○
鈴木(強)
分科員 大臣のお考えは大臣のお考えとして承りましたが、そう簡単にいかないものだからということでは困るわけですよ。非行がなくなるように、校内暴力がなくなるようにこれは全力を尽くしてもらわなければならない。そして、それが大臣に課せられた大きな責務の一つだと私は思うのです。確かにおっしゃるように、
学校教育の問題なりあるいは
家庭教育のあり方、それから社会の大人の行状、一国の総理大臣が手錠をはめられて巣鴨へつなげられるなんというところを見ると、若い人たちはどう考えるでしょうか。若い人たちに物が言えますか。そういうところにもあるだろう。また一つは、テレビというものが非常に発展しまして、これが子供たちに与える影響というのも見逃せないと私は思うのです。そういうわけでいろいろ原因はあるでしょう。実はきのう参議院の方では文教
委員会で、校内暴力の問題について集中審議が行われておりまして、私ちょっと新聞をけさ拝見したのですけれども、この中に現場教師の問題が取り上げられておりました。そして、教師が疲れているとか先生に対する尊敬の念というのが失われているとかいうようなことがありますが、残念ながら、
家庭教育の問題について余り触れてないですね。これは新聞で、まだ私、議事録を全部読んでいないからわかりませんけれども、私は、
学校の先生は先生として一生懸命これからの
日本を背負う子供のために全力を尽くしてがんばってくれていると思うのです。けれども、私はもう少し
家庭教育というものをちゃんとやらなければいかぬということをつくづく感じている者の一人なんです。
ですから、シーズンになりますと、郷里からも小学生が見学に来ます。私は、そのときにもよく話をするのですけれども、おじさん達が
学校へ行っているときは、宿題を忘れたら一時間立たされた。女の子をいじめれば先生からコツを食った。それはあたりまえじゃないか。先生はお父さんと同じようにみんなを大事に思っているのだ。だから、悪いことをすれば怒られる。いいことをすれば先生は絶対に怒らないよ。だから、みんなは悪いことをしないで先生の言うことをちゃんと守ってやってください。こういうふうに話をしてやるのです。
多くの
児童生徒はいいのです。小中高の非行
青少年の校内暴力を含めた数字を警察庁から伺いましたが、わずかの人たちがそういう行状をすると、みんなが悪いようにとられてしまう。非常に残念です。しかし、その芽を早く摘まないと大変なことになる。連鎖的な影響もあるでしょう。私はそう思うわけです。
たとえば、私どもがある人をお訪ねしますと、子供が来て、お茶を出してくれると、お菓子を持っていっちゃうのです。人が来たときになくなっているから、食ってしまったのか、どこか入れたかというふうに見られても困るから、そのお母さんに言うのです。いま坊や、菓子持っていっちゃったよ、子供というのは目が欲しいのだから、人が来たときにはちゃんと先に与えておいて、人様が来たときには持っていっちゃだめよ、そういうことを奥さん、ちゃんと子供には教えておかなければだめですよという話をするわけです。
何か大臣もちょっと言っておったのですが、自由ということ、子供を甘やかすのですね。私たちの子供のころには親には絶対服従です、先生には絶対服従です。そういう気持ちがなくなっていることも事実だと思うのです。ですから、もう少し焦点を幾つかにしぼって、そして、その原因を追及し、非行や校内暴力が起こらないようにやらなければならない。
たとえば、四十人学級というのがありました。やっとこれが日教組の方ともお話し合いしたりいい方向に進んでおったのですが、これも行革、臨調が出てきてつぶされちゃった。四十人以上の
生徒を一人の先生が見ていくというのは大変だと思うのです。ですから、行き届いた
教育をするためには、少なくとも四十人学級というのはちゃんとやってくれなければ困るのですよ。
国民というのは、必要なところにはどんどんと金を使ってもいい、決して文句言いませんよ。不必要なところに金を使うから、
国民は税金を納めているから文句があるのですよ。ですから、その辺を取り違えられちゃ困る。ですから、必要なものはどんどんとやって、そして将来を担う子供たちがりっぱな子供に育っていくような
教育をちゃんとやってくれなければ困るのですよ。一国の盛衰興亡は
教育にかかっているのです。
教育は非常に大事です。かつては天皇陛下のためにということで片道のガソリンを積んで敵中に突っ込んでいった、これも
教育じゃなかったでしょうか。考え方によると
教育はそれだけ恐ろしいのです。ですから、やはり小さいときからのしつけ、これが大事でございますから、もっと親たちも
家庭教育というものを重視していかなければならぬと思いますが、
学校教育においてもそういう点をひとつ子供たちにもよく理解できるような環境づくりを、大臣、してあげなければだめじゃないですか。逆行するような、四十人、五十人入ったのをそのままやらせるようなことをしているから行き届いた
教育ができない。それも一つの大きな原因だということを知っているでしょう。
これは時間があれですから、
局長、いま私は自分で思いついたことを言ったのですけれども、何とかしてこれは早期になくせるような手を打ってもらわなければ困ると思っていますから、あなたからもちょっと。