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1983-05-25 第98回国会 参議院 エネルギー対策特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十八年五月二十五日(水曜日)    午前十一時四十分開会     ─────────────    委員異動  五月二十三日     辞任         補欠選任      下田 京子君     小笠原貞子君  五月二十五日     辞任         補欠選任      峯山 昭範君     藤原 房雄君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         山崎 竜男君     理 事                 川原新次郎君                 阿具根 登君                 中尾 辰義君                 小笠原貞子君     委 員                 大島 友治君                 熊谷太三郎君                 坂野 重信君                 高橋 圭三君                 小柳  勇君                 対馬 孝且君                 安恒 良一君                 高木健太郎君                 藤原 房雄君    国務大臣        通商産業大臣   山中 貞則君        国 務 大 臣        (科学技術庁長        官)       安田 隆明君    政府委員        科学技術庁原子        力局長      高岡 敬展君        科学技術庁原子        力安全局長    赤羽 信久君        通商産業大臣官        房審議官     野々内 隆君        資源エネルギー        庁長官      豊島  格君        資源エネルギー        庁長官官房審議        官        松田  泰君        資源エネルギー        庁石炭部長    弓削田英一君        資源エネルギー        庁公益事業部長  小川 邦夫君    事務局側        常任委員会専門        員        町田 正利君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○エネルギー対策樹立に関する調査  (北炭夕張炭鉱株式会社再建問題に関する件)  (原子力発電所設置についての地元住民等協力対策に関する件) ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣に関する件     ─────────────
  2. 山崎竜男

    委員長山崎竜男君) ただいまからエネルギー対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る五月二十三日、下田京子君が委員辞任され、その補欠として小笠原貞子君が選任されました。  また、本日、峯山昭範君が委員辞任され、その補欠として藤原房雄君が選任されました。     ─────────────
  3. 山崎竜男

    委員長山崎竜男君) 次に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が欠員となっておりますので、この際、理事補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 山崎竜男

    委員長山崎竜男君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事小笠原貞子君を指名いたします。     ─────────────
  5. 山崎竜男

    委員長山崎竜男君) エネルギー対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 対馬孝且

    対馬孝且君 きょうは、夕張問題に重点をしぼって大臣にお伺いいたします。  当エネルギー対策特別委員会が四月二十日に開催をされておりまして、その委員会で私は大臣に、夕張問題の政治決断を求めました。  大臣はまさしく私の質問に対しまして、夕張のいま離職されておる方々、夕張現状というものは、あそこにただ暮らしていればいいというものではない、暮らしているだけではなくて、仕事をして夕張の町に安住を求める、ここが少なくとも政治だ、こう私に言っていただいて、私も非常に感動いたしました。山中通産大臣政治決断はさすがなものである、こういうふうに評価をいたしまして、その後十九日にもお会いいたしましたが、いずれにしましても、この前申し上げました私らの態度というのは、第一には国内資源を確保すること、これは大臣認識が一致しておりました。それから雇用安定、地域社会の崩壊を阻止すること、この三本柱で今日まで大臣お願いをして要請いたしてまいりました。  そこで、決断をされたわけでありますが、その後、私マスコミ関係の世論を全部持っているのでありますが、これを見ますと、大臣の発想について、国が逃げたとか、あるいは横路知事にげたを預けたとか、それから第三セクター方式であるとか、これは私が言っているのではなくて記事がここに全部あります、大臣もお読みになっていると思いますけれども。マスコミのとらえ方はそういう反響になっているわけです。  そこで問題は、大事なことは、きょう私は大臣に、大臣が発想された真意というものは一体どこにあるのかということを率直にひとつ聞かせてもらいたい。そうでないと質問に入っていきようがないものですから、勇断をもって決断をされた真意というものはどこにあるのかということをまず大臣からお伺いしたいと思います。
  7. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) 定刻にお集まりになっておられましたのにおくれましたのは、御了解をいただきましたように、直接の関係炭労皆さんと会っておりましたのでお許しを願いたいと思います。  いまお話しになりましたことはごもっともなことでございますが、まず、私のとった行動に対していろいろの批判があることは承知いたしております。しかし私は全く批判前提にして物をやったのではありませんので、それをどのようにおとりになろうとそれは御自由である。しかし自分自身は私心はございません。  そして、なぜそういうことを考えたのかといいますと、石炭協会に前大臣調査お願いし、その研究結果がまとまったということは欧州出発前にわかっておりましたが、これは皆様お許しも得て、ヨーロッパ、国際会議から帰ってきた後にしてもらいたいということで受け取らないでいたのでありますが、それは何を意味したかといいますと、その間にほかに道はないのかということを 考えたということでございます。すなわち道とは、通常の状態で言うならば、前大臣のお約束と申しますか、前大臣が示しました方針というものは、結果的には、もし石炭協会検討されました結果、内容再建不可能というものであるとするならば、それは私が受け取ったらそこでもうおしまいである、あとはもう今回の離職者対策に移行させるだけだ。そうなったら、そこに政治家たる大臣はいなくてもいいことになります。素直に書類を受け取って、あと離職者対策をやれと。それは言わぬでもやるわけですから。それでは政治不在だ。  私は一つには、皆さん御承知のように過疎地域の問題というものをいろいろやりまして、過疎地域対策緊急措置法、さらに十年後に過疎地域振興特別措置法というようなものを議員立法でやってきた人間の考えの延長でもございましょうが、人口が流出していく地域の悲劇、その中でその町を支えているもののともしびが一つ消えるときのその地域の大変な問題提起、すなわち炭鉱の山がその炭鉱を失うといった場合にその地域はどうなるだろうか。市長さん、商工会議所の会頭さんとか、いろいろな人たちの御意見等も承っております。耐えられない状態である。すでに現状においても商店街等は閑古鳥が鳴いている。それをそのまま行政あるいは政治としてほっておくべきであろうかという気持ちが下敷きにあったということは否定できない事実でございます。  そして、直面しているのは、悲惨な事故の後、山が再建されるのかどうかということに期待をつないで寒い一冬正月を過ごして、四月には何とかというのがずれ込んで待っておられる山に人生をささげてきた人たち、その人たちに対してどう国はこたえたらいいのかという、この二つの問題を考え合わせて、この際新鉱開発融資をするにしても、いまのままではできない相談でありますし、したがって新しい経営形態というものはできないものだろうかと。  そこで、熊本県の水俣病患者救済のための目的であるチッソの支援、県債発行に対して、県もそれはチッソがなくなってしまうことも困るが、なくなっても支払いというものがまだ残る場合にまた県はどうにもならないという県民に対する知事責任がありますから、県債発行をした後チッソが返済不能に陥った場合は国がめんどうを見ますという前例がございます。しかしこれは、確かに、山の炭鉱の労務者の救済問題と、公害病患者に対する国も含めた責任の遂行とは、やや次元の異なる問題であることは私も知っております。  したがって同じような方法をとるということはむずかしいと思いますが、しかし北海道にとって、夕張市そしてまた炭鉱が無視できない、放置できないということであるならば、知事さんの方も何かお考えがあるかもしれないということで、いまの段階では知事さんはただ新任あいさつということで名刺を持ってこられたのに、私の方からは御苦労さんですと言いながら、あなたも代議士をやっとったんだからひとつ私の相談に乗ってくれぬかというような冗談を言いながら切り出したのが、北海道庁としてこれに参加してくれる気はないかということでした。  そうして、私の方は後ほど石炭協会と会うけれども、私は石炭協会のだれもやり手がないといういままでの考え方ではなくて、石炭協会としてこれに取り組むということをお願いしたいと思うんだがという話をいたしました。知事さんは、余りにも突然の話でありますから返事のしようがないと。私は、ここであなたがノーと言われても私にはそれをとめる力はないんですからと言ったんですが、持ち帰って検討いたしますと言われますから、検討は十分にしてください。いろいろなことを、もし道がかむ場合に経営主体のどこに位置するのか、あるいは金をどういうふうに負担するのか、その金について国がどんなめんどうを見てくれるのか、その後のでき上がった新鉱がもし作業を開始すれば国がそれに対してどのような対応をするのか、そういう問題をすべて持ち帰って相談してくださいと。  ことにまた、道議会というものがありましょう。そうすると、幾ら緻密に積み上げて、これならば道庁が乗り出してもいいという結論を得ても、議会で否決されたらこれはどうにもならないことがまたあるわけですから、私どもは全責任をあなたに負わせるなんということは全くありませんので、検討してみていただけませんでしょうかということで、もうすでに始まっておりますが、これから事務当局同士で、どのような形の場合にはどういうことが必要であるとか、あるいはどういうことをわれわれはしてもらわなければとても乗り出せないとか、いろんな前提条件の話し合いに入っております。  したがって、現時点はそのような状態でありますから、明日からサミットに行きますので、その六日間だけまた余裕をいただきまして、帰ってきてから、その間にやや進行しているであろう問題の詰めというものをとらえて、またさらに私の方で判断を重ねていきたいというのがいまの段階でございます。
  8. 対馬孝且

