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1983-03-05 第98回国会 衆議院 予算委員会第八分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十八年三月五日(土曜日)     午前九時三十分開議  出席分科員    主査代理 熊川 次男君       村田敬次郎君    加藤 万吉君       川俣健二郎君    佐藤 観樹君       渡辺 三郎君    兼務 小川 国彦君 兼務 長田 武士君    兼務 渡部 一郎君 兼務 岡田 正勝君    兼務 塩田  晋君  出席国務大臣         建 設 大 臣 内海 英男君  出席政府委員         建設大臣官房長 豊蔵  一君         建設大臣官房会         計課長     牧野  徹君         建設省計画局長 永田 良雄君         建設省都市局長 加瀬 正蔵君         建設省河川局長 川本 正知君         建設省道路局長 沓掛 哲男君         建設省住宅局長 松谷蒼一郎君  分科員外出席者         大蔵省主計局主         計官      斉藤 次郎君         大蔵省銀行局銀         行課長     大須 敏生君         運輸省鉄道監督         局民営鉄道部土         木電気課長   原   慧君         参  考  人         (本州四国連絡         橋公団理事)  山根  孟君         参  考  人         (住宅都市整         備公団理事)  救仁郷 斉君     ───────────── 分科員の異動 三月五日  辞任         補欠選任   川俣健二郎君     加藤 万吉君 同日  辞任         補欠選任   加藤 万吉君     渡辺 三郎君 同日  辞任         補欠選任   渡辺 三郎君     川俣健二郎君 同日  第一分科員渡部一郎君、第四分科員長田武士君  、第五分科員小川国彦君、第六分科員岡田正勝  君及び塩田晋君が本分料兼務となった。     ───────────── 本日の会議に付した案件  昭和五十八年度一般会計予算  昭和五十八年度特別会計予算  昭和五十八年度政府関係機関予算建設省所管)      ────◇─────
  2. 熊川次男

    熊川主査代理 これより予算委員会第八分科会を開会いたします。  主査所用のため、その指名により、私が主査の職務を行います。  昭和五十八年度一般会計予算昭和五十八年度特別会計予算及び昭和五十八年度政府関係機関予算建設省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塩田晋君。
  3. 塩田晋

    塩田分科員 最初に、内海建設大臣にお伺いいたします。  このところ、毎年公共事業費が、金額におきまして同額、横ばいになっております。昨日も、物価等対策委員会塩崎経済企画庁長官にもお伺いいたしまして申し上げたのでございますが、アメリカ景気が、国内総需要中心といたしまして、底入れから伸び始めたという中で回復兆しを見せてきた。世界経済も、今年度以降、後半から来年にかけまして明るい見通しが出てきたわけでございまして、アメリカ物価が安定し、日本はこのところずっと消費者物価を初め卸売物価も安定しておるというところでございまして、大幅減税を私たちは強く求めておるところでございますが、それとあわせまして、公共事業も積極的にこれを伸ばしていく必要があるのじゃないか。額において前年度と同額ということは、量的には、物価値上がり等を差し引きますと減ってきているわけであります。特に公共事業前倒し等をやりましてブランクもありますから、ことしの後半、世界的経済立ち直りとともに、日本経済景気回復のためにも、消費需要増加のための所得減税とともに積極的な公共投資を行うべきであると考えるのであります。  塩崎長官にもこの問題について前向きな御答弁をいただいたつもりでございますが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  4. 内海英男

    内海国務大臣 先生の御提言は、私どもも全く同感に思っておるわけでございます。  公共事業推進景気回復に重要な役割りを果たすという点については、ごもっともなことだと承知いたしておるわけでございますが、本年度の予算編成にあたりましても、建設省といたしましては、先生のお話のような点を十分心の中で考えながら大蔵省と折衝いたしたわけでございますけれども、何にいたしましても、厳しい財政事情の中で、公共事業といえども聖域は設けない、こういうような厳しい制約のもとで予算編成を行ったといった環境もございますので——制度的には、道路整備五カ年計画を三十八兆二千億、あるいは急傾斜地崩壊対策事業の実施というような新しい制度上の施策をいろいろ認めてもらいましたし、また住宅等につきましては、収得控除の大幅な改善も図っていただきました。さらに、公共事業は抑え込まれましたけれども財投関係では多少御配慮をいただいた、こういうような点もございまして、国の大きな基本方針公共事業といえども聖域を設けない、前年度並みだ、こういう厳しい政府方針に従って予算編成が行われたわけでございまして、大蔵省当局におきましても、公共事業景気回復の大きなてこ入れになるということは十分承知いたしておりますけれども、そういった大きな方針のもとで編成をされたわけで、建設省といたしましては、限られた予算の中で効率的に、重点的にその成果を上げる以外にないと思って全力を尽くしておるわけでございます。  また、アメリカ景気等が、先生御指摘のように回復兆しにあるということは大変結構なことだと思って、それがわが国の方にも及んでまいりまして景気立ち直りを見せるというような状況になってまいりましたら、また公共事業を大きく伸ばしていただく状況が整いましたら、私どもは、それを受けて大いにがんばっていきたい、こう思っているわけでございます。ただし、いまも申し上げましたように、一つの大前提が予算編成の前に立ちふさがっておるものですから、行政改革財政再建という大きな政治課題の前で、私どもだけが勝手なことを言うわけにもいかぬということで、まあまあというところで、ある意味においては政策的に、あるいは財投方面でも多少お考えいただいたというようなことでがまんをしたというような経過でございます。  公共事業推進につきましては、機会をとらえて、大幅な増額を実施させていただくように今後とも努力をいたしますし、先生の御方針のような趣旨でわれわれも今後取り組んでいきたいと考えておるわけでございます。
  5. 塩田晋

    塩田分科員 大臣のお考えをお聞きいたしまして、私たちも勇気百倍、この問題に取り組んでいきたいと思います。何といたしましても、道路下水道はまだまだおくれております。住宅にいたしましても、ウサギ小屋というような表現が出るくらい、まだまだおくれております。公共投資というものは、乗数効果波及効果景気に対する影響は大きいわけでございますし、減税と合わせまして大きな二本の柱として公共事業の拡大を、物価の安定しておるいまこそ大胆にやるべきだと思いますので、今後ともひとつ大臣の一層の御活躍、御努力に期待するところでございます。よろしくお願いします。  次に、各論に入ってまいりますが、流域下水道整備につきましてお伺いいたします。  下水道整備というのは、文化あるいは生活程度のバロメーターでございます。明るく豊かな環境の整った社会というものは、下水道整備、土地の上に見えないところの地下にある下水道がどのように整備されているかによって決まるとさえ言われるわけでございまして、こういう観点から、特に全国平均よりも低いところの地域につきましては、早急にこのおくれを取り戻して推進を図っていただきたいと思うのでございます。  たとえば、明石市を含めまして東播地域はきわめておくれております。兵庫県は平均より大分おくれております。私たちは、社会労働委員会におきましても与野党超党派で、厚生省所管浄化槽法案を議員立法すべくいま検討を進めているところでございますが、こういったものと合わせまして流域下水道、特に加古川流域につきましては、上流は下水処理場が黍田というところに決まりました。これはひとつ推進を図っていただきたいのでございますが、この下流につきましてはまだ下水処理場が決まってないという状況でございまして、加古川高砂市を中心といたします二市二町、この流域下水道整備につきましてどのような状況に進んでおるか、お伺いいたします。
  6. 加瀬正蔵

    加瀬政府委員 加古川流域下水道下流処理区につきましては、加古川下流部水質保全並びに地域生活環境改善を図るために、加古川市等二市二町の区域を対象として整備を進めることとしているわけでございます。  現在、処理場位置の選定を進めているところでございまして、処理場位置が決まり次第、所定の手続を行いまして、事業に着手できるように兵庫県を指導してまいりたいと思っております。
  7. 塩田晋

    塩田分科員 ぜひとも国の強力な指導によりまして、県、市町村、そして事業団関係もあろうかと思いますが、ひとつ強力に推進をお図りいただきますよう要請をいたします。  次に、山陽電車明石周辺線路連続立体化の問題でございます。そしてまた、国鉄明石駅と山陽電車明石駅の合体計画、これはかなり前から質問をして、促進方をお願いしてきておるわけでございますが、なかなか、目に見える限りではほとんど動いていないのでございますが、現在の進捗状況はいかがでございますか。五十八年度着工まで行けますかどうか、お伺いいたします。
  8. 加瀬正蔵

    加瀬政府委員 兵庫明石市の山陽電鉄明石付近連続立体交差事業につきましては、四十九年度から明石駅を中心として大蔵谷駅—林崎駅間約三・八キロメートルの区間につきまして採択したものでございます。当該区間における十八カ所の踏切を一括除却して、交通渋滞の解消及び明石駅におきます駅前広場等整備を図ることを目的としております。  事業着手以来五十七年度末までの累計事業費は約三十八億円でございまして、進捗率は全体で約一三%、用地取得につきましては約二九%という状況でございます。  本事業につきましては、今後とも用地取得を進めるとともに、五十八年度には工事着手を図るよう、事業主体である兵庫県を指導してまいりたいと思っております。  おっしゃいますように、本事業によりまして、国鉄明石駅と山陽電鉄明石駅が一体化されることとなるわけでございます。
  9. 原慧

    原説明員 山陽電鉄明石付近高架化計画につきましては、都市計画事業として施行されることになっておりますが、その進渉状況は、高架施設詳細設計が終わりまして、事業主体でございます兵庫県と山陽電鉄との間で工事施行協定の詰めが行われている段階にあると聞いております。  運輸省といたしましては、事業推進が図られますよう、今後とも山陽電鉄指導してまいる所存でございます。
  10. 塩田晋

    塩田分科員 ぜひともこれを早急に実現できるように御指導をいただきたいと思います。  なお、前回にもお願いしたのですけれども林崎よりも西に藤江というところがありますが、そこまで延ばすことを検討していただきたい。特に、大きな災害事故がありまして、線路に割り込んだトラックと衝突事故があったりしまして、このことの検討をお願いしておったわけでございますが、それも含めまして、ひとつよろしく今後とも御検討推進方をお願いします。  次に、明石市を含めましての東播地域南北道路の問題でございます。  これにつきましては、たびたび予算委員会その他で質問してきたところでございますが、特に、この地域幹線南北道路一つもないわけでございます。明石からは百七十五号線が北の方へ抜けておるわけですが、加古川地域からの南北幹線道路はありません。堤防を利用してのそういった計画はできないかということもこの前お伺いしたわけでございますが、これをぜひとも早期検討に着手していただきたいというわけでございます。四車線一つもないという状況で、しかも、工業整備特別地域として重工業、神戸製鋼、三菱重工、川崎重工等を初めとしまして工場が非常に発展をし、そして住宅急増地帯でございます。奥地の方からもどんどん通勤者があって、非常に渋滞をしておるのが現状でございます。また、産業道路としても南北日本海に通ずるものが必要だと思うのですが、これについての御検討をお願いしたいと思います。  それから、時間の関係で一気にこの問題をお伺いいたしますので、全部含めて御答弁を願います。  国道百七十五号線、これは社バイパス完成いたしまして大分よくなってまいりましたが、なお、小野西脇地区が残されております。この促進方をお願いいたします。  それから、加古川高砂地域から北の南北道路でございますが、これは県道が何本かございます。そのうち、尾上小野線とか土山小野線とか、こういった県道整備していただきたい。これは、歩道もなければ自転車道もない、本当に昔のままの細い県道でございます。これが北の方に向かって何本か走っておるわけですが、いずれも不十分。また、交通事故兵庫県は全国一、二の県でございまして、特にこの地域は悪いのです。これは道路のせいだとも言う説があるわけでございまして、ぜひともその整備を図っていただきたいのでございます。  それからなお、志方宝殿線というのがあります。志方は、靴下とかタオルの中小企業発展しております。そこと海岸を結ぶものでございますが、最近宝殿駅に、橋上駅になりましてから北側改札口ができておりまして、この線を利用する者は非常に多いわけです。昔、高砂港から但馬とか福井の若狭、小浜まで行った細い街路があった。それの東側にまたバイパスを新しく一本つくり、これは昭和の初めごろにつくっているのですが、そしてまた戦後、その昔の街路の西側に新しい県道をつくっておるわけです。これがやはり狭い道路なんです。いまバスが行き交う、自動車自転車歩行者、もう本当に危険な状態です。私は昔、自転車で中学校へ通っておったのですが、このときは馬力とバスが一日に二、三回通るぐらいで、自転車が濶歩しておったのですけれども、いまやもう本当に、自動車が数珠なりに走っておるという中で、非常に危険でございます。どうせつくるなら、そんな狭い昔のままのようなものでなくして、今度西に第三の計画があるようですけれども、思い切って広げて、歩道自転車道をつけた道路をつくっていただきたいと思うのでございます。  以上、何点かございますが、まとめてお答えいただきたいと思います。
  11. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 御説明させていただきます。  東播地域南北道路整備状況最初に御説明させていただきます。  一般国道百七十五号の整備状況でございますが、一般国道百七十五号は、明石市から舞鶴市に至る延長約百二十五キロの路線でありまして、このうち東播地域延長は約三十九キロメートルとなっております。  この国道百七十五号東播地域のうち、交通量、沿道の状況などからの当面四車線整備を必要とする区間は、三木市から西脇市に至る二十六・二キロメートルと考えております。この区間につきましては、三木バイパス延長五・六キロメートル、小野バイパス延長八・一キロメートル、社バイパス延長五・四キロメートル、滝野インター関連延長一・七キロメートル、西脇バイパス延長五・四キロメートル等と、全区間について事業に着手いたしております。五十六年度末までに、三木バイパス社バイパス滝野インター関連の三カ所について暫定車線供用いたしており、その延長は十二・七キロメートルとなっております。五十七年度は、小野バイパスにつきましては、小野市内用地買収西脇バイパスにつきましては、西脇市内及び滝野町地内の用地買収加古川橋下部工工事を実施いたしております。  それから、同じくこの地域南北の主要な県道整備状況でございますが、東播地域南北を結ぶ主要な県道は、主要地方道高砂北条線加古川小野線高砂加古川加西線などがございまして、その整備率は約四七%、舗装率は約九七%となっております。これらの道路交通混雑緩和するため、昭和五十六年度から加古川市内におきまして棚田下踏切除却事業などを実施しております。  それから、宝殿駅の北側バスターミナルができたわけでございますが、これと南北道路との関係でございまして、その中心をなしております小原宝殿停車場線について御説明いたしますと、この一般県道小原宝殿停車場線国鉄宝殿駅と加古川北部地域を結ぶ路線でありまして、総延長十キロメートルのうち八キロメートルは改良及び舗装が完了いたしております。加古川北部地域は、近年、急速に宅地開発が進み、これに伴って本路線交通量増加の傾向にあり、特に宝殿周辺混雑が著しいことはいま先生がおっしゃられたとおりでございます。この地域は、先生いまおっしゃられたように交通需要が最近とみに増してきており、道路網としては相当あるのですが、いずれも幅員の狭い道路でございまして、この地域混雑緩和を図るために、兵庫県では、この地域発展動向、将来交通需要等を踏まえて整備の方策を検討するための調査を実施いたしておりますので、そういう調査結果を見ながら、私たちもこの地域混雑緩和を図るための道路整備について検討してまいりたいと思います。
  12. 塩田晋

    塩田分科員 県道高砂北条線国鉄山陽本線交差のところの跨線橋、これらの状況を見ますといよいよ着工という段階のようでございまして、これはありがとうございます。ぜひとも早期完成をしていただきたいと思います。  次に、街路事業についてでございますが、加古川市を初め東幡の各市の街路事業推進方をお願いします。  特に明石におきまして、藤江鳥羽線魚住支所前線、これについて街路整備進捗状況、特に推進方をお願いしたいのでございますが、お伺いいたします。
  13. 加瀬正蔵

    加瀬政府委員 現在、明石市におきましては、藤江鳥羽線魚住支所前線等街路事業を実施しております。  藤江鳥羽線につきましては、国道二百五十号から延長三百八十五メートルについて、山陽電鉄本線交差を含めまして実施しております。用地については五十六年度において完了いたしまして、五十七年度は鉄道交差部工事を実施し、五十七年度末の進捗状況は六四%の見込みでございます。五十八年度につきましては、交差本体部工事を完了し、残区間事業についても引き続き促進を図ってまいりたいと思っております。  魚住支所前線につきましては、明姫幹線から国道二号線間の延長千四十一メートルにつきまして事業を実施しておりますが、五十七年度末で用地進捗率は八八%でございます。工事につきましては、用地の完了した部分から逐次整備しまして、進捗状況は五五%でございます。
  14. 塩田晋

    塩田分科員 次に、東西の幹線でございますが、明姫幹線、これは二車線暫定施工供用が図られておりますけれども、これは用地買収も皆終わっておりますから、四車線化促進していただきたいと思います。  このことと、それから山陽自動車道、これは三木—姫路間が一番おくれておりますが、これがどのような状況になっておるかということをお伺いいたしますとともに、側道とかインターを適切にひとつ配置していただきたいと思います。いかがでございますか。
  15. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 最初に、明姫幹線の四車線化について御説明したいと思います。  明姫幹線は、一般国道二百五十号のバイパスとして明石小久保から播磨町、加古川市を経て高砂中筋までの間に計画されたもので、延長は二二・六キロメートルございます。本バイパスにつきましては、昭和四十二年度より事業に着手し、昭和五十年十二月に高砂市の一部が最初供用され、その後順次供用が図られ、昭和五十五年九月に全線が供用されました。この間に投じた事業費は約三百四十億円となっております。延長二二・六キロメートルのうち四車線整備されております区間は、起点側明石小久保から県道江井ケ島大久保停車場線間三・九キロメートル及び終点側主要地方道加古川高砂線から高砂中筋間の六キロメートルの計九・九キロメートルであります。中間部の十二・七キロメートル及び終点側車線区間の中にあります播州大橋につきましては暫定車線となっております。現在、二車線区間の日交通量は一万一千台から一万六千台となっており、今後臨海部からの交通需要増加も相当見込まれるところから、四車線化を図っていく必要があるものと考えております。播州大橋につきましては、昭和五十六年度から拡幅工事に着手して、早期完成するよう鋭意事業推進しているところであります。残りの暫定車線区間につきましても、播州大橋完成後、交通需要動向等を勘案しながら四車線化事業に着手してまいりたいと考えております。  それから、山陽自動車道三木—姫路間の今後の整備見通しについてでございますが、山陽自動車道三木—姫路間二十三キロメートルにつきましては、昭和四十七年六月に基本計画が策定されております。現在、建設省近畿地方建設局におきまして、整備計画策定のために必要な地質、構造物環境などの諸調査県立播磨中部丘陵自然公園との調整を鋭意進めているところでありまして、できるだけ速やかに成果をまとめるようにしていきたいと考えております。
  16. 塩田晋

