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小林(進)
分科員 それはもうあなたの解釈と私の解釈は真っ正面から対立する、あなたの言うことに賛成できない。なおかつと言われれば、第一項から第百六十九項まで私は読んだわけじゃないから、帰って読み直さなければならぬと思うけれども、いずれにしてもあなたの言うのは、それらの項目の中の百六十六項目の中で、いま
予算的
措置がないからそれは認めてもよろしい、
政府がやらないことを認めてもよろしいくらいの
政府側に有利な文章が百六十六項にあるという、あなたはおっ取り刀のようにそれを振りかざして、だから内容においては変わりはないと言っている。ところがそれは経過なんだ。僕らに言わせれば、百六十六から六十七、六十八まで結論があって、そして百六十九の勧告の(C)項には、そういうのは有益なものとは
考えないという文章が削られて、ひとつ五十七年度から迅速かつ完全に凍結を解除し
実施せよというふうに来ていると私は解釈するわけだ。前段と後半ということになれば、こっちは後だ。後の方からだんだん結論に近づいてくるのはあたりまえじゃないか。それをあなたは、百六十九項の(C)なるものがそういう一番重要なところ、これはもう前回から論じられた問題だ。だからきのう、おとといあたりの新聞紙全部、これはいわゆる再考を求めるのは有益とは
考えないということ、これは
労働者側の敗北で
政府側の見解が通ったということできのうあたり各紙全部が流した、その解釈は正しいです。ところがそれが理事会においてそういう最もポイントであるべき文章が削られたということで、きょうあたり各紙がずっと、五十七年度からも日本
政府は完全迅速にこれは
実施すべきであるという解釈に変わった、ILOの態度が変わった、こういうことを全部言っている。これは実に素直な解釈です。こういう素直な解釈も、いわゆる官僚の三百代言的な、そういうことではくるりくるりと詭弁を弄する、これが一番悪い。特に
労働省はそのくせがある、これが一番悪い。だからそんなことは私は了承できません、この問題は。厳重に再考を促しておきます、ここで議論していると次に行けませんから。関君、これは重大だよ、君。君はいま関ケ原に立っている。君の将来を決する重大問題だ。
次に行きますが、勧告の結論部分だ。もし全体の中で問題を取り上げるとすれば、勧告の中でその削られている部分。これは時間の範囲で参考までにちょっと読み上げますが、ILO勧告の結論部分で一番重要な点が三つありますよ。
まず一つは、本件のように「公務において団交権又はストライキ権のような基本的権利が
禁止」されている場合は、「その利益を守るための必須の手段を奪われている
労働者の利益を十分保護するため、迅速かつ公平な調停及び仲裁の手続のような適切な保障が
確保されるべきであり、その手続においては、当事者があらゆる
段階に参画することができ、かつ、裁定が一たん下されたときには完全かつ迅速に
実施されるべきであるとの原則を想起する。」これがILOの文章の
中心です。
それから次の部分ですが、「
政府が人事院勧告を尊重するとの基本方針を堅持し、」、
政府がですよ。「将来においては人事院勧告を尊重するよう最善をつくす意向であるとの
政府の保証」、
政府はこういうことをILOに通告しているのだ、あなた方は。これに対しILOは「留意する。」、これは一番重要な問題として取り上げてこれに「留意する。」と言っている。これをあなた方はやっていないじゃないですか。欺いているじゃないですか。
三番目の重点としては、「一九八二年において人事院勧告が
実施されなかったことを遺憾に思い、」、この「遺憾に思い、」がちゃんといまの文章の中に残っているのですよ。「遺憾に思い、今後の人事院勧告が完全かつ迅速に
実施され、団体交渉権、ストライキ権の制限の代償
措置を関係公務員に
確保するようにとの強い希望を表明する。」、これが今度の理事会で採択された文章の中にも入っておる。これまでもあなた方は否定することはできないでしょう。だから、「
確保する」、迅速かつ完全にこれを
実施されることを強く希望するというのが最後の結論ですよ。
私は以上の
趣旨から言えば、
政府が人事院勧告を
実施しないことは、確かに何と言ってもあなたの言葉は詭弁で、ILOに対して完全な拒否の姿勢を日本
政府はいま示しておるではないか。したがって、同盟や全官公労はこの問題について、日本
政府がILOに対してとった行為について「国際的な常識を逸脱するもので強く抗議する」と言っている。この見解発表はこっちの方が正しいですよ。これは素直です。非常に正当です。一体
政府はこの国内における労働団体の声明をどうお
考えになりますか。関さん、あなたに聞いているんだよ。
労働大臣は病気でせつなそうだからちょっと休ませておいて、あなた
労働大臣になったつもりで
答弁しなさいよ。