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1983-02-09 第98回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十八年二月九日(水曜日)     午前十時開議  出席委員    委員長 土井たか子君    理事 青木 正久君 理事 狩野 明男君    理事 岸田 文武君 理事 中島源太郎君    理事 城地 豊司君 理事 武部  文君    理事 岡本 富夫君 理事 塩田  晋君    理事 林  保夫君       亀井 静香君    熊川 次男君       五十嵐広三君    長田 武士君       岩佐 恵美君    依田  実君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      塩崎  潤君  出席政府委員         公正取引委員会         委員長     高橋  元君         公正取引委員会         事務局長    妹尾  明君         経済企画政務次         官       辻  英雄君         経済企画庁国民         生活局長    大竹 宏繁君         経済企画庁物価         局長      赤羽 隆夫君  委員外出席者         特別委員会第二         調査室長    秋山陽一郎君     ───────────── 委員の異動 一月二十五日  辞任         補欠選任   中野 寛成君     林  保夫君 同月三十一日  辞任         補欠選任   牧野 隆守君     青木 正久君 二月九日  理事牧野隆守君一月三十一日委員辞任につき、  その補欠として青木正久君が理事に当選した。 同日  理事塩田晋君同日理事辞任につき、その補欠と  して林保夫君が理事に当選した。     ───────────── 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  物価問題等に関する件(物価対策及び国民生活行政等)      ────◇─────
  2. 土井たか子

    土井委員長 これより会議を開きます。  この際、理事辞任の件及び理事補欠選任についてお諮りいたします。  まず、理事塩田晋君から、理事辞任の申し出がございます。これを許可するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 土井たか子

    土井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  ただいまの塩田君の辞任及び去る一月三十一日理事牧野隆守君が委員辞任されましたので、理事が二名欠員になっております。その補欠選任につきましては、先例により委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
  4. 土井たか子

    土井委員長 御異議なしと認めます。よって、理事に       青木 正久君    林  保夫君 を指名いたします。      ────◇─────
  5. 土井たか子

    土井委員長 物価問題等に関する件について調査を進めます。  この際、塩崎経済企画庁長官から、物価対策並びに国民生活行政について発言を求められておりますので、これを許します。塩崎経済企画庁長官
  6. 塩崎潤