    塩田分科員 よろしくお願いします。  最後に、失われていく国土の問題でございます。  北方領土、茨城県に匹敵するような領土をソ連にとられて非常に残念です。これは何とか返してもらいたい。  これは別といたしまして、わが国の狭い国土が毎年波に洗われて失われていっているということですね。北海道、秋田沖を初めといたしまして、新潟海岸、これは砂丘が三つもあったのが昭和の初めからすっかりなくなってしまって、測候所も海に沈んでしまう、こういう状況が起こっておりますし、皆生温泉にいたしましても、また安宅ノ関もすでに海の中に沈んで、もう六百メートル沖合いになってしまっている。こういう状態で、どんどん日本国土が削られていっている、波に削り取られてしまっているという状況ですね。これに対しまして、ぜひとも海岸保全事業推進していただきたい。  高砂から明石にかけましての海岸、これも瀬戸内ではかなり潮流の激しいところですから、取られております。護岸堤、突堤をつくって実験的にやっていただいておるところがあるわけでございますが、その研究成果はどうなっているか、結果はどうなっているか。  私考えますのは、昔はこの地域白砂青松だったわけです。遠浅で海水浴もできました。ことを取り戻してもらいたい。すっかりなくなっていますから、取り戻してもらいたい。砂浜こそ最も有効な侵食対策であると思います。建設省直轄事業といたしまして、この海岸保全事業をやっていただくとともに、県営で現在環境整備事業をやっております、養浜事業でございますが、こういったものも国が取り上げてやっていくということが必要でないかと思います。そして白砂青松を取り戻して海水浴もできる。海洋国日本国民でございます。やはり海を恐れず、海に親しむという観点からも、こういった白砂青松を取り戻す必要があると思います。この点につきまして最後にお伺いいたします。
  17. 川本正知

    川本政府委員 全国的な各地におきます海岸浸食、これに対しましては、第三次の海岸事業の五カ年計画に基づきまして海岸保全事業計画的に着実に実施しているところでございます。  いま先生からお話しございました高砂から明石へかけての海岸につきましても護岸工整備を概成しておりますし、また四十六年度からは離岸堤整備を行っております。  それから、いまお話しございました養浜対策ということでございますが、この海岸明石海峡に面しまして潮の流れが速いために、離岸堤背後になかなか砂がためにくいという状況でございました。また、他方から言いますと、この海岸背後地は大変な市街地でございまして、海水浴や散策の場としての砂浜の回復の要望の強い場所でございます。砂浜があれば、来襲してまいります波の勢力を弱めまして災害を防止し、軽減できるというふうな機能があることも最近の海岸工学の進展によりまして明らかにされてきております。この海岸明石市の東松江の地先におきまして、海岸保全を図ると同時に海岸の利用並びに環境に配慮した新しい工法を研究して現地実験を実施しておるわけでございまして、昭和五十七年度から開始しております。五十七年度は突堤を二基五千百万円で行いまして、あと養浜工を三千八百万円で行っております。この結果は、まだある程度の期間がたちませんとはっきりしたことは申し上げられませんが、現在のところ、なかなかいい方向になってきておるのではないかと思っております。これをさらに五十八年度も続けまして、今後とも、地元の住民の海浜利用に対する関心の高いことにかんがみましても、海岸の利用との調和のとれた事業推進してまいりたいと思っております。
  18. 塩田晋

    塩田分科員 ありがとうございました。
  19. 熊川次男

    熊川主査代理 これにて塩田晋君の質疑は終了しました。  次に、加藤万吉君。
  20. 加藤万吉

    加藤(万)分科員 湘南バイパスの建設と進行状況と、これからの問題について二、三御質問したいというふうに思います。  御案内のように、湘南バイパスはいわゆる国道一号線、いわば日本の最大の動脈路線バイパスとしていま藤沢にあり、一方、平塚から小田原にかけて新しいバイパスができるという状況であります。ちょうど、いわばひょうたんのくびれと同じようなかっこうで、この間が二車線ぐらいです。いまそれを解消するために、湘南バイパスが藤沢の城南から茅ケ崎の下町屋を抜けて平塚、西湘バイパスにつなげるという作業が進められているわけですが、現状の進行状況についてまず御説明をいただきたいと思います。
  21. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 御説明いたします。  新湘南国道は、神奈川県茅ケ崎市内における一般国道一号の交通混雑の解消及び交通安全の確保を図るため、藤沢市城南三丁目から茅ケ崎市下町屋に至る延長八・四キロメートルのバイパスでございます。  このバイパスにつきましては、昭和四十六年度から直轄事業として事業に着手し、沿道の一部地域環境問題に対してのいろいろありました住民運動にも理解を得るべく、数多くの話し合いを重ねつつ用地買収を進めてまいりましたが、昭和五十六年度からは一部の区間につきまして日本道路公団の一般有料道路として事業化し、直轄事業とあわせて事業を進めております。昭和五十七年度末までに用地買収はおおむね完了しており、茅ケ崎市中赤羽根地区及び下町屋地区で高架橋の下部工事に着手しておるところでございます。
  22. 加藤万吉

    加藤(万)分科員 この下町屋までの完成の時期は、おおむねいつごろと見ておられるのですか。
  23. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 実は、先ほど大臣もお話しになりましたように四年間ゼロシーリングでもございますし、この地区は相当の事業費を要するところでもございますので、いつの時期ということにつきましては、いまの時点でちょっとまだ明確ではございません。もう少し検討させていただきたいと考えております。
  24. 加藤万吉

    加藤(万)分科員 しかし、いまおっしゃられましたように、五十六年度ないし五十七年度でほとんど土地買収が終わって、道路公団を中心にして建設は進められているわけですから、そうしますと、国の建設予算との関係もありましょうが、その区間だけについてのおおむねの見通しはできるのではないかと私は思うのです。これは少しおきましょう。  それが完成した場合には国道一号線とドッキングするわけですが、この場合には直ちに供用開始になりますか。
  25. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 部分供用開始をするかどうか等につきましても、全体がいつできるかというようなことも含めながら検討してみたいと思っております。
  26. 加藤万吉

    加藤(万)分科員 御承知のように、一号線の一日当たりの通過台数は二万五千から二万八千ですね。しかもこれが、私が指摘をしましたように、藤沢まではバイパスそれから一号線もあり、相当混雑緩和できるわけですが、茅ケ崎に入りますと全部二車線になっていくわけですね。そして、いうところの馬入橋を渡りましてこれが再びバイパス国道に分かれて通過が比較的緩和されてくる、こういう状況ですから、いずれにしてもこのバイパス完成は相当急ぐ必要がある、私はこう思うのです。  それからいま一つ。いま私は供用開始のことを申し上げたわけですが、一号線にもしもこのバイパスがドッキングしますと、片っ方で一号線を走っているのは二万五千台ですね。相当バイパスにも逃げていきますから総体として倍になるとは言いませんけれども、今度は二万五千台プラス何万台かになって再び一号線にドッキングするわけですね、二車線のところへドッキングするわけです。従来二万五、六千台で大変なところだ、こう言われておるところへ今度はバイパスから回遊してくるわけです、しかも回遊してくるそこが二車線。こういう状況ですから、それから平塚までの間、キロで言って二キロ以上ありましょうか、どうにもならぬようなことになりますね。  そこで、これを緩和する方法は、いま言いました下町屋から西湘バイパスにつなげる事業計画を早急に遂行することだというふうに実は思っているわけなんです。まず、供用開始をされるときにその辺の配慮についてどうお考えになるのか。それから、さらに下って西湘バイパスにどういう形でこれからの事業計画を求められようとしているのか、その辺をひとつお聞きしたいと思います。
  27. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 新湘南国道供用を開始いたしました場合、先生御指摘のように、下町屋から馬入橋の間は二車線のままでございますので、かなりの交通混雑が生ずるのではないかというふうに考えます。  その対策でございますが、現一号線に新湘南国道へ向けての右折、左折レーンを設置すること、これによって新湘南国道一般国道とのちょうど接続した下町屋での交通渋滞緩和に寄与できるのではないかということ。さらに、適切な道路情報の提供等のため、関係機関の協力を得て交通処理方策を確立してまいること。また、そう申し上げても、下町屋から馬入橋までの現一号においては相当の渋滞が生ずるかと思いますが、交通量を処理するのは、道路の幅員とそれから交差点というものの処理が非常に大きな影響を及ぼすものでございます。この区間に、県道の海老名・寒川・茅ケ崎線が交差いたしておりますので、この交差点の改良などについても検討いたしまして、下町屋から馬入橋の二車線区間が円滑に交通を流せるような対策を検討してまいりたいというふうに考えております。  しかし、何といっても、先生の御指摘のとおり、抜本的な対策は新湘南国道を延伸して西湘バイパスに接続することであるというふうに考えておりまして、この新しいバイパスにつきましては、現在鋭意調査を進めているところでございます。
  28. 加藤万吉

    加藤(万)分科員 おっしゃられるとおり、どういう道をつけようとも二車線は二車線ですし、相模川にかかっている橋はそこの地点では一本しかないわけですから、したがって、これは何としてでも抜本解決の方向に促進をいたしませんと、何年かかるかわかりませんけれども、私はできる限り短期間にやってほしいと思うのです。二万八千台ですから、それにさらに私は一万台加わってくると思っているのです。だから三万四、五千台になると思うのですよ。大変な量ですから、ぜひひとつ促進をしていただきたいと思うのです。  さて、そこで、西湘バイパスにつなげる過程ですが、御案内のように相模川がありまして、これには環境アセスがかぶっております。特に私が重視いたしますのは、相模川流域下水道がずっとできておりまして、ちょうど湘南大橋というところがありますが、これの河口に終末処理場ができるわけです。終末処理場は約七十万から八十万の人口を終末処理するわけですから、大変大きなものです。地元としては、それ自身設置されることについて抵抗はありましたけれども、おおむね理解を示しつつ、いまの流域下水道ないしは終末処理場に協力をしているわけですが、その協力する体制としては、終末処理場ですからどうしても忌み嫌うものがあるわけですね。そこで、終末処理場そのものの緑化の計画であるとか、においの分散であるとか、あるいは出てくる排水の浄化であるとか、さまざまなことをやっているわけであります。私の観測では、そこにちょうど、恐らくこれからつくられるであろうバイパスがかかってくる可能性があるわけですね。  さらに、私がいま一つ重視していただきたいと思うのは、その河口に干潟がございます。東京から西に行く干潟では、これは一般的には品川のお台場の次に残された渡り鳥の干潟だ、こう言われておるわけですね。したがって、現地では野鳥の会だとか自然を守る会とかが、今度できる道路に対してそういう意味での抵抗といいましょうか、あるいは環境をひとつ整備してほしい、こういうことが非常に強く言われておるわけですね。  一方では渋滞ぎみの国道を通してほしいという要請と、一方では終末処理場中心とした神奈川県自身が持つT字作戦というのがございまして、いわゆる相模川ないしは海岸線を縦にとった逆T字の形での環境整備事業、さらには住民の側から、いま言ったような自然環境を守るという運動等があります。どうでしょう、当然のことだとは思いますが、当該府県だとか市町村との間に、これから西湘バイパスにつなげるための調査をやられるというお話ですが、その過程でのいろいろな調整機能といいましょうか、あるいはお話し合いというのは十分なされると思いますが、改めてこの際に御確認をしていただきたい、こう思うのですが、いかがでしょうか。
  29. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 新湘南国道を延伸いたしまして西湘バイパスにつなげる新しいバイパス計画につきましては、現在調査を実施しているところでありますが、本バイパス計画区域には、相模川河口部に、先生御指摘のように野鳥が集まる干潟があり、また同河口部左岸に相模川流域下水道の終末処理場が建設されております。また、平塚市内の湘南海岸は風致地区に指定されており、湘南海岸整備構想も進められているところであります。したがって、本バイパス調査に当たりましては、これらと十分調整する必要があり、今後さらに先生御指摘の関係機関と十分協議調整の上、バイパス計画を策定してまいりたいと考えております。
  30. 加藤万吉

    加藤(万)分科員 再度繰り返しませんが、一方では約三万台を超える自動車の通過、私は完全な渋滞状況が起きると見ているわけですが、これの早急な解消、したがって西湘バイパスへのドッキングという建設課題がぶち当たってくるわけでして、そうなりますと、いま言いました住民の側の要求あるいは県なり市の要望等の調整ということも、そうのんびりとしているわけにはまいらない。できる限り早い機会に調査を完了していただき、同時にまた、そこでのいろいろな課題の解消をしていただく。当然のことですが、それに基づいて実施計画についても早急に建設省内部でひとつお取りまとめいただいて、着手ができるような条件というものを整備をしていただきたい、こう思います。  次に、一級国道二百四十六号線について、これまたバイパス問題ですが、昭和四十年に調査の着手をいたしまして、例の相模川を渡りまして海老名からいまの二百四十六号線につなぐ、このバイパスは完了いたしまして、いま供用開始をしているわけですね。これは旧といいますか現在の二四六に当たりまして、それぞれ車が町田方面、いわゆる東京方面あるいは旧二四六を通って小田原方面に流れているわけですが、この用地買収がいまからもう十二年前なんですね。昭和四十六年なんですよ。もちろん、この間に遺跡等が発見をされましたから、工事その他もおくれたことも事実ですが、現在になってもなおこの用地買収した区間道路の建設のつち音が響いていかない。こうなってまいりますと、四十六年当時用地買収された地主の側から見ると、もちろん価格の問題もありますが、まだつくらないのか、ならばというような意見が相当広範囲に出ているわけですね。当時協力いたしました市の側にすると、早く建設省で手をつけてくれないと、そういう住民の不満、要求というものが解消できない、したがって何らかの促進をという要望が市議会からも提起をされております。どうでしょう、これまた現在までの進行状況について御説明をまずいただきましょう。
  31. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 御説明させていただきます。  一般国道二百四十六号の大和厚木バイパスは、大和市周辺交通混雑緩和及び交通安全の確保のために計画されました町田市つくし野から大和市上草柳までの延長約六キロメートルの四車線バイパスであります。この上草柳から西の方についてはすでに供用されておりますので、その部分は除いて御説明させていただきたいと思います。  このうち、第一期整備区間として大和市下鶴間から同市上草柳までの延長三・五キロメートルの区間供用を図るべく事業を実施いたしております。昭和五十七年度には用地買収をおおむね完了するほか、小田急線立体化を完成させ、道路が半地下構造となる区間のU型擁壁工事と笹山高架橋の工事を実施いたしております。  今後とも第一期整備区間早期供用のため事業促進に努めてまいりたいと考えておりますが、ここは非常に事業費の高い区間でございます。半地下にするとか小田急線の立体交差等がある区間でございまして、五十八年度以降残事業がまだ百十二億円ほどある状態でございます。
  32. 加藤万吉

    加藤(万)分科員 五十七年度以後百十二億ですか。五十七年度はどのぐらい使用されておりますか。
  33. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 五十七年度は十二億六千万でございます。
  34. 加藤万吉

    加藤(万)分科員 そうしますと、残がまだ百十二億当面あるわけですね。仮に十二億としますと、これはあと十年かかるのですか。どうですか。
  35. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 初めのうちは事業費の割りに手数のかかることが多いわけでございまして、こういう事業については最初予算は少な目でございますが、ある程度工事が本格的になりますと増額いたしますので、残事業を五十七年度予算で割ったというようなわけではなく、もっと早くできるようになると思います。
  36. 加藤万吉

    加藤(万)分科員 問題は、藤沢町田線にまたがるトンネル部分だろうと思うのです。いまおっしゃられたようにU字型部分とトンネル部分とありまして——U字型部分というのですか、トンネルの上をかぶせずに通す、恐らくここまでは工事事業量としても、それから工事費としても比較的スムーズにいくのではなかろうか。これを図面の上で見ますと、ちょうど大和市の市道の中心部分までが比較的事業量としては容易にできるところなんですね。そして、同じようにまた恐らく平面交差の部分で市道にそれぞれ車が逃げていくと私は思うのですね。それから先が今度はトンネル部分に入りまして二四六につないでいくわけですね。これがまた開始ができませんと、二四六は御案内のように大変なところですからね。小田急は五分か六分置きに走っておりますし、片一方では相鉄がございますし、もう私が御説明するまでもない東京に入る最短距離でもありますから、そういう意味ではすべてが混雑するところですね。したがって、ある部分まで行って両方に車が市道に逃げていく、そして国道二四六なり藤沢町田線に逃げていく。そこでの車両の台数が、先ほどの一号線のところと同じように大変な量になるのじゃないかと実は思うのです。そうなりますと、一番重要なトンネル部分の工事が先行しませんと、いま言った渋滞の解消にはならない、こう思うのですね。  どうでしょうか、これは直ちに私は予算がどうのこうのということは言いませんけれども、特にトンネル部分、藤沢町田線のその部分に対する当面の事業的な見通しといいましょうか、あるいは計画といいましょうか、あるいはこういう形でといいましょうか、あるいはスケッチといいましょうか、ありましたらひとつ御披瀝をいただきたい、こう思うのです。
  37. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 先生いま御指摘のように、このバイパスの途中で一部部分供用する、その際市道に交通が流れてその周辺にいろいろな問題を生ずるのではなかろうかというお話でございますが、いま私申し上げましたように、上草柳と大和市下鶴間でちょうど現二百四十六号と接続するところまでを、いま申しましたような一期整備区間として事業の進捗を図っているところでございますが、何しろ非常に事業費の高い区間でございますので、何もかも一度にやるというわけにはまいりませんので、順次一番時間のかかるような小田急線との立体交差とか、そういうところをいま始めさせていただいておるところでございまして、部分供用するかどうかにつきましては、周辺の交通状況あるいはこの事業進捗状況等を総合的に勘案しながら検討してみたいというふうに思っております。
  38. 加藤万吉

