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佐藤(誼)
分科員 そこで、地方の中小建設業向けのいろいろな対策のために、対策はいろいろな幅がありますが、それなりの
努力をされていることはわかるのです、いままでの資料等を見ますと。ただ、それが意図した
方向に具体的に
成果を上げているかどうかとなりますと、徐々にではあるがということを言われましたけれ
ども、それは表現の仕方だろうが、地方の実態から見ると、
努力の割りには必ずしもぴたっと
成果を上げているようには見られない向きが多いわけです。
というのは、私は自分の
地元のことを頭の中に描きながら言っているのですが、山形県の海岸の方の鶴岡、酒田、そこが私の住居地でありますけれ
ども、そこの
関係から見るといろいろな声があるわけです。
指導もしていることは皆さん知っているわけですけれ
ども、端的に言いますとこういう声なんですよ。不況で大変物件が少なくなった、これは直轄だって地方自治体だって事実そのとおりだと思う。ところが、中央も大変厳しいのだろうけれ
ども、中央の大手企業がどんどん地方に進出してくる。そして不況で発注物件が少なくなってきているのに、大手も入って
指名業者になり、
指名入札の競争をやるわけですね。したがって、物件が少ないのに大手が入って、大手の
営業活動あるいは総合力の優位性によって、結果的にはほとんどそういう少ない物件を元請として取る。そうすると地方の中小建設業は仕事が取れない。無理して取っても、結局かなりダンピングされますから
赤字になってしまう。そういう中央の大手が元請になったものを下請すれば、簡単に言えば過当競争でたたかれるということで、大変厳しいという
状況にあるわけですよ。
先ほども言ったように、これはデータが明らかでないのですけれ
ども、中央の大手と言われるのは受注も多く経常利益も多いというのが私のデータです。ところが、いまのような中で地方の中小建設業は大変厳しい
状況に置かれているわけであります。そこで地方の声としては、いまの
指導はあるのだろうけれ
ども、実感として、中小建設業でもできる仕事については、もう少し何とか
地元の企業にやらしてほしい。それから二番目は、技術的にも
地元で対応できる仕事は
地元の企業でやらしてほしい。その次は、むずかしいかと思うのだけれ
ども、大企業等による事実上のダンピング入札のようなものが見られる、こういうものを規制する
方法はないのか。その次に、元請の下請に対する買いたたき、実際問題あるのですよ。私もそういう体験を聞いておりますけれ
ども、それを何とか規制したりコントロールする
方法はないか。たとえば、そのような買いたたきをする悪質な、しかも何遍でもやるというような元請に対しては発注を規制するとか、何かそういうことはできないかということですね。なかなかむずかしいとは思いますが、そういう
地元の声がかなりあるので、どうなのか。
時間もありませんから、もう
一つ続けて言いますけれ
ども、制度改善等で
地元建設業にもっと仕事を、そしてまた技術を磨く機会を与えてほしいという要望もあるのです。具体的に言いますとこういうことなんです。たとえば、鉄鋼を使う一級河川の橋であるとかいう大型のものがありますと、これは結局中央大手大企業がほとんど事実上とってしまうということですね。そうすると、これが下請に出されるわけなんだけれ
ども、その場合に、現在の制度では、橋の組み立ての検査といいますか、そういうものは、受けた元請の
工場で検査するというのですね。そうすると、結局重量が重いものですし、運ばなければならないものですから、したがって、
地元の業者には下請がなかなか出ない。元請の大手の東京とか中央のところの下請にどうもいってしまう。そうすると、地方ではなかなかとれない。したがって、仕事もないと同時に、そういう大きな、しかも技術を磨き合うような仕事がやれないというわけですよ。したがって、その辺は制度上、たとえば検査を必ずしも元請のところでなくて、その仕事をやる現場で何とかやれないか、こういう問題もあるわけなんです。その辺のところをどう
考えているか、
地元の切実な声でありますので、ひとつ見解を聞かしていただきたいというふうに思うのです。
なお、いまの私の質問に対して、建設
大臣の所感もひとつ最後に聞きたいと思います。