    塩崎国務大臣 私は、昨年十一月二十六日に企画庁長官を拝命いたしました塩崎潤でございます。浅学非才な者でございますが、御指導のほど、心からお願い申し上げたいと思います。  早速ごあいさつをさせていただきたいと思います。  わが国経済の当面する課題経済運営の基本的な考え方につきましては、さきの経済演説において明らかにしたところでありますが、当委員会が開催されるに当たりまして、重ねて所信の一端を申し述べたいと存じます。  わが国経済は、二度にわたる石油危機の後にも、欧米諸国に比べて、高く、安定的な成長を遂げ、失業率物価国際収支のいずれの点においても、際立って良好なパフォーマンスを示してまいりました。しかし、このようなわが国経済も、世界同時不況影響を受け、輸出減少等により、景気回復は緩慢となり、経済現状は、厳しい状況にあります。  世界経済は、第二次石油危機後、その後遺症としての長期間にわたる激しいインフレに悩み、そのため、各国は、インフレ抑制に最重点を置いた政策努力を続けてまいりました。その結果、インフレはようやく鎮静化してきたのでありますが、反面、経済活動停滞を招き、戦後最高の失業率を生むに至りました。しかも、これを背景として、保護貿易主義が高まっているのであります。  また、発展途上国も、先進国経済停滞を反映して、輸出減少、一次産品価格低落等から経常収支が悪化し、債務累積の問題が顕在化するに至りました。  このような内外の経済動向を考えますと、財政上の困難など、政策手段選択の幅はきわめて狭いのでありますが、私は、五十八年度の経済運営に当たって、次の三つの柱を打ち立て、これを具体化してまいりたいと考えております。  その第一の柱は、国内民間需要中心とした経済の着実な成長実現を図ることであります。  内需中心経済の着実な成長は、いわゆる貿易摩擦問題の解決のためにも、また、現在の最重点課題である行財政改革を円滑に進め、雇用の安定を図るためにも肝要であります。  このため、まず第一に、昭和五十八年度予算においても、この点を配慮いたしました。すなわち、きわめて厳しい財政事情の折から、他の五十八年度本来の歳出項目全体の伸びがマイナスであるにもかかわらず、公共事業関係費については、前年度同額の予算額確保し、その配分に当たっては、経済効果の高い事業重点を置くこととしております。  第二は、金利低下傾向のもとで、中小企業設備投資促進のための税制上の措置等施策推進することにより、民間投資の喚起を図ることであります。特に、先端技術投資促進に努め、産業構造の一層の知識集約化高度化を図り、経済生産性向上に役立てたいと考えるのであります。  第三は、税制上の住宅取得控除引き上げ等を図るほか、増改築住宅質的向上に対する国民のニーズを取り入れて、引き続き住宅建設促進することであります。  第四は、基礎素材産業農林水産業中小企業については、構造政策的な観点を取り入れながら、活性化経営安定化を図るため、実情に応じた対策実施することであります。  このような政府の諸施策推進により、五十八年度のわが国経済は、実質で三・四%程度成長を達成するものと見込んでおります。  第二の柱は、物価安定基調を維持することであります。  物価の安定なくして、ゆとりのある安定した福祉社会実現は期待できません。  このため、欧米諸国は、この二、三年、失業大幅増加という大きな犠牲を払いながらも、物価の安定を目指して悪戦苦闘してまいりました。これに対し、わが国は、相対的に小さい犠牲のもとで物価安定化に成功し、消費者物価は、最近では二%台という近年にない安定ぶりを示しております。また、為替相場は、一ころの円安が是正されております。石油も、現在、その需給は緩和しており、価格も弱含みに推移しています。こうした動きは、物価安定の見地から好ましいことであります。  政府としては、今後とも、物価動向に細心の注意を払いながら、機動的な政策運営に努めることにより、引き続き物価安定基調を維持することとしております。この結果、五十八年度は、卸売物価が一・一%程度消費者物価が三・三%程度上昇率になるものと見込んでおります。  さらに、国民生活の安定と向上を図るため、消費者行政を積極的に進めることも重要であります。商品・サービス安全性確保取引形態多様化複雑化に対応した消費者取引契約適正化等所要施策を講ずることにより、消費者利益の擁護、増進に努めてまいりたいと存じます。  第三の柱は、わが国経済孤立化を避けて国際協調推進し、世界経済に貢献することであります。  政府としては、一昨年末以来、わが国市場開放のための対策を講じてまいりました。さらに、今般、関税率の思い切った引き下げ、基準認証制度等全面的検討、OTOの機能強化等の一層の市場開放措置を決定いたしました。これらの措置は、最近の世界保護貿易主義的傾向を阻止するためにも、わが国みずからが率先してとったものであります。今後、関係各国に対して、わが国のこのような努力について理解を得るとともに、相互の経済社会についての認識のギャップをなくすよう一層の努力をしてまいる所存であります。  次に、中長期経済運営方向について申し上げます。  わが国経済社会は、現在、大きな転換期を迎えており、当面の諸課題を解決しながら、来るべき二十一世紀への備えを進めていくためには、これまで以上の長期的な視野に立って事態の変化に弾力的に対応し得るような経済社会の展望、経済運営の指針が求められております。  このため、新たに経済審議会に御検討をお願いしたところであり、今後、この検討の結果をよりどころとして、長期的な経済運営を行ってまいる所存であります。  以上、今後の経済運営課題方向について申し上げました。  外にあっては、五十年ぶり世界同時不況、内にあっては、未曾有の財政困難の中で、景気回復を図っていくことは決して容易ではありません。しかし、長期にわたった米国の高金利も是正される方向にあり、世界経済は今後は次第に回復に向かうとの見方が一般的であります。また、このような事情を受けて、国内においても、円相場金利面で昨年とは違った明るい兆しがあらわれてまいりました。そして何よりも、わが国経済は、当面する諸困難を克服していく旺盛な活力を有しているのであります。  本委員会皆様方の御理解と御協力を切にお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)
  7. 土井たか子