    加藤(万)分科員 大臣、御就任になられてから恐らくそれぞれの道路事情を御見聞になられただろうと思うのですが、私の選挙区は全国で二番目に有権者が多いところなのです。逆に言えば、一票の比重が非常に軽いところなのですね。私の選挙区と同じ状況を持っておるのが千葉ですよ。千葉といまの私の選挙区、いわば人口が多いということは結果的に、いま言ったような道路が物すごく過密の状況になるということを指し示しているのですね。大臣はときどき成田へおいででしょうけれども、千葉に抜けるあのところはなかなか通れないですよ。今度西の方においでになって二四六あたりを通っていただく、あるいは一号線、いわゆる旧東海道を通っていただけばわかりますが、それは大変なものです。一日当たりとにかく三万から三万五千台ですからね。しかも、これは二車線で通るなんというのは想像できないですよ。特に都市周辺、なかんずく私の選挙区だとか千葉に見られるようないわば全国でも一、二と言われる過密の都市、人口増のところは格段の配慮をする必要があろうかと思う。公共事業として建設関係がゼロシーリングというのはそれなりにわかりますが、私は、その場合でも何が優先すべきかという課題が当然問われてこなければならぬと思うのです。ひとつこの際、大臣の私の質問に対する決意をお聞きしたいと思います。
  39. 内海英男

    内海国務大臣 ただいまお話しのとおり、神奈川県の御指摘の道路につきましては、私もときどきは通させていただいております。大変渋滞のひどいところで、普通ならば十五分ぐらいで通れるところが、一時間半から二時間ぐらいかかるというような経験も私はいたしております。  したがいまして、予算の限りある中でございますけれども、それこそ重点的に効率的に配慮していかなければならない個所だなという感じがいたします。千葉県の方には、ときどきそちらも参りますけれども、最近は湾岸道路等もできまして、向こうまで行くのが大分楽になってきておるようでございます。それに比べますと、湘南地方から大和市方面は特にひどい。箱根あるいは伊豆半島、湘南地域という、気候的にも観光地として非常に恵まれた環境にあるだけに特に人が殺到する傾向にある。しかも、御指摘のように人口急増地帯でもございますので、そういう点につきましては、それこそ限りある予算の中で効率的に重点的に配慮すべき個所だ、そう認識をいたしております。局長とも相談いたしまして、できるだけ御期待に沿うように善処してまいりたいと考えておるわけであります。
  40. 加藤万吉

    加藤(万)分科員 どうぞ一層格段の御検討と御配慮をお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
  41. 熊川次男

    熊川主査代理 これにて加藤万吉君の質疑は終了いたしました。  次に、渡辺三郎君。
  42. 渡辺三郎

    渡辺(三)分科員 大臣を初め連日御苦労さまでございます。私も国道整備それから改築、この問題を中心にして、きょうはお聞きをしたいと思っております。  東北新幹線が昨年開通をいたしまして、いわゆる高速交通時代が一段と促進をされてまいっておるわけでありますけれども大臣御承知のとおり東北・上越新幹線はりっぱに開通をいたしましたが、このことによって逆にいままでよりも日常的に非常に不便だ、こういうふうな地域も出てまいったわけであります。これは拙速に判断をするわけにはまいりませんで、あるいは一時的な現象だ、こういうふうにする見方もあると思いますけれども、たとえば山形県の場合などは、この第八分科会の所管ではございませんけれども、これまでの在来特急というものの数が減らされまして、そして山形県から秋田県に抜けるにはどうしても奥羽本線を通るわけでありますけれども、福島からの交通の乗り継ぎというものはいま非常に不便です。こういうふうな状況の中で、実はこと二年来、県を初め各民間の団体も含めて、高速交通時代に入るのに山形県が交通の谷間に置かれるということについてはどうしても納得できない、こういう立場で、在来特急の存続運動や、あるいはまた新幹線との乗り継ぎのスムーズな状況をつくらなければならぬという運動をやってまいりました。ところが冒頭申し上げましたように、今日の段階はなかなかそうはいっておりません。  そうなりますと、どうしても国道整備、改築というものが今後の交通の問題を考える際に重要になってまいります。福島から山形を縦貫して秋田に至る十三号国道、これがやはり山形県の発展、開発にとっては大動脈になるわけでありますけれども、これがなかなか十分に進んでおらないという実情が残念ながら今日の実態であります。そういう点で、きょうは短い時間でありますけれども、十三号の改築あるいは各主要都市のバイパス化の問題あるいは四車線化の問題、こういう点についてお伺いをしていきたいと思っております。  まず最初、端的にお聞きをいたしますけれども、これは局長からお答えをいただきたいのでありますが、十三号の四車線化の問題について、建設省として実現へ向けてのどのような計画をお持ちになっておるか、総合的にちょっとお伺いをしたい。
  43. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 御説明させていただきます。  一般国道十三号は福島市より秋田市に至る延長約三百キロメートルの幹線道路でございます。このうち山形県分の延長は約百六十一キロメートルとなっております。  この国道十三号線につきましては、交通量、沿道の状況などから見て四車線化が必要な区間について順次四車線化事業に着手しているところでございます。現在、山形県内で四車線化事業に着手しておりますのは米沢バイパス延長五キロメートル、南陽バイパス延長六・八キロメートル、上山バイパス延長八キロメートル、山形北バイパス延長二十一・二キロメートル等の十バイパス、総延長八十六キロメートルの区間であります。そのうち四車線化完成しておりますのは山形バイパスの全線及び成沢バイパスと山形北バイパスのそれぞれ一部区間、合計約二十六キロメートルでございます。また米沢バイパス、尾花沢バイパス等六バイパス延長四十一キロメートルにつきましては、現道の交通渋滞にかんがみ暫定車線供用しており、残りの南陽バイパス、上山バイパス等十九キロメートルにつきましては、鋭意事業の進渉を図り、暫定車線での供用を目指しております。これら暫定車線区間につきましては、今後の交通量の推移、沿道利用の状況等を見守りつつ四車線化を図ってまいりたいと考えております。また残りの区間等につきましては、現道の交通量等の動向を見ながら事業化の時期について検討してまいりたいと思っております。
  44. 渡辺三郎

    渡辺(三)分科員 そこで、せっかくお答えをいただきましたから、中身をもう少しお聞きしたいわけですが、いま局長の答弁にありました暫定車線計画考えておられる年次なりあるいは進捗の計画、こういうものについてもう少し具体化しておればここでお聞きしておきたいと思います。
  45. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 個々の個所がいつ完成するか等につきましては、これから道路事業費がどれぐらい伸びていくかというようないろいろなことも関係いたしますし、この十三号線は相当手広く事業をさせていただいておりますので、いつまでにそれぞれの暫定車線ができるかどうかということについては、いまのところ見通しと申しますか、ある程度の幅であればお答えできますが、いつごろという先生のおっしゃられたような時期については、もう少し検討させていただきたいと考えております。
  46. 渡辺三郎

    渡辺(三)分科員 時間があれば後で少し総合的にお聞きしたいと思っておりましたが、いまちょっと関連がありますので……。  今度建設省でことしの四月から計画に入られます第九次の国道整備計画、これは五十八年度からですから六十三年まで、こういうことになりますか、この五カ年計画の中では、いま局長にお答えいただいたような線についての整備というものが完成するのでしょうか。それともこの第九次計画の中で総合的にはどのようにお考えですか。これは細かい年次ごとの計画がわかれば一番いいのですが、まだそこまでいっていないとすれば総合的な内容でもよろしいかと思います。
  47. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 それでは、第九次道路整備五カ年計画期間内の見通しということで御説明させていただきたいと思います。  四車線化完成いたしますのは成沢バイパスの一部、全線六キロメートル中の三・四キロメートル、それから山形北バイパスの一部、全線二十一キロメートル中の七キロでございます。それから暫定車線完成と申しますか、これが完成いたしますのは上山バイパスの一部、全線八キロメートル中の三キロ、尾花沢バイパスの全線、これは四・三キロございますが、これらを第九次五カ年計画期間中で何とか供用に持っていきたいと考えておるところでございます。
  48. 渡辺三郎

    渡辺(三)分科員 もう一つ、これは十三号じゃございませんけれども、東北横断の自動車道の酒田線の建設の促進でありますけれども、これもまたいわば肋骨線といいますか、そういう意味で宮城から酒田に横に貫く線としては非常に重要な意義を持っておるわけであります。これも県を挙げて建設促進が叫ばれておるわけでありまして、これは建設省指導されて日本道路公団の方で鋭意進めてはおりますけれども、やはり建設の速度がなかなか思うように進まない、こういう状況がありまして、いわばこの一日も早い完成というものが望まれておるわけであります。特に関沢—山形—寒河江間の用地買収工事着工、これが当面非常に強く望まれておるわけでありますけれども、これについての計画はどのように考えておられますか、その点をお伺いします。
  49. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 東北横断自動車道酒田線は、宮城県村田町で、供用中の東北縦貫自動車道から分岐し、日本海側の山形県酒田市に至る路線であり、村田—笹谷間及び関沢—寒河江間について整備計画が決定されております。整備計画の定められております村田—笹谷間及び関沢—山形東間については地元協議を、また山形東—寒河江間につきましては用地買収をそれぞれ進めております。  残る区間のうち、笹谷—関沢間及び朝日—酒田間につきましては基本計画が定められており、また寒河江—朝日間については、ここはまだ基本計画が定められておりません。これらの区間につきましては、東北地方建設局において整備計画または基本計画策定のための調査を進めております。今後とも東北横断自動車道酒田線の整備促進を図ってまいりたいというふうに考えております。  特に、いま先生おっしゃられました関沢—山形東、山形東—寒河江間につきましては、いずれも整備計画が決定され、施行命令が出され、路線発表も、関沢—山形東が五十六年八月に、山形東—寒河江間は五十三年五月に路線発表され、関沢—山形東間については現在地元協議中でございますし、山形東—寒河江間については設計協議や一部用地買収に入っておるところでございます。
  50. 渡辺三郎

    渡辺(三)分科員 先ほど申し上げました縦に貫く十三号一般国道と、それからいまの網目のかなめになります東北横断自動車道酒田線、これがやはり山形県にとっては非常に大きな交通の基幹になるというふうに考えておりますので、これはそれぞれ鋭意進めておられるとは思いますけれども、さらに一層促進をしていただくように強く希望を申し上げておきたいと思うわけであります。  それからもう一つは、山形県の南の方を貫いて新潟に至る唯一の道路でありますけれども、百十三号これは相当整備はされておりますが、ただ県境の二井宿峠の改良が、長い間、県や地元の非常に強い要望がありましたけれども、これがなかなか進んでおらない、こういうふうな状況でありまして、二井宿峠の改良がないと、本当の意味での百十三号の持っている、何といいますか、使命あるいは効率、これが非常に減殺される、こういうふうに考えておるわけであります。そういう意味で、これもまたその促進方を県を挙げて強く要望してきておるところでありますけれども、できれば具体的に、この計画の内容をお示しいただきたいと思います。
  51. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 御説明いたします。  一般国道百十三号は、新潟市から相馬市を結ぶ延長約百八十五キロメートルの国道であります。この国道百十三号のうち山形、宮城県境にあります二井宿峠の道路の現況は、最小幅員が四メートル、最長縦断勾配が九・五%、最小曲線半径が八メートルという非常に悪い状態でございまして、大型車は全面通行どめとなっております。この区間につきましては建設省直轄事業として昭和五十七年度新規に事業に着手し、現在測量、地質調査等を実施いたしております。昭和五十八年度におきましては、ルートの設定、幅ぐいの設置、重要構造物の設計等を実施し、本格的な着工を進めてまいりたいというふうに考えております。
  52. 渡辺三郎

    渡辺(三)分科員 時間の関係で数多く申し上げるので恐縮ですが、さらにいまの百十三号の中で、これは局長もよく御存じだと思いますけれども、例の宇津トンネルの状態について、非常にこれは何回も道路局の方には陳情がいっておると思いますが、この調査計画なり、あるいは建設省としてどのようにこの問題についてお考えになっておるか。これは場合によっては単なる交通渋滞というだけではなくして、非常に危険を伴う状況になるのではないか。変な事故が起きた後では非常に困ってくるわけでありますから、この点について、きょうお答えの準備をしていただいておるかどうかわかりませんけれども、ついでにお伺いをしておきたいと思います。
  53. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 いま先生のお話のありました宇津トンネルにつきましては、幅員が非常に狭く、大型車がすれ違う場合に大変危険な状態にあるということは十分承知しておりまして、これをどういうふうにしていったらいいのかということで、実は直轄でいろいろ調査をいたしております。別ルートをつくるのか、いまのものに対して何らかの対策があるのかどうかも含め、いま先生のおっしゃったような問題を解決するための調査を現在実施しているところでございますので、この調査促進して対策ができれば、また実際の事業に入っていきたいというふうに考えております。
  54. 渡辺三郎

    渡辺(三)分科員 いまの宇津トンネルの問題については、地盤の関係、こういう点については調査がまとまっておりましょうか。それとも、まだこれから本格的な調査、こういうふうなかっこうになりましょうか。
  55. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 私も東北にいろいろおりましたので、あのトンネルは盤ぶくれをするとかいろいろな話はよく聞いて、私自身も通って存じておりますが、まだ本格的な地盤、地質調査等はこれからやってまいりたいというふうに考えております。
  56. 渡辺三郎

    渡辺(三)分科員 いま局長おっしゃいましたように、あそこの問題については局長自身も非常に関心を持っていただいて、いままでもいろいろ地元と協議をなさって進めてこられた問題だというふうに私も承知をいたしております。ただ地元の町村なりあるいは関係者の間では、素人的な観測で非常に危険な場所ではないか、そういうふうな点から、いろいろまさに素人的な判断が行われておるようでありますけれども、ひとつ道路局としては専門的な角度から、一刻も早くこの内容について精密な調査をしていただいて、しかるべき措置をとるように、この際、要望いたしておきたい、こういうふうに思います。  次いでもう一本、百十二号の二次改築の促進の問題についてお聞きをしたいと思っておりますが、特に寒河江バイパス促進、これは非常に長い期間かかりまして、特にこれは地元の関係でも問題があったのではないかと私は思います。われわれもときには引っ張り出されて、用買の問題でいろいろ相談を受けたことなどがございますけれども、ようやくこれが国の方からも直接手がつけられるようになりまして、進みつつあると思いますが、あそこの交通量、それから寒河江の市内の道路事情、こういうこともあって非常な渋滞が目につくわけであります。ですから非常に長い間、これは強く地元からも要望が出されておった点でありまして、ぜひとも早急な促進を力を入れてやっていただきたいというふうに思っておりますけれども、これは予算といいますか、事業規模が年次ごとにどういうふうな計画で進められようとしておるのか、そういう点が具体的にあれば、その点については数字を挙げて御説明をいただきたいと思います。
  57. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 五十六年度までに十六億、五十七年度では九億五千万、この全体の事業費は七十二億でございます。現在、用地買収、それから一部改良工事に着手いたしております。
  58. 渡辺三郎

    渡辺(三)分科員 まだ五十八年度に入っておりませんから、そのことについてはなかなかお答えにくいと思うのですけれども、五十六年、五十七年度については、いま金額をお示しいただいてわかりましたが、来年度、つまり四月一日以降の五十八年度の考え方、数字をきちんと挙げて、こうだというような断定はいろいろ問題があると思いますけれども建設省としての考え方は大体こんな考え方で進めたいというふうなものがおありですか。
  59. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 五十八年度については現在検討中でございますので、確定した後に、また御報告さしていただきたいと思います。
  60. 渡辺三郎

    渡辺(三)分科員 それから百十二をお聞きしたついででありますので、白岩バイパスについての調査、これも要望としては非常に強いわけですが、本省の考えとしては、考え方あるいは計画、そういうものはございますか。
  61. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 ちょっといま先生の言われたバイパスについては手元に資料がございませんので、また調べた上で御報告させていただきたいと思います。
  62. 渡辺三郎

    渡辺(三)分科員 いま十三号あるいは東北横断自動車道、百十二、百十三等について細かに考え方をお聞きしてまいりましたが、時間も残り少なくなっておりますので、ひとつ大臣からお伺いをしたいと思います。  一番最初に山形県の交通事情についてちょっと申し上げましたが、先ほど申し上げたような事情がありまして、来年度から始まる第九次の道路整備計画、これは非常に重要な関心が持たれておるわけであります。特に、道路整備、改築の問題については、昨年の十二月の初めだったと記憶しておりますが、本県の場合には知事を名誉実行委員長にいたしまして、官、民間挙げて改良促進の県民大会を持ちました。これは道路財源の問題などが絡んでおりましたから、それぞれ全国の各県にも、いわば先駆けのつもりで呼びかけて、この実現を図っていこう、こういうふうな運動をずっと展開をしてきておるわけでありますけれども、当初、建設省考えておられた五カ年計画での事業規模四十三兆ですか、これが二月の閣議了解では三十八兆、当然いまの財政事情の中でそのようになってきたと思いますから、当初計画されておった事業規模から言えば、やはり圧縮されざるを得ない、変更されざるを得ない、こういう事情はよくわかります。しかし、これに対する県民の期待というものは非常に大きいし、特に、国土の均衡ある発展という観点から言えば、大臣も事情はよくおわかりだた思いますけれども、どうしても東北などは取り残されてきておる。特に、東北の内陸部あるいは日本海沿岸、わけてもこちらの方が残されておる、鉄道事情は先ほど申し上げたとおり。それに加えて、道路もいままでのような状態でいくとするならば、本当の意味での均衡ある発展というふうには言えないのじゃないか、こういう点を非常に危惧するわけであります。  事業規模は、当初建設省が意欲的に考えておられた点から言えば縮小されざるを得なかったとしても、それだけに重点的な配分とか、あるいは国道整備、改築、こういう問題についての優先度、それを考える場合に、いま言ったような事情を全体的に頭に置いていただいて、そして事業計画される必要があるのじゃないかと私は考えておるわけであります。その点は内海大臣は十分に配慮されているとは思いますけれども、それらについての基本的な考え方をこの際伺っておきたいと思います。
  63. 内海英男

