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政府委員(
関通彰君) まず貸し付けの
状況でございますが、貸し付けの
実績で申し上げますと、
昭和四十七年
公庫が発足いたしまして以来、全体としては着実に拡大を続けてまいりました。具体的に申しますと、四十七年は一番最初の年でございますから別としまして、四十八年が貸付
実績総額六百三十億が五十三年に約千二百億ぐらいに倍増いたしております。この間、貸付
実績は着実に
伸びてきたわけでございます。これによりまして
沖縄公庫の果たします役割りは
沖縄の
経済全体の中でわりと大きなウエートを占めております。貸付残高も急速に
伸びてまいりまして、非常にウエートも高くなってくるに従いまして
伸び率も落ちてまいります。また、
経済の
状況全体が五十三年ごろから成長率も低くなるというようなこともございまして、五十三年ごろからはいま
先生御指摘のようにやや横ばい傾向に入っております。ただ、
沖縄の
公庫はいろんな
業務を果たしております。いわゆる
本土の
開発銀行と六
公庫全部の役割りを果たしております。住宅
公庫の役割りも果たしておりますし、農林漁業金融
公庫の役割りも果たしているということでございまして、具体的に横ばいになりました数字を見ますと、
公庫の貸し付けの中で一番大きなウエートを占めております住宅資金が最初急速に
伸びておったのでございますが、五十三年、五十四年ごろから一応一巡いたしまして
伸びが鈍化してきたというようなことも全体の鈍化傾向の中には影響を与えていると思っておりますが、全体といたしましては着実に業績が拡大してきたというぐあいに
理解いたしております。
それで、
先生御指摘の昨年の
委員会での附帯決議の中で融資の緩和でございますか、さらに有効な出資、融資ができるように
配慮しろという御指摘がございました。具体的には来年、五十八年度の
予算の編成に当たりまして
沖縄の地場
産業振興のために幾つかの措置をとっております。細かくは触れませんが、具体的に申し上げますと、たとえば
沖縄の地元でいま
開発を進めております天然ガス事業につきましては、特に低利の融資制度を新しく設ける、それから伝統工芸、主に中小企業でございますが、これの
振興のためには特別な特利の融資制度があるのでございますが、この対象を拡大するというような、この二つは
沖縄だけの特別な措置でございます。そのほか、
本土の中小企業あるいは住宅金融
公庫等で五十八年度から新たに貸付限度額を引き上げるというようなことを
本土の
公庫がお決めになっておりますが、これはそのまま
沖縄の
公庫にも適用するようにいたしております。私ど
もとしましては、地元の
経済状況を見ながら、できるだけ地元の
産業開発に役立つような、そういう制度上の
配慮もしてまいりたいというぐあいに考えておるわけでございます。
それから、それにしても出資等は
実績がないではないかという御指摘もございました。確かに出資につきましては五十六年度
実績がないわけでございます。これは、出資制度は実は
公庫最初からあったわけではございませんで、
昭和五十三年に
公庫法の改正をいたしまして、それまでは融資だけだったのでございますけれども、
地場産業の
振興のためには出資の機能も
公庫に与えたいということで
法律の改正をしていただきまして、五十三年度に新たに出資機能を付加したわけでございます。その後、五十五年までの間に四つの事業に計四億の出資をいたしております。天然ガス、共同サイロそれから離島航路あるいは宮古のターミナルでございますが、こういう事業に出資をいたしております。五十五年までそういう四つの
実績があるのでございますし、それから五十六年も制度上そういうものをつくりましたので
予算措置もしていたんでございますが、いろいろ地元からの議論はあったんでございますが、結果的には適当な新しく出資する事業がございませんで、
実績がないわけでございますが、今後ともせっかくの機能でございますので、私どもは十分この機能が果たせるようにしてまいりたいというぐあいに考えております。
それから返済の
状況ということでございますが、四十七年に
公庫ができまして、その後実は
経済状況もかなりの激変がございました。特に海洋博後におきまして
沖縄の
経済は、ホテルを中心といたしましてかなり倒産等が出て、観光
産業の不振に陥った時期がございます。その時期はホテルだけではございませんで、県内の中小企業等にかなり行き詰まったものがあったわけでございますが、その時期は
公庫の延滞もかなり増加いたした時期がございます。ただ、ピークが
昭和五十一年でございまして、その後返済の
状況は着実に
改善いたしております。ピークの時期に比べますと、いろんな指数で申しまして、要するに半分以下にまで
改善されてきたと……