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政府委員(
角田達郎君) トラックの輸送秩序の確立の問題でございますが、これは
大臣がただいまお答えいたしましたように、トラック運送事業に対する行政の中で最大の重要な問題だと私
ども考えております。
その輸送秩序がどういうふうな実態であるかにつきましては、昨日
先生に御提出いたしました資料の中にもございますように、トラックの運送事業者に対する監査の結果のデータを見ましても、五十六
年度にやったデータでございますが、二千二百四十四業者監査をしたわけでございますが、そのうち何らかの違反があって処分を受けたもの、これが五百三十六ございます。それから警告等の文書、口頭注意でございますが、それを受けたものが八百九十三。そうしますと、トータルで二千二百四十四監査いたしましたうち、千四百二十九の業者、パーセンテージにいたしますと六三・七%の業者が何らかの違反をやっておる。
それから白トラの問題でございますが、これも五十六
年度、
先生に御提出しました資料にもございますように、九百三十一業者といいますか、対象の処分を受けた業者あるいは使用者は九百三十一ございまして、そのうち文書警告等で済まされたものが三百六十九、それから無免許営業というようなことでこちらが処分をしたのが四百七十二、それからそのほか有償運送等の許可違反でこちらが処分したものが七百六十というような実態でございます。
それからさらに、運賃の収受の問題でございますが、これも
先生に御提出いたしました資料でおわかりのとおり、五十七年九月の私
どもの
調査では、千八百七十四の総
調査件数に対しまして、ダンピングがその中で八百二十九もございまして、割合にいたしますと四四・二%のダンピングというようなことになっております。
そういうような状態でございますので、私
どもといたしましては、これに対する
対策を従来からやってきたわけでございますが、今後の
対策といたしまして、これはなかなかこれといった直ちに即効薬となるような妙手はないわけでございますけれ
ども、いろいろな手を打ってまいりたいと
考えております。しかし基本は、やはり事業者自身がみずからの襟を正して
経営基盤を確立し過当な競争を慎しむということが基本であろうかと思いますけれ
ども、私
どもとして今後ともやってまいりたい方策というものは、これから具体的に申し上げますが、
一つは、自家用トラックの使用者に対する取り締まりとそれから法令違反行為——これは自家用トラックだけではなくてトラック運送事業者全体に対してでございますが、法令違反行為については厳正に処分を行っていく、これが
一つでございます。
それから、輸送秩序の
改善のための体制の
整備でございますが、これは私
ども公務員の数は、おのずから昨今のような
財政事情でございますので、なかなかふやせないわけでございます。そこで、民間の方の力をそこに注がせるようにしなければならないわけでございまして、輸送秩序
改善指導員というのが現在百十六名陸運
局長の委嘱を受けて活躍しておるわけでございます。そのほかに委嘱を受けない
指導員もございますが、委嘱を受けた者が百十六、こういう者と連携をとりながら業界を
指導していく。この
指導員につきましても、トラック協会等と検討を重ねまして、さらに人員の増加等について積極的に検討をしてまいりたいというのが二点目でございます。
それから第三点といたしまして、過積載の防止でございますが、これは
先生も具体的な資料をお持ちだと思います。なかなか過積載の
状況が改まっておりません。したがいまして、これにつきましても、これは総理府の交通安全
対策室で過積載防止
対策連絡協議会というものを設けておりますが、これにつきましても、それに積極的に参加をすると同時に、地方レベルでの
関係省庁間の連携というものを強めていく必要があろうかと思いますので、その点についてもこれから具体的に検討を重ねてまいりたいというふうに
考えております。
それから第四点でございますが、これは過労運転の防止でございます。これも労働省から二七通達というような行政
指導の通達が出されておりますが、この
遵守状況を労働省からいただいた資料で見ましても、なかなか思うようには改まっておりません。若干この通達違反の割合というものが
減っている程度でございまして、まだまだほど遠い
状況でございます。したがいまして、私
どもとしては、
一つはこういうようなトラックの運転者に対する過労が防止できるような環境の
整備をしていかなければいけないと思っております。仮眠とかあるいは休憩できるようなトラックステーションというものをトラック協会で
整備をやっておりますが、この
整備をさらに推進するように業界を
指導していきたいと思っておりますし、それから高速道路等におきまして駐車の
施設あるいは休憩の
施設等がまだなかなか不十分でございますので、建設省等あるいは道路公団、そういった
関係機関にその促進方を引き続き要請してまいりたいと
考えておりますし、また二七通達の問題につきましても、労働省との相互通報制度を活用するとともに……