    内海国務大臣 御指摘の点はごもっともでございます。私も一月の初めに東北管内を一部視察いたしまして山形にもお伺いいたしました。その際、ただいままでお話しのございました国道十三号線の全面四車線化、大変強い御要望がございまして、知事さん初め関係の機関の方々、そろって強い御熱望でございました。さしあたり、ただいままでお話しのございました主要部分についてのバイパス化ということについても随所で工事が進められておる姿も見てまいりました。また御指摘にございました横断道、東北縦貫道の宮城県の村田から酒田に至る道路につきましても、ぜひこれを強力に第九次道路整備計画の中で促進を図ってもらいたい、こういう御要望も十分承ってまいったわけでございます。  したがいまして、山形県につきましては特に地域が雪寒地域であるというようなことと、隣接県への交流というものが常に山岳部である程度遮断をされておるというような事情、さらに東北縦貫道が通っていない、それに対応するに県勢発展計画をどう結びつけていくかというような、いろいろな問題があるということも十分承知をいたしてまいりました。特に冬期間の交通が途絶するという区間も相当あるというようなことでございます。したがって、ただいま申し上げましたような国道十三号を初めとする横断道の促進をぜひとも図らなければならない。また隣の県へつながる山岳地帯のトンネルといったものについても、開かれた東北という意味からいけば、これも促進しなければならぬというようなことで、十分認識をいたしておるわけでございます。  したがいまして、御指摘のように、第九次道路整備五カ年計画でございますが、当初の要望よりは多少へづられた向きもあります。財政事情からいってやむを得ないというような環境にはございますけれども国土の均衡ある発展を図るためには、どうしてもこれを重点的、効率的に活用して、地域の均衡ある発展を図っていかなければならぬ、こういった考え方で、私もその認識のもとで関係の部局とも十分相談をいたしまして、そういった配慮をしながら事業の遂行を図っていきたい、こう考えておるわけでございます。
  64. 渡辺三郎

    渡辺(三)分科員 大臣も山形県の実情については特に現地に足を踏み入れていただいてよく御認識されておると思いますし、それから局長も当然本件の地域の事情については非常に詳しいわけでありますから、ぜひとも局長、大臣、いまお答えいただいたような形で促進をお願い申し上げたいと思います。  一つだけ最後に、これはお答え要りませんが、要望申し上げておきますけれども、これも長い間の懸案でありました百二十一号の福島県喜多方の大峠、これは大難工事でありますけれども促進をしていただいておりますが、さらに一層力を入れていただきたい、このことを要望申し上げまして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  65. 熊川次男

    熊川主査代理 これにて渡辺三郎君の質疑は終了しました。  次に、長田武士君。
  66. 長田武士

    長田分科員 初めに、住宅問題について建設大臣にお尋ねをいたします。  建設省昭和五十六年度を初年度といたします第四期住宅建設五カ年計画では、昭和六十年度を目途といたしまして、すべての国民が家族構成や住宅地域などに応じまして良好な居住水準を確保することを目標といたしているわけであります。そのため既設住宅の増改築等を推進する、既存ストックの有効活用を図るというようなことがうたわれておるわけであります。この方針に基づいて東京都では、これまで設備に欠陥があったり居住面積の狭い都営住宅におきましても居住水準を引き上げようと、従来から行っております団地の環境改善とあわせて住戸改善事業を進めておる現状でございます。  そこで、こうした公営住宅の建設について、建設省は五十八年度、この事業といたしましてどのように取り組んでいらっしゃるのか、改善事業については具体的にどう推進しておるのか、この点をあわせてお尋ねいたします。
  67. 内海英男

    内海国務大臣 数字にわたりますので、局長から答えた方が確実だと思いますので……。
  68. 長田武士

    長田分科員 それじゃ局長で。
  69. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 ただいまの御質問でございますが、昭和五十八年度の公営住宅の建設事業につきましては、予算案といたしまして事業費で五千八百八十九億円、国費で二千八百六十六億円を計上いたしております。前年度当初予算戸数と同戸数の五万四千戸を建設することにしているわけでございます。  また、お尋ねの昭和五十八年度の既設公営住宅改善事業計画におきましては、事業費で百九十五億円、国費で九十八億円を計上いたしまして、前年度当初予算戸数と同戸数の一万二千戸の改善を実施することといたしております。
  70. 長田武士

    長田分科員 ただいまお話がございましたように、建設省といたしましては、五十八年度の公営住宅建設事業といたしまして建設戸数五万四千戸と計画しておるわけですね。ところが、公営住宅の建設事業について東京都では、昭和五十六年度を初年度といたしまして長期十カ年計画に基づいて六十五年度までに五万六千戸を計画しておるわけであります。そこで、建設省の五十八年度公営住宅建設事業の中から、東京都は都の十カ年計画推進に必要な計画戸数、それに必要な補助金の確保を求めているわけでございます。この点について、大臣、よろしかったらお答えをいただきたいと思います。
  71. 内海英男

    内海国務大臣 公営住宅の供給につきましては、これまでも住宅事情の特に悪い大都市地域を重点に置いて建設計画を進めてきたところでございますが、昭和五十八年度におきましても同様の方針で、東京都を初めとする大都市地域に特に重点的に考えを合わせていきたい、こう考えておるわけでございます。
  72. 長田武士

    長田分科員 また、建設省は、五十八年度事業の中で居住水準の確保という観点から、既設公営住宅改善を一万二千戸と決定いたしておるわけであります。しかし、建設省としては当初一万六千戸要求したということが言われておりまして、これがやむを得ず一万二千戸に削られてしまった、こういう経緯があるようであります。いずれにいたしましても、予算上の住戸改善戸数が全国で一万二千戸ということは、ちょっと数が少ないのじゃないか、意欲が見られないのじゃないか、そういう点、私は危惧しているのですけれども大臣、いかがでしょう。
  73. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 既設公営住宅改善事業につきましては、住宅のストック対策という点から非常に重要な事業だというように考えておりまして、昭和四十九年度からこの改善事業を実施しておりますが、昨年の十二月までに三万三千戸の事業を実施しております。  お尋ねの五十八年度事業でございますが、これにつきましても事業の実施能力その他をいろいろ勘案いたしまして、また財政事情が非常に厳しいときでございますので、一万二千戸の予算を計上しているわけでございます。この事業については、御指摘のように各事業主体から非常に要望が多いところでございます。したがいまして、この配分につきましては十分配慮をして、大都市地域住宅事情の悪いところから十分配分をしていきたいというように考えております。
  74. 長田武士

    長田分科員 既設公営住宅の住戸改善事業に関する建設資金については、御案内のとおり国が負担するのは二分の一ですね。この補助枠拡大を望む声が非常に出てきておるようであります。現在二分の一ですけれども、三分の二ぐらいにしてほしいという強い御要望が出されております。この補助率の拡大についてはどういうお考えでしょう。
  75. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 御指摘のように、既設公営住宅改善事業につきましては第一種の公営住宅も第二種の公営住宅も、いずれも一律二分の一という補助率が定められております。これは、本体の部分がすでにあるということ。それに対して若干の増築がございましても全体としては一種、二種にかかわらず家賃の増分はそれほど多くないということ。それから、新しく用地取得して公営住宅を建設するという場合には、どうしても家賃が高くなりますが、すでに前からありました公営住宅に増改築をするわけでございますので、それほど家賃の増分はないということ等々の理由によりまして、二分の一という補助率を設定しているわけでございます。特に現在、財政事情も厳しいことでございますので、補助率の引き上げということは大変むずかしい状況にありますが、ただストック対策という面からも、これからも十分検討はしてまいりたいと考えております。
  76. 長田武士

    長田分科員 住戸改善についてお尋ねするのでありますけれども、現在、東京都全体で二十三万戸の公営住宅があるわけであります。そのうち住戸改善対象となる団地は約三百団地、戸数では約四万五千戸と言われております。東京都では昭和五十六年度を初年度といたしまして長期十カ年計画に基づいて昭和六十五年度までに四万五千戸のうち一万六千戸を改善する計画でおるということであります。しかし、実際にはこの計画が達成できないのではないかと非常に危惧の念を抱いているようであります。たとえば東京都の計画であります五十六年度を見てまいりますと、千戸のうちに実績は七百九十戸、五十七年度では千戸の計画のうち実績が八百十五戸、このような実績で、初年度から計画を下回っておるわけであります。こうしたことから、五十八年度の見通しも昨年並みか、あるいはそれ以下に下がるのじゃないかと非常に危惧をされておるわけであります。  それはどこにネックがあるかといいますと、やはり補助金が十分に確保できない、この点が非常にネックであるということは地方自治体も言っておるわけであります。そういう意味で、大臣、いま二分の一でありますけれども、やはり三分の二程度の補助率、これを将来十分検討していただいて、その方向に持っていかないと達成できないと私は思いますが、どうでしょうか。
  77. 内海英男

    内海国務大臣 私どもも補助率のアップということについては常に考えておるわけでございますが、何せ財政事情大変厳しいときでございますし、補助金をできるだけカットしろというような声も強いときでございますので、いまのところはやむを得ない。時期が到来すれば、そういうようなことで大いにがんばってみたいと考えておるわけでございます。
  78. 長田武士

    長田分科員 大臣、いま景気が低迷しておりまして、やはり住宅建設も思うように進まない、そういう意味で、公共事業としてはすごく大きな目玉になると私は思うのです。そういう意味で、やはり地方自治体でこの改善が進まないネックはそこにありますから、どうかひとつ御努力をいただきたいと思っております。  また、改善事業に係る国の助成についてでありますが、二種及び改良住宅の住戸改善事業については、建設事業と同様に国の補助率を三分の二にしてほしいという強い要望が出ておるのです。この点についてはいかがでしょうか。
  79. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 先ほど申し上げましたように、第二種公営住宅は補助率は三分の二でございますし、改良の住宅も補助率三分の二でございますが、本体部分に若干の増築部分が加わるということで、家賃としてはそれほど大きくはならないであろうということ、その他新設公営住宅等に比べますとまだ家賃の水準が低いということで、一応こういった二種公営住宅あるいは改良住宅の対象階層であります収入水準にも十分適応した形で、住宅の供給が現在のところはできるというように考えております。  なお、先ほど大臣からも答弁がございましたように、今後とも慎重に検討していきたいと考えております。
  80. 長田武士

    長田分科員 公営住宅の中でも改善事業を必要といたしますおふろ場ですね。おふろ場のない中層住宅の問題なんですけれども、居住者からは強い要望がございまして、浴室だけを増設する場合、これをぜひ補助の対象にしてほしいと強い要望が出ております。実際、おふろ場がなかったのでは生活の基盤が崩れますから、居住条件としてはおふろ場は最低必要だと私は思います。こういう点について、実は都議会でも論議を呼んでおりまして、私はこの補助も対象にした方がいいのじゃないかということを考えておりますが、どうでしょうか。
  81. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 既設の公営住宅改善事業の実施に当たりましては、早い時期に建設をされました公営住宅の、規模が非常に小さい、最低居住水準も満足しないような住宅がございます。そのために、とにかく居住室を増加させまして居住水準の向上を行うということを第一の目標にしておるわけでございます。  しかしながら、御指摘のように浴室等につきましても、これはその中に居住する人にとってはやはり重要な施設でございますから、現在のところは浴室についての補助ということは実施はしておりませんが、これからは前向きに検討いたしまして、できるだけ早い時期に浴室につきましても補助の対象として考えたいというように思っております。前向きに検討してまいりたいと考えております。
  82. 長田武士

    長田分科員 次に、住戸改善事業に関連いたしまして、まだ国庫補助の対象になっていない民生住宅、母子住宅などいわゆる福祉住宅ですね、これについては私は国庫補助の対象にすべきであるという強い要望を持っております。現在、民生、母子住宅は東京全体では約六千戸あります。その老朽化は目に余るものがあるのですね。そういう点で住宅環境としては最悪の状態でございます。したがいまして、これはこのまま放置してまいりますと非常にスラム化してしまいますし、このことは何としてでも改善しなくてはならない重要な点であろうと思います。この点についての国庫補助の対象、これはどうでしょうか。
  83. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 御指摘の福祉住宅につきましては、東京都が単独で建設をされまして、母子その他非常に厳しい環境にある方々を収容しているという意味で、その努力に大変感謝をしておるものでございます。  ただしかしながら、既設公営住宅改善事業は、現在公営住宅法に基づきまして国庫補助を受けて建設をされました公営住宅に限っておりますので、その点、その努力は非常に多とはいたしますが、福祉住宅改善事業に補助金を交付するということは現在の制度ではむずかしい状況にございます。何かほかの制度をもって補完することができるかどうか検討してまいりたいと思いますが、現在の公営住宅法ではむずかしい状況にあるということでございます。
  84. 長田武士

    長田分科員 ひとつその点研究していただきまして何とか改善の処置をとっていただきたい、このように考えております。  次に、首都圏の道路整備についてお尋ねをいたします。  建設省は五十八年度を初年度とする第九次道路整備五カ年計画を策定いたしまして、高速自動車国道から市町村道に至る道路網を体系的に整備をする、このようにうたっております。そこで、環状八号線についてお尋ねをしたいのでありますが、放射三十五号線、それから補助百三十四号線、これに通じます延長四・四キロでございますけれども、この区間における工事進捗状況について、まずお尋ねをいたします。
  85. 加瀬正蔵

    加瀬政府委員 お答えいたします。  環状八号線は、都心から十四キロメートル前後に位置いたしまして、羽田空港を起点とし、北区まで区部の西側を半周する重要路線でございまして、現在整備に努めているところでございます。  御指摘の四・四キロメートルの区間につきましても整備を図るため、すでに放射三十五号から約四百メートルにつきましては、昭和五十六年度から事業化し、現在用地買収を鋭意進めているところでございます。その進捗状況を見ながら、引き続き補助百七十二号までの約一キロメートルについての事業化ということを検討してまいりたいと思っております。
  86. 長田武士

    長田分科員 ただいま御説明がございましたとおり、建設中の環状八号線とグラント・ハイツを結びます計画につきまして、東京都ではすでに申請を出しておると私聞いておるのですけれども、この計画の必要性をどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
  87. 加瀬正蔵

    加瀬政府委員 補助百七十二号線が環八とグラント・ハイツを連絡する道路だと思いますが、この百七十二号は、補助百三十四号を起点としまして、グラント・ハイツの南側を通りまして、練馬区春日町で環状八号と交差し池袋に至る街路でございます。このうち、旧グラント・ハイツ跡地、光が丘パークタウン内の約一キロメートルは整備済みでございますが、さらにこれを延ばしまして環状八号線までの八百メートルを整備することが、当団地に関連する交通を円滑に処理する上で必要であるというふうに認識しております。
  88. 長田武士

    長田分科員 こうした道路整備については地元から要望が非常に強く出ております。大臣、この点についてはひとつ強力に推進していただけますか。
  89. 内海英男

    内海国務大臣 努力をいたします。
  90. 長田武士

    長田分科員 現在グラント・ハイツの跡地に都営、公社、公団の各住宅が建設中でありますが、そのうち千四百二十三戸すでに完成されまして、この三月から入居が開始されます。こうした状況から、グラント・ハイツと建設中の環状八号線を結ぶ道路、すなわち補助百七十二号線であります。この一部は地域の住民から、緊急性が非常に高い、何としてでも早期に開通を望むという声が非常に強く出されております。そこで、グラント・ハイツと環状八号線を結ぶ八百メートルのこの補助百七十二号線については、グラント・ハイツ跡地開発の関連事業として工事を進めた方がスムーズにいくのじゃないか、私はこのように考えております。すなわち、住宅宅地関連公共施設整備促進事業として取り扱ったらどうか、このように考えておりますが、どうでしょう。
  91. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 グラント・ハイツにつきましては、この団地の交通利便を図るために住宅宅地関連公共施設整備促進事業をすでに積極的に導入しておりまして、補助百七十二号線につきましても、団地の東南部の端から補助百三十四号線までの約一キロの区間は、この事業によりまして整備済みでございます。御指摘のこの東南部の端から環状八号線に至ります区間約八百メートルにつきましては、今後の住宅建設の状況を勘案しながら整備をする必要があるというように考えております。
  92. 長田武士

    長田分科員 どうかひとつこれを推進をしていただきたい、お願いいたします。  五十八年度における建設省住宅宅地関連公共施設整備促進事業につきまして補助要件を緩和してほしい、そういう声が非常に強いように私は思います。この点についてはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
  93. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 住宅宅地関連公共施設整備促進事業は、その事業の性格から、住宅地の環境、利便、そういうものを確保するための事業でございます。したがいまして、ある一定の要件を設けておるわけでございます。それで、五十七年度につきましては事業対象地域を若干広げておりますが、来年度は厳しい財政事情もございまして、採択基準の緩和ということまでは考えておりません。しかしながら、先ほど御指摘のございました百七十二号線の整備に関連いたしましては、現行の採択基準の範囲で進めることができると考えております。
  94. 長田武士

    長田分科員 その道路建設についての採択基準はどのようになっているのでしょうか。簡単に説明してください。
  95. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 道路につきましては、住宅団地と主要な幹線を連絡する道路等、住宅宅地事業に関連して緊急に整備することが必要な路線一般国道以外のものを対象としています。大まかに言えば、そういうような基準で実施をしているわけでございます。
  96. 長田武士

    長田分科員 いまの御答弁ですと、補助百七十二号線は採択基準に該当しておりますか、していませんか。
  97. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 補助百七十二号線につきましては、すでに一部採択しておりますし、東南部から環八に至る八百メートルにつきましても、採択要件に該当していると考えております。
  98. 長田武士

