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吉田正雄君 まあいいですわ。とにかく、きわめてずさんなものであるということがもうはっきりいたしておるわけですよ。これはいずれ聞きますから。まだあるんですよ。あるんですけれ
ども、ほかのことも聞きたいからこの程度にしておきますし、科技庁にも改めて聞きます。次回聞きますから。
その次、最後に私は結論だけを言っておきたいと思うのです。
原子力委員長ね、先ほどの
所信表明を聞きますと、原発
開発積極
推進ということで大変意欲を燃やされておりますけれ
ども、これは私きょう時間があればですね、この前の
予算委員会の一般
質疑でも聞きましたように、原発が安いなんというのはこれは私に言わせれば全く大うそだ。政治的コストなんですよ、これは。これもこの次に聞きますよ。安い安い安いと言って
国民をだましてね。そんなものは政治的コストであって、当面幾らでも安くしておって原発
建設だと。もう原発以外には電気がないという
段階では今度高くなるということはもうはっきりしているんです。
具体的に数字をこの前も聞きたかったのですが、時間がなかったから聞きません、次に譲りますけれ
ども、今度の
調査の結果一体どういうことがわかったかといいますと、
放射性廃棄物処理の失敗なんですよ、これは、はっきり言って。というのは、廃棄物の発生量の予測というものを大幅に見誤っているんですね。だから、次から次へと六回にわたって増設をやっているのですよ。だから非常に無理がある。それから、建物増設ですから、当初からの一貫した計画性がないものですから、普通の簡単なビルディングを建てる場合にも、三階に四階を継ぎ足したとか渡り廊下をつけたなんていうとそこから雨漏りがしますよ。それと同じようなことなんです。事が廃棄物、放射性物質ですからこれは大変なことになってくる。
これがまず一つの
原因だろうと思いますし、もう一つは、廃棄物
処理方法というものが決まっていないというにもかかわらず
建設と営業というものを優先させたということなんです。これは
原子力行政のあり方の基本ですよ。いずれ何とかなるだろうと。つまりトイレなきマンションなんです。ということで、たまってきたからあわてて、すぐ洗面所をつくれと言うようなものなんです。ここに問題があるわけです。だから、こういう方法でいったら、今後も私は
事故というのはできてくるだろうと思うのです。
それから安全
審査体制なんですけれ
ども、これは設計工事を認可する場合、でき上がりましたといった
段階で、これでいいのかと、設計どおりにいっているのかどうなのかという使用前検査についても十分
チェックをすべきなんですね。これは一義的には
通産がやるべきなんです。この点でも、
通産がほとんどやっていなかったということなんです。それから今度は安全委員会の――これができた当時は安全委員会ができておりませんけれ
ども、今度二次
チェック制度ができたわけですから当然それをやらなきゃいかぬのにこれが行われなかった、事前には。これは安全委員会は後だからいいんですが、
事故が起きた後のいまの
調査、ダブル
チェック、これは私に言わせればもう全く
調査の名に値していないのですよ。何のための独自
調査をやったのか意味をなしていない
調査だった、結論から言うと。それから、原子炉等規制法では、
総理府令で、廃棄物の廃棄施設は構造はもとよりその廃棄物の
処理能力というものが
審査及び検査の対象になっているんですね。ところがそういうものがほとんど機能していなかったということなんです、結論から言うと。
そういう点で私は、現在の
原子力行政というものがとにかくもう
建設建設に重点が置かれ過ぎて、うたい文句では
安全性を最重視するとか優先させると言いながら、一番そこが軽視をされてきた結果が今回の
事故を起こした最大の
原因だと思うのです。ところが
皆さん方の
通産省の発表はどうかというと、
原電の保安管理体制に問題があったというふうに、何か
職員の、ちょうどスリーマイルアイランドの
事故で一部の
職員の何か責任にするようなくだりがありましたけれ
ども、そんなものじゃないのですよね、そういうことでごまかそうとしている。
それからもっと私が驚きましたのは、
通産省があの朝、早朝に新聞記者の皆さんを集めて発表をされた後、あんなことをやるから大
事故だということになって大騒ぎしたのだと。私が
現地へ行って聞いて驚いたのは、あんなものはしょっちゅうあると言っているのですよ、
職員は。驚いたんですよ、これは。なるほど前にも何回かあったでしょう。これを全部
通産にも科技庁にも
報告していないですよね。俗に言う
事故隠しというのが何回か行われてきた。あんなもの
事故だと思っていませんと。どういう考え方かというと、
現地職員の考え方というのは、
事故というのはとにかく人身
事故が起きて、死んだとか大量の被曝でもってもうえらいことになったとか、そういうことでもなければ
事故だとは思っていない。これは歴代大臣が言うでしょう。いままで
日本には
事故らしい
事故はないじゃないですかと、こういつも言われるのですよ。とんでもないですよ。それじゃいまのは
事故じゃないかと言うのです。これは明確な
事故ですよ。
しかも浦底湾のあの放射能汚染についても、
現地ではどうか、漁民の皆さんはどうかというと、あの後は全部、若狭湾産物とは書かないで、ほかの土地の名前をつけて売っている。これも確かめてきた。それから一番いい例が、
原電の
職員があそこに泊まっています。あの若狭湾からとれる海産物なんて食べないと言うのですよ。そういう
状況でしょう。知っている人は知っているんですよ、これは。だから私は、あんなものはしょっちゅうあることだという発言を聞いて実はびっくり仰天しちゃった。まあしょっちゅうというのはどの程度のことを言うのか。いままでの一連の
事故を言っているのでしょう。だから今回の
事故だってその程度であって、新聞で大騒ぎするほどのことはないんだというそういう印象なんですよ。新聞にさえ発表しなかったらこんなことにならなかった、大騒ぎにならなかったという、そういう認識だから私はこわいということを言っているんでして、大臣はその点を十分認識してもらいたいと思うんです。
そこで、労働者被曝の問題に移りますけれ
ども、現状と対策がどうなっておるかということなんです。さっきも、ちり取りでもってポリバケツにその
汚染水をすくったなんという非常にお粗末な安全管理体制なんですし、それは事前の教育が徹底していなかったということもあると思うんですけれ
ども、全国の原発、
原子力施設の労働者被曝のうち下請労働者の平均被曝線量というものはどんなになっていますか。