○石川(弘)
政府委員 まず、この数年間行われてまいりました問題の
流通の混乱でございますが、これは御
指摘のとおり、まず全体の
需給緩和がございまして、
消費の伸びは大体二・五%前後ぐらいでございますが、
生産の伸びがそれを上回っておりましたために、
生産者の
協力を得ながら全体の
需給を調整する自主的な努力をお願いして、この
需給の条件につきましては昨年あたりから漸次改良をされております。したがいまして、いわばいままでの乱売の一番のもとでありました
需給の緩みというものは漸次解消されつつございます。
それから、そういう場合に
生産者が産地間競争、特に牛乳の場合は北海道対内地というのが非常に目立つわけでございますが、産地間市乳化競争というような問題がやはり安い原乳が出てくるもとであったわけでございますが、これらにつきましても秩序を保つための
生産者の話し合いということも順次行われてきております。
さらにもう
一つ、プラント自身が過剰でございますので、プラントがどうやっても自分の能力としてはフル稼働したいということから
生産が抑え切れないということがございます。さらに、いま先生も御
指摘のように、
生産者が商業系でも大手、中小がございますし、特に農協系という専売店を持っていない参入したグループが相当な力を持っているということもございまして、この間の過当競争が行われたということが大変な問題でございます。
この点につきましては、私
どももまずプラントの新造抑制あるいは相互不信の解消のための系統間の話し合いといったようなことをいたしておりまして、そういう過当競争の素地をなくするようにしていく。これはかつては
生産も相当伸びましたので、競争下において利益も上げられたわけでございますが、現在われわれの調べておるところでは、白物の牛乳というものをつくりまして利益を上げるということがいまの
状況ではほとんど困難な
状況でございますから、そういう過当競争を排除するための話し合いをさせる。これは、もちろん過度のことをやりますと
公正取引委員会の問題になりますので、お互いの損をさせない、しない。少なくとも白物を売って、利益でマイナスを出すというようなことがないようにということは、業者として当然自主的に守るべきものとして話し合いをさせているわけでございます。
それから量販店との取引
関係が、御承知のとおりいろいろと問題がございました。これらにつきましては一種のガイドラインというものを設けまして、量販店がこの取引
関係を是正するような措置について
協力を求めているわけでございます。
以上のようなことをほぼ一年かけまして
関係者と話し合いをしながらやってきたわけでございますが、現在一部にまだそういう混乱が残っておりますが、全体としましては改善の方向に向かいつつあると思います。
そこで、御
指摘の専売店の
対策でございますが、専売店を通じます宅配は、現在牛乳の全体の
供給量の一五%
程度でございます。一五%ではございますが、専売店を経由する
流通につきましては、どうしても牛乳のボリュームというものを安定的に流すために必要でありますほか、宅配を通ずる、たとえば老人の家庭へ必ず届けていただくとか、そういうメリットも大変あるわけでございます。私
どもいままで専売店
対策としていろいろなことをやっておりますが、
一つは、やはり何と申しましても
流通量をふやしますための御努力、これは労働費との
関係もございますので、隔日配達とかそういうことをしながら全体の配達量をふやすとか、あるいは自動販売機等のような手法を通ずる販売の改善、それからやはり集配につきまして共同的にやっていただくことが望ましいということから、共同的な施設の整備等もいたしております。
それから、いろいろと協業化を進めます中で、たとえば何と申しましても牛乳だけで生計を得るということが困難な条件もございますので、一種のコンビニエンスストアといったような形への誘導といったようなものもございまして、私
どものわずかな予算ではございますが、予算等もつけながらそういう方向に今後も誘導していくつもりでございます。