    長田分科員 いずれにいたしましても、グラント・ハイツ入居者の足として、道路交通整備、安全確保という点が非常に重要な問題であろう。将来一万二千戸の住宅が建設をされますので、そういう点ではどうかひとつ早期開通を強力に推進をしていただきたいと心からお願いをするわけでございます。  それでは、最後になりますけれども大臣にちょっとお尋ねをいたします。  質問を通告してなくて申しわけないのですけれども、関越道路が非常に渋滞をする、大臣も経験があると思いますけれども、これについてはやはり谷原交差点が大きなネックになっております。現在、いわゆるオリンピック道路の地下を建設中でございまして、間もなくこれが完成をするということでございますけれども、私は基本的には関越道路渋滞緩和としては余り効果がないのじゃないかという感じがするわけであります。多少効果はありますよ。しかし基本的には、やはり三重立体とかもう少し具体的な方策に取り組まないと解決できない、そういう感じがするわけであります。それに関連いたしまして、その基本的な考え方と、さらには外郭環状線の問題、これが大きなテーマだろうと思います。この点について御意見をお持ちでしたら、お聞かせをいただきたいと思います。
  99. 加瀬正蔵

    加瀬政府委員 突然の御質問でございますので、道路局と絡む分もございますが、御指摘のように谷原の交差点が大変ネックになりまして渋滞しているのは事実でございまして、いまのお話にもございました立体交差につきましては、五十八年度で完成するような方向で努力をいたしております。  それから、これは私どもの所管とは一部かけ離れるわけでございますが、最終的にはおっしゃいますように外環なり何なりの整備と絡みまして、東京全体の道路のネットワークとの絡みでは、たとえば関越から外環道路に乗っかりまして東北に進みまして、新大宮バイパスを通り、さらに首都高速道路のネットワークと連結するようなことも検討する必要があるかと思いますし、その場合の外環についての取り扱い等も今後の重要な検討課題になると考えております。
  100. 長田武士

    長田分科員 終わります。
  101. 熊川次男

    熊川主査代理 これにて長田武士君の質疑は終了いたしました。     午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時二十六分休憩      ────◇─────     午後一時開議
  102. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  建設省所管について質疑を続行いたします。渡部一郎君。
  103. 渡部一郎

    渡部(一)分科員 私は、最近の行政改革の問題とも関連いたしまして、土地開発の行政上の問題によるおくれというものが土地開発を非常におくらせ、そのために、ひいては行政上の経費を非常に高いものにしているという実例を挙げまして御質問したいと存じます。  私がまず申し述べたいと存じますのは、兵庫県の神戸市の垂水区のエリアにおきまして、明石大橋の建設工事がいつ決定になるかがわからないため、その開発計画がとんざしているという問題でございます。私の試算いたしましただけでも、総費用にいたしましておよそ六百億円近い用地が現在約十年間にわたって開発の許可が行われずそのままになっているわけであります。  どうしてかといいますと、この地域におきましては、明石大橋の取りつけ道路がこのあたりを通過するという話がございまして、そこへもってまいりまして、湾岸道路工事線が同じくこの地域に集中するために、そしてそれに伴うインターチェンジが計画されているために、相当大きな面積について開発許可を神戸市が出さないという事情にあるわけであります。神戸市に対してしばしば地元の中小業者並びに建設業者、下請業者等々から抗議、陳情等が繰り返されているわけでございますが、路線がわからないということ一本やりで、依然としてどこに道路が走るかわからない、どこにインターチェンジがつくかわからない、したがって開発することができない、またその協議をすることができない、したがって手がつけられない、こういう仕掛けになっておるわけであります。  一問一答でやると時間がかかりますから、古い記録でいきますと、昭和四十八年十月においてすでに本四架橋の関連道路計画がございますので、位置等未定のために開発協議については留保したいという意思表示が神戸市から業者に対して示されており、五十三年におきましては、しからば開発が延期しているけれども、その地域は公団側が購入して問題を処理するという意思はあるかと聞かれたのに対して、その意思は全くないと答えが行われ、またともかく道路らしいものを想定して計画だけは何とか立てたらどうですかというあいまいきわまる指導が五十四年に行われ、五十四年七月には、道路予定地の怪しげな提示があり、そして五十五年三月になっては、この当該物件については何ら返事をすることができないと神戸市側が述べているわけであります。神戸市側がそういう態度をとっているということは、その背景に道路公団及び本四連絡橋公団等から正式な回答を受け取れないという状況のもとに発生したものと思われます。  私はこういう状況ははなはだ遺憾であり、速やかに位置決定あるいは計画決定が行われなければならないのではないか。すでに、一番早い時点から申しますと、昭和四十三年以来今日に至るまで十五年も経過している開発希望者がおり、少ないのでも五年という長期を要しているわけであります。  もっと問題なのは、そこに日本住宅公団が小束山団地を開発しようとされたわけであります。住宅公団はどういうことか突然とそれらしい道路をどんどん建設なさいまして、御自分だけは湾岸道路あるいは本四連絡架橋の取りつけ口からと思わしい道路をおつくりになったわけでございます。どんなものかと申しますと、大臣図面をちょっと見ていただきたい。大きく伸ばしてあるから見れると思うのですが、ここのところからこういうふうに曲がってますね。ここのところまでをちゃんと大きな道路にしまして、この区画の中の開発をいましているところであります。ちょうどこれから先は多少ふれるようになっておりまして、それでこちらから来る湾岸道路あるいは本四架橋に対応できるという仕掛けになっております。地元の住民から見ると、日本住宅公団だけはちゃんと道路をつくっておるではないか、われわれのところには道路計画も何もないではないか、何で日本住宅公団だけがそういう秘匿された情報を手に入れるのか、こういうふうに怨嗟の声が巻き起こっているわけであります。この下側にある幾つかの団地群は、したがって開発中途でありまして、中には開発計画を全然停止しているところもございますし、あるところでは逆にその団地群を幾つかに切りまして、道路にまるっきりひっかからない遠くの方を先に切り離して開発して、ひっかかりそうなところはあきらめて持っておるというところもございます。  さて、これを詰めるために、日本住宅公団側は、いまは名前が変わっておられると思いますが、この道路をつくるに当たって、いつこの辺の道路をつけておけば大丈夫だという確認をされたのか。それをまず地元の声に応じていただかなきゃなりませんので、どういういきさつで住宅公団だけはこういう道路をちゃんとつけるのをおやりになったのか。これは非常にめんどうな問題でありまして、完全にそれを打ち合わせてこういうふうにやったのだと言えば、どうして住宅公団だけがそれを知っていたかということになります。逆に知らないで推測でやったといたしますと、膨大な国費をかけてこんなものを推測でつけるのはどういうわけかという恐ろしい質問になるわけであります。私は、その点いろいろな御事情があったのは陰ながら推測しているものでございますから、いまの時点でどういうお立場でおられるか承りたいと思います。
  104. 救仁郷斉

    ○救仁郷参考人 先生御指摘の小束山団地でございますが、これの用地調査に入りましたのが大体五十一年ごろからでございます。実際買収いたしましたのが五十三年から五十四年にかけてでございますが、その間道路計画の問題があるということでいろいろ協議を重ねてまいりまして、五十三年の十二月に建設省の近畿地方建設局から、私どもがいま計画している計画で支障はないという回答をいただいております。  なお、先生先ほどお示しになりましたあの図面の中で、東側に広い道路がございますが、あれは都市計画決定されました須磨平野線という、これは神戸市道でございますが、それがございます。その工事はもうすでに着手はしておりますが、それに関連しまして、当該部分が非常にくぼ地になっております。したがいまして大きなのりになっているということになっております。
  105. 渡部一郎

    渡部(一)分科員 大臣、カラー写真で見ていただくと、いま大きなのり面になっていると言われているのはこれのことなんです。こういうふうに前は川のあったところをのり面にして道路に仕立ててありますからよく見えるのですけれども、まさに道路がど真中について、ここの公団だけはちゃんと道路をつくったなと見えるようになっているわけです。心理的影響からいいますと、公団だけ非常にうまくやったなというふうに見えるわけであります。また「宅地造成工事許可標識」がここに出ておりますが、これを拝見いたしますと、「昭和五十四年八月十一日から昭和五十七年八月十日まで」とありまして、「小束山団地調整池その他工事」になっていまして、現在もう期限は切れておりますが、整地をしている最中なんです。その整地も少しとんざぎみだというふうに見えるわけであります。だから、道路はつくったけれども、その後ほかのところがどうなるか、多少考慮されているのではないかと地元では見えるわけであります。  面積はどのくらいあるかと申しますと、これは近畿建設局側の資料で拝見いたしますと、KKトーメン、下畑台区画整理組合、往生住宅KK、東急不動産KK、大成建設KK、望淡土地、日本住宅公団関西支社、以上のような大住宅団地計画一覧表が出ておりまして、いずれも相当の面積でございまして、目の子で勘定いたしましても約二百ヘクタールぐらいに勘定されるわけであります。その上、この計画書を拝見いたしますと、垂水ゴルフ場というのがございまして、垂水ゴルフ場のところにジャンクションというのを検討すると書いてございまして、本四連絡道路とのジャンクションを名谷地区において検討する、あるいは本四道路とのジャンクション位置を垂水ゴルフ場で考えた場合のルート検討を行い、その可能性が確認されたということが近畿地建側の資料の中に掲載されているわけであります。そういたしますと、その垂水ゴルフ場のすぐ上にあります八代学園、あるいは西名谷ニュータウン、名谷グリーンハイツ等々が、いずれもうちの方はひっかかるのではないかというふうな話も起こってくるわけでございまして、まさにこの間における御論議あるいは計画というものが一々騒動の種になっていると言って過言ではないのでございます。私はこれははなはだ遺憾なことだと思います。  神戸市側に行って交渉したある業者に対しては、神戸市側は、今後とも大きな工事を担当される会社としては、こういったことがあるのもごしんぼう願わなければならない、こういうふうに発言しているようでございます。ごしんぼう願うにしても、金利のかかる土地を十年ごしんぼういたしますと二倍になるわけであります。それはそのまま住宅団地に降りかかってまいりまして、価格を押し上げてくる重要な要素になってくる。現在およそ六百億と私の推定する金額が、十年たつとまた六百億なくなってしまう。こういう怠慢な行政というものは、要するに湾岸道路あるいは本四連絡架橋の取りつけ口をどこにするかの計画決定を何月何日にすると言わないこと、それで用地としてはこの辺が要るのだということをあらかじめ指定しないことによるものだと思うのでございます。この点、専門的お立場からお答えをいただきたいと存じます。
  106. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 明石海峡大橋が取りつくこととなる神戸西部地区における既存の幹線道路は、先生いまいろいろお話がありましたとおり、すでに相当な交通混雑を来しており、本四道路神戸—鳴門ルートの連結と、この地域混雑解消のためには、幹線道路網計画の策定が必要であります。  そのため、当該地区における新たな幹線道路網計画につきましては、近畿地区幹線道路協議会におきまして、建設省の近畿地方建設局を中心に神戸市を含む関係地方公共団体等と調整を図りながら調査を進めているところでありますが、明石海峡大橋の技術的問題及び同橋陸上部ルートについての環境問題との調整、その他いろいろの問題があるわけでございまして、このため現在まで結論を得ておりません。  しかし、明石海峡大橋の神戸側インターチェンジは、その付近地区の全体的な幹線道路網計画とともに計画され位置づけられるものであるため、この幹線道路協議会における調査を受けて早急に検討したいと考えております。  また、当該地区は、御指摘のとおり、開発計画も多いところであるため、早急に幹線道路網計画調査を取りまとめ、必要なものから順次都市計画決定を行うように努めてまいりたいと考えております。
  107. 渡部一郎

    渡部(一)分科員 いまのお話、そのとおりやっていただければ大変ありがたいと思っているのです。ところが、肝心かなめの時間がついていないことですね。いつまでにどうおやりになるかというお約束が何もないので、実はそれと似たお話でここ十年が延びてきたわけなので、もうちょっと何とか言っていただきませんと、こちらとしては、ではそれを聞いてどないするんだいと言われたらそれっきりでございまして、何ともぬかにくぎみたいな感じがいたしますので、もう少し人民どもにわかりやすいように御答弁をいただきたいと思います。
  108. 内海英男

    内海国務大臣 局長から御答弁申し上げたことで大体尽きておるのですけれども、具体的に申し上げますと、本四架橋が一ルート三橋ということで現在仕事が進められておるという観点から、明石海峡の方の地区についてはなかなか具体的な作業が進まないのではないかと私なりに判断をいたしておるわけであります。しかも、兵庫県側のいろいろな道路事情あるいは湾岸道路計画、こういったものとの結びつきからいきましても、基本的な明石架橋というものが一ルート三橋という中でまだ取り上げられていないというところに問題があるのかと思います。その問題が解決いたしましたら、急速に話は詰まってくる問題だと思いますけれども、現在の状況ではそんなことでおくれておるのではないか、こう判断をいたしております。
  109. 渡部一郎

    渡部(一)分科員 明石大橋をつくるのかつくらないのかというような基礎的な問題にまで私は論及しているわけではないのです。いずれにせよ、地元でも意見がございまして、橋よりもトンネルにせよという説もあるわけであります。また橋は要らないじゃないかという極端な説をなす者もおります。しかし、一ルート三橋ということで本四架橋公団ができていて、工事を一時延期するという形でとんざしているということは現実の問題であるわけです。そうすると、いつそれが復活するかわからないという形で延びているということもあり得るわけです。そうすると、その間における金利の負担は一体だれが負うべきものなのか、そして開発計画のおくれに伴う実質的な損害というものはだれが負うべきものなのかということが当然問題になってくるわけなんですね。  これは地元の方で言われていることでございますけれども、これは神戸市の市長室長の見通しとして述べられているのでありますが、二月二十二日の神戸市議会明石鳴門架橋対策委員会で「(建設省などとの折衝の過程で)」そういう感触を得たという話をされるのだろうと思いますが、「「明石海峡大橋が第九次道路整備五カ年計画(五十八—六十二年度)の後半にも着工される感触を得ている」と語り、同大橋の建設計画が六十年代早々にも具体化される見通しを明らかにした。地域開発効果と投資効果の大きい同大橋を現在建設中の一ルート三橋に続いて最優先に建設すべきだとする神戸市など地元側の主張に対して、建設省本州四国連絡橋公団から(同意の)言質を得ている」というもの。こういう記事が掲載されているわけであります。  これは、神戸市側がそういう感触を得たと言っているわけでありますから、建設省や公団側がそう言っているという意味ではないとは思います。しかし、こういうことがあると、また二重三重に振り回されるわけですね。それならまたあの辺は開発できないのかということになって、また後ろに下がる。それじゃ何とかしているのだろうという判断も出てくる。もう右に左に振れる、こういう話の一つ一つが。恐らく建設省にこれで本当にやるのですねなどと聞きに行けば、建設省としては何もそんなことは決めた覚えはございません、神戸市側が勝手に言っているのですとおっしゃるおつもりでございましょう。そうすると、一体だれを信じたらいいのか、どこに確実なお話を求めたらいいのかわからないわけでございますね。だから、この問題について計画決定はいつする、いつから着工するかは後にしてもいいから、いつ計画が決定されるか聞きたいわけです。そしてそれによって線を引っ張ったら、それから外側の土地は自由に開発していいぞとおっしゃっていただきたい。そうしないと、次の段階ではこういうことが起こる。もしこの御答弁が得られないなら、地元ではどんどん開発計画を出してしまおう、立ち退きには一切応じないでがんばる、立ち退き計画が後から来たらもう湾岸道路であろうと何であろうとむしろ旗を掲げて応戦する、すでに十年の歳月と惨たんたる被害を受けたわれわれとしては対抗する、過激な野党を動員して前面に立ちふさがる、流血の惨をもっても道路公団と本四連絡橋公団には抵抗するというふうなあれを翻して二十一世紀ものにする、こういう過激な話も当然出てくるわけであります。計画確定を早急にやるということを何かの形で御表明いただけると大変ありがたいと思います。
  110. 内海英男

    内海国務大臣 先生も地元でよくおわかりのことと思いますが、私も数年前に建設委員で実は現地の方へ行ったことがございます。そのときは地域住民の方の、御婦人の方が多いようでございましたけれども環境問題で大分根強い反対の御意見が架橋そのものに対してございました。いろいろそういった地元の御意見もありますし、国の財政事情も大変厳しいということで、とりあえず一ルート三橋ということで本四架橋をいまやっておるわけでございます。  また一方、見方を変えてみますと、関西新空港の問題がいま非常にクローズアップされてまいりまして、着工を前提とした相当大幅な調査費も五十八年度の予算の中に繰り込まれておるようでございます。そういたしますと、それに関連した道路計画、いろいろなものがそういう大がかりなプロジェクトを遂行していくということになりますと出てまいります。そういった観点が出てくる状況が急速に私は浮上してくるのではないかと思うのです。そういたしますと、明石の方の橋も早くやるべきでないかというような地域の住民の要望もまたそこに強く加わってくるし、湾岸道路もやれ、泉州沖に関西新空港をつくれという問題の起こりました当時、先生の方の兵庫県も兵庫県の方につくれというような御要望もあったように聞いておるわけであります。そういった総体的な中でいろいろ検討していきますと、この問題もほうっておけない問題に発展していくのではないかと思います。でありますから、私どもの方の関係道路行政あるいは本四架橋の工事だけで、この問題を財政の厳しいところで判断をしてこうだということの結論よりも、さらに大きなそういった問題との絡みで、ある時点にはっきりした線を打ち出さざるを得ないというような状況になるかと思うわけであります。したがいまして、私どもとしては、一刻も早くそういう事態になって明石架橋でもできればなという感じは持っておるわけでございます。建設省あるいは本四連絡橋公団だけでこれをいつやります、予算の裏づけのないのにそういうことを申し上げるのは無責任だと思いますので、そういった総合的な全体の交通体系の中で取り上げていかなければならない問題に発展していくのではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。
  111. 渡部一郎

