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岩動道行君 私は与党の
委員でございますが、最初に
委員長に要望をまず申し上げたいと思います。
日本の安全保障の
立場からエネルギー問題はきわめて重要な柱でございます。にもかかわらず、この
委員会は先般の
大臣の所信表明に対してわずか二時間
程度しか
審議をしないということはまことに残念でございます。今後、できるだけ本会期中にさらに深く
審議を広げ、十分な日本の
エネルギー対策を確立するために、本
委員会の権威もかけて、そのような機会をさらにおつくりいただくように強く要望を申し上げたいと思います。
さて、時間もございませんので、いろいろな問題がございますが、まず長期のエネルギー需給
見通しの総点検ということがいま考えられておりますのでこれについて、またそれに関連して電力施設の設備計画、施設計画、また景気対策としての電力設備の投資の問題あるいは石油の備蓄の問題、そしてまた当面国際的にも関心の深い、また日本の石油の輸入にも関連するペルシャ湾岸の原油の流出の問題、こういったようなことについて質問をし
政府の対応を伺いたいと思いますが、時間がございませんので、
大臣初め
政府の方にもお願いいたしますが、できるだけ簡潔に要領よく
お答えいただいて、質問の全部が終わりますようにお願いを申し上げたいと思います。
そこで、長期のエネルギー需給
見通しの総点検の問題でございますが、石油の原油価格が一バレル当たり五ドル下げられた。つまり、第一次オイルショック以来過去十年間にわたって石油価格は上がりに上がってまいりました。それがようやく今回大幅に引き下げを見るというように、石油の需給状況というものが全く一変いたしました。これについては、
大臣は、天からの恵みであるというようなことをおっしゃっておりますが、私はそれだけではなくて、やはり消費国家がそれぞれお互いに省エネルギーを試み、いろいろな対応をしたことによって石油が経済商品としての位置に戻されてきた、こういうこともあろうかと思います。したがって、そのような今日までの
努力というものはさらに続けていかなければならない、かように考えております。
したがって、
大臣が先般所信で申し述べられたように、依然として石油に対する依存度はさらに低くしてまいり、そして代替エネルギーというものの政策を強力に推進してまいる、また省エネルギー政策も推進する、ここで緩んではならない、こういうことをさらに強く推進していかなければならないという
基本的な
考え方を私も持っており、
大臣にもさらにお進めをいただきたい、かように考えておるわけであります。
そこで、実は総合エネルギー
調査会の場などを通しまして、今後長期のエネルギー需給
見通しとエネルギー政策の総点検を
政府はお考えになっておられるわけでございますが、かつて私は、五十四年の八月に策定した
長期エネルギー需給暫定
見通しにつきましては五十五年の二月に、あるいは五十七年の四月に策定されました
長期エネルギー需給
見通しにつきましては五十七年の五月に、本
委員会におきましていろいろ
問題点を指摘申し上げて、どうも甘過ぎる、もっと
現実に即してやっていくべきではないか、こういうことも申し上げたわけでございますが、今度の総点検におきましては、そのようにいたずらに目標を高く掲げて、
できもしないことを国民に示して、その結果おかしなことになるということでは
政府の権威、計画の権威、また経済の運営等いろいろな点において支障を来すわけでございまするから、どうかその点は
現実をよく見詰めて、その上で総点検の
結論をお出しいただくようにお願いをしたいと思っているわけでございます。
そこで、今回の総点検につきましては、その一は今後のエネルギー需給をどう見るのか、その二はエネルギーコストについていかに低減を図るか、その三はどのようなテンポで石油依存度の低減を図るか、その四は情勢の変化にたえる強靱なエネルギー産業をいかに確立するか、この四点が柱となっていると伺っておりますが、これらについて、特にエネルギーコストの低減という問題あるいは強靭なエネルギー産業の基盤の確立、これは石油業界の再編成の問題であるとかあるいは為替の変動に対応するためにはどうやったらいいのか、こういったような問題を含んでいると思います。大変むずかしい問題でございます。一時は石油業界の再編ということでいろいろと
政府も行政指導をされておりますが、業界は困ったときには大いにやるようなことを言いながら少しでも楽になると実際にはもうその
努力を怠ってしまう。こういったようなことで、
政府が予定しているような再編の実態が起こってきていない。こういったようなこともございまするし、いろいろ問題がございますので、この点は厳正にひとつ日本の構造改革という観点からも十分な対応をしていただかなければならぬ。しかし大変むずかしい。そういう
意味において、この点についてはどうお考えになって
結論をお出しになるのか、まずこの点を伺っておきたいと思います。