○
石川(弘)
政府委員 御
指摘のように、
飼料安全法の中には、有害物質について販売禁止をするというような規定もございます。それから、一種の輸入検査という形での
飼料の検査もできるわけでございます。
ただ、このへイキューブの場合は、いま申し上げましたように大変大量な物資の中に少量混入をする。しかも、これは何か一定の、たとえばランダムにサンプリングしますと大丈夫というようなものではございませんで、各農場におきます牧草
生産なり、その牧草をへイキューブにいたします過程で入るものでございますから、検査というような手法をとりました場合に、大変な莫大な人員とか施設とか、それから
期間とかいうものがかかるわけでございます。
私
ども、やはりこういう事実が発生をしている事実を相手国、これは米国でございますが、米国に伝えまして、そのようなおそれのある品物をまず
生産しないこと、特にそういうものを輸出してこないというような体制をつくることがまず大切だと
考えておりまして、これはこういう粗
飼料だけではございませんで、たとえば穀物
飼料の場合でも、
比較的品質の悪いものがこちらに来ました場合に関係者に注意を喚起するわけでございますが、穀物の場合は、御
承知のように大変向こうの出先というようなものもこちらに持っておりますし、向こうも非常に慎重な
態度で販売をしてきますので、その関係団体なり、あるいは必要によっては在日の大使館等に通報いたしますことによって、ほとんどのそういう問題点は解決できるわけでございます。しかし、このへイキューブは、
先生も御
指摘のようにいろいろな形で
生産されたものが各個ばらばらに入ってきているということもございまして、たやすく
対応することがむずかしかったわけでございますが、われわれといたしましても、このようなことを放置いたしますと、率直に言って大変不安な素材を輸入し続けるということになりますので、在日の
アメリカ大使館にこの問題を説明をいたしまして、米国において厳重に注意を喚起をしていただきたいということをまず申し入れました。
さらに、
飼料の輸出入
協議会という、えさを扱っております輸入商社の集まりがございます。ここに私
どもとしてのこの問題点を説明をいたしまして、このようないわば危険な、粗悪なと申しますか、そういう商品が
日本に輸入されることによって米国産のへイキューブのいわば声価を落とすということを強く申し入れておりまして、米国のへイキューブの
生産者の間におきましても、まず、農場でその牧草を梱包いたします際に、針金で梱包しないでマニラ麻で梱包するように切りかえるといったような動きも出てきているようでございます。これは梱包したものをいきなり粉砕にかけますものですから、どうしても針金を完全に取り除かないうちに粉砕することによってできる問題でございますので、いわばマニラ麻に切りかえるというのは、そういう
意味では非常に役立つことではなかろうかと思っております。
それから
わが国の
国内問題といたしまして、肥
飼料検査所を通じまして、現在
酪農の
比較的盛んな十五県におきましてへイキューブ中の金属片の混入状態、そのことと、金属異物性疾患