  8. 高橋元

    高橋(元)政府委員 昭和五十七年における公正取引委員会物価対策関係業務について申し上げます。  昨年のわが国経済は、内需は緩やかな回復方向を示しましたが、世界経済停滞もあり、依然として景気の足取りは力強さを欠いております。このような中で、民間活力が発揮されるような経済環境整備することがますます重要になっており、公正取引委員会といたしましては、公正かつ自由な競争の維持、促進によりわが国経済の健全な発展を図るべく、独占禁止政策の適正な運営に努めてまいったところであります。  特に昨年は、独占禁止法違反事件の効率的な審査に努めるとともに、不公正な取引方法明確化を図る等予防行政推進いたしました。また、事業者創意工夫を生かすため政府規制制度等見直しを引き続き行ったほか、貿易摩擦問題に関連した各種実態調査を開始するとともに、独占禁止政策国際的連携強化に努めました。  まず、独占禁止法運用状況についてでありますが、同法は、昭和二十三年に制定されて以来、昨年で三十五周年を迎えたところであり、この間、着実な運用に努めてまいったところであります。  昭和五十七年中に審査いたしました独占禁止法違反被疑事件は四百十九件であり、同年中に審査を終了した事件は二百八十八件であります。このうち、法律の規定に基づき違反行為排除等を勧告いたしましたものは十七件、法的措置をとるには至りませんでしたが警告を行いましたものは百五十二件であります。また、昨年における課徴金納付命令事件は四件であり、合計百十五名に対し総額十一億八千五百四十四万円の課徴金納付を命じました。  次に、届け出受理等に関する業務でありますが、合併及び営業譲り受け等につきましては、昭和五十七年中に、それぞれ千五十件、八百十九件、合わせて千八百六十九件の届け出があり、所要審査を行いました。  事業者団体につきましては、昭和五十七年中に成立届け等千三百四十四件の届け出がありました。また、事業者団体活動に関する事前の相談に対しましては、適切に回答を行うよう努めてまいりました。  国際契約等につきましては、昭和五十七年中に五千三百十三件の届け出があり、改良技術に関する制限競争品の取り扱いの制限等を含むものについてはこれを是正するよう指導いたしました。なお、許認可等簡素合理化の一環として、届け出を必要とする国際契約等の種類を限定するための独占禁止法第六条の規定改正に伴い、国際契約等届け出規則改正を行いました。  独占的状態に対する措置に関する業務といたしましては、ガイドラインの別表掲載事業分野について見直しを行い、十三業種とし、これら業種について実態の把握及び関係企業動向の監視に努めました。  価格同調的引き上げに関する報告の徴収につきましては、対象品目見直しを行い、六十一品目といたしました。昨年中に価格引き上げ理由報告を徴収したものは、乗用車一品目でありました。  独占禁止法上の不況カルテルは、中・低圧法ポリエチレン等品目について認可し、昭和五十七年末現在、二品目について実施中であります。なお、独占禁止法適用除外を受けている共同行為の数は、昭和五十七年末現在で四百八十一件となっておりますが、その大半は中小企業関係のものであります。  次に、経済実態調査といたしましては、大規模小売業者経営実態調査生産集中度調査等を行ったほか、最近の貿易摩擦問題にかんがみ、総合商社事業活動実態調査輸入関連事業者団体調査等を開始いたしました。  流通分野につきましては、百貨店・大型スーパー家庭電器製品など十一業種について実態調査を行い、これらのうち、独占禁止法上問題のある行為につきましては、その是正に努めました。  また、不公正な取引方法に関しましては、その明確化を図り、予防効果を一層高める見地から、不公正な取引方法を指定している公正取引委員会告示、いわゆる一般指定を全部改正し、昭和五十七年九月一日から施行いたしました。  政府規制制度及び独占禁止法適用除外制度につきましては、わが国経済における民間活力を生かし、経済効率性を高める見地から、前年に引き続き、政府規制が強く行われている十六業種中心調査実施し、昭和五十七年八月、政府規制制度現状業種別問題点等を指摘した見解を公表いたしました。  国際関係業務といたしましては、OECD等国際機関における審議に積極的に参加し、また、アメリカ、EC、東南アジア諸国などの独占禁止当局との間で意見交換を行うなど、国際的な連携強化に努めました。  次に、不当景品類及び不当表示防止法運用状況についてでありますが、同法は、昭和三十七年の制定以来、昨年で二十周年を迎えたところであり、国民生活の中に定着しているところであります。  昭和五十七年中に同法違反の疑いで調査した事件は二千四百八十四件であり、このうち、排除命令を行いましたものは十一件、警告により是正させましたものは八百三十三件であります。都道府県の行いました違反事件処理件数は、昨年一月から九月末までで四千八百七十二件となっており、今後とも、都道府県との協力を一層推進してまいる所存であります。  また、同法第三条または第四条第三号の規定に基づく告示につきましては、ゴム製履物及び合成樹脂製履物業における景品類提供制限する告示並びにおとり広告に関する告示を制定いたしました。  事業者が自主的に規制するための公正競争規約につきましては、農業機械表示に関する規約など六件について認定し、昭和五十七年末現在における公正競争規約の総数は百件となっております。  以上、簡単でございますが、業務の概略につきまして御説明申し上げました。今後ともよろしく御指導のほどお願いいたします。ありがとうございました。
  9. 土井たか子

