○
岡田(正)
分科員 わかりました。
そこで
大臣、これは
質疑でどうこうという意味じゃありませんで、当局の人とも打ち合わせましてあれした数字ですから
大臣も
御存じだと思いますが、いまお手元に出しましたのは広島県のある一郵便局が出した半ぺらのものなんですよ。どういうことが書いてあるかというと、実にショッキングでありまして、あなたも毎日百円の貯金で一億円ためられる、こう書いてあるのです。もうよだれの出るような話ですね。(発言する者あり)本当ですよ、
先生。これは郵便局が出しておるものです。電話番号まで書いてあるのですよ。「一日百円ずつ毎月三千円の貯金を欠かさずに続けなさい。それを年七パーセントの複利に預けると七十六年十一カ月目に一億円を突破します。」この一億円は
一体元金と利子はどういう割合になるか。これがまたショッキングですね。一億円の中の九千八百万円が利子でございます。九八%が利子。元金は二百七十七万円にすぎません。だから、少ない投資でがっぽりいこう、こういうなかなか当を心得た宣伝なんですよ。郵便局にしては気のきいたことをやるなと思って私も感心しているのですが、これを見まして私は、政府
関係者の方に、一遍めんどうだろうが計算してみてくれぬかと言って、計算してもらったのが横広のものでして、左の方に書いてありますように、
国民年金が五千八百何ぼでしょうか、そういう現在掛けておる掛金で年利七%で複利で運用したらどのくらいになるかなというのでやってみますと、
国民年金が月約六千円払っていらっしゃる、それを物価が全然上がらぬといたしまして平行線をたどったとして、二十五年間こつこつと積み立てていきましたならば二十五年後には四百七十二万円になるんですね。そして、その下の筋をごらんいただきたいと思いますが、
国民年金は大体月に五万円いただける、それで平均寿命から言いましていただける年数は十年間と考えますと、給付総額は全部で十年間で六百万円払うことになる。そのうち国費の
負担がありますから、その国費の
負担を除くと実際には
保険料で賄っておるのは四百万円、こういうことになりますから、元利合計で四百七十二万円積み立てたもののうち四百万円を受け取る、こうなるわけです。これは物価が上がらぬ場合の話ですよ。それで厚生
年金の場合、大体ほぼ一割労使で折半いたしまして掛けておりますので、平均二十万円の給料の人と考えまして、これはずっと低い方でございますけれ
ども、二万円で計算をいたしますと、月々二万円ずつ三十年こつこつと
保険料を払っていきまして、三十年たってみてふたをあけたら二千三百五十三万円たまっておるのです。それで、その下の欄をごらんいただきますとおわかりのように、先ほどのいわゆるモデル
年金十五万円ということで十五年間平均寿命がある、六十歳から受けまして七十五歳まで生きておられるというので給付総額が二千七百万。
国庫負担をのけたいわゆる
保険料で払う金が二千百六十万。二千三百五十三万円払って、いただく金は二千百六十万。何かひどく損したような
感じになるんでありますが、実際は物価が上がっていきますからそういう計算にはいきません。そういう計算にはいきませんけれ
ども、しかし、庶民の気持ちからすると、こんなに
保険料を払っておって四十兆からの金があるのに、四十兆からの
年金積立金がうんうん言ってうなっておるのに、それを大蔵省に預けっぱなしにしておいて、そして有利な運用なんということを考えずに、
厚生省が手放しで、いや、間もなく
保険料は上がります、もうやりきれぬから受給額は抑えますなんということをしきりに警鐘乱打される。厚生
年金の掛金を納めている者は本当にやりきれない。もう気分が悪い。だから別個に、厚生
年金を掛けておる者が別個の集団をつくって厚生
年金を運営していったらどんなものだろうか、こんなような乱暴な声さえ出るのであります。
私は、もう時間がなくなったそうでありますから
厚生大臣に最後にお尋ねをしたいのでありますが、とにかく四十兆円のいまの
年金積立金、これを大蔵省の資金運用部資金で自由にさせておるということは、これはもう私
どもは腹が立ってならぬ。だから大蔵省が大きな顔をするんです、銭っこを持っておるから。もうさじかげんで、資金運用部資金でだっだ、だっだとあっちこっちにばらまくわけですからね。それで、いただく利子が
一体何ぼになるか。これは
厚生省でもぎ取って、
厚生省で自主運用してもらうことの方が被保険者にとっても有利な
方法ではないのかと私は思っておるのでありますが、この間ちょっと新聞に見解を発表されておりましたが、
大臣の力強い決意を表明してもらいたいのです。