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阿部政府委員 御
指摘にございました大規模改修の問題でございますけれ
ども、申し上げるまでもないところでございますが、鉄筋の校舎等の耐久効果を高めていく、あるいは施設の安全性を確保する、さらには
教育環境の改善でございますとか、最終的には
教育効果の向上というところにつながるわけでございますが、大規模改修を適時適切に行っていくということは非常に有意義なことであると私
どもも
考えておるわけでございます。もちろん公立
学校の建物の改修と申しますことは、建物の維持管理の一環でもございますので、基本的にはそれぞれの設置者である地方公共
団体がこれを行うというのが原則でもございますし、従来からそのように行われてきたわけでございます。
しかしながら、
先生先ほどお挙げになりましたように、離島でございますとか豪雪地帯あるいは台風常襲地帯、静岡等を
中心にいたします地震防災
対策の強化
地域というようなところにつきましては、潮風でございますとか雨や雪が大変多いといったようなこと等から建物の傷みの進行がほかの
地域よりも大変著しいわけでもございますし、また、そのために大規模改修のための経費も非常に多額のものを要するというようなことがございますので、これを地方公共
団体に任せておきますと、大規模改修が適時適切に行われることが必ずしも期待しがたいというような点等もいろいろと考慮いたしまして、国といたしまして、ただいま御審議をいただいております
昭和五十八年度予算におきまして、これらの
地域における大規模改修を助長するために、新たにこれらの
地域に限定して補助をすることにいたしたものでございます。したがいまして、補助対象の
地域につきましては、
先生からいろいろお話がございましたけれ
ども、当面はこの四つの
地域に限定してまいりたいと思っておるわけでございます。
それから、第二点として御
指摘がございました体育館の床仕上げの問題でございますけれ
ども、近年新しい建材の普及に伴いまして合成樹脂の
関係あるいはゴムの系統の化学製品によりまして塗り床あるいは張り床と言われるような形のものが採用されるようになってまいりました。現在、全国的に見ますと、木製の床以外のこういった新しい建材による床は率としてはきわめて微々たるものでございますけれ
ども、新建材ということで使われるようになってきておるわけでございます。
私
どもといたしましても、これが
子供たちの発育あるいはけが等の面で問題がないかどうかということを
心配いたしまして、
昭和五十三年から五十五年、三年間にわたりましてこの問題についての調査研究を
専門家に依願をしていたしたわけでございまして、その結果が、
先ほど先生お話がございましたように、木製以外の床を使う場合には、その弾力性についての
配慮あるいは結露等が余り出ないように、
子供たちが滑ったりしてもいけませんし、また、ひざ等に衝撃が出てもいけないというような点についての
配慮を十分にしてほしいということで各
都道府県あるいは市町村を
指導しておるわけでございます。
現実にこういう床が使われており、そして、はがれてしまったというような
ケースにつきまして、これが今回の大規模改修に該当するような
地域あるいは該当するような内容のものであれば当然その対象として取り上げられるわけでございますけれ
ども、それ以外の部分については現在では直接対象となっておらないわけでございます。
いずれにいたしましても、この大規模改修の問題につきましては、
先ほど来申し上げましたような趣旨でこれを取り上げ、あるいは現下の財政事情等も
考えてこれに取り組んだものでもございますので、当面はこの形で進めざるを得ないと思っておるわけでございますが、将来の問題につきましては、この維持管理といったような事柄の性格等も十分
考えながら、少し先の問題として、実態等を見ながら検討させていただきたい、かように思っているところでございます。