    対馬孝且君 いま大臣から、二十日のエネルギー委員会での政治決断というのはまさしく、山を残して新会社をつくる、雇用安定をする、地域社会を守るということの考えの基礎に立っての提案である、こう私は受けとめました。  そこで大臣、ここらあたりがやっぱりいま重大な問題だというよりも、お互いポイントを整理しておく必要があると思うんです。それは問題は経営主体です。経営主体を一体どこが持つのかということです。  これは私も、北海道議員団会議横路知事から聞きました、報告を受けました。確かに大臣が言われたとおりの御報告がありました。大臣から一枚かんでくれ、そして何とかひとつ北海道夕張というものを再建したいんだ、そこからスタートして、そしていま水俣、チッソの例も挙げられた、国も最大限のことはする。そのとおりなんだけれども、一枚加わってくれ、かんでくれというのは、日本語からいくと三枚も四枚もかむわけじゃないですから、一枚かんでくれということはやっぱり、主体があって協力してくれ、こういうふうに知事の方は受けとめているわけです。そこが食い違うと困るのです。だからそういうふうに、主体がある、たとえば業界主体である、そこに道がひとつなすべきことを協力してくれぬか、あるいは金の問題もあるでしょう、あるいはその他の技術的な問題もあるでしょう。そういう意味での受けとめ方を実はされているという点が一つあるんです。  それから、大臣と十九日お会いしてから、夕方に、二十日に会見するということですから私らも待っておりました。ちょうど石炭部長の方からも内容は御連絡をいただきました。そのときに、協会の佐伯副会長からも私らは受けました。協会の受けとめているのもまたこう受けとめているわけです。それは、あくまでも道が中心になって考えるんだから、経営者協会としては協力してもらいたい、業界ひとつ協力してくれぬか、そういう中で何とか検討してくれ、まあ一こまに言うとそういうことです。  ところが、業界の受けとめ方というのはまたこれもはっきりしておりまして、とても八百八十八億という採算に合わない案ですから、やるということはとうていむずかしいと。だから、有吉会長大臣におっしゃったことは、まず一つ肩がわり債務はできません、それから赤字の補てんはもちろん赤字を補償することはできません、それから出資をするということはむずかしい、あえて協力せいということですから十分検討はしますけれどもその点は協会側としては、あくまでも協会としてできることについての協力はするという物の受けとめ方をしているわけです。そこなんですね。  それで新聞論調マスコミを見ましても、これは新聞によって活字は違っていますけれども、あるいは道が主体でという表現と、いや協会と道が共同開発する、共同出資をする、第三セクターという表現、こういう受けとめ方と、大別して二 通りのマスコミの報道が出ています、大臣記者会見で。  そこらあたり大臣真意というのはどうですか。経営主体は一体どこにあるんだというあたりが、いま流れはわかりましたけれども、そこらあたりがはっきりしないと、横路知事の受けとめ方も、一枚加わってくれと言うから道は願ってもないことなんで、知事としてもこれは地元夕張再建のために異常な意欲を持っていますが、それだけに、ひとつ何とかしたいと念じている、この気持ちでいっぱいなんだけれども、その加わってくれという意味はそういうことではないのかという受けとめ方。協会は金を出す、あるいは肩がわりをするという考え方は毛頭ない、むしろ技術協力が精いっぱいだという、きのうも参考人との意見のやりとりを衆議院で聞きましたけれども、そういう意思表示でございます。ここらあたり、まず大臣考え方をひとつはっきりしておいてもらいたいと思います。
  9. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) そこのところを御相談を持ちかけているわけですから、どこが主体とか、第三セクターと呼ぶにふさわしいものになるのか、まだ全くわからないということであります。  ただ、私は知事さんにお願いをしてあり、石炭協会には、協会として北海道の方との相談がどういう形になるかわかりませんが、最後には御協力できるような検討をしてくださいということを言っているだけでありまして、協会の方が、これ以上自分たちがそれにこだわる、あるいはかかわる必要は毛頭ないとおっしゃるならば、じゃ国のお世話になったことの全くない石炭会社だけですねと私も聞きたいこともありますので、勝手気ままなことを言ってもらってもそのとおりにはなかなかならないと思うんですが、しかし道庁の方は、先ほど申しましたようにこれは道議会もあることですし、また道民の全体から、やはり道も立って夕張炭鉱を救うべきだという声が起これば、また何らかの検討をされるのかもしれない。しかし検討をされる場合には、こういうことが少なくとも前提でなければ乗り出せません、私たち地方公共団体ですというものがあると私は思うんです。その場合は、自治省のルートの問題もありましょうからまた私が自治省相談をし、大蔵省に相談をします。  石炭協会の方は、それに対して、幾ら赤字が残るからとかなんとかという計算はいろいろありましょう。八百八十八億というのが絶対に正確な赤字であると私は見ておりません。これは石炭協会責任を持って計算されたんでしょうが、無理だと思って計算する場合と、何とかやろうということで計算する場合とでは、いろいろと数字にも違いが出てまいります。また、国が新鉱資金をダイレクトに出すという場合を前提にした計算とも若干違うんじゃないかと思っております。  いずれにしても、これだけ皆さんの御関心のあることでもありますし、また基本的には、冒頭に言われましたように、日本における貴重なエネルギーとしての石炭、これを事故があったりなどしたたびに、もう国は無条件でつぶしていくんだという方針を果たしてとっていいのかどうかです。外国へその日本方針について相談をしてあるわけじゃありませんから、日本のある山で事故が不幸にして起こったらそれは閉山だという常識になって、われわれの海外に対しての必要な原料炭なり一般炭なりというものの確保に、山に事故があったらそれでだめだということを前提にしてやっていくということではおかしいのです。山では事故がないことが第一、事故が起こったら人命救助が第一、そしてそれが仮に終わったら山を生かす。  夕張などでは、いまあそこの炭労事務局をやっている若い人に、あなたはどうですか、三代目、おじいさんの時代から山で働いている人じゃないですかと聞きましたら、そのとおりでございますとおっしゃいましたけれども、それは、山に生まれ山の働きに生涯をささげた、しかも何代にもわたる人たちでなければわからないものがあると私は思います。したがって、離島の苦しみは離島に住んだ人でなければわからないと言われているように、山に生まれて山に生涯をささげてきた人たちの心理あるいは生活というものは、やはり他の者が推測したら不遜に当たるようなものがそこに存在する。それはあるいはむしろ神聖なものと言った方がいいかもしれない。だからそこのところは、なるべく生かすことができるような努力を目標としてやらなきゃならない。ですから、経営主体とか分担とか、あるいは出資はどうするとかという問題は、すべてこれからの問題でございます。  先ほども夕張炭労委員長お願いしておきましたが、残っておられる皆様方に寒い冬の正月をきびしい思いで越してこられて、そして四月というのが私の外遊の都合もあってずれ込んで、さらに新しい提案によってまたサミット後ということで、まあ六日間ですけれども、お待たせすることについて私が深くおわびを申し上げておるということをお伝えくださいということを申し上げておきました。  私は誠心誠意やっているわけでありまして、横路知事にボールを投げて知らぬ顔をするとか、責任を逃れるとか、しょせん逃れられるものじゃないんです、一緒になって考えてみてくれる相手がいたら考えてほしいということでございます。明確になっていないのが現在の状態で、これからデッサンを明確にして仕上げていこうということでございます。
  10. 対馬孝且

    対馬孝且君 いま聞きましたら、大臣政治決断、それから山を再建したいというこのことは、もう再三聞いておりますからよくわかりました。  いまのお答えは、経営主体もまだ明確でない、それからこれからの資金的な措置も明確ではない、これからお互い検討してまいりたいという趣旨で事務方で話を詰めたいということですね。  そこで問題は、大臣ここが大事なんです。道庁検討するにしても業界検討するにしても、基本的に石炭政策というものは国の柱で、私も石炭にかかわり合って三十数年になるわけですけれども、第一次から第七次まで石炭政策をやってきました。だから、エネルギー政策とか石炭政策というのは国の責任でやる、国が責任を持って柱として樹立すべきものである、この考え方は変わってないんでしょう。この点はどうですか。
  11. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) 国の責任であり、その責任大臣は私であります。その原点は決して踏み外してはおりません。
  12. 対馬孝且

    対馬孝且君 それでわかりました。  そこで大臣検討をこれからしていく場合、やっぱり道だってこれは、どれだけのどういうものを用意、言うならば再開発のために資金的にはどういうものが必要なんだ、それから体制としてどういう体制が必要なんだと、これがなきゃならぬでしょう。  それで私お伺いするんですけれども、いま、国が基本的に石炭エネルギー政策責任を持つべきものである、これはきわめて明快であります。私らの考えと同じですから、そのとおりです。そこで、具体的にということまでいきませんが、私もしばしばここで議論していますからあえて言いませんけれども、一つは新鉱開発資金、これは無利子で八〇%である。それで現行法合理化臨時措置法二十五条の第一から十三までございまして、坑内骨格補助金、あるいは近代資金経営改善資金、加えて安定補給金、こういう項目がずっとありますね。この制度は全部適用する。そしていま言ったつまり新鉱開発資金、これをもちろん政府考える。こういうふうに私は大臣考え方を聞いておるわけです。それはそのとおり受け取ってよろしゅうございますか、大臣
  13. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) そういうことはもちろん前提考えているわけでございます。
  14. 対馬孝且

    対馬孝且君 わかりました。そのことを基本に考えているということですから、それは同じ意見でございます。  そこで、きのう実は参考人意見を私もちょっ と傍聴に行ったんですけれども、これは大臣が言うとおり石炭業界ができないということではないんですよ。これはポイントがはっきりなったんだ。大澤管財人再建案については、時の安倍通産大臣が私の質問に、会議録がここにありますけれども、政府は最大限尊重すると。私はむしろ、スピードアップすべきだ、物足りないという意見を申し上げています。政府は、これに対しては最大限尊重して実施に移したい、こう言っているわけですね。  そうするとどこが違うかといったら、答えは簡単なんです。大澤提案というのは、三年後、四年後に着炭をして、そして将来は七十五万トン体制最後にはとんとんになる、こう言った。ところが今度の協会案を見ますと、トータル八百八十一億の終掘段階収支でございまして、つまり国の金を制度資金から開発資金全部投入したとしても三百億の赤字でございますと。これはきのうの有吉会長の答弁です、同僚議員質問に対しての。そうしたら、収支バランスをとれば再建は可能ではないかということをきのうも岡田同僚議員が言っているわけです。もっと極端に言うと、無利子融資制度ができて、ここが大事ですよ、そしてつまり収支バランスがとれて、金利負担が免除されれば、これは再建可能であります。これははっきりしているんです。  ただ、そのほかに問題点はあります。たとえば、技術保安係員を確保できるかとか、あるいは出稼率が八四%ラインに到達できるか、これは付随した問題でありまして、保安認識は一致しておるわけです。そして、いま大臣が言われるとおり、その対応ができればこの北炭夕張鉱再建できるんです。大臣が決意されたとおり、可能なんです。私がきのうの論点を聞いておりまして。  だから、問題はここのポイントにしぼられてきているわけですから、そういう受けとめ方からすると、いま言ったことが大事だという意味はどういうことを私言っているかというと、政府が新鉱開発資金プラス制度資金、そしてこの問題についてもう一歩突っ込まなければならぬことは、一昨年私は商工委員会合理化臨時措置法のときに法改正を出しました。つまり、国が直接金を渡すということは別にしても、NEDOあるいは合理化事業団がこれに出資することができるという改正案を出したけれども、時間がなくて、自民党も反対とは言っていないんですけれども詰まらなかったわけです。国に責任があるということは大臣まさしくお答えを願ったわけですから、そうだとするならば、エネルギー機構、NEDO、合理化事業団が、国に肩がわりして出資をする。そういう基本的な態度をお持ちになるということが一つ必要ではないんでしょうか。そこらあたりがやっぱりはっきりしていかなければならないと思うんです。大臣が言ったとおりです。  今日、千三百億の石炭特別会計を国が出しているわけです。そうだとするならば、やっぱり最大公約数の中で当然業界は、私は三千万トンと一貫して主張しているんだけれども、きのうは千三百五十万トンと、こう言った。千三百五十万トン放棄するのかという同僚岡田代議士の質問に対して、放棄はできない、業界もこう言ったんです。できないとするならば将来、いまの時点でやるかどうかは別にして私は一つ道がある。これを大臣に申し上げておかなければならぬ。  一貫して私も石炭について、国会に出てきて十年になりますけれども、第六次政策でも議論しているんです。いまの大臣の発想ですが、第三セクターということ、第六次答申で出ました。これは忘れもしない、当時私がこの場で申し上げたことは三点あった。第六次の答申、第三セクターとは一体何ぞや、これはつまり国が直接国営をするわけじゃありませんから、当然これは業界、自治体、そしてわれわれはユーザーをひとつ参加させてもらいたい。そして、たとえばエネルギー機構、NEDO、合理化事業団がこれに出資をする、こういう位置づけでいくならば、これから日本石炭産業の第六次の時点では長期安定の道が開ける。これは会議録に残っておりますが、私実は言っております。その方向で認識は変わっていない。これも当時の河本通産大臣認識、方向としてはそういうものは大いに検討されるべきである。もちろん実施とは言っているわけじゃないですから、その段階ではそういう検討をされなければならない、こうなっています。  私がここでお聞きしたいのは、国がそういう発想に立っていただけるかどうか。立っていただきたい。そうすれば、いま言ったように、あの夕張の千三百五十万トンというのはいま放棄できない、有吉会長も放棄しないと言っているわけですから。  それで、最も近い大夕張炭鉱とか真谷地炭鉱があるわけですから、将来的には大夕張、真谷地という炭鉱から、坑内の穴の中、地底から、夕張の一体計画というのは進める道が検討されるべきであろう、こう言っているわけです。私は、いままさしく二千万トン体制という七次政策を打ち出した限り、大臣に申し上げたいことは、夕張の一体化開発が必要だと。あそこに大夕張炭鉱がある、あれだって資源は有限です、無限じゃないんですから、有限である限り限度が来る。真谷地炭鉱にも限界が来る。そういうことであれば、石炭政策として、夕張の一体開発というものを基本にまず立てるべきじゃないか。  その中で、当面して、いまの夕張現状の中で、大臣がおっしゃる新会社の最大公約数のもので何が求められるか。こうなると、可能性があるのは、百歩譲っても中央立て入れ部内に七十七万トンある、露頭炭が十八万トンある、これだけでも百万トン弱あるわけですよ。そうすると、二十万トン体制でいってもこれは優に五年掘れる。そこのところを将来的な、千三百五十万トンが正しいのか三千万トンが正しいのか、あるいは全体的にその時点でどういう夕張の一体化構想というのをどういうふうに発展させていくべきなのか、こういう戦略をまず持って当面対策を考えた場合には、これは実現は可能であると確信を持って私どもは申し上げたいと思うんです。  そういう意見を私は持っております。それはもちろん、ベターであるとかなんとかということは十分検討願わなきゃならぬことでありますけれども、そういう意味でもこの再開発は可能なんです。だから大臣がいみじくも言われましたけれども、その点まず国はどれとどれとをやる、国は資金的にはこうする、こういう手だてをするから道庁はこうしてもらいたい、つまり道庁に何を求めているのかということの大臣考え方をここで、方向性を出してもらえば道はそれなりに検討すると私は思うんです。業界に対しても、業界として何を求めているのか、つまりやってもらいたいということははっきりしているんだけれども、可能な中でどういうことができるのかというあたり、私はいまそこらあたりポイントになってきているような感じがするんです。この点、大臣、いかがでしょうか。
  15. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) 私も、党の政務調査会で五千万トン体制是か非かの議論からやった今日の経過を承知いたしております。しかしながら、石油のあのような一次、二次の戦略的な使われ方によるわれわれ日本経済の打撃から、石炭というものに対する環境はまた別な意味で新しい要素が現在は加わっていると思います。したがって、わが無資源国日本で資源があるとするならばそれはまず石炭、それはしかし自給自足するほどのものではないけれども、これは大切にしなければならないものであるという情勢は変わってきていると思うんです。いまお話しになりました前半のことには非常に参考になる点がございました。したがってこれからの私の考えをまとめていく上でいろいろと検討させていただきたいと思いますが、最後の、国がこうしてやるからこうしろという考え方を示さなければ動けないとおっしゃいましたけれども、それをやったらだめなんですね。私は恐らくだめだろうと思うんです。  道庁の方がいろんな手続を研究されて、こういうことが可能かどうかというものを最大限持ってこられるだろうと思うんです。それに対して私た ちが最大限誠意を持ってこたえて、それで合意すれば、石炭協会の方に、こういう合意に石炭協会も従ってもらいたいということを話すつもりでおりまして、こちらから、こういう条件をつけるということを、たとえば北海道庁が経営主体になれなんというようなことを言ったら、とてもじゃないがそれはもう初めからできない相談です。ですから、そういうことを含めて全部北海道庁の御意見をこれから伺います。そして、その御意見に国がどこまで責任を持って沿い得るかの答えを出します。そして石炭協会に、これはまた違った意味協力を強く要請していくつもりでございます。
  16. 対馬孝且

