、それほど日本の経済
財政事情というのが、それを容易にオーケーするほど財政的な余力があるのかなということが懸念されるわけであります。こういう
状態の中で、しばしば
臨調の議論の中にも出たし、私どもが党内でいろいろ議論をいたします場合にも、財政部会サイドの議論と
建設部会サイドの議論というのが非常に真っ向から場合によっては対立する。その中身は何かと言えば、特定財源を一般財源にどんどん振り向けろと、もうこれは固有の特定財源という枠組みから外して財政の一般的運用の全体の中に溶け込ましてもらわなきゃ困るという、そういう発想が特に大蔵サイドからある。
しかし、この
道路整備計画というものが始まったときの時点から、この財源的裏づけをなすものは揮発油税やガソリン税とともに自動車重量税の
実績、たしか第六次から課徴されたと思いますが、国分の八割が
道路の特定財源という形でずっと今日に至っている、そんなぐあいに見ることができると思うんです。
そこで、前置きが若干長くなりましたが、さて、第九次の
道路整備五カ年
計画三十八兆二千億、
調整費込みですが、
道路の特定財源をこれは五十八年度そっくりそのまま五倍というわけにはいかぬと思いますが、若干の
伸びは出てくるでしょう。若干の変化はあるでしょうが、おおよその数値は見込まれると思いますので、概数として、そんな細かい数字は要りませんが、三十八兆に比べて特定財源の五カ年分の金額はおよそどのくらいになると推測しておられるか、お答えをいただきたいと思います。