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小柳勇君 昨年の連休明けにこの法案を提案いたしました。その背後には、いま梶原
委員が言われましたように、参入規制に対するOECDの見解なり勧告なり、あるいは公取の見解などがございます。特に私が
考えましたのは、いまの
トラック事業の
輸送秩序が
混乱し切っている。
運賃は
ダンピング。いまほとんど、九割以上が
中小企業でございますが、
倒産寸前にある。それで過積がある、あるいは
運転員の過重労働がある。そういうようなものを正常にしなければ
日本の
経済の発展は望めない。特に、六十億トンぐらいの
荷物、
トラックがその九割、八八%を
輸送いたしています。したがって、
日本の
経済の
中心であるこの物の流れを
秩序正しく動かす、そのためにはどうしても、いま
道路運送法ありますけれ
ども、これで十分でない。これで十分であれば問題ないはずだけれ
ども、十分でないので、これをさらに強化発展せしめなければならぬと
考えております。
もう
一つ大きな背景は、鉄道貨物がほとんどゼロに近い。ゼロにせよという意見もありますけれ
ども、私は一億二千万トンぐらいは確保しておかなければ将来
日本の貨物
輸送は終末に近くなると思うが、それには一貫
輸送しなければならぬ。
トラックと鉄道との一貫
輸送。そういうものを、いろいろ問題がありましたので、一昨年の秋、ドイッ、イギリス、フランスをそういう問題をとらえながら見てまいりました。その集約としてこの法律をつくったということであります。非常に重要でありまして、この法律を各党とも最終的にこれをどうお扱いになるか
理事会で御決定願いたいけれ
ども、
問題点はどういうところにあるかということだけ申し上げておきたい。
まず
一つ、免許でありますが、免許は、いま梶原さんおっしゃったように、私は重要に
考えて、これを安易に免許すべきでない、参入を規制しなければならぬという見解です。しかも、それは
業者の財産もあり、また力もありましょうし、雇用条件もありましょう。いろいろありますが、特に免許の期限を、一遍免許したら永久にあるようなことでは、これは本当の免許ではない。したがって、五年更新制にしよう。現在イギリスが五年、フランスが七年、ドイツが五年です。やっぱり期限を切って免許を更新するということが青ナンバーのこれは大きな権威です、まだいろいろありますけれ
ども。
それから、
貨物自動車はやっぱり
輸送状はちゃんと持っている。たとえば
指導員がとめて、この九州の
トラックはどこへ行くのですかと、東京でわかるようにしなければならぬ。これは特に
自家用トラックにつきましては
輸送状を携行する。
過積載のあるのはいろいろ文句を言いますけれ
ども、もっとこれは書類の上ではっきりするようにしなければならぬ。
それから今度届け出が、
自家用自動車が五トン以上になりました。これでは二十一万台しかない。これでは本当の意味にならぬです。いま
自家用貨物自動車が約八百七十万台ぐらいあります。その中で五十四、五万台が青ナンバー、あとは全部白ナンバーですから、八百十万台ぐらい白ナンバーですから、その中でわずかに二十一万台をとらえても意味ないです、これは。したがって、私は少なくとも白ナンバーの
自家用トラックというものは全部届け出る。そして五百キロ以上外に出る大型の
トラック、われわれ四トン以上——四トン以上としても八十万台から九十万台しかありません。したがいまして、わが党の法律では四トン以上の大型
自家用自動車が五百キロ以上の他県に出ていくときには
輸送状を持っていく、このくらいのことが何でできないであろうかというのが私
どもの
考え。届け出も、もちろん四トン以上やらせる。
それから
輸送秩序確立のために、いまの
全日本トラック協会では意味ない。これは懇親会としてならいいけれ
ども、本当に意味ない。午前中にも言ったように、各県の
トラック協会というのを財団法人化して、これから
輸送状を一枚幾らで買ったらいい、一枚十円でも二十円でも買ったらいい。
事業免許を取ったら、そこの県トラの本部に行って
輸送状を買う、何百枚か買う。そこで県トラは資金ができます。財団法人として資金を持つ。ここに
指導員も置く。そして、県トラの中の
業者を
指導すると県内の
荷主と話し合いができるわけです。
いまいろいろ
自動車局長は
荷主との懇談会をおっしゃるけれ
ども、それは頭で
考えるようにいかぬわけだ。県トラにもう少し
権限を与えまして、たとえば県トラの中でも北九州の
トラック協会とか福岡市
トラック協会とかに
権限を与えて、そこに
指導員を置きますとすぐわかります、ぱっと電話しますから。ここはどうしてもこの
荷主は頑として聞かぬというふうに話せばいいのだから。これは法違反ですから、
通達違反だから、
運輸省はわざわざ
通達出しているのだから。そんな水準以下の、水準から二〇%までは下げていいことになっているのだ。そこから先下げるのだから、
ダンピングは。そういうことを許さぬということを
指導員が言えば
荷主はしません。そういうところをこれでやりたいわけです。したがって、
実施機関はわれわれはいまの
トラック協会の別に
考えていません。いまの
法人組織を財団法人にして県トラを
中心にする、それが大きなこの法律のねらいであります。
それから、あと
輸送秩序の
確立。この警視総監通報とかなんとかしなきゃならぬのをしないからだめなんだ。さっき言いましたように、イギリスの方では、少し規制緩和していますけれ
ども、過積がありますというと、その場で
指導員がオーバーした
荷物をおろしている。そして聞かなきゃ
運転手を裁判所へ連れていってて過料を取るというのだ。そして、いよいよ聞かなきゃナンバーを外すというのだから。それくらいしますと過積しませんですよ。過積しないともうからぬから
ダンピングしませんです。
運賃をそのまま取りますよ。それをやろうとしない、
運輸省が。私はそう言いたいのです。
運輸省がちょっと言えば
トラック協会やりますよ、
トラック協会の
向井さんなんか
運輸省ばっかり見ているのだから。私と話すときにはいいけれ
ども、
運輸省からちょっと言われたら、もうがっとなってしまう。
そういうところでありますから、この法律をつくって何とかもうちょっと
秩序を正しくしたいと思っておるようなところでございまして、私は、この法律に余り
自民党さんが賛成されませんので非常に不満でありますが、しかし、私
どもの真意はそうでございますから、あと
理事会で十分に御勘案あって、今後の扱いについては検討してもらいたいと思います。
以上です。