    対馬孝且君 大臣は、私の夕張の再開発というものについては非常に参考にしたいと。私は再開発は可能であるということをいま原則的なことを申し上げるんで、時間がないから、もっと細かく言ってもいいんですけれども申し上げません。  そこで私は、国が何と何をということを言っているのでないんです、細かいことを言っているんじゃないんですよ。そういう意味じゃなしに、考え方をはっきりしておかないと道だって大臣、やりようがないんですよ、正直に申し上げて。  もっと申し上げますけれども、先ほど私の質問に対して、現行制度資金は全部出しますと、これは大臣も言っていますわね。それから、新鉱開発資金考えていますということを大臣はおっしゃいました。それとまた、例として水俣方式があるのではないか、チッソという例がある。イコールではないけれどもそういう例もあると。私がお伺いしたいことはそこなんですよ。ここが大事なところなんです、大臣。何もいまここで具体的にここが何ぼ、道庁が何ぼとか、どうすればいいとかということを言っているのでなくて、道が検討する場合に大事なことは、大臣は財政のベテランですから言うまでもありませんけれども、つまり短期的な単なる融資でいいのか、あるいは出資をするのか。もっと言いますと、出資をするという限りは、これはやっぱり一定の経営参加になるわけですから、当然出てくるのは、赤字になった場合の赤字穴埋めはどうするのか、あるいは肩がわりをどうする、債務保証をどうするということがあるでしょう。大臣、当然だと思うんですよ。ですから、私はいまそういう個々の額面がどうだとか、そんなことを言っているんじゃなしに、いわゆる方程式として道が検討する場合に、単なる融資でいいのかあるいは出資という体制をとらなければならないのかというあたり問題点がしぼられてくると思うんですよ、私もこれ素人じゃありませんから。  そうしますと、いま大臣がおっしゃるように、十分にそこらあたり検討してもらいたいということはわかるんだけれども、その検討する場合の前提になるものが、一ついまわかったことは、国としてやることは現行制度資金と新鉱開発資金である、これはわかりました。そこで、いま出てきたチッソ方式というのは、それでは北海道の場合、この夕張開発の新会社の場合にその方式を当てはめていいのか。当てはめてよろしいという考えがおありであれば、それはそれなりの一つ考え方だと私は思うんです。  そこらあたりを聞いているのであって、何もこうせいああせいと、いまここで何十億、何百億の金をどうして、そして何年後にどうしてなんという、そんなことは毛頭私もいま大臣に求めようとは思いません。そこらあたりをどういうふうにお考えになっているかということをお伺いしているわけです。
  17. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) このまま山を閉山させて離職者を出したい、そういうことを私が考えているわけでないことはわかるでしょう。
  18. 対馬孝且

    対馬孝且君 わかりました。
  19. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) それで、そうしたくないという一念を知事さんにもお話を申し上げた。知事さんは、断る自由からいろんな条件をつける自由まで全部知事さんの手にございます。したがって、知事にげたを預けて私が逃げたなんという、そんないまごろ毀誉褒貶を気にする男じゃありません、逃げる男でもありません。責任は私にございます。知事さんを苦しめる気は毛頭ございません。  ここまで来て、ただ報告石炭協会からもらって、はい、じゃ離職者対策をというのでは政治は不在じゃないかということでいま一生懸命やっている。具体的な問題は、いまおっしゃったことも含めて道庁の方からも、あるいはそれを相談する場合には石炭協会の方からも、いろんな意見が出ると思いますよ。しかしそれを一生懸命汗を流してもしそこに道が開ければ、いまおっしゃったように、山の未来は相当あるとおっしゃる、その未来へつなぐ道が開けるのかもしれない。その道を模索しているということでございまして、きょうの時点で私がこれ以上申し上げると、そういうことには応じられないとかなんとかという反応が直ちに返ってくるわけです。したがって、無理も言いませんが、無理を言われた場合に聞く用意はある、努力をするということだけは申し上げておきたいと思うんです。
  20. 対馬孝且

    対馬孝且君 わかりました。  大臣、それはわかりますよ。この前も私へのお答えの中に、あえて他から見たら通産省は行き過ぎだ、大臣としての発想は行き過ぎかもしらぬということを前提にこれお答えになっていますから、それは私もわかります。それでいまわかったことは、私なりに受けとめたことは、国に制度資金、新鉱開発資金、そして水俣方式というのがやっぱり検討の課題としてあると、こう私は受けとめました。いまの大臣の発想の中にそういうものがあるということを受けとめまして、そこを最大公約数詰めなけりゃならぬ、こう思っているわけです。  そこで、一番大事な問題は、大臣、まあそこはこれ以上あなたに、私も十九日阿具根先輩初めお会いしたけれども、当時沖縄復帰の問題で異常な執念を燃やした大臣、当時佐藤栄作総理大臣も反対したにもかかわらずあれだけ沖縄復帰で円ドルの関係で踏み切った勇気ある大臣決断ですから、私はこれ以上は求めませんけれども、申し上げたいことは、私の受けとめ方としては、はっきり申し上げて、いま言った制度資金と新鉱開発資金プラス水俣ということは当然これは考えられるな、こう受けとめていいですか、その点だけ。突っ込むとかそういう意味じゃありません。検討の課題としてですね。
  21. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) いわゆる公害病患者、これはこれからも相当長期間にわたってまだ治療もしくは死亡弔慰金その他の支出が要る。チッソという一私企業、それはもちろん企業の責任が根本であり第一義でありますから、それが責任を負う。しかしもし負えなくなったらチッソは倒産する。そうすると熊本県は、チッソでもっている水俣市とも言えますから、それを倒産させたくない。そういうことで、県が県民、県議会の了承を得て県債発行というものをやっていいと。そのかわり、県が県民に後ツケが残らないように国からめんどうを見てもらえという条件のことを、これは過去にもやったし、今回も決めましたし、そういうことがあることを念頭に置いてはいますが、しかしそれは、公害病患者炭鉱の失業者という問題に物差しを当てると、じゃほかの炭鉱の場合のときにもそういうことなんだなという前例となりますから、そのような前例になるべきものであるかどうかについても考えなきゃなりません。したがって、念頭にはあるが異質のものである。しかし道庁相談を持ちかけた以上は私は、道庁があるいは道民が最終的に、逆に言うならば、私企業である一炭鉱のために公が何らかの迷惑をこうむるようなことは絶対ないように配慮をしてみたい、そう思っています。
  22. 対馬孝且

    対馬孝且君 いま大臣がそこまで言いましたから、私はここでこれ以上はもう申し上げません。  いずれにしましても、そういう一つの水俣方式ということがイコール炭鉱に、北海道方式につながるかどうかということになるわけでありますが、ただ、あくまでもこれ水俣だって私企業ですからね、大臣のおっしゃるとおり。私企業の中で熊本が県債を出した。たとえば夕張石炭業界がやる、その場合に融資でいくか、あるいは道の債 券を出すか。出すといったって、これは地方財政上限界がある。いまの三割自治という中では大変なわけです。そうすると結果的にはそれを国、大蔵なり自治省が保証する、担保する、こういう背景がなければなかなかこれはできるものではない。大臣がいみじくも言ったように、道議会という場があるわけですから当然そうだと思うんですけれども、そういう、大臣がそこまで一応検討の課題であると言うことについては承知いたしました。それをまた持ってきた場合については十分検討する、そういうことでひとつ私も確認したいと思います。よろしゅうございますね。
  23. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) もちろん、あらゆる条件を前提に、それに対してこたえる用意があります。ただし、こたえるというのは、全部イエスだという意味じゃありませんよ。相談をするということです。
  24. 対馬孝且