    土井委員長 次に、昭和五十八年度の物価対策関係経費概要について、赤羽物価局長から説明を聴取いたします。赤羽物価局長
  10. 赤羽隆夫

    赤羽(隆)政府委員 昭和五十八年度の物価対策関係経費及び予算関連公共料金等改定概要につきまして、お手元にお配りいたしました資料に即し御説明申し上げます。  まず、昭和五十八年度の物価対策関係経費でございますが、この経費は、一般会計及び特別会計予算に計上されました経費のうち、長期、短期にわたり物価の安定に資することとなる経費を取りまとめたものでございます。取りまとめに当たりましては、お手元資料、第一枚目の半截の資料でございますが、「昭和五十八年度物価対策関係経費」この表をごらんいただきたいと思いますが、この表におきまして一番から七番までの区分により分類整理されております。  昭和五十八年度の物価対策関係経費総額は、合計欄にございますように四兆四千三百六十二億九千五百万円でありまして、昭和五十七年度の予算額四兆四千九百六十八億七千六百万円に比べ六百五億八千二百万円、一・三%の減少となっております。  次に、各項目につき経費内容を、以下の縦長の七枚つづりの資料によって御説明申し上げます。  第一は、低生産性部門生産性向上でございます。  農林漁業中小企業など生産性が低い部門におきまして、その生産性向上させ、供給の増大を図ることは、物価の安定の面からきわめて重要でございます。その総額は一兆九千十五億七百万円となっております。  内容といたしましては、農林漁業対策の面では、主要穀物果樹花卉野菜等生産振興を図る新地域農業生産総合振興対策実施するための経費、さらに畜産総合対策実施するための経費などが掲げられております。  また、中小企業対策関係では、第二ページにございますように小規模事業対策推進経費中小企業事業団の事業運営経費などについて、所要予算が計上されております。  三ページ目をおめくりいただきまして、第二の項目流通対策でございます。  この項目は、流通機構合理化近代化を通じて流通コストの節減に資する経費が計上されております。その総額は四百十八億二千三百万円となっております。  具体的な費目といたしましては、卸売市場施設整備費野菜価格安定対策経費、それから次のページに移りまして食肉センター整備等を行うための畜産振興費、水産物の価格安定及び流通対策経費などが計上されております。  第三の項目は、労働力流動化促進でございます。  労働力の質を高め、その流動化を図ることは、物価安定の見地からも重要でございます。このための経費として、総額三千四百六十五億三千七百万円が計上されております。  内容といたしましては、五ページにございますように雇用安定等事業実施するための経費でございます。  第四の項目は、競争条件整備でございます。  この項目には、価格が公正かつ自由な競争を通じて適正に形成されるよう市場競争条件整備するための経費が計上されております。総額は二十六億七千万円となっており、公正取引委員会経費がその大部分でございます。  第五の項目は、生活必需物資等安定的供給でございます。  この項目には、生活必需物資及び公共輸送等サービスの安定した供給確保に資する経費を取りまとめております。総額は一兆二千百二十六億七千五百万円となっております。内容といたしましては、石油安定供給対策費日本国有鉄道関係助成費などでございます。  次の六ページに移りまして、第六番目の項目は、住宅及び地価の安定でございます。  住宅供給促進し、土地の有効利用を図り、住宅及び地価の安定に資することを目的とする経費でございます。総額は九千二百七十九億三千七百万円となっております。内容としては、公営住宅建設事業費住宅金融公庫補給金などでございます。  もう一枚ページをめくっていただきまして、第七の項目は、その他の経費でございまして、総額として三十一億四千五百万円が計上されております。内容としては、国民生活安定対策等経済政策推進費などでございます。  以上、昭和五十八年度物価対策関係経費概要を御説明申し上げました。  続いて、昭和五十八年度予算に関連する公共料金等改定について、お手元のこの薄い資料昭和五十八年度予算関連公共料金等概要」という一枚紙の資料がございますが、この資料に沿って御説明申し上げます。  まず、医療費につきましては、本年一月一日に薬価基準医療費ベースで一・五%引き下げるとともに、本年二月一日には老人保健法施行に伴う老人診療報酬の設定とあわせて、一般診療報酬について若干の調整を図り、医療費ベースで見まして〇・二%引き上げております。  次に、麦価につきましては、麦の財政負担が増大していることなどの状況を勘案いたしまして、本年二月一日から平均八・二%の引き上げ実施しております。  国立学校入学料につきましては、国立、私立間の格差の現状等を勘案いたしまして、本年四月から国立大学学部で現行の十万円を十二万円にする等の改定を予定してございます。  たばこの定価につきましては、たばこにかかる負担適正化を図り、あわせて税外収入確保に資するため、本年五月一日から原則として一本当たり一円の引き上げを予定してございます。  最後に、電話料金につきましては、わが国遠距離通話料先進主要国に比較いたしまして割り高であることなどを考慮いたしまして、本年七月より、三百二十キロメートル以上の通話料を、昼間三分間料金で一律四百円とすることを予定しております。  これらの予算関連公共料金等改定による五十八年度の消費者物価指数総合指数への影響は〇・一%程度になるものと試算しております。  今後とも、公共料金につきましては、物価国民生活への影響に十分配慮し、厳正に取り扱ってまいりたいと考えております。  以上でございます。
  11. 土井たか子

