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渡部(一)
分科員 私は、最近の
行政改革の問題とも関連いたしまして、土地開発の行政上の問題によるおくれというものが土地開発を非常におくらせ、そのために、ひいては行政上の経費を非常に高いものにしているという実例を挙げまして御質問したいと存じます。
私がまず申し述べたいと存じますのは、
兵庫県の神戸市の垂水区のエリアにおきまして、
明石大橋の建設
工事がいつ決定になるかがわからないため、その開発
計画がとんざしているという問題でございます。私の試算いたしましただけでも、総費用にいたしましておよそ六百億円近い
用地が現在約十年間にわたって開発の許可が行われずそのままになっているわけであります。
どうしてかといいますと、この
地域におきましては、
明石大橋の取りつけ
道路がこのあたりを通過するという話がございまして、そこへもってまいりまして、湾岸
道路の
工事線が同じくこの
地域に集中するために、そしてそれに伴う
インターチェンジが
計画されているために、相当大きな面積について開発許可を神戸市が出さないという事情にあるわけであります。神戸市に対してしばしば地元の中小業者並びに建設業者、下請業者等々から抗議、陳情等が繰り返されているわけでございますが、
路線がわからないということ一本やりで、依然としてどこに
道路が走るかわからない、どこに
インターチェンジがつくかわからない、したがって開発することができない、またその協議をすることができない、したがって手がつけられない、こういう仕掛けになっておるわけであります。
一問一答でやると時間がかかりますから、古い記録でいきますと、
昭和四十八年十月においてすでに本四架橋の関連
道路の
計画がございますので、
位置等未定のために開発協議については留保したいという意思表示が神戸市から業者に対して示されており、五十三年におきましては、しからば開発が延期しているけれ
ども、その
地域は公団側が購入して問題を処理するという意思はあるかと聞かれたのに対して、その意思は全くないと答えが行われ、またともかく
道路らしいものを想定して
計画だけは何とか立てたらどうですかというあいまいきわまる
指導が五十四年に行われ、五十四年七月には、
道路予定地の怪しげな提示があり、そして五十五年三月になっては、この当該物件については何ら返事をすることができないと神戸市側が述べているわけであります。神戸市側がそういう態度をとっているということは、その背景に
道路公団及び本四連絡橋公団等から正式な回答を受け取れないという
状況のもとに発生したものと思われます。
私はこういう
状況ははなはだ遺憾であり、速やかに
位置決定あるいは
計画決定が行われなければならないのではないか。すでに、一番早い時点から申しますと、
昭和四十三年以来今日に至るまで十五年も経過している開発希望者がおり、少ないのでも五年という長期を要しているわけであります。
もっと問題なのは、そこに
日本住宅公団が小束山団地を開発しようとされたわけであります。
住宅公団はどういうことか突然とそれらしい
道路をどんどん建設なさいまして、御自分だけは湾岸
道路あるいは本四連絡架橋の取りつけ口からと思わしい
道路をおつくりになったわけでございます。どんなものかと申しますと、
大臣図面をちょっと見ていただきたい。大きく伸ばしてあるから見れると思うのですが、ここのところからこういうふうに曲がってますね。ここのところまでをちゃんと大きな
道路にしまして、この区画の中の開発をいましているところであります。ちょうどこれから先は多少ふれるようになっておりまして、それでこちらから来る湾岸
道路あるいは本四架橋に対応できるという仕掛けになっております。地元の住民から見ると、
日本住宅公団だけはちゃんと
道路をつくっておるではないか、われわれのところには
道路計画も何もないではないか、何で
日本住宅公団だけがそういう秘匿された情報を手に入れるのか、こういうふうに怨嗟の声が巻き起こっているわけであります。この下側にある幾つかの団地群は、したがって開発中途でありまして、中には開発
計画を全然停止しているところもございますし、あるところでは逆にその団地群を幾つかに切りまして、
道路にまるっきりひっかからない遠くの方を先に切り離して開発して、ひっかかりそうなところはあきらめて持っておるというところもございます。
さて、これを詰めるために、
日本住宅公団側は、いまは名前が変わっておられると思いますが、この
道路をつくるに当たって、いつこの辺の
道路をつけておけば大丈夫だという確認をされたのか。それをまず地元の声に応じていただかなきゃなりませんので、どういういきさつで
住宅公団だけはこういう
道路をちゃんとつけるのをおやりになったのか。これは非常にめんどうな問題でありまして、完全にそれを打ち合わせてこういうふうにやったのだと言えば、どうして
住宅公団だけがそれを知っていたかということになります。逆に知らないで推測でやったといたしますと、膨大な国費をかけてこんなものを推測でつけるのはどういうわけかという恐ろしい質問になるわけであります。私は、その点いろいろな御事情があったのは陰ながら推測しているものでございますから、いまの時点でどういうお立場でおられるか承りたいと思います。