    対馬孝且君 わかりました。  そこで大臣、ここなんですよ。きのう来私、いま確認しましたからいいんですが、参考人同僚議員のやりとりを聞いておりましての問題は、業界をまずやっぱり説得してもらわないとこれはやりようがないと思うんです。  はっきりしているのは、きのう有吉さんも一貫して、大澤管財人協会の違いというのはもうそうないんです。これは保安上の問題からいってもない。ただこれは言うならば、一年間繰り上がったということ、当時四年数カ月の一切り羽体制が結局三年七カ月に縮まったということでしょう。あとは、炭量が百三十万トンふえた。第三は初期の投資額が三百億が四百六億になった、これが三点目です。そして八百八十八億、国が制度資金、新鉱開発資金を出していただいたとしても三百億の赤字、この違いなんですよ。大澤さんはとんとんだ、こう言っておる。最後収支はとんとんである。ただ、一切り羽体制の着炭するまでには四年数カ月かかる、ここの違いが一つあるのと、露頭炭ですね、露頭炭が当初八十万トンと言ったのが、きのう有吉会長は大体半分以下よりないと。私現在聞いているのは二十万程度と、こう一応粗筋は聞いておりますけれども、それは別にして、それから七十五万体制と七十万、これだけの違いなんです。あとは何もないんですよ。  いまなぜそれを言ったかと言いますと、しぼって物を言えば、根本は無利子の長期資金があればこの夕張新鉱の開発再建できる、こういう答えがはっきりきのう出ているわけです、私がやりとりを聞いておってね。そうなんだけれどもあえて有吉会長は、とてもこれだけの採算性の中でやれるものではない、とうていむずかしいと。そしてきのうの発言を聞いて驚いたのは、むしろ石炭業界の方から道庁の方に、この七カ月間検討した案を持って、どうかひとつ道側としても、こういう現状でございますということを言いに行くというわけですわ、近々中に。こういう姿勢ですからこれはとても、私の判断としては、これは私の個人的な判断ですけれども、とうていこれは業界がやるという気を起こすものではない、あの有吉会長の言動、言質からいくならば。したがって、ここが大事なところなんですけれども、大臣がこの際乗り出して業界を説得する、この姿勢に立ってもらわなければ、これが実現するとしてもなかなか実ることがむずかしいんではないかと、きのう私は同僚議員有吉会長のやりとりを聞いておりまして、非常にこれは重大な問題だなというふうに深刻に私なりに受けとめました。  この点についてひとつ、大臣がそういう業界を説得するということに乗り出して対応する、こういう決意に立っていただかなければならない。いかがでしょう、この点。
  25. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) ちょっと聞き捨てならぬ話をお話しなさったんですが、協会が独自の行動として道庁にその不可能な資料を出す、見せるというような話は、私はそれは協会の越権行為だと思いますよ。そのことはあってはならないことだと思います。私が第一受け取っていないものですから。エネルギー庁長官をして受け取らしめて、私の手を経由しておりません。したがって責任ある政治家の手、責任者にその書類が渡っていないものを道庁に渡すなんということは許しませんし、また、それは協会の代表として言われたんでしょうが、いままで国のお世話になったこともない、これからもわれわれ石炭協会は一切お世話にならぬというお覚悟を持っておっしゃるなら、また私も改めて物の言いようがあります。
  26. 対馬孝且

    対馬孝且君 わかりました、大臣のすかっとしたお答えですから。きのう私はこれ、記録していますからね。きのう岡田同僚議員からの質問有吉会長が、私らのできる範囲はとにかく技術協力以外にない、こう確信していますと。しかし道庁もこれから御検討になるようでありますけれども近々中に、とわざわざ御丁寧にね、近々中に今日七カ月検討した内容を代表、係官を一応出して、十分説明してその了解を得るつもりでございます、と言ったことは間違いございませんから。当時マスコミの方も入っておりましたし、これは私の個人的な見解でございませんので。大臣がそういう決意であれば、あればあるほどひとつ、わかりましたから、ぜひその再開発の構想実現に向かっての業界説得にまず大臣が乗り出してもらう、このことをお伺いしたい。
  27. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) 繰り返してもしようがないですが、説得とかなんとかというものとまた違うものだと私は思います。みんなが責任を分担し合うという気持ちが全くないのか。ないのならないで、私もまたそれに対する対応をいたします。しかしそれは、不可能ですよと北海道庁に持っていくなんということを通産省、前大臣でしょうが、委託した覚えはないと思います。直ちに長官の手によってそれは差しとめるように、この公の席において命令をいたします。
  28. 対馬孝且

    対馬孝且君 わかりました。まさしく大臣、ぜひそういうことのないように。鋭意これから誠意をもって検討しようという道の姿勢にあるのに、そういうあんた、足を引っ張るどころか、できないというような逆提案をするなんということはもってのほかだと私は申し上げなきゃならぬ。そういうことで経営者側に対応するという大臣の姿勢はわかりました。  次の問題、これはこの機会に聞いておきたいのでありますが、いま大臣から冒頭の私の考え方に、サミットへ二十六日に出発されるわけですから、事務方でこの話し合いを詰めていくということでございましたね。それは私結構だと思うんです。それはもう大いに詰めてもらったっていいと思う。ただ、その詰める場合、いま大臣にちょっとお伺いするのでありますが、これは、ここにいまエネルギー庁長官もおりますし石炭部長もいますが、エネルギー庁長官石炭部長という、いわゆる事務方というのは通産のそのラインというふうに受けとめていいのか。それからまた道庁側は道庁側でもちろんこれ、私が知っている限り、石炭対策本部事務局長というのがおりますからね。それから北海道の場合は、単に道だけでなくて商工団体、経済団体から地元市町村、それから労働団体全部入って石炭連絡会議というものをちゃんとつくっておりますから、それなりの対応があると思うんですけれども、その事務方というのはどのクラスで実際に詰めるのか。この点大臣はどういうふうにお考えになっているんですか。
  29. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) 事務方の方は正直に言って殿御乱心という気持ちであるかもしれません。しかし私はいま、任命権者でありますから指揮権もあります。したがって私のいまのとろうとする行動に、エネルギー庁の長官、石炭部長を初めとする関係者、これは一生懸命その道を模索するためにすでに、水面下でございますが、水面下を必要といたしますので、事務の疑問等についての答え、あるいはどこまで行けるとか、あるいはどういうことならばどういうことになりそうだとかというような、そういう回答以前の打ち合わせといいますか意見交換といいますか、そういうものは私の方針を受けてやっております。間違いありません。
  30. 対馬孝且

    対馬孝且君 エネルギー庁長官、聞いていてくださいよちゃんと、石炭部長も。大臣のその発想、 構想に立って事務方としてすでに作業を開始されている、こういうことにいまお聞きしますが、大臣の言うとおりだと思います。  そうだとすれば、私はいま道庁との間の事務方で詰めると、大臣の最初のお答えでそういうふうに聞いたんですけれども、これはやっぱり業者も一枚加わって、三者の事務方で詰めるということにしないとなかなか詰まっていかないんじゃないかと思うんですが、いかがですかな、この点は。
  31. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) これは異例な措置をとるわけでありますから、まず地方公共団体としての北海道庁との詰めが先決であります。業界はその後今度は私が直接やります。
  32. 対馬孝且

    対馬孝且君 わかりました。それではぜひいま言ったエネルギー庁長官石炭部長という事務方を中心に、道はそれなりに対応すると思いますから、まずそこでひとつ基本構想、いわゆる発想に対しての実現を詰めていただく。そしてその上に立って業界石炭協会との詰めもやっていただく。サミット後、大臣がお帰りになってからもう一度、委員会は閉会中であるかどうかは別にして、改めてこの問題をできるだけスピードアップして作業をやってもらう。  ただ大臣、ここで申し上げなければならぬのは、私も社会労働委員で、大野大臣が早ければ六月末、遅くても七月初めには入ります、現地夕張へ行きますということをこの間、十二日の参議院社会労働委員会で大野労働大臣に約束していただきました。それで私の質問に対して、千三百一名現在山におりますと。そのうちもうすでに、個別給付、職業訓練延長給付、広域給付と、これ私も社労は長いですから、三つの方法があるんですけれども、事実上雇用保険が切れてしまっている、六月になればほとんどもう雇用保険はだめです。そこへ、地元では御案内のとおり福利施設その他は自己負担です。こういう段階に来ている。だから、いずれにしても早くこの結論を見出さなきゃならぬ、早く再開発構想というものを実現しなきゃならぬ、こういうふうに私は考えております。これは大臣もおわかりになると思います。雇用保険が切れてしまっては生活できないわけです。もちろん黒い手帳があると言えばそれまでですけれどもね。やっぱり安定したところを求めなきゃならぬというのが労働者です。大臣がいみじくもおっしゃった、離職して生活するんじゃなくて、仕事をして安住を求める、まさにそこが政治だ、山中構想であるということを私も確認いたしますので、そういう点からいきますならば、早期にこの詰めの作業を促進してもらいたい。  同時に、大臣サミットから帰ってきた後に一つの方向性が、一つの構想がまとまる、こういう段階にぜひひとつ進めてもらいたいということはいかがでしょうか。
  33. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) 承知いたしました。
  34. 対馬孝且

    対馬孝且君 以上で質問を終わります。
  35. 阿具根登

    ○阿具根登君 私の時間はございませんが、関連して。  さっきから山中大臣が水俣病の問題を言っておられます。いままた対馬君から相当突っ込んだ質問がございました。何もこれが道庁で決まったわけでも何でもないからこの点にしぼるわけじゃありませんけれども、去年の五月十七日、ちょうど一年前になりますね、水俣病に対しまして環境庁長官が、地方債は二百十億を超えた、これじゃ県議会がまとまらない、どうするかということになりまして、そしてこれはもしもチッソに不測の事態が発生した場合は県としては大変なことになる、だから心配のないように国がめんどうを見ます、こういうことを環境庁長官がちょうど一年前言っておるわけです。ところが、それからちょうど一年たった五月十七日に、これは山中通産大臣も御出席と思うのです。同じ問題を関係閣僚会議で審議されておって、そして再確認をされておるわけです。  そういたしますと、大臣の御心配は私は十分わかるのです。これでいけというわけじゃないですから、またそれも言いにくいことはわかっております。しかし水俣病というのは熊本だけじゃなくて各所に出てきたのです。だけど、こういうふうにして地方債まで発行して国と県で一生懸命企業を守ってやり、そして被害者を守ってやっておるのはいま熊本だけなんです。そうしますと、夕張の問題でも、もしもこれを水俣方式でやるとすれば、他の山もまたそういうことを言いはせぬかという御心配があるんだと、こういうことをちょっとお聞きしたわけなんです。水俣病も最初はそうだったんです。私も二十年間水俣病をやってきております。最初は、恐らくどこにもこういう病気が出てきて、どこの県もこういうことを言い出したら一体どうなるかという問題でずいぶん苦労もいたしましたし御迷惑もかけました。  それで、その件から考えてみても、仮にそういう対策が考えられたとするならば、通産大臣としてどういうふうにお考えになっておるか。しかし、決定的なお答えになるとまた大臣もお困りになるでしょうから、一言お聞きしておきたいと思います。
  36. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) 私は困ることはありませんで、責任をとらなけりゃならない場合はちゃんと責任をとります。  しかし、いま北海道庁からどのような条件というものが打診されてくるのか、まだ全くわかりません。ですから、都道府県に国の行政の一端を担っていただく場合には国もそれに対応する措置が必要であるということについて例を挙げたわけでございますから、水俣病のチッソの問題そのことだけではなくて、国本来が石炭について責任を負うている場合にそれを都道府県、地方自治体にも一役買っていただく場合には、それ相応のことを国は自治体にしなければなりません。自治体をそのゆえに不幸に陥れるということは絶対あってはならないというのが私の信念でございます。  こういう答えでよろしいですか。
  37. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうだろうと思うのです。ということは、もしも自治体がそういう申請をしたならば、自治体を殺すことはできませんよということになりますね。
  38. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) そのとおりでございます。
  39. 阿具根登

    ○阿具根登君 ありがとうございました。
  40. 藤原房雄

    藤原房雄君 同僚委員からいろいろお話がございましたが、まず、石炭政策につきましては、日本石炭エネルギーの安全保障上これは国の責任でやるんだということと、さらにまた、地域の問題につきまして、特定地域の振興につきましては国もそれぞれの法律をもって臨んでおるわけでありますけれども、夕張におきまする石炭産業というのは非常に大きなウエートを占めておるということで、大臣が非常な決意でこれに臨んでおるということ、先ほど来のお話、このように確認してよろしいかどうか、最初にお伺いしておきたいと思います。
  41. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) そのとおりでございます。
  42. 藤原房雄