    渡部(一)分科員 大臣の大所高所の御議論ありがたいのですけれども、私は実はそれを言うてないのです。明石大橋をかけるとかかけないとかも言うてないのです。空港もいま言うていないのですよ。現場で迷惑している住民のために、用途指定の行われない宙ぶらりんの土地をどうするかと伺っているわけでございます。  どれぐらい損したかというのを私は大成建設に頼んでちょっと計算してもらいました。租税公課だけ申し上げますと、大成建設が持っているのは八万六千八百六坪です。土地代は昭和四十七年に三十九億七千五百万です。それから払った固定資産税は六百万円です。ところが特別土地保有税が八億一千七百万。利息が実に四十一億です。その他が四千六百万。八十九億四千四百万なんです。そうすると、三十九億七千五百万が八十九億になったということは、ちょうど二倍ちょっとになりますね。十年で二倍になってしまうのです。いまの御調子だとまた十年かかるでしょう。これは二百億になるでしょう。この会社はたえられるからまだいいでしょう。だけれども、横にいる小さな業者だとか先行き不安でありながら小さな土地を持っている人にとってはたまったものではない。だから、このところの土地はこれに要りそうですよというくらいの何かの指図をしなければならないでしょうが、建設省としても道路公団としても。そうでなかったら、この負担はだれか負うのですか。結局企業がかぶるか個人がかぶるかでしょう。それで建設省道路公団と本四連絡橋公団と神戸市は、皆さんがまんしてくださいと叫び続けるでしょう。それは民衆に対して余りにも行政の加害というものがひど過ぎるのではないでしょうか。この点いかが思われますか。
  112. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 大所高所の話は大臣からただいま御説明いただいたわけでございますが、先生のおっしゃられる地元の問題もまた非常に重要でございますので、本日先生のいろいろなお話、御指導を賜りましたことについて、近畿地区幹線道路協議会等によく伝えまして、早急に検討していただくようにしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
  113. 渡部一郎

    渡部(一)分科員 蒸し返して悪いのですけれども、もう一つ住宅公団の方には昭和五十二年に、住宅公団としてはこの地域をこういう形で買っていいよというニュアンスが明瞭に意思表示されている。そして住宅公団はそれに基づいてちゃんと取りつけ道路らしいものをつくっておる。多少余裕地はとっておる。他の人たちにはそれをしない。私はこれはいろいろいきさつがあったのは知っておりますけれども、そう見えるということは余りにも行政の片手落ちではないかと思います。この点はぜひとも御考慮いただいて、すべての計画決定について私は言うてないのですよ。道路をどこにつけるのだということぐらい指図するのが本当じゃないでしょうか。  そして現在の日本の制度では、本当に事業決定が行われる前には用地買収ができない仕掛けになっている。そのために物すごい損害を日本政府あるいは公団は受けておるわけですね。私はこれは直さなければならぬと思います。この直す問題はまた建設委員会でもお尋ねいたしまして、本当にベテランである大臣にその点よく御存じですから詰めたいと思いますが、きょうはそれも問題にしない。だけれども、この場合は住宅公団の方はうまくやった。道路はついておる。あとの方はどこにジャンクションができるのだかどこに道路をつけるのだか一切回答不能。これはいかぬ。行政の片手落ちだと思うので、これは早急に御処理いただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
  114. 内海英男

    内海国務大臣 御指摘のような点を踏まえまして、早急に関係機関と相談して、できる限り早くその計画がわかるように進めたいと思います。
  115. 渡部一郎

    渡部(一)分科員 大臣からきわめて有力な御回答をいただきまして、それこそ暗やみに明かりが差したような気がするわけでございます。しかし、これを言っていただくために十年の歳月を要したということは、私も非常に申しわけなかったと思っているのですが、地元のことについてよくわかってなかった。ところが、全国的にこの種の問題が非常にたくさんございまして、行政指導を担当される方の御責任というのは非常に重いなということを感じているわけでございます。今後これについて、いま大臣お述べになりましたように、速やかな御判断と、地元の各企業あるいは住民に対して意思表示をしていただくようにお願いをいたしまして、私の質問とさせていただきます。
  116. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)主査代理 これにて渡部一郎君の質疑は終了いたしました。  次に、小川国彦君。
  117. 小川国彦

    小川(国)分科員 最初に、建設大臣にお尋ねをしたいと思います。  建設省の所管になります千葉県浦安沖の埋立地、ここに現在オリエンタルランド株式会社が東京ディズニーランド建設のための埋立地の分譲を受けまして、この四月十五日にオープンをする、こういうことでテレビや新聞等でアメリカのディズニーランドと兄弟関係のような東京ディズニーランドが誕生するということで大変華やかな宣伝が繰り広げられているわけでございます。  これは御承知のように、国の海を埋め立てしまして、そして東京都民、千葉県民含めて首都圏の人々に大きなレジャーランドといいますか遊園地としての用地を提供する、こういう趣旨で埋め立て許可を受けまして、埋め立てをほぼ完了して、そしてそこに東京ディズニーランドの建設がなされ、そしてこの四月十五日にオープンする、こういうことになっているのですが、大臣は大変お忙しいと思いますけれども、この東京ディズニーランドのことについては御承知いたしておりましょうか。
  118. 内海英男

    内海国務大臣 先日千葉の方まで高速道路で参りましたときに、何かおとぎの国のような建物がたくさん立っておりましたから、あれは何だと聞きましたら、近々できるディズニーランドだ、この程度しか認識はございません。
  119. 小川国彦

    小川(国)分科員 一応建物の外容でもごらんになっていただければ、これから順次伺っていくことが、大臣の所管事項の中で非常に重要な問題でございますので、それに対する認識を深めていただかなければならないというふうにも思うのです。  実は、私がこの問題を取り上げるのは、今回が初めてではなくて、歴代建設大臣にこの問題の質問をしてきているわけであります。過去五回国会で取り上げてきているのですが、一番最初昭和五十五年の十一月二十六日に農林水産委員会で、建設省の河川局次長の佐藤毅三さん、都市局都市計画課長の牧野さん、河川局水政課長の安仁屋さん、この方々に、東京湾を埋め立てて遊園地をつくる、しかしどうもその土地が本来の遊園地ではなくて、百万坪の計画のうち四十万坪もの土地が宅地に用途変更されて、非常に多額な値段で土地転がしが行われている、こういう事実を指摘したのですが、このときには、全く建設省はその事実を把握していない、こういう答弁に終始しているのです。ここに速記録を持ってきておりますが、それが五十五年十一月二十六日の農林水産委員会のこと。  それから、五十六年二月の予算委員会で斉藤滋与史建設大臣に質問しました。いま言った土地転がしの問題をいろいろ指摘しましたら、「事実関係としていま御指摘がございましたので、権限の及ぶ及ばないはともかくも、当初の認可の状況を顧みてしかるべき進言なり方法を考えてみたい、」ということで土地転がしがまた行われることがないようにという答弁大臣がしている。  それから、五十六年の三月三日予算委員会の第五分科会建設省河川局の小坂忠さんという方が、「埋立法の精神からいって建設省も全然かかわりなしとするのではございませんので、その法のたてまえ上その精神がうまく生かされるように、私どもとしては行政指導する立場にはあろうか」と思う。斉藤国務大臣も「建設省としても、埋立法に基づく権限についての責任はあるということは明確であります。」こういう答弁をしております。  それからさらに、昭和五十七年の三月一日の予算委員会第五分科会建設省の河川局長の川本正知さんという方について質問しましたら、この問題について適正指導を約束する、それから加瀬正蔵さんという都市局長さんは、内容を知らないわけではないと言いながらも、具体的な話は聞いていない、こういう答弁でしたが、始関伊平建設大臣は、「前大臣が行政指導を行うということを申しておりますので、その趣旨に沿いまして善処いたしたいと思います」、こういう答弁をしているのですね。国会で五回も質疑をやってきているわけなんで、本来ならきょう大臣がここへ出るときに、都市局なり計画局なり河川局の皆さんが、私が質問することについて——大臣が車で通ってその建物を見たなんていうぐらいでは、ちょっと国会の質疑に対する準備不十分で、きょう小川の質問することはどんな内容のことなのかということぐらいは全然レクチャーを受けていないのですか。
  120. 内海英男

    内海国務大臣 それは聞いております。
  121. 小川国彦

    小川(国)分科員 そうですか。では聞いているという前提で質問させていただきます。  この東京ディズニーランドの建設事業費は、いま千五百八十一億円ということになっていて、この三月現在では、このうち約千百億円の借入金となっているわけです。これが当初は、昭和四十九年のアメリカのディズニー社が来日したころは約一億ドル、三百三十億円でできると言っていた。ところが五十四年九月には六百七十億、五十五年一月に、千葉県企業庁の資料によると一千七十億、現在一千五百八十一億円ということで、わずか十年間で五倍もにこの事業費がふくれ上がっているわけです。  このふくれ上がった理由はなぜかというふうに考えてみますと、金はかけるだけかけてしまってもいい。この会社は四月十五日にオープンして年間一千万人のお客を見込んでいる。一人五千円使ったと仮定すると五百億になる。単純に考えれば、年商五百億の売り上げがあって千五百億の借金で、この四月十五日にでき上がるわけですから、そのまま返せば三年で返せる。もちろんその千五百億は借金ですから、いろいろな利息を仮に一割払えば百五十億払う。人件費も払う。そうすると、五百億の売り上げの中からいろいろな諸経費を落としていったら、これは普通に考えれば十年か二十年したらペイするという事業計画が立つのが当然だというふうに考えるのですが、その点大臣はいかがにお考えになりますか。
  122. 川本正知

    川本政府委員 この件につきましては、昨年の分科会先生から御質問があったわけでございますが、私どもいまおっしゃったオリエンタルランドそのものの事業計画なり何なりということにつきましては、経営内容そのものにつきまして直接的にも知るような立場にはございません。いまおっしゃったような事業計画の内容につきましては、ホテルなどの遊園地用地周辺開発、そういうものを含めまして約一千五百億円ぐらいの総投資規模で計画を進めておる、年間約一千万人の入園者を見込んで採算を考えているというふうには聞いておりますけれども、このディズニーランドの用地でございます埋立地につきましては、免許権者であるのが千葉県知事でございまして、それに対して埋め立てにかかわる認可を行ったのが建設大臣ということでございまして、埋め立てを行いました千葉県企業庁から譲渡を受けましたディズニーランドそのものの経営内容、そういうことでございますので、その辺については十分知っておりません。また千葉県当局にも照会したところでございますけれども、そういった詳細なことはわからぬというふうなことでございました。
  123. 小川国彦

    小川(国)分科員 その後のことについて十分知っていない、千葉県当局に聞いたけれどもよくわからない、こういうことですか。
  124. 川本正知

    川本政府委員 事業計画、そういったものの内容そのものについては、直接私どもが知る立場にはないということでございます。
  125. 小川国彦

    小川(国)分科員 それから、千葉県に聞いたらということもいま答弁されましたが……。
  126. 川本正知

    川本政府委員 それで千葉県当局にも照会といいますか、聞き合わせたことはあるわけでございますが、そういった詳細なことはわからないというふうなことでございました。
  127. 小川国彦

    小川(国)分科員 どこに問い合わせたのですか、そういう詳細なことがわからないというようなことは。
  128. 川本正知

    川本政府委員 千葉県の土木部当局でございます。
  129. 小川国彦

    小川(国)分科員 それで、千葉県の土木部当局のそういう内容はわからないという答弁でそのまま終わっているわけですか。
  130. 川本正知

    川本政府委員 私どもの聞く範囲におきましてはそういうことでございます。
  131. 小川国彦

    小川(国)分科員 ずいぶん無責任な話じゃないですか。少なくとも河川局が遊園地ということで埋め立て許可をして、それが百万坪許可したものが四十万坪宅地に転用されて、いま六十万坪残っている。三十万坪遊園地用地としてなった。残り三十万坪。三十万坪の遊園地がこの千五百億かけて発足するわけですけれども、それがだめだったらもう三十万坪は遊園地から住宅地に変更するという計画は千葉県企業庁で関係会社と五十五年に覚書を結んでいるのですよ。それはこの前質問しているから、皆さんは私の議事録をごらんになってわかると思うのですが、それを調査する立場の局長さんのところが、千葉県の土木部に聞いたら、内容はわからない。わからないから聞いてない。これじゃ全く無責任なんじゃないですか。  それから、もう一つ言いますが、あなた方の河川局の方は、いままでこの埋め立てのことにノータッチであったかというのですよ、建設省は。ノータッチではないのですよ。いままでの埋立地の中から、たとえば従来、これは二十二万坪ですかね、建設省の河川局の方が公共的住宅用地にせよということを指定して、それをまた取り消した。これは河川局やっておりますね。
  132. 川本正知

    川本政府委員 このオリエンタルランドの埋め立てにつきましては、いま御質問がこざいましたので、ちょっと改めて申させていただきますけれども、千葉県知事から三十八年に埋め立ての免許申請というものが出てまいりました。その当時におきましては、二十三万坪ですか、調書では七十七万平方メートルでございましたが、それを公共的な住宅用地として利用することという条件をつけて建設大臣が認可したということでございます。その後、この公共的な住宅用地につきましては、地盤が軟弱でございまして、公共的な住宅用地、いわゆる中高層住宅用地には不適当であるということから変更をいたしまして、その変更につきまして大臣の認可をしたということでございます。この埋め立てにつきましては、もう昭和五十年までにすべての竣工認可が終わっておりまして、私が先ほど申し上げたのは、そういった竣工認可の終わっておるものでございますから、建設大臣が直接権限はないということでございますし、先ほどの事業計画というのは、これはまた埋め立てとは別個の問題でございます。そういったものに対しては、直接調査する立場にはないということを申し上げておるわけでございます。
  133. 小川国彦

    小川(国)分科員 あなた方の方で、遊園地の中から二十三万坪を——遊園地としては広過ぎるということで、昭和四十三年の五月十三日に、建設大臣はC地区というところの認可に当たって二十三万坪を公共的住宅用地にせよということを言っているのですよ。これは地盤が軟弱でも、遊園地を野球場にしたりテニスコートにしたりするのはちっとも差し支えないのですよ。それを遊園地用地から公共的住宅用地に変えたのはどういう意味だったのですか。
  134. 川本正知

    川本政府委員 先ほども申し上げましたとおり、三十八年のその申請に対しまして、建設大臣が七十七万平方メートルを公共的な住宅用地として利用することという条件をつけて認可したわけでございますけれども、それにつきましては、先ほど申し上げたように、地盤調査の結果、地盤が軟弱で住宅用地には不適当だということで、それはまた別の区域に振りかえておるわけでございますけれども、そういったことでは、同じ面積がただ他に振りかわっておるということで、当時においては支障がないということであったろうと思っております。  まあそういうことではございますが、先ほどいろいろお話がございましたように、現在遊園地用地として六十四万坪ぐらい、六十三万坪ですか、調書では六十四万坪になっておりますけれども、そういったものについていろいろと一部についてディズニーランドの事業として使われておりますし、また保留地がある。それにつきましては、五十五年に県と当事者との間での覚書があるということも承知しております。またそれにつきましていろいろと法令の手続を経て、実際に土地利用制限の解除をする場合には、法令の手続を経て行うということになっておりますし、そういったことを踏まえて、当事者であります、総合的行政の担当者であります千葉県知事の方で適切に対応されるもの、そういうふうに思っておりますし、またそういうことが適切に図られますように私どもは行政指導をしたいということを再三申し上げておるわけでございます。
  135. 小川国彦

    小川(国)分科員 あなた済んだことだからしようがないという答え方をしているんですが、その二十三万坪を遊園地から住宅用地にして、そして今度それをほかへ片されたから、また遊園地用地に戻して、それで遊園地のまま置くのかと思ったら、また五十年の十二月三十一日にそのうちの十五万坪をオリエンタルランドに戻しているんですよね。これも大臣認可しているのですよ。だからあなた方がきちんと行政指導するつもりならできるはずなんですよ。ところが、肝心なところは千葉県知事がやっているからということで逃げちゃって、少なくとも公有水面埋立法でいけば、分譲協定の変更、目的の変更については、あなた方は監督指導の権限があるのでしょう。
  136. 川本正知

    川本政府委員 そういった埋め立てそのものに対する認可、その内容の変更については、先ほども公共用地の、住宅用地の変更といったようなことの際に関しましても、大臣の認可をしております。
  137. 小川国彦

    小川(国)分科員 だから、あなた方のやっていることは首尾一貫していないと言うんですよ。  それから河川局長、非常に失礼なのは、あなたは千葉県当局から何も聞いていないと言って、そのしりから五十五年に千葉県が、六十万坪のうち今度遊園地に三十万坪使った、残りの三十万坪は、宅地や商業用地に変更することはやむを得ないと千葉県知事が判断したときは、この三十万坪は宅地にできるということになっているのです。そうすると、遊園地で売った土地というのは、大臣しっかり聞いておいてもらいたいのですが、事務当局が悪いんでね、こういう内容をあなたによく知らしていないからあなたが答弁できないのですが、この遊園地へ売った土地は坪一万六千六百八十八円なんですよ。いまどきこんな安い宅地——宅地じゃない、土地です。土地はないのです。東京から、日本橋からわずか十五分で行ける浦安にね。この一万六千六百八十八円が宅地になると坪五十万円になっているのです。そうすると、いま三十万坪遊園地にして、残った三十万坪を坪五十万円で売れば一千五百億にすぐなって、この千五百億借金した会社は、もうあしたぽんと返せちゃうのですよ。ですから、このオリエンタルランドのやった東京ディズニーランドは、千五百億の金をかけても、わざわざ事業計画でどんどん金をいっぱいかけちゃって、一千万人入場者を見込んでも、その借金を返せない。これはもう会社の首脳部がみんなはっきり言っているのですよ。それで千葉県企業庁もこれの返済見通しは立っているのか立っていないのか確信がないんですね。ということは、もうこの会社はどんどん赤字にしてしまった方が——あと三十万坪の遊園地、東京都民や千葉県民が行って、原っぱで弁当を持っていって自由に遊べる遊園地ができてもいいのです。今度できる東京ディズニーは、家族で行ったら入場料が平均三千円、弁当を持ち込んではいけないのです。全部中で食事しろというんだから、千円、二千円食事代はかかる。家族二、三人か四、五人で行ったら二、三万使わなければ帰ってこれないという遊園地になっちゃっている。そういう遊園地をつくって、それをばかでかい事業費にして、その中にも大変いろいろ疑惑があるのです。二百億もの開催費というんで、広告料のほかにいろいろな政治献金も出されているという事実も私ども承知しているのですよ。そういう赤字になるような会社の仕組みを組んで、そして赤字になって千葉県がやむを得ないといったら、残りの三十万坪は宅地で売る、こういう計画になっているわけです。それを認める協定があるわけです。それを直接監督指導する立場の建設省の河川、局や都市局が、もう五回も国会で質問しているのに、いま私が申し上げたように、いろいろ行政指導するとか監督指導するとか口では言っているけれども、ここで質問したときには、ああだ、こうだ言って、ちっともその内情を調べてない。この経営の事業費、千五百億の建設費というのは本当に適正なのかどうなのか。事業計画はどうなっているのか。わざわざ赤字をつくって、こっちで坪五十万円のもうけにしようというふうになっているのじゃないか。ことをしっかり調べる必要があると思うのですよ。ですから、もう私、大臣だけでも一番最初に聞いた大臣が斉藤大臣で、それからその次が斉藤大臣に二回聞いて、それから始関大臣に聞いて、内海大臣で三代目なんですよ。また、よく監督指導すると言って来年までお預けじゃ困るのですね。いかがですか大臣。役所がこれに指導できないということはないんだから、いままでやった例があるんだ、私が言うように。ここは遊園地で広過ぎるから二十二万坪は住宅地にしろとか、いや住宅地はこっちにできたから、これを戻せとかとやってきているのだから。建設省がそういう監督指導する権限を持っていながら見過ごしているということは許せないというのですよ。しっかり内容をつかまなきゃ、そこまで。河川局長も都市局長もそういう責任があると思う。責任を感じませんか。感じるか感じないかだけ、答弁してください。
  138. 川本正知