    土井委員長 次に、昭和五十八年度の消費者行政関係経費概要について、大竹国民生活局長から説明を聴取いたします。大竹国民生活局長
  12. 大竹宏繁

    大竹政府委員 昭和五十八年度の消費者行政関係経費について、お手元の表に沿って御説明申し上げます。  この表は、昭和五十八年度の予算案から各省庁の消費者行政に係るものを一括して整理したものであります。ここでは消費者行政関係経費を十二の項目に分類しておりますが、これはおおむね消費者保護基本法の体系によったものであります。  以下、項目を追ってその概要を御説明いたします。  まず項目一は、危害防止であります。消費者の生命、身体及び財産に係る危害防止し、安全を確保することは、消費者保護基本的課題であります。このため、医薬品、家庭用品等対象特殊性に応じて、きめ細かに施策を講じているところであります。本項目総額は四十一億七千五百万円で、消費者行政関係経費全体の三六%を占めております。  次に、項目の二、三及び四は、計量規格及び表示適正化のための経費であり、いずれも消費者の合理的かつ適切な選択等確保する上で欠くことのできない施策であります。  計量適正化は、適正な計量法実施普及のための経費であります。  また、規格適正化は、JAS及びJIS制度運用住宅質的向上目的とした新住宅開発推進のための経費であります。  さらに、表示適正化については、不当表示取り締まり家庭用品品質表示適正化等に要する経費がその内容となっております。これら三項目合計は十二億一千八百万円であります。  項目の五及び六は、公正自由な競争確保及び契約適正化に要する経費であります。これらの項目には、独占禁止法施行費割賦販売訪問販売等適正化を図るための経費、さらには悪質な貸金業者不動産業者取り締まりを行うための経費などが計上されております。これらの二項目合計三億一千七百万円となっております。  項目七の消費者啓発は、各種の情報の提供講習会の開催などにより消費者の意識を高め、賢い消費者を育成するための経費であります。  また、項目八の意見の反映は、モニター制度消費者懇談会等を通じて、消費者意見を迅速的確にくみ上げ、行政事業者消費者志向を一層推進するための経費でございます。七と八の合計で二十一億一千三百万円を計上いたしております。  項目の九は、商品テスト等を行うためのテスト機関相互の連絡会議や試買検査を行うための経費であります。  項目十は、各省庁の消費者相談窓口等における苦情の受け付け及び処理等に要する経費であります。  また、項目十一の消費者組織育成のための経費については、消費生活協同組合の貸し付けや消費者と産地を直接結ぶ事業に対する助成などを内容といたしております。  これらの項目は、消費者の利益の擁護及び増進を消費者サイドから確保するとともに、消費者事業者行政の相互関係の円滑化を図る上で重要な経費であります。  最後に、項目十二について申し上げます。  この項目のうち、まず国民生活センター関係については、同センターが教育研修、情報提供、苦情相談、商品テストなどの事業を行うための経費として十九億九千八百万円の交付金が計上されております。  また、同センターの商品テスト・研修施設の整備に資するため、本年度においても引き続き出資金として三千三百万円が計上されております。  次に、現在、全国に広く設置されている地方の消費生活センター活動を補助するなど、地方消費者行政推進のため二億六千五百万円を計上いたしております。  項目十二にはこのほか、消費者行政の基礎となる調査、生活関係事犯の取り締まり経費などが計上されております。  以上の項目別の経費合計いたしますと、百十六億八千八百万円となります。前年度の百二十一億一千四百万円に比べますと、四億二千六百万円、三・五%の減少となっております。  なお、これを省庁別に集計し直したものが二ページの表であります。  以上、昭和五十八年度の消費者行政関係経費概要を御説明申し上げました。何とぞよろしくお願い申し上げます。
  13. 土井たか子

    土井委員長 以上で説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十時三十二分散会