    藤原房雄君 時間もありませんから、長いお話ができないわけでありますが、何点かにしぼってお話を申し上げたいと思います。  大臣知事にお話をなさった。その後マスコミでもいろいろ論じられております。私どもはきょう初めて大臣からその真意といいますか、その状況、お話を聞くわけでありまして、そういうことでぜひ直接大臣からお聞きしたい。こういうことで、すでに報じられたり、当然のことと思うようなこともあるかもしれませんが、ひとつ率直にお述べいただきたいと思うのであります。  一つは、大澤管財人の構想が発表になった、その後協会、五社の社長さんがこれだけ時間をかけて出したものがこういう、こういうというか、もうすでに御存じのとおりの結果であるということですね。これは一体どちらの調査能力がすぐれているのかということになるのかもしれません。大澤管財人も、協会から推薦になって管財人という位置についたわけですね。しかしその見通しについては、協会の答申というのは余りにも厳しい。しかも、採算性ということに非常に偏重したと言わざるを得ない。まあしかし、これは技術的なことは われわれもわかりませんから、出てきた結果だけ見ているわけでありますけれども。  こういうことで、通産省としては通産省としてのそれなりの、大澤管財人の構想と、それからこのたびの発表と、いずれにしましても通産省としてはこれらに対しての専門的な方々もいらっしゃるわけでありますから、当然これらの問題に対しての御判断、技術的な面、総合しましてお考えはあるかと思うんですが、大臣は、直接おれは受けぬぞ、これはエネルギー庁長官が受けたんだということなんですけれども、しかし役所としては受けたわけでありますから、それなりの判断なり、役所としてはどうこれをおとりになっていらっしゃるのか、まずその点をお聞きしておきたいと思います。
  43. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) 通産省、いわゆる通産大臣、前の安倍君のときですね、そのお願いをしておるわけでありますから、当然ながら通産省と言えば通産省ですが、しかし責任者たる私はこの内容をいただくわけにまいりません。ということは、私自身がこれから皆さん方に新しい御相談をしたいと思います、したがってこれは丁重に、エネルギー庁長官をして受け取らせます、御苦労をかけましたということで受け取っておりますので、通産省の中で受け取っていないわけではないんですね。しかし、封をあけてそれを検討するという作業はいたしていない。私自身がよろしいと言うまでの間は、やはりまず北海道庁との話し合いということを前提にして、その後協会の方に対して御報告と申しますか、あるいは作業結果の御連絡と申しますか、そういう御苦労をかけた皆さん方に、考え方というものはおおむねわかっておりますが、こういうことで御協力を願えないかという相談を具体的にしていくわけでありまして、しばらくの間は協会との間のやりとりはないというふうにお考えいただきたいと思うのです。
  44. 藤原房雄

    藤原房雄君 これは企業が経営いたします、これから企業として仕事を始めるということになりますと、可採埋蔵量がどのぐらいあるのか、一日どのぐらい掘れるのか、いろいろな試算というものがあるわけですね。これはやはり、根拠があってその上に積み重ねられるのだろうと思うんです。  封を切ってないということですから、そのままお預かりということなんでしょうが、そういう試算や何かについては、手続上どういう形でこれを組み立てていくのかということに力点を置かれているんですけれども、しかしそれはそういう形で果たしてできるかどうかということになりますと、実際現実がどうかという技術的なことは、現存する現状というものがどうであるかということを知らなければなりませんね。そういうことからしますと、これは当然通産省、役所としてもそれなりに判断の基礎というものはなきゃならぬわけですけれども、封を切らぬとか何か、それはそっちの方でいいんですけれども、じゃ何を基礎にして今後そういう問題について御検討なさるのか。  これは役所としてもいろんな調査機関を持ってやっていらっしゃるんだろうと思いますが、その辺はどうでしょうか。
  45. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) いま形式論をやっているわけですね。石炭協会会長からは、われわれはこういう、どう計算してみても赤字になるようなものを企業者としてやることは不可能ですと。それから、現在残っている人たちの中で技術者というものは決定的に不足しておる、この技術者は有能な人たちだからすでにあちこちに再就職して働いておられる、それをまたいまさらどこからかかき集めるというのもきわめて困難だと思いますという口頭の話はありました。それはそれとして承っておきます。問題点ですから承っておきますが、しかし問題は、新鉱とみなして融資を二度同じ炭鉱にするということは、そこによほどの国民の納得する、あるいは地域も納得するものがなければ国の政策の一貫性を欠く。ましてや北炭夕張については、過去に政治融資が行われたとかなんとかといううわさも聞かぬでもない炭鉱でありますから、だからやったのだというようなことのないように、きちんと新しい経営主体でもって新しい出発をするという形がないと、その新鉱とみなして融資をする方法もそれすらとれないということでありますから、やはり私の模索している道の方へ進んでもらった方が解決への糸口がつかめる、私はそう信じております。
  46. 藤原房雄

    藤原房雄君 それじゃ、私が危惧する埋蔵量とか技術的な問題とかいろいろなことについては、それなりの可能性というものを十分考えたもの、そういうものも全部総合したものである。大臣政治決断といっても可能性のないことに決断ということじゃない。やはりそういうことを全部含めて、すべてを包含して、とにかくこういう情勢の中で、そしてまた石炭産業については国が責任を持ってやるんだという、そういう次元の高い上から御判断になった、このように受け取ってよろしいわけですね。  そうしますと、先ほど、具体的にはこれから作業といいますか、話し合い、また突き合わせ、これは事務レベルでやるんだということなんですけれども、事務レベルでどういうことが考えられるか。道は道として、また役所は役所として、こういうことがいろいろ話し合われるわけですね。そういうことがいろいろ煮詰まってきて、こういうことではということで、次、今後それがどういう手順で最終的に進んでいくのか。最終的には大臣が、こういうことだからこうしろ、これならできるぞということで御決断なさるのだと思うんですけれども、これから事務方レベルでの突き合わせ、そこまでの話は聞きましたけれども、それからどういうことに手順が進んでいくのか。最終的には大臣決断ということになるんだろうと思うんですけれども、その辺はどうなんでしょう。まだこれが緒についたところですから、どういうふうになるのか私どもかいもく見当がつきません。大臣がまた何かそういうことについてお考えがあればひとつお聞かせいただきたいと思うんですが。
  47. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) 北海道庁あるいは知事にのっぴきならない要請を国の方がするというような形では、これはもう当然ながらすぐ、それは道の責任ではありませんという答えが返ってきても、決して知事は無責任ではないと私は思うんですね。  そうじゃなくて、かつて優秀な代議士であった知事でありますから、何とか政治家としてのお互いのあうんの呼吸はあるはずだから、政治的にこれを救済する道に、道としても知事としても乗り出してみてくれないかという私の頼みをしたばかりでございます。そうすると、即答はできない。ノーという返事もイエスという返事ももちろん知事ができる立場にいまはないわけです、初めて聞いたということでありますから。これからそのイエス、ノーを言うについて、こういう問題はどうなるのか、こういう点については国はどういうふうに考えているのかという、最終線は別でありますが、事務的に聞いておかなければならないことについては事務当局同士が話し合いをいま進めておる。そして、事務当局同士でもし、これはちょっと大臣の判断を聞かなければ回答できないという問題が出てくると思います。そのときはその都度私の方に上がってくるだろうと思うのです。そして最終的に道がイエスと言われるのかノーと言われるのか、まずそのことが先決であります。  でないと、協会と通産省との話し合いは、私も仄聞と言っておきますが、絶望ということでありますから、それならばもう政治はそこに介入する必要はない、離職者対策をやればいいんだということになります。それでは私が気が済まない、政治家として気が済まないということであります。
  48. 藤原房雄

    藤原房雄君 先ほども同僚委員からお話がございましたが、やっぱり経営主体、これからの話ですからどういうように煮詰まっていくかわかりませんけれども、しかし幾つかの前提条件というか、また過去のいろんないきさつ等もあるわけですね。  そういう中からだんだんそういうものが集約されてくるのだろうと思うんですけれども、一つ石炭鉱業審議会の一昨年の答申、今後の石炭政策のあり方の中で、私企業体制の維持が適切であるというような答申がございましたですね。こういうことからしますと、いまこれは道をどういう立場にするとかなんとかという前提条件で私は言っているわけではないんですけれども、こういう石炭鉱業審議会の答申、いろんなものがいままでありました、もちろんそういうこと等も加味して今後の話し合いを煮詰めていく、そういうものを積み重ねていくんだろう、こう思うんですね。第三セクター方式というのは、去年も堂垣内知事のときにそういう話が出て、とてもそういう形は大変でございますというお話もあった。今日までのこのいろいろの検討の中には、どういう形になるかということについて、具体的な話は別としまして、財政の大変厳しい中で地方自治体がこういうところでの第三セクター方式というような形のものは非常にむずかしいということがいままでもずいぶんいろいろ検討されておった、こういうことについても大臣は十分御存じなことだと思うんです。  そういう中で、しかしそういう過去のこと等はとにかく今日全部白紙に返して、どういうことならばこれがやれるのかということで取り組んでいくんだという、そういうことだろうと私は思うんですけれども、どうなんでしょうか。
  49. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) おっしゃるとおり、今回とろうとしている措置は、まず臨調答申の趣旨にも反します。それから過去に国がとってきた石炭政策にも反します。過去の例、臨調答申の精神でいったらもうはっきりしているわけです。答申を受け取りました、わかりました、不可能ですね、じゃ離職者対策に移りますと。しかしそれにしては私は、北海道夕張という歴史、あるいは山の町の夕張市の存在を考え、市長さんの意見等を聞いて考えてみた場合、知事さんも初めからノーという姿勢ではないし、それならばこれは少々いままでのやり方と違っていても私は御相談をしてみる価値がある、またしてみておかしくない。そのことが臨調の答申の方針の、いわゆる新しい官公庁の仕事をふやさないとかそういうようなこと等に触れているというおしかりがあるならば、私は臨調の場に出て堂々とそれを説明するだけの覚悟はできております。  要するに、堂垣内知事のとき云々というお話がありますが、それは通産省ないし通産大臣がそういうことを慫慂して堂垣内知事に断られたとは私は承知いたしておりません。北海道の中のやりとりとしてそういうことが過去にはあったらしいということでありますが、通産省が堂垣内知事に御相談をして断られたということはないと私は思っております。
  50. 藤原房雄

    藤原房雄君 私も通産省が話してということじゃなくて、部内ではいろんな検討の中でこれは非常に大変なことだ、また石炭鉱業審議会でもやっぱり私企業であるべきだというようなことも出て、そういういろんな前提条件といいますか、があるんだと。いまのお話で臨調にも反する、過去の例にもない、だからウルトラCという話もあったようでありますけれども、過去にない、そういう中で何としてもこれを実現しようという大臣の心情というか、その気持ちは私どももひしひしと感ずるわけでありますが、何としてもこれを実現しようというその情熱、情熱というか政治家としての心情はひとつ貫き通していただきまして、その上に立って、非常に困難な問題が多々ございますので、ひとつそれらのものに一つ一つ精力的にまたお取り組みいただきたい。  かつて沖縄のあれだけ大きな困難な問題の中を処理してきました政治力、私どもも山中大臣にはそれなりに評価もしまた期待をいたしておるわけであります。このたびは報道等にも超法規的とかいろんな言葉が使われておりますけれども、いまもいみじくも大臣からお話がございました、臨調に反するしまた過去の例にもないような大変な問題に突き当たり、それを打ち破っていこうとするんだということであります。当然これは大蔵省や開発庁、さらにまた自治省とか国土庁、各省庁との話し合いも必要なことだろうと思います。そういうときこそ大臣政治力をますますふるっていただかなきゃならぬことになるだろうと思いますが、ぜひひとつこれらの諸問題について力を発揮してお取り組みいただきたい。  最後に御所見をお伺いして終わります。
  51. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) ただいま申されましたとおりの決意をもって取り組んでおります。
  52. 高木健太郎

    高木健太郎君 時間も短うございますし、私は原子力発電のことについてお尋ね申し上げたいと思いますが、科学技術庁並びに通産省にも関係のあることでございますが、どちらとも申し上げることができない問題もあろうと思いますから、随時御判断の上お返事いただきたいと思います。  原子力発電というのは、エネルギーの最終的なわれわれの獲得源である、こういうふうに考えられております。これにつきまして、私は基本的に二つの考え方があると思うわけです。  その一つは、近代文明というものを今後ますます進歩発展させてこのままの調子でいった場合には、究極的には、どのような形をとろうともエネルギーの枯渇を来す、あるいはまた環境破壊を来す、あるいは物質の枯渇を来していく。そういう意味で一方では、最近レフキンなんかが言いますようにエントロピー革命であるとか、あるいは糸川英夫氏の言いましたように、第三の道というように、この物質文明をやみくもに進めていくのではなくて、ここでひとつ立ちどまって、余り大きなエネルギーの消費をしないように、効率的にエネルギーを使うようにというそのような考え方で、少し現代文明に対する批判的な考え方を持っている人、あるいは逆にもう疑惑を持っている人、あるいはこれを拒否しようとする人々がおるわけです。  一方にしかし、一度獲得したその物質文明の恩恵というものもわれわれはよく知っておりますし、さらに科学技術というものはあくまでこれは進歩するものでありましょうからこれをとどめることはできない、だからこれを進める以外にない、しかもより幸せな将来がそこに待っている、それを受け入れるためにはどうしてもエネルギーを拡張し、拡大していかなければならないという考え方があります。  いわば、一方に消極的あるいは拒否的考え方があるのに対して、一方に非常に積極的にやろうとする考えの人がある。この両方の人がいま私はあると思うんですね。消極的な考えの人は、地球は有限であるからその資源を余り使ってはいけない、あるいはまたやればやるほど環境破壊が来るからいけない、あるいはまた公害を起こすからいけない、すべてにそういう拒否的な態度、拒絶的な態度をとっていく。一方は、いやそれは何とか公害も消していくことができる、あるいは環境の破壊もできるだけこれを少なくしてより豊かにやっていこうとするのだ、こういう二つの考え方があると思うんです。  私はこれは非常に重要なことだと思うのでありまして、単にエネルギーを獲得するためにあらゆる手段を講じてやみくもに行くということはこれはやはり考えなきゃならぬ、ここに来ては考えなきゃならぬ問題であろうと思いますが、お二人の大臣せっかくきょうお見えになっておりますので、この基本的な考えについてどのようにお考えか、どのような立場をとって今後いわゆる開発を進めていこうとされるのか、その点についてお考えをまずお聞きしておきたいと思います。
  53. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) 産業政策そして国民生活というものから考えて、私たちは未来は半歩ずつでも向上、前進させていかなければならないのが政治だと思うのです。  私は先般、ヨーロッパの会議の合間を縫って、フランスのリヨン郊外のフェニックスと名づけられた原子炉の視察に行きました。所長は大変高邁な識見の持ち主で、フランス、イタリー、ドイツ等の共同による新しい夢への挑戦を現実化しようとしておる現場を見てまいりました。そのときに私はその方に申し上げたんですが、われわれ人類は第二次大戦を契機として核という物質で二つの 選択の余裕の道を与えられた。一つは人類壊滅への道であり、一つは人類が現実に太陽を手にする無限の道である。私たちはこの人類破滅への道を歩くのではなくて、いまここで壮大な実験、研究をしておられる人類の未来へ向かっての発展の道、新しい太陽を人類がつかんだという道をしっかりと歩こうではありませんかという話をしたのでありますが、ただいまおっしゃいましたように、私たちは人間の生活をきのうよりもきょう、できればことしよりも来年が精神的にも物質的にも豊かであるようにしたい、それがある意味政治でもあり、あるいはまた地球全体の人類の未来でもあると考えます。  そういう場合に、有限の物質というものに依存をして、そしてある日突然ぽこっと陥落してしまうような、いわゆるひ弱な花を咲かせ続けるべきなのか、それともやはり人類の英知を傾けて無限のエネルギーを獲得して一方においてわれわれは平和を探求し、人類滅亡の道を拒否し続けながら世界の人類が共存繁栄できる道を選ぶべきなのか。それは明らかに、私たちの未来を明るく平和でそして輝けるものにするための道としての政治の選択は、後者の方だと私は思っております。  お答えになったかどうかわかりませんが、大変御質問が次元の高い話でありますから、ちょっと私も一生懸命背伸びして答弁をいたしましたのでお許し願いたいと思います。
  54. 安田隆明

    国務大臣(安田隆明君) 高木先生は学者でございますし、同時にまた非常にすぐれた知見をお持ちの先生でございますから、いろいろいまお聞きしておりました。山中大臣からもお話がございました。  私は、これは持論でございますけれども、資源は有限である、人類は無限であると。いわゆる有限の資源に対して無限の人類が挑戦をする、これは避けて通ることができない。その中のエネルギーはとこうなりまして、エネルギー構造の中の油を考えてみますと、油というものは一体たくものだろうか、燃やすものだろうか。われわれは石化工業として、あるいは薬をつくりあるいは顔料をつくる。それで有限の油というものについて人類は将来これを燃やすべきものじゃないという極端な私は、これは私の持論でございますけれども、そういう発想で今日までいろんなことを地方行政の中でも叫んでまいりました一人でございます。  だからして、いまエネルギーの問題にお触れになりましたが、われわれはそういう立場に立ってエネルギーをどうするかということになれば、これは省エネルギーという手法をとらざるを得ない。そこには科学技術という分野が存在します。それからまた、代替のエネルギーをいかに求めるか。これもまた同時に科学技術、われわれの分野でございます。その中にいろいろと調和を失うような問題が出るでしょう。だからわれわれは、科学技術の振興、同時にまた人類、生活環境との調和ということを考えなければいけない。なかんずく、この前も先生がおっしゃいましたけれども、ライフサイエンスの問題等につきましては、やはりこういう調和の問題、これを念頭に置いた科学技術の振興、こういうことを頭から離してはいけない、こういう考え方で科学技術、同時にエネルギー政策というものを推進していきたい、いかなければならない、こういうふうに理解しておるわけであります。
  55. 高木健太郎

    高木健太郎君 ただいま両大臣から、大変高邁なしかも積極的な御意見を承りました。  私も、両方の考え方はあるが、いま通産大臣は少しずつでもというふうにおっしゃいましたが、少しずつでもということが非常に大事だと思うわけです。急激な発展というのは破滅に導くものではないか、よくとどまっては考えというような形にするのがよい。というのは、最近の学者なんかの意見が大体そのようになっておりますので、急激な発展ということは今後慎むべきではないか。その意味では、少しずつとか、あるいは科学技術の基礎的な技術を振興してそれに加えていくというようなお考えに私は賛成でございます。  しかも最終的なエネルギーは核エネルギーしかない。それの平和利用に非常にわれわれは頼らなきゃならぬだろうということも私は同感でございますが、一方、世界における唯一の被爆国としての日本は、核エネルギーに対しまして大変不安感を持っております。また、日本は美しい国でございますので、その意味では環境保全あるいは自然保護というものに対しても強い関心を持っている国民でございます。そういう意味では、ある物をつくっていくあるいは創造していくという場合に、必ずそこに相克が起こることは当然であろうと思うわけです。特に日本では安全性ということに対してはきわめて鋭敏である、アレルギーというような言葉も使われるほど鋭敏である。これが大変不幸なことでもあり、またわれわれの今後研究していかなきゃならぬ問題であると思いまして、いま長官が言われましたように、原子力の利用ということはこれは必須である、しかも安全性というものもこれも必須である、不安感を取るという感情的な面も大事である、この三つのバランスを図っていかなければせっかくのお二人の志も私は遂げられないのではないか、こういうふうに思うわけです。  現在、このような住民の不安感を取るためにいろいろの方法が講じられておりますが、私が見ますというと、第一次ヒヤリング、第二次ヒヤリングというようなことをやっておられますけれども、どうも最終的にうまくいかない。今度島根の原発の設置に対しまして、第二次ヒヤリングというのを初めておとりになりました。これは科学技術庁で大変思い切ったことをおやりになりましたが、その前には、文書でもいいのではないかということもお考えになりました。この第二次ヒヤリングをおやりになりました効果についてはどのようにお考えになりますか。あるいは、将来住民のそういう不安感を取るためにはどのような方策をおとりになろうとしているのか、そのことについて御感想を承りたいと思います。
  56. 安田隆明

    国務大臣(安田隆明君) いま高木先生がおっしゃいますように、原子力政策を推進する場合のポイントは何であろうかと考えれば、もう絶対の安全確保、これがその大前提になることは御承知のとおりであります。絶対の安全を確保する手法、これを持って地元の御協力、理解を得なければこの政策の推進は実らない、こういうことでございまして、いろいろ知恵をしぼり行政懇のいろんな検討も得まして今日の手法ができておるわけであります。  そして、島根方式はいかがか、こういうことでございますが、私はこの島根方式につきまして大変高く高く評価しておるわけであります。地元知事さんのあの苦労、協力、同時にまた県評の本当にすばらしい今度のあの態度、こういうものは当庁としては高く高く評価しています。だから島根方式というものを何とかして今後定着させてほしい、私はこういうふうな念願でおるわけであります。  それで、今度初めて島根方式でやってみまする中において、やはりこれはいま先生がおっしゃいましたように従来いろいろと振幅はございましたが、初めてこのような振幅の縮まったこういう方式がここで実施をされたわけでありますから、これをひとつ何としても定着させたい。私たち自身が今度の島根方式を一つのいい先例として、そこに今後改善すべきことがあるかないか、いま反省会も込めて何としてもこの方式というものを定着させるために努力をいたす決意であります。
  57. 高木健太郎

    高木健太郎君 私も、困難がたくさんあろうと思いますが、文書によって意見を聞くだけというようなことはやめて、できるだけ住民の意思、意見を吸い上げるというような形をぜひとっていただきたいと思います。  問題は、万全の安全性というものはないということにあるわけです。どのようなものでも何%かの危険率は必ずそれはつきまとうものであるというところにこの問題のむずかしさがあると思います。どのような機械であっても、どのように安全だと言っても、やはり危険率というものはつきまとうということに問題がありまして、そこにまた 日本の従来の核に対する不安感というようなものが加わりまして、なかなか口先だけではこれを納得させることは困難であるということから、単にヒヤリングということだけを進めるのではなくて、もう少し事前のいろいろの教育というものを私はやらなければいけないと思います。  今度の教科書、何か少し手を入れられたということも新聞紙上で拝見しましたが、もう少し物わかりのいいときに、白紙の状態のときに十分こういうことを頭に入れる、そして完全ということはないということも教えなければいけないのだと思うのです。世の中のことはいわゆる確率によって行われている、一〇〇%ということはそれはできないことであるというような物の考え方も、私は同時に教えていかなければならぬことだと思います。  たとえば、アメリカが先般やりました計算がございます。昨年の十一月の二日に米国の原子力規制委員会がやりました報告で、原発の事故がある、その事故は二%は起こり得るということをはっきり言っているわけです。しかも最悪の場合には十万人の人が死んでそして三千億ドル以上の損害が出るだろう、こういうことを言っております。こういうことは日本計算されたかどうか知りませんけれども、そういうことが起こり得るということははっきり言ったってしようがない、これは隠してはいけない。こういうことがあるならあるというふうに私は計算しておく必要があろうかと思います。  また、レーガン大統領は昨年廃棄物教書というものを出しております。それで放射性廃棄物政策法というものを出しておるわけです。それによりますと、自然放射能は年間百ミリレムですね。それからエックス線とかラジウムとか、そういう医療の放射線、医療機器から出てくるものが九十ミリレム、そして核実験とか建材あるいは電子機器から出てくるものが十ミリレムである。それを全部合わせますと年間二百ミリレムぐらいになります。ところが原子力発電所、原子力施設から出るものは年間〇・三ミリレムでありまして、二百分の三ミリレムである。こういうことをはっきり言っているわけですね。だから一方では、こういう危険があるとこうなるぞと言いながら、一方ではきっちり、これぐらいのものしか出ないんだ、しかも、だからそれは無害である、それより以上に自然放射能とか医療機器による放射能を皆さんは受けているんだと。こういうふうに物事をはっきりしなければなおさら私は不安がつのる、こう思うんです。  その点につきまして、いままで科学技術庁なり通産省なりでおとりになりました施策は、いまのに比べてどのようなことをおやりになりましたか。それをちょっとお聞きしておきたいと思います。
  58. 赤羽信久

    政府委員(赤羽信久君) 御指摘のように、アメリカではいろんな形が出ております。  ただ、先ほど人が死ぬ話が出てまいりましたが、これはアメリカの規制委員会のあるメンバーが計算上の話として出したものが広く伝えられたことではないかと思われます。アメリカは確率をすぐ実体の数字に計算し直すものですからこういうことになるわけですが、われわれの考え方は、そういう確率で結果がどうなるというよりは、想定される事故を限りなくゼロに近寄せる。そして、一番大きいものが起きた場合でも住民の受ける被曝を有害でない範囲に抑え込む、これがわれわれのとっておる安全審査の方向でございます。  それから、ただいま〇・三ミリレムというお話がございましたが、通常のときにおきまして、わが国は安全審査の指針としまして、一番近くにいる住民でも年間五ミリレム以下というのを指針として安全審査を行っております。これは実測をいたしましたところ、実績としましてはその百分の一、多くても十分の一程度しか出していないということが確認されておりまして、アメリカの言います〇・三を一般には下回っているのが現状でございます。それをますます閉じ込めを完全にして、被曝が自然放射線に対して全く無視できる範囲に抑え込むという方向をさらに強化しておるところでございます。
  59. 松田泰

    政府委員(松田泰君) いま原子力安全局長から話のあったとおりでございますが、なお若干補足いたしますと、通産省といたしましても、こういう確率的な考え方という問題につきましては、世界的にもいろんな委員会検討がされておりまして、アメリカでも先生のおっしゃいましたように発表されておりますが、日本におきましても私どもの方の運転管理に関しますある一つ委員会等でそういった評価を行い、その考え方を定着させるにはどうしたらいいか、そのために必要ないろんな、たとえば事故故障のデータとか、そういうものをどういうふうに集めようかというようなことは検討しております。  しかし何分にも、確率の考え方をすぐになじませるには相当な努力といいますか、不断の努力が要ることでございます。何%で起こるということも、ちょうど宝くじが何人に一人必ず当たるという意味とはちょっと違っておりまして、その程度の確率で起こるかもしれないというような計算ができるということでございますので、なかなか受け入れがたい面もございますが、最終的にはこういった考え方もぜひ取り入れないと議論が果てしなく続くというところもございますので、そういった考え方につきましては、原子力安全委員会あるいは科学技術庁等の活動と協力して取り上げていきたいというふうに思っております。
  60. 高木健太郎

    高木健太郎君 確率の不在ということがございましたが、アメリカ等に比べて日本の原子力発電所というのは非常に安全率に焦点を当てたもので、そのために建設費も幾らか高いと聞いておりますし、また学者の間の話を聞いてみますと、日本のは安全の上にも安全であって、アメリカよりも非常に安全であるからTMIのようなことは起こりにくいんだ、ああいうことは考えられぬというような話もございます。そういう意味では大変私はいいことだと思いますが、私が言いましたように、不安感というものは理屈だけではなかなか取りにくいものである。これをどうやって取るかというのは、ただヒヤリングをやるということじゃなくて、常日ごろからのいろいろの教育といいますか、PRといいますか、そういうものが浸透していかないことには、いつまでたってもお互いの融和というのは図れない、話し合いというのはできない。そこに私はネックがあるというふうに考えておりますので、常日ごろからのひとつPRあるいは教育、こういうものに力を入れていただきたい、こういうふうに考えるわけでございます。  終わります。
  61. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 五十六年の十月に事故が発生いたしまして、九十四人という大量の犠牲者を出しました。その犠牲を出した家族だけではなくて、いつあすはわが身になるかわからないという労働者全体の不安、それは子供まで含めて、あのときの夕張を思いますと、私は本当に大変な事態に置かれていた深刻さを思い出すんです。  そしてそれに追っかけて出てきたのが閉山。閉山しなければこの山は生きていけないよということが言われましたですね。それはどこから言われたかといえば、たとえば前の通産大臣安倍さんにしても、この山を生かすためには閉山しなければ新しい開発はできない、こういうふうに言われた。そうしてまた大澤管財人の案を見ても、閉山することによって新しい開発への道が開かれるんだ、こういうふうに言われたわけです。労働者にとってみれば、どんな苦労があってもこの山を残したいということを本当に思い詰めて、あの閉山提案をのむときの苦悩はまた大変なものだったと思うんです。そして大澤提案が出されて、それじゃ今度は再建、再開発へいくのかと思ったら、この時点になって、これは大澤提案なんというものではもうだめなんだと。協会側から出てきたこの案によればと、こういうことになってまいりますね。そうすると今度はまた協会が、これはとてもじゃないけれども問題にならない、めどがない、こう言われる。それで協会も手を出さない。どう も大変だということになれば、これはもう山は生きる道がないじゃないか。  私は、殺されて、閉山で悩まされて、いまの時点でまたこういう問題が出たということを考えますと、いかにこの山に対する政治の非情さといいますか、それは本当にもう、ヒューマニズムの立場に立って人間個人として考えても、この事態は大変な問題だと、そう思うんです。  そのときは安倍通産大臣だったけれども、いま大臣としてのお立場で、余りにも非情だったいままでの経過をどういうふうにごらんになって、そしてその御決意が出てきたのか、まず最初にそのことをお伺いしたい、そう思います。
  62. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) 役所、通産省、政府というものがいままで非情であったということでありますが、私がなりました後、そういう政府は非情であるという気持ちを自分で感じたことはありません。しかし、過去の例を挙げて、結果的にそうであるとおっしゃるならば、あるいは山にのみ生きる人たちにとって、結果として非情な結果をもたらしたというような点が必ずしもなかったとは言えない点が私もあっただろうと思います。  しかし、国の責任炭鉱そのものを常時運営しているわけではございません。あくまでも人命の尊重、保安というものが前提で、安全性を求めての条件を守るように保安監督署あたりを通じながらやってはいますが、結果的において、じゃなぜそのような人命を失うようなことになったのかと言われると、責任を回避はいたしませんが、通産省が直接国家で運営している炭鉱の場合とやや異にいたします。しかし起こった結果についてどうするかという問題は、全くおっしゃるとおりの立場で物を考えなければいけない。いわゆる人間の生き方というものは、それぞれの人生の選択は自由でありますけれども、しかし炭鉱に依存して親子二代、三代にわたってその地に山があるがゆえに定着していた人たち気持ち、あるいはやむを得ずそこを離れる人たちの後ろ髪を引かれるような思い、あるいは残された人たちの、若い、あるいはまた一家の大黒柱を失った人たちの心境というものを考えるとき、これはやはりどの事故においてもあり得ることでありますけれども、あのような国民の目の前にテレビで映し出された姿を見て、国民全部がひとしく山の人たちの生活というものについて思いを新たにしただろうと私も思います。  ただ、その救済についてどうかということになると、そのテレビを見て涙ぐんだ人たちも、国がどこまでやっていいかということについては必ずしもコンセンサスを得ているとは思いませんが、私は私なりの政治家としての判断において、この山が千名とか千三百名とかわずかな数ではないかという感情の人もいましょう。しかし私は、わずかであっても、それは夕張にとってはわずかとはいえないんだ、そこにしかもうおれない人たちの数なんだというふうに受けとめて、やろうと思っています。
  63. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 私も、ここでいまさら、死んだ子の年を数えるということを中心にして問題を持っていこうとは考えていないわけです。ですから何としても、本当に大臣もそういうお気持ちでいらっしゃり、みんなも望んでいる山の再開発という点について、英知を寄せ集めて努力をしていかなければならない、そう思うわけです。  それで、大澤提案と今度の協会の方の提案とを見ますと、先ほどから言われたように、大変な違いが出てまいりますね。とんとんだというのと八百八十八億の収支赤字だというのでは大変なことになってくる。そこで私は、協会側も突っ込んでいないしいままでも問題になっていないたとえば一つの問題、炭量の問題からきょうはちょっと突っ込んでいかなければと思ってお伺いしたいわけなんです。  やっぱり、何が何だといったって、この山に炭がたくさんなかったら、これは採算がとれないわけです。だからそこの山の炭量が、経営にしろ今後の開発にしろ、非常に大きなウエートを持ってそれを左右する要因になっているということが言える、そう思うんです。その点については大臣も素直にそういうふうにお思いになっていらっしゃると思いますけれども、いかがでございますか。
  64. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) 石炭部長から答弁させてもよろしいんですが、これは私自身の判断が先に立ってのいま起こっている問題でございますから。  私は、炭量、あるいはまた採算がとれるのか伝えられる八百八十八億の赤字が出ることになるのか、そこらの問題は一応おいておいて、この山の人たちを、この山を、そして夕張市をという気持ちがむしろ先に進んでいることは間違いないと思います。しかし、全然採算のないものを北海道庁まで引き入れてやろうという、そういうまた無謀なことをやる気もありません。あらゆる努力を財源面からも経営面からもやることによってそこに一脈の道がまだ残っているならば、その道を必死に探求すべきではないか。そういう気持ちが、私の決断の根拠になっております。
  65. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 夕張新鉱全体の可採炭量と申しますか、それについてどれくらいの数字であったかということを、政府委員の方で結構でございますがお答えいただきたいと思います。
  66. 弓削田英一

    政府委員弓削田英一君) 大臣からのお話がございましたように、検討委員会報告書については私どもの方で預かっておる、こういうことでございますので、これに関する限り答弁を差し控えさせていただきたいと思いますが、いま先生のお話がありました、かつてこの山での炭量というのはどんなものであったか、こういう点でございますが、私ども承知しておる限りにおきましては、五十六年三月に現在の更生会社でございます新夕張炭鉱が提出いたしました資料によりますと、炭量は八千八百万トン、こういうことになっていたようでございます。
  67. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 じゃ続いて、いままで実績どれくらい出炭されているか、お答えください。
  68. 弓削田英一

    政府委員弓削田英一君) 五十七年度、昨年の十月でございますが、閉山するまでの間におきまして、坑内炭で六百三十八万トン、それから露天炭で三十二万トン、合計六百七十万トン出炭をしております。
  69. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 大臣、いまお聞きいただいたと思いますけれども、可採炭量が八千八百万トンある。その中でいままでとり出した、出炭した分というのは六百七十三万トン。これを率で言いますと、ちょっと計算してみますと八%にしかすぎないわけです。そうすると、わずか八%しかとらないで、八千八百万トンから可採炭量があると言われていたのを八年で寿命を終わらせるのかということになると、これはもう本当に大変な損失でございますね、いろいろ金もつぎ込んでいるし。現実にあるという中で八%しかいままでとっていないということですね。  それからまた、時間の関係もございますから私の方で申し上げますと、北炭の北部地域ですね。北部地域でも、北炭からお答えいただいた資料から見たんですけれども、埋蔵量が五千八百万トン、その中で可採炭量が三千百万トン、これはこの春私北炭へ行って北炭から御回答いただいた数字でございます。可採炭量三千百万トン、そういうことになっています。ところが今度の案でいきますと千二百七十六万トン。これで見ても、半分しか見積もられていない、こういうことになるわけなんです。  そういうことになりますと、この答申の中身もやっぱり、先ほど大臣がいみじくもおっしゃったけれども、無理だと思って計算する仕方とそうでない場合でどういうことになるかというのをおっしゃいましたし、きのうの衆議院の方でもそのことが問題になりましたしね。本当にこれを生かそうという立場でというと、数字も変わってくると思うんです。そういうことから見ますと、私はこの出炭の計画そのものについても、もう一つ深めて見直していくということがここで必要になるのではないか。そうでないと、決められた中でできませんというそのもので、あとどうするかということだけでは足りないと思うんです。それは一つ検討課題の問題だと私は思うんですけれども、いかがでございますか。
  70. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) 当然そういう問題も検討の中で出てくると思います。
  71. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 当然そうだと思うんです。  それからもう一つ炭量の中で言いますと、この答申を見ますと、平安八尺層の問題も出ていますけれども、真谷地鉄道以南における平安八尺層の発達状況は未探査のため不明である、こういうふうになっているわけなんです。そうするとこれは北部地域の、南部に続いて真谷地に入っていくという地域ですね、ここに非常に優良な炭があるというのはこれは大澤管財人、私何回か会ってそのときおっしゃったし、国会の答弁でも彼はここに有望な炭量がある、こういうふうに言われている。そしてこの協会の答申でさえも、ここのところにあるんだと言わざるを得ない。しかしそれはまだ探査していないから不明なんだと、こういう答えが出ているわけなんですね。  そうすると、私は、この新鉱を本当に開発しようと思うならば、線で引かれたこの中ではこうこうこうだ、だけれどもこの隣接した区域にはこういう炭層もありますというふうに、やっぱり生かすためにはあらゆる面から検討してもらいたい、そう思うんです。そういうのがなされていない。だからこういう面においても検討をしていただきたい、これが一つです。  それからもう一つ、きのうの衆議院の石特を傍聴いたしておりました。そうしたら野呂委員長が、清水沢東部においても六百万トンの炭がありますと、こういうことです。それに対して、しかしそれは鉱区外でありますというようにお答えになりました。鉱区外、それは何だといったら、消滅鉱区ですね。しかしその消滅鉱区は、弓削田部長がこの前九月二十九日ですか、参議院決算委員会で私の質問に対してお答えになったわけですけれども、隣接鉱区である、それで消滅区域であると。しかし一体的に開発することが鉱床の位置形状からして合理的であった場合には石炭合理化法の中で生かされるという趣旨を御答弁いただいた。そのとおりだと思うんです。そうすると、それも大臣が、これは続いているんだということで、そしてこれは合理的なんだというふうに御判断なされば、これも採掘可能になってくるわけなんですね。  そういう点から見ても、炭量そのものに、先ほどから言ったように、私この答申をずっと見てみますといろいろ問題があるんですね。だから、そういう意味で、真谷地寄りのこの問題というような点についても検討をしていただきたいというふうに思います。大臣のお気持ちをちょっと。
  72. 弓削田英一

    政府委員弓削田英一君) 検討委員会の中身の問題については、先ほど申し上げましたとおりに遠慮をさせていただきますが、いま御指摘のございました炭量の中で真谷地寄り云々というお話でございますが、これは先生のいま御指摘がございましたように、今後調査をしなければ炭量として算定できない、こういうことでございますから、協会におきます検討におきましては、これは経済性を検討するわけで、当然除外の対象になる、こういうことでございます。  それから、清水沢東部におきまして四百数十万トンの炭量がある、こういうお話でございますが、この地域につきましては、たしか清水沢炭鉱、五十四年の夏ごろ閉山したかと思いますが、この山が清水沢東部ということで開発の対象にした地域でございまして、実は将来の可能性があるということで検討はしたわけでございますが、開発の可能性がないということで放棄した区域の炭量でございます。  それではこれが、いま議論のございます新北部のところまで開発できるかということになりますと、深度が二百とか三百という深度のところでございまして、いま検討中の稼行区域の千メートル、千三百メートルとはえらくレベルが違うわけでございまして、北部稼行区域から絶対掘れない、こういうことで協会の方でも検討の対象外、こういうふうにしたと、こういうふうに私は理解しております。
  73. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 先ほども言いましたように、いま弓削田さんがおっしゃいましたけれども、やっぱり真谷地は有望なんだよということで、今後なおそれは検討する課題になるということは当然のこととして、そういうものを一体的なものとしてどうやってこの新鉱を開発するかという立場に立っていただきたいというのが私の考え方なんです。だから、これでもうだめなんだというのではなくて、隣接にこういうのがあるじゃないか、それをもう一つ検討する課題として、積極的に広域でもって生かす道を考えなきゃいけない。  そしてまた、先ほど言いましたように、まだ八%しか掘ってないと。そうすると、まだまだここのところは残せるじゃないか。炭量が上がつてくれば当然経済性の問題にも響いてくるわけです。  ですから、時間がございませんから一つ一つ申しませんけれども、やっぱり炭量そのものが多いか少ないか、採炭量が多いか少ないかが経済性にかかってくるという立場から、炭量の面からもう一つ大臣の立場でも御検討いただきたいということなんです。そういう意味で御検討お願いしたいと思うのですが、いかがですか。
  74. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) ただいま部長が答弁いたしましたように、石炭協会としては検討対象外ということにしておるらしいのでございますが、しかし北海道庁というものが乗り出すか乗り出さないかの検討のときには、当然ながら広域行政内の、道庁内のことでありますから、それらの点についての御提言等があるいはあるかもしれない。その際には可能性を含めながら検討に値するにやぶさかではない、そう考えます。
  75. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 また、いろいろあるのですけれども、きのうも盛んに言われたんだけれども、北炭の場合、労働者の稼働率が悪いと。それが非常にネックになっているというようなことも何度も何度も言われるんですね。この答申の中にも、ずっと調べてみたら書いてあるわけです。大手の平均出稼率は大体八四・五%くらいだと。北炭の場合には七四・二%と非常に低い、こう言われておりますね。  ところが、これをよく見てみて、私はまたここに一つ問題があるなと思ったのです。この七四・二%というのは時期はいつかといいますと、五十六年一月、あの事故が起こります年の一月ですね。五十六年一月から五十七年六月まで、事故を起こした次の年の六月までですね。こういうときなんです。そしてこれは長期休業者を除かれている数字なんです。ここで私が問題にしたいのは、五十六年一月と五十七年六月というのは一体どういう時期だったのかということです。五十六年の一月というのは、私は忘れもしませんけれども、夕張の労働者がこの山はとても心配だ、このままでいったら自分たちの命が危ない、保安無視がどんどんやられているというのでみんなが真剣に考えた時期です。  私も何回も飛んでいきました。そして実態を調べたら、もうまさに労働者が告発しているとおりなんです。だから私はこの委員会でも何回にもわたって、こういう告発がされています、具体的にいつどこでどうだったということで、こういうのを見ていけば、このままでいったら必ず事故が起こります、だから当然保安というものに手を入れてください、注意してください、そうしないと事故が起こったら取り返しがつかないですよと言ったんです。しかしそれは無視されました。うちの山はそんな山じゃないなんて言われたりしてね。そして十月になってどかんといったわけでしょう。林社長は私が行ったら、先生申しわけありませんでした、こう謝るわけです。私に謝ってもらっても死んだ人は帰ってきませんよ、あのときに率直に保安をきちっとやってくだされば犠牲なくして済んだじゃないですかとね。  これはそのときだったのです。一月から不安がいっぱいたまっていた。そして事故が起きた。事故が起きた後どうなったかといったら、閉山だ、破産だと次から次にもう重荷がしょわされている時期ですよ。この時期をとって、七四・二%しか 稼働率がないんだ、北炭の労働者は働かないんだ、北炭労働者はだめだ、こういうふうな見方しかされていないとすると、一事が万事、私はこれはもう一つここのところで考え検討していただきたい、さっきの裏づけとしてこのことを申し上げた次第なんです。  それで、もう時間もございませんので申し上げますけれども、たとえば石炭協会は、財政的にとてもじゃないけれども私の方は出せませんよ、こういうふうに言っているわけです。財政的な問題は出せません、何か私らでできることだったらやりますよという程度ですよね。  そうすると、ここで伺いたいのは、石炭協会は一銭も財政的な問題にはタッチしない。そして財政の面で言えば国と道とが持たなければならない。八百八十八億と出された、これは問題のある数字だと思いますけれども、それを国と道だけでというのはもうとてもじゃないけれども大変な問題だと、こう思うわけです。そこで大臣の姿勢として、石炭協会が金も出せないよ、経営参加もしませんよと言うのをそのまんまにして、いたし方ないという立場で協会に向かわれるのかどうかというのが一つの点でございます。それについての大臣の姿勢を伺いたいと思います。  道の負担、道が本当に苦しい財政の中で持ちこたえられないような財政というようなことになってはこれまた大変なことになる。その点についてどうお思いになるのかということですね。  それから、もう時間がありませんので三番目として伺いますけれども、先ほどから聞いていればやっぱり薩摩男で、なかなかずばり物をおっしゃる。だけれども大臣、残念ながら永久に大臣というわけにはいかないんですわ、これはね。そうすると、いつまでにこの大臣のときに何とか解決してもらえるのかなというような不安も出てまいりますよね。そういう点について大臣としてはどういうふうに考えていらっしゃるのか、三つ大変まとめて申し上げましたけれども、御答弁をお願いしたいと思います。
  76. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) 第一点の、石炭協会がこういうところに金は出せないというのは、要するに、採算がとれないとわかっているところに金融をする銀行はありませんよという言い方なんですね。それはそれでまた、銀行関係者に話をする道は残っているわけであります。  それから、道の地方行政、ことに地方財政というものにこれゆえに負担をかけて道の財政を苦しくするということにはならないようにしなければ、道庁知事お願いをした立場が逆に苦しめることになりますから、私はあくまでも、それは道庁がいろんなことで条件も出してこられるでしょうし、そのときには最大限の協力をして問題が起こらないようにしなければならない、そのように考えております。
  77. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 協会の方に対しての姿勢ね、そう言っている協会に対して大臣としては積極的にどういうふうに対処されていくか、お気持ちで結構です、先ほどおっしゃいましたけれども。
  78. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) 損をするようなところに金を出す銀行はありませんよとおっしゃるのです。しかし、銀行にも国策に対して協力をする義務も一方あります。したがって、それはそれでまだ道は残っておると申し上げたわけでございます。  それから、私の在任中に解決いたします。なるべく早くやめた方が皆さんはお喜びかもしれませんが。
  79. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 いえ、どうぞ解決までおやめにならぬで……。
  80. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) 在任中に解決いたします。
  81. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 わかりました。
  82. 山崎竜男

    委員長山崎竜男君) 他に御発言もなければ、本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  83. 山崎竜男

    委員長山崎竜男君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  エネルギー対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出したいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 山崎竜男

    委員長山崎竜男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  85. 山崎竜男

    委員長山崎竜男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  86. 山崎竜男

    委員長山崎竜男君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  87. 山崎竜男

    委員長山崎竜男君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  88. 山崎竜男

    委員長山崎竜男君) この際、この席をかりまして一言ごあいさつを申し上げます。  私が委員長に就任いたしまして約六カ月、この間委員会が円滑に運営できましたのは、ひとえに理事並びに委員各位の格別の御協力のたまものでございまして、厚く御礼を申し上げます。  なお、今国会をもちまして勇退される中尾辰義君、降矢敬雄君及び三浦八水君には、長い間本委員会委員として御活躍を賜りましてまことにありがとうございました。ここに委員一同を代表いたしまして厚く感謝の意を表しますとともに、今後の御健勝と御活躍とを心からお祈り申し上げまして、ごあいさつとする次第でございます。(拍手)  ありがとうございました。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十九分散会