    川本政府委員 先生の先ほどからの御議論は、ディズニーランドの経営といいますか、事業計画、そういったものの内容についてでございました。そういったことについては、私どもは千葉県企業庁から正式に譲渡を受けました立場におきますディズニーランドの経営内容ということを直接知る立場にはないということでございます。
  139. 小川国彦

    小川(国)分科員 間接的に知る努力をする気持ちもございませんか。
  140. 川本正知

    川本政府委員 昨年もそういう先生のお話もありましたから、私どももいろいろと県にも聞いたことがございますということを先ほど申し上げたわけでございます。
  141. 小川国彦

    小川(国)分科員 河川局長、何にも具体的に内容をつかんでないじゃないですか、そうでしょう。あなたが聞いたということは実のないことを聞いているのだよ。だから、千五百億の事業がだめになったときは、赤字でどうにもやむを得なくなったらもう三十万坪を宅地にかえるというのですよ。目的変更をしようとしている。あなた方は、借金になってどうにもならなくなって千葉県がそれを——地方自治体の埋め立て行政に私は大変問題点があると思う。これは国も河川法、埋立法をいい加減にしてきた責任があるのですよ。あなた方はちょっかいを出すときは出すんだ。どういう思惑か二十三万坪を宅地にしろなんということはやるんだ。またそれを取り消したり、こっちへ持っていかせたり、思惑があるときだけはあなた方はやるんだ。しかし、行政を正しくしようとするときにやってないんですよ。それは無責任じゃないかというのですよ。今度都市計画の申請が、会社が千五百億の赤字をどうしても払えないといって五年先ぐらいにきっと言ってきますよ。三年か五年先に言ってきたら、やむを得ないです、認めざるを得ません。あなた方はどこに行っているかわからないけれども、そのときに無責任にやった河川局長や都市局長の責任ですよということをきょうはっきりただしておきたいのですよ。あなた方はこの時点で、そういう答弁で逃げても、五年後にそういう事実がなったときに、河川局長も都市局長も、あのときあれだけ国会で二回も予算委員会で言われたのに、無責任にやってきた結果がこうなったでしょう、言いますよ、五年先に。それでもあなた方、あのときは仕方なかった、調査しなかった、聞けなかった。さっきの一番最初答弁のように、土木部に聞いたけれども、具体的な答えはとれなかった。あなた方の権限で、千葉県土木部と企業庁は同じ役所の中にいるのですよ。一日でもって、この資料、どういう事業費になって、千五百億の事業費計画なんというのは、われわれだってどこからだって手に入る。そういうものをとろうとしない。そこに無責任さがあるんじゃないですか。またもう一回無責任な答弁されますか。二人から答弁してください。
  142. 加瀬正蔵

    加瀬政府委員 私は昨年の分科会でも申し上げたのですが、都市局の関係は、この浦安の都市計画区域の、埋立地で言いますとC地区にかかります用途地域の変更という問題が生じた場合に、都市局の行政との絡みが出てくるということを去年も申し上げたと思います。たとえばいま御指摘の二十万坪余の部分につきまして、住居地域なり何なりへの用途地域の変更というような具体的な動きがあれば、これはその時点で原案は千葉県知事が決めまして、大臣が判断しなければいかぬわけでございますが、当然のことではございますが、都市計画上の観点からの判断ということはいたしますが、当該会社の経営がどうだこうだということをその判断に絡ませてするようなことは一切考えておりません。  なお、千葉県から現在このことについて、私どもの出先であります都市計画担当部局が相談を受けているというようなこともないというふうに承知しております。
  143. 川本正知

    川本政府委員 先ほどちょっと話が出ました土地利用制限の解除ということが覚書でいろいろ決められておるわけでございますが、それは千葉県がオリエンタルランドからの解除の申し出を受けまして、あらかじめ法令などに基づく措置が講ぜられているということが条件の一つになっております。オリエンタルランドが所有地を他に譲渡する場合、また遊園地施設の建設実施計画を定める場合には、免許権者の許可を要するものであることが、覚書の「法令等に基づく措置」、先ほど申し上げたそれに含まれておると考えております。そういったことで、今後覚書に基づきオリエンタルランドから土地利用制限解除の申し出があった場合には、いまの都市行政あるいは住宅行政などとの関連におきまして、総合的な検討の結果、住宅用地とすることが妥当と判断されたならば、免許担当部局としてもそういう対応をされるだろうと思いますけれども、認可担当をしております私どもとしても、そのような適切な措置がされるように指導してまいりたい、こういうことでございます。
  144. 小川国彦

    小川(国)分科員 あなた方は、犯罪が未遂のうちは予防ということは何もしない。犯罪が既遂になって、終わったときになって判断しましょうと言っているのと同じなんですよ。そういうふうに思いませんか。だからいまは調査しない。会社が赤字でやむを得ないということになって、千葉県から書類が上がってきたら判断しましょうというのでしょう。会社の内容に触れることはできないから、それは書類が上がってきたら判断しましょう。そういうことでしょう。もう一遍答弁してください。
  145. 川本正知

    川本政府委員 会社からそういう申し出があり、そういう内容の書類が上がってくれば、免許権者である千葉県の方が、知事さんが先ほど申し上げた都市行政あるいは住宅行政、いろいろなものを考えて、しかも地元の浦安市、そういうところの意向等も踏まえて総合的に判断されるであろう、的確に判断されるであろう、そういうふうに信頼をしておるわけでございます。そういったときの対応について、私どもは、適切な対応がなされますように、指導してまいりたい、そういうことを考えておるところでございます。
  146. 小川国彦

    小川(国)分科員 あなた方には常識というものがないと思うのです。では一番最初にこの埋め立て許可は何で与えましたか。埋め立て許可を与えるという一番最初に立ち返って言うならば、何の目的でこの埋め立て許可は出したのですか。
  147. 川本正知

    川本政府委員 この埋め立ての許可につきましては、先ほど申し上げたようなことで、千葉県の企業庁がいろいろの目的に使うということで、そういったことで幾つも、何回にも分けて申請が出てきておりますが、その中の一環といたしまして、当該地区も認可を与えたというところでございます。
  148. 小川国彦

    小川(国)分科員 あなた方は、その途中の過程でまず百万坪から四十万坪住宅用地に変更するときに許可を与えた。後、また六十万坪から今度三十万坪になってきたときに、また許可を与えるのだけれども、埋め立ての最初は一万六千六百八十八円という安い値段でやったということは、広い森にしたり川をつくったり、遊園地は坪幾らともうけになるところじゃない。国民の海ですよ。それを埋め立てたところをこういうふうに安くやったのは、遊園地のためなんですよ。坪五十万円で三井不動産や京成電鉄に宅地で転売して、土地転がしをしてもうけさせるためではなかったはずなのです。あなた、それじゃなかったら、坪一万六千円という土地が日本じゅうどこ探してあります。東京都民の、首都圏のための遊園地だからこそそういう安い値段で千葉県が売ったわけでしょう。あなた方が許可したわけでしょう。それを次々と宅地に変えていくのを見過ごしているというのは、あなた方は本来の目的を逸脱していくのを見過ごしているということじゃないですか。埋め立て許可を与えたあなた方として、きわめて無責任じゃありませんか。
  149. 川本正知

    川本政府委員 いろいろと土地の利用の内容が変わってきたということにつきましては、そのときそのときによって、大臣認可を要するものについては大臣認可をしておりますし、また免許権者の方で法令の手続を経てやるべきことはやっておられる。また、今後の問題につきましても、いま申し上げたような法令の手続等を経てやるという条件のもとにいろいろ議論がやられておるようでございますし、そういったことで私どもとしては適切に対応を指導してまいりたいと思っております。
  150. 小川国彦

    小川(国)分科員 こういう局長を私は罷免してもらいたいと思いますね。国の行政、埋め立て行政ですよ。河川にも埋め立て行政がある。その行政を預かっている人間として、一つも見識がないですよ。そうでしょう。申請が出てきたらその都度判断していけばいいというなら、あなたは罷免してもらった方がいいですよ。百万坪といったって国民の海ですよ。そうでしょう。東京都民や千葉県民が、いまこういう過密地帯にいる人たちがあそこへ行って、弁当を持って海の見えるところでピクニックでもハイキングでもできたら、こんなに楽しいことはないでしょう。家族を連れていって、一日行ったら三万も五万もかかるような遊園地をつくって、しかも赤字の計画をして、大変な政治献金も使っているのだ。やがてそういう事実が出てくる。そういう会社が、赤字計画をもくろんで、三十万坪を宅地で転売しようという策謀を進めているのに、三年先か五年先書類が出てきたらそのときに検討しましょう、こういう局長は、大臣、私は罷免してもらいたいと思います。あなた、だれのために行政をやっているのですか。国民のためにやっているのじゃないでしょう。あなたの答弁を聞いていると、一片の良心もないですよ。隣の都市局長もそうですよ、都市計画の申請が出てきたらやりますと。私がいま指摘したとおりに必ずなりますよ、三年後か五年後に。あなた方、そんな人が国の官僚で次官になったり、私はそれで先に行くことは許せないと思いますよ。私の質問に対して、国民の行政を預かる官僚として一片の良心もない答弁をする、そういう人は、大臣、私は罷免してもらいたいと思いますよ。そのぐらいこういう問題を真剣に考え答弁してもらいたいと私は思うのです。  大臣、どうですか。三人目の大臣、五回目の質問ですよ。読んでもらえばわかりますが、同じ答弁を繰り返しているのです。大臣もまだ一年間任期があるのですから、大臣の任期中に、そういう策謀が進められている実態というものをもうちょっと掘り下げて千葉県に聞いて、部門が違って回答がなかったからそのままだったという無責任な対応じゃなくて、きちっと、そういう実態があるのかないのか、そこのところを掌握した大臣の責任というものを私は明らかにしていっていただきたいと思います。
  151. 内海英男

    内海国務大臣 御指摘の点を踏まえまして、関係者に聞いてみようと思います。
  152. 小川国彦

    小川(国)分科員 関係者に聞いてみるだけじゃ、大臣も失格なのです。大臣の良識に基づいて聞いてみて、これをどういうふうにしたらいいか、こういう回答をきちっと示してもらいたいと私は思うのです。私がこれだけ指摘した事実がどうなのかということを、関係者によく聞いてみるだけじゃなくて、四月十五日にオープンするのだけれども、この問題について大臣として、その会社はこれからどう経営されるのか、どう運営されるのか、それによって三十万坪の転用を認めざるを得ないところにいくのかいかないのか、いまある材料で判断はできるのです。そこを判断して、大臣としての見解をちゃんと示してもらいたいと私は思うのです。いかがですか。
  153. 内海英男

    内海国務大臣 聞いてみると申し上げたのは、聞いてみた上で適切な判断を下したい、こういうことでございます。
  154. 小川国彦

    小川(国)分科員 判断じゃないのですよ。聞いてみて、判断して、どう処理するかということですよ。その処理までのところの結論をお聞きします。
  155. 内海英男

    内海国務大臣 判断が出ればそれに対する対応を考えなければならぬ、こういうことになると思います。
  156. 小川国彦

    小川(国)分科員 対応を考えるということであれば、その問題についての是非、それからこの問題の適正、不適正、その辺のところを大臣として——もうすでにこの問題は昭和三十五年から二十三年の流れを持っているわけです。そして、この四月十五日オープンする、そういう状況にあるわけです。ですから、大臣がいままでの経過をずっと調べ、いま私の質問した点を掘り下げて、そして千五百億の事業計画というもの、返済計画というものを——きょうは大蔵省の銀行局にも来てもらっているのですが、時間がありませんので銀行局の方の質問は次回に譲りたいと思いますが、いずれにしても、大蔵省の方も建設大臣から相談すれば——銀行の貸し付けの人たちが、千五百億はどういうふうに返せるのか、三年据え置き十年償還、こういうことになっているのですね。償還計画はちゃんと出ているのですよ。その償還計画がちゃんとそのとおり実行されるのかどうか。これは大蔵大臣と協議されればわかるわけで、それがきちっと見守られていけば、三十万坪は東京ディズニーランドにしても、もう三十万坪はいわゆる遊園地として、本当に緑の原っぱとして、東京から十五分で行けるところに、三十万坪の広い野球場でもテニスコートでもあったら、私はすばらしいことだと思うのですよ。弁当持ちで行けない遊園地なんて、だれがつくってくれということで一万六千六百八十八円で土地を売ったと思いますか。思わないですよ。そう思いますね、大臣
  157. 内海英男

    内海国務大臣 私は、ごく素人的な話を地元で聞いてきたわけでありますが、弁当持ち込みも認めないとか、いろいろな話はちまたの人から聞きました。ですから、大変な経営だな、船橋のヘルスセンターはどうなったのだと言ったら、あれは大分前につぶれてなくなりましたという話、谷津遊園があったけれどもあれはどうなったと聞いたら、谷津遊園もなくなりました、中途半端な遊園地はもうこれからはだめなんですというような、これはごく素人の話でございますけれども。ああいう金をかけたりっぱなものができたけれども、ほとんど全部アメリカの方から持ってきたものを使って、弁当も持ち込ませない遊園地だということを聞いて、私もびっくりしてきたわけでございますが、中を見たわけでもございませんし、どういう形でその会社ができて、どういう運営をしてという具体的なことは、実はきょう先生のお話の中でおおよそ輪郭がつかめてきたというようなことで、大変不勉強であったことは申しわけないと思いますが、そういう中身でございます。
  158. 小川国彦

    小川(国)分科員 先ほど、対応する、こういう大臣答弁をいただきましたので、それはいつごろまでに対応いただけますか。
  159. 内海英男

    内海国務大臣 できるだけ早い機会に関係者なりに会って、具体的なことを聞いてみたいと思います。国会も終わりますし、時間的に余裕ができたらすぐ連絡をとってみたいと思っております。
  160. 小川国彦

    小川(国)分科員 総選挙もあるやに聞いておりますが、大臣の任期も長いと思いますから、ひとつ国会が終わったら直ちに調査をして、次の国会までにこれに対する建設省としての、もっと本当に国民の立場に立って、遊園地として許可になったその埋め立て地の安い土地が、本当に国民の財産として守られていくような指導をお願いしたい。  先ほど私は、局長さん方にも大変厳しいことを申し上げましたが、この問題に対する建設大臣初め皆さん方の対応、もう少し真剣に取り組んでくださるように申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
  161. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)主査代理 これにて小川国彦君の質疑は終了いたしました。  次に、岡田正勝君。
  162. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 大臣、私は広島県の出身でありますが、昨年、中国縦貫道がみごとに供用が開始できまして、県出身の二十一名の議員ひとしく喜んでおるところであります。大変感謝をしております。  そこで、四つばかり質問を申し上げたいと思うのですが、その中国縦貫道と並んでいま一つ山陽自動車道の建設というのが県民が大変待ち望んでおる工事でございます。大工事でございますが、大まかに言いまして、いま広島の区間、それから久井—尾道の区間、それから福山の区間、こう三つに分けまして、その現況と将来の見通しがどうなるのかということについて、まず第一問お尋ねをしたいのであります。
  163. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 いま先生から、三区間に分けて説明するようにということでございましたが、整備計画の策定あるいは基本計画の策定等のいろいろの時期がございますので、四つに分けて説明させていただきたいと思います。  まず第一点は、山口、広島の県境から廿日市間でございますが、この区間には基本計画が策定されておりまして、現在整備計画を策定すべく中国地方建設局で必要な調査を進めているところでございます。  それから廿日市—西条間でございますが、この区間につきましては整備計画が定められておりまして、現在、日本道路公団が地元協議あるいは用地買収及び工事をそれぞれ進めております。山陽自動車道の重要性にかんがみ、今後ともその整備を鋭意促進することとしておりますが、いま申しました廿日市—西条間は、事業中の一般有料道路、広島岩国道路及び中国横断自動車道広島—広島北間等とあわせて、広島市及びその周辺の交通状況改善に大きく資する区間でありますことから、早期にその供用を図りたいと考えております。  それから西条—福山西の間でございますが、この間が先生おっしゃいました久井町や尾道市を通過することになっております。この区間整備計画が決定されておりまして、現在、日本道路公団におきまして事業実施のために必要な調査を進めており、調査結果がまとまり次第、事業に着手する方針でございます。  それから福山西—倉敷につきましては、現在、地元協議、用地買収等を進めているところでございます。今後とも地元の理解を得つつその整備推進し、早期完成を図ってまいりたいと考えております。
  164. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 わかりました。  そこで、いま用買の促進率といいますか、そういう関係の数字をちょっと発表を願えるならしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
  165. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 現在、用地買収をしておりますのが廿日市—西条間、もう少し分けますと廿日市—志和間、それと福山西—倉敷間でございます。この二カ所が現在用地買収中でございますが、用地買収の比率はちょっと持っておりませんので、後ほど調べてまた御報告をさせていただきたいと思います。
  166. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 大体の見通しといたしまして、いつごろ完成するというように見通しを立てていらっしゃいますか、まあ財源の関係もあるでしょうが。
  167. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 先ほど申しましたように、廿日市—西条間は広島市周辺の交通問題を解決するために非常に重要な幹線道路でございますので、この区間を最重点で整備いたしております。この第九次道路整備五カ年計画中に供用できるよう最大の努力をしたいと考えております。  それからもう一つ、本四関連道路といたしまして福山西—倉敷間、この間につきましても現在用地買収中でございまして、これを本四関連でございまして、本四の児島—坂出ルートが昭和六十二年度に供用を開始する見込みでございますので、それに合わせて供用できるよう最大の努力をしていきたいというふうに考えております。
  168. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 そこで、いま本四架橋が三ルートございますけれども、そのうちで尾道から愛媛に渡ります本四架橋の関係で、現況とそれから将来の見通しにつきまして御説明いただきたいと思います。
  169. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 御説明いたします。  現在、本四公団は当面一ルート四橋の整備を進めることといたしておりまして、先生御指摘の尾道—今治間につきましては、昭和五十四年五月すでに大三島橋が供用を開始しておりますし、因島大橋は五十八年度中に完成するよう事業を進めております。また、伯方・大島大橋につきましては、昭和六十二年度の完成を目途に現在下部工事を進めているところであります。
  170. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 よくわかりました。  このことにつきましては、大臣に特にお願いをしておきたいと思うのであります。御承知だと思いますけれども、一九九〇年、昭和六十五年でございますね、昭和六十五年に、五月になりますか十月になりますか、この点まだ不明でございますけれども、十五日間にわたりましてアジア・オリンピックを広島へ誘致するということがほぼ確定をしておるような状況でございます。そういう関係で、まあ空港の問題等もありましてその方もお願いをしておるのでありますが、特に道路関係ですね。これにつきましては、山陽自動車道完成、それからあばら骨の関係あるいは本四架橋の関係、そういう点が皆関連がありますので、ぜひともひとつ建設省といたしましては一肌も二肌も脱いでがんばっていただきたい、まあ俗な言葉で言いましたら、傾斜配分してでも何とかひとつがんばっていただきたいというのが、実は二十一名の願いでございます。  また三原、私は三原に住んでおるのでありますが、現在国道しか道路がないというのは三原しかないのでございます。それで、これは地形がそういう地形になっておりまして、昔は海陸の要衝で、城をつくってそこで一手に敵を引き受けたというような要害の地でございますので、国道が従来から二号国道一本しか通っていないというようなことで、ほかに道路がないものですから、上りも下りも全部そこでつかえてしまうというような状態がありまして、バイパス完成建設省に大変御苦労いただいておるのであります。いま地元において協議中でございますけれども、この三原のバイパスとあわせまして、いずれも急がなければならぬ問題ばかりでありまして大変恐縮でありますが、県内二十一名の議員がひとしく心配をしております問題でありますだけに御陳情申し上げますとともに、山陽自動車道とこういうあばら骨の関係バイパス関係等を含めまして、早期完成についての大臣のお考えを承ることができたらありがたいと思っておるのです。
  171. 内海英男

    内海国務大臣 御指摘のように、道路整備五カ年計画の第九次が今回の予算編成の中で認められまして三十八兆二千億、当初建設省が予定したものよりは幾らか削られておりますけれども、それでも五カ年計画が認められたということで、われわれも大いに元気づいておるわけでございます。  したがいまして、限られた厳しい財政事情の中にありますけれども予算の執行に当たりましては、国土の均衡ある発展を図るためにできるだけ重点的、効率的に運用していきたい、こういうことでございます。先生がおっしゃったように、ここで傾斜配分をしますなんと言いますと、いろいろ当たりさわりもあるようでございますから、重点的、効率的に国土の均衡を図るためにやっていきたい、こういうお答えにさしていただきたいと思います。
  172. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 大臣、ありがとうございました。  こういうことを申し上げては大変恥になるのでございますが、広島県ではかつて望月圭介あるいは池田勇人さんというような大人物が出ていらっしゃったのでございますけれども、時代が違ったせいもありましょうか、道路整備という関係については、他県に比べてどうも何か見劣りがするというのが実情でございます。どうぞ、そういう点で、傾斜配分という穏やかでない言葉を使いましたけれども、そういうお気持ちを持ってひとつぜひともお力添えをいただきたいと思っております。  それでは、次の質問に入らしていただきます。  住宅建設の見通し、これは景気にも大変関連のあることでございますから、住宅建設の見通しについて、なおそれに付加いたしまして、これはあるいは国土庁の所管になるかもわかりませんが、建設省としての立場からの地価抑制対策というものがありましたら、それを御開陳いただきたいと思います。
  173. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 五十七年度の当初の政府経済見通しでは、民間住宅投資の実質の伸び率を一〇・四%と見込んでおりまして、これを一定の前提のもとに戸数に換算をいたしますと、おおむね百三十万戸程度の住宅建設がなされるものと考えていたわけでございます。しかしながら、所得と住宅価格の乖離がなかなか接近いたしませんで、そういう関係もありまして、現在までの実績、すなわち五十八年一月までの実績でございますが、それで見ますと累計で九十八万戸でございます。九十八万戸ということは、前の年の比べますと、すなわち前の年の四月から一月までの同期に比べますと、一万七千戸の増でございます。比率にいたしますと一・八%の増となっております。このまま推移いたしますと、恐らく五十七年度全体ではおおむね百十五万戸前後になるのではないかというように考えております。
  174. 永田良雄

    ○永田政府委員 お答えいたします。  地価抑制策についての建設省考え方はいかん、こういうお話でございます。  御指摘がございましたように、地価対策は基本的には国土庁がやっております。私どもは、宅地の供給を円滑に推進するという役目を負っておるわけでございます。かつ、それが地価を安定的に推移せしめる一つの大きな役割りを持っておる、かように考えておるわけでございます。  そこで、建設省といたしましては、従来から、公的機関による計画的な宅地開発、政策金融による民間の優良な宅地開発推進、それから関連公共公益施設整備推進、あるいは都市計画法の線引きの見直しと開発許可制度の適切な運用、あるいは土地税制の改善、いろいろなことをやってきております。最近はおかげさまで地価も多少安定しておるようでございます。しかし、今後ともこれらの施策を引き続き推進することといたしておりますが、特に今後は市街化区域内の土地を有効に利用するための具体的な方策を進めたいというふうに考えております。  もう一つは、宅地開発のコストが大変かかる面がございます。開発指導要綱等による無用な負担が宅地開発にかかるという面がございますので、これらをできる限り取り除いていく、そういうことにすることによって宅地の供給が円滑に行われるようにしなければいかぬ、重点に考えてやっていきたいというふうに考えております。
  175. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 いま地価抑制の問題についてお答えをいただきましたのは、まさに私はわが意を得たり、長年言い続けてきたことでございますが、開発指導要綱の見直し、もう大変結構です。これは地価に大いに響くと思いますから、速やかにひとつやっていただきたいと思います。  それから、ただいま住宅建設は五十七年度は百十五万戸、この一月までが九十八万戸、こういうことでございますが、本年の予算関係でこの説明を見てみますと、いずれも対象戸数をみな遠慮して落としていますね。  私の資料が間違いかどうか教えていただきたいと思いますが、公庫住宅関係においては前年より目標が三万戸減りまして五十一万戸、なかんずく個人住宅は五万五千戸減って三十九万一千戸、それから公団住宅が五千戸減って三万戸、公営住宅は据え置きの五万四千戸、改良住宅は六千三百戸、住宅金融公庫あるいは年金融資、その他につきましてはずいぶん御配慮をいただいておるようでございますが、これが住宅建設に拍車をかけてくれれば大変ありがたいと思いますけれども、目標をこれだけ落としてしまっているというのは何か考えがあるのでしょうか。  これは、主要経済指標の発表がありましたが、この指標の関係からいきますと、民間住宅関係では、五十七年度の実績が十五兆一千億円、五十八年度は見通しとして十五兆八千億円、だから約七千億円伸びるであろう、こう見ていらっしゃる。五十七年度の実績でいきますと、名目は住宅関係でGNPを一・九%押し上げて、実質で〇・五%押し上げる。それが、先ほど申し上げたように建設戸数の目標を落としておるにもかかわらず、五十八年度はGNPを名目で四・三%押し上げて、実質で二・六%押し上げると言う。私はどうもこういう点がよくわからぬのです。建設省の方の立場から言わせますと、そんな、経済の主要指標なんというものは建設省がつくったのじゃありませんから、おらあ知らねえぜ、そんなことは、とおっしゃるかもわからぬが、同じ政府がそういうことを言ってもらったのでは困るのでして、どうも摩訶不思議な感じがして仕方がないのです。その点もう一度詳しくお答えをいただきたいと思います。
  176. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 いま先生の御指摘の件でございますが、まず最初建設省所管住宅建設の来年度の計画でございます。これにつきましては、御指摘のように公営住宅は前年度と同戸数でございますが、公団住宅が五千戸ぐらい、公庫住宅が三万戸減ということになっております。  ただ、先ほど、今年度の住宅建設が若干低調で、前年度並みもしくはそれを若干上回る程度になると申しますその理由は、いろいろございますが、一つは、住宅取得能力が落ちてきている。特に民間資金住宅が非常に落ちてきているわけでございます。公的資金住宅は非常に堅調で、私ども見通しでは、恐らく五十七年度当初計画はほぼ達成されるのではないだろうかと考えております。したがいまして、民間資金による住宅を浮揚させる必要がある。そのため、実は来年度の税制の措置といたしまして、民間資金によります住宅ローンを借りまして住宅を建設します場合に、それにつきましては所得税の大幅な控除をいたしましょうということで、現在七%の控除率、限度額は五万円でございますが、それを限度額を十五万円、控除率も一八%と大幅に向上をさせる、改善をしようということにしております。これによって相当の民間資金住宅の建設戸数の増が図られるのではないだろうかというように考えております。公的住宅の方は、御案内のとおり非常に厳しい財政事情のもとでございますので、十分な、満足いけるような措置はなかなかまいりませんが、民間資金住宅と合わせまして、それで何とか住宅建設の促進を図りたい、かように考えておる次第でございます。  先ほどお話しの政府経済見通しとの関係でございますが、これは実は五十七年度の実績見込み、名目で一・九%、実質〇・五%等々のものは、これは民間住宅投資でございまして、公的賃貸住宅等は除外されております。民間住宅投資も、来年度の見通しは実質二・六%と見込んでおりますが、これは先ほど申し上げましたように、住宅取得控除等によりまして建設戸数の増も推進をいたしますが、なお、実質的な質の向上、規模増等によりまして投資の増を図ろう、そういう見通しとなっているものでございます。
  177. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 そこで、昭和五十八年のいわゆる民間住宅それから公的な住宅、その二つに分けて五十七年との戸数の対比をちょっと言ってみてください。
  178. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 民間住宅と公的資金住宅の戸数の把握の仕方はいろいろございまして、一概には言えないのでございますが、着工状況で申しますと、今年度の住宅着工状況につきましては、公的資金住宅が、今年度といいますか、四月から本年一月までの分でございますが、全体九十八万三千戸のうち、これが五十万戸でございます。それから民間資金住宅が四十八万二千戸ということで、公、民の比率はほぼフィフティー・フィフティー、半々だということでございます。  来年度の見通しでございますが、これはなかなかむずかしいのでございますが、私どもは、まあ同じような状況でいくのではなかろうかというように見通しをしております。
  179. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 いまのこの住宅建設の関係について、主要指標のことを私がいまことで申し上げても、それはちょっと困ってしまうのでしょうけれども、正直言いまして、いま公的住宅と民間住宅との建設の戸数を五十七年と五十八年とを言ってみてくださいと言ったら、五十七年が大体フィフティー・フィフティーだ、五十八年も恐らく同じところでしょう、こういうお答えですね。そのお答えからいきますと、五十八年度で実質二・六%も——五十七年度の実績は〇・五ですからね、〇・五%しか貢献していないのですよ。五十八年度に実質二・六%も貢献できるんかいなという非常に意外な気がするのですが、その点いかがですか。
  180. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 さきの答弁で私、公、民の、公的資金の住宅の定義といいますか、いろいろございましてと申し上げましたが、実は政府経済見通しで言います民間住宅投資は、全体の住宅投資の中から公的な賃貸住宅だけを除いたものでございまして、住宅着工状況のいわゆる公、民の民というのとはちょっと違います。この場合の民は、住宅金融公庫の融資によります民間住宅等も含んでおりますから、必ずしも賃貸住宅を除いた全部であるというわけではございませんが、そういうことでございます。  実は、その民間住宅投資が、今年度は実績見込みが〇・五%で、来年度二・六%ということでございますが、住宅の新設戸数は確かにそれほどの伸びはございませんが、規模の向上でありますとか質の向上、たとえば住宅の中に設けます設備あるいはいろいろなインテリア、内装、こういうものが相当向上してきております。そういうものを全部含みますと大体二・六%程度いくのではないか、このように推計したのだということでございます。
  181. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 それでは、このことはもうこれ以上質問申し上げないことにいたします。ただ、一般の国民としましては、ウーンと、一般的に見てむずかしい理屈はわからぬ。五十七年の実績が、民間住宅で寄与したのがGNPを実質〇・五%しか上げてないものが、こんな不況の中で五十八年度に二・六%、約五倍近くも寄与できるんかなあ、不思議だなあという感じがしておることだけは申し上げておきます。  ともあれ、指導要綱の改善等いろいろな施策を講じていただきまして、民間住宅の建設、そして公的住宅の建設に格段の努力をひとつしていただきたいと思います。  何と申しましても、大臣景気に影響する点では住宅が一番だと私は思いますよ。これは一人の学者から聞いた話でありますが、自動車をつくろうと思うと、人間が乗って走るための乗用車を走らそうと思うと、ネジ一本も一点と勘定しまして、大体五万点の部品が集まらぬと自動車は走らないそうであります。ところが、住宅の場合はそれの十倍、五十万点集まらなければ人間様が住むに値する住宅にならないそうです。それほどいわゆる分野が広いんです。だから、住宅建設というのが景気浮揚の点で非常に重要視されておるのはそこに原因がある、こういうことを言われております。  そこで、時間が参りましたので、最後大臣にお尋ねをいたしますが、私、非常に心配をしておりますのは、四年間も連続いたしまして公共事業が横ばいでございますな。今度も実力大臣がなったのでございますが、こういう財政状態のときですから、やむを得ず横ばい、こういうことになりました。私は、景気に与える影響ということから考えて、これはえらいことになるなという心配を実際しているのです。  そこで、その影響につきまして、いわゆる経済的な波及効果について、それからいま一つは、こういう四年連続据え置きというような状態の中で、ゼロという伸び率の中で、建設省としては、景気に対して効果を与えるということについてどういうふうに努力をするかということを聞いたら時間が長くなりますので、とにかく景気に効果があるようにひとつ事業効果を上げていただきたいということを希望するのでありますが、大臣のお気持ちを聞きまして、質問を終わりたいと思います。
  182. 内海英男

    内海国務大臣 大変御理解のある御質問をいただいたわけでありますが、御承知のとおり、国の財政が大変厳しい状態の中で今年度の予算編成が行われたわけでございます。したがいまして、予算編成段階で、いかなる事業についても聖域は設けさせないというような前提に立ちまして、公共事業もまたしかりであるというような枠の中で、制約の中で予算編成が行われたわけでございます。しかし、建設省といたしましては、一般公共事業は、なるほど伸び率はゼロということになりましたけれども、財政投融資等におきまして相当な配慮をしていただいたなという感じは受け取っておるわけでございます。  さらに、先ほど局長からも話が出ましたが、住宅取得控除の問題等については大幅な改善措置も認められた。また、住宅建設に対する大変意欲的な御指摘があったわけでございますが、私どもも、景気刺激のためには住宅建設は大変役立つという認識のもとに、最近の状況を見ますと、土地の手当てが大変であるというところから増改築をしようという希望を持った方々が大変多くいらっしゃるというような現状からいきまして、増改築で、公庫融資という面で相当なお世話ができるのじゃないか。また、先ほど公庫等の融資で三万戸も減らしたというような御指摘でございましたが、引き続き五十八年度も無抽せんで融資をしていこうというようなことでございますから、そこのところは、要望が強ければ弾力的な運営によりまして考えられる問題だということでございます。  したがって、先ほど来申し上げておるように、投機的な、つまり用地買収みたいなものはできるだけ手控えて、用地買収の手当てが済んでいるもの、あるいは速効性のあるもの、あるいは地域の御要望が大変強いもの、あるいは大都市等において一キロ数億円もかかるということであるならば、広島県のようなところですとその数倍できる、こういうふうなことも効率的な運営だというふうに私ども判断いたしておるわけでございます。そういった面で、できるだけ効果の上がるように施策の面で実行していきたい、こう考えておるわけでございます。
  183. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 大変丁寧な御回答をいただきましてありがとうございました。これで質問を終わるのでありますが、どなたの心配も同じことでしょうけれども日本景気は非常に悪うございます。ただ一つ曙光が見えてきたといえば、石油が下がる、どうも下がりそうだ。これはもう日本にとってはまさに神風でありまして、私は、中曽根内閣というのはついているなと実は思っているのです、本当に。税収が五百億ぐらい減収になっても、そんなものは何でもない。これはそれに数倍どころじゃない、十何倍ぐらいの大きなけたのものが入ってまいります。  私は、この石油の問題、それからもう一つ減税の実施による消費の支出の拡大、そして建設大臣の所管になります住宅問題、この三つを支えとして日本の内需を振興しないと、なかなかもって貿易摩擦の激しいときに日本の経済成長を伸ばす道は当面ないというふうに考えておりますので、ひとつ格段の努力を期待いたしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  184. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)主査代理 これにて岡田正勝君の質疑は終了いたしました。  次回は、来る七日月曜日午前九時三十分より開会することとし、建設省所管について審査をいたします。  本日は、これにて散会いたします。     午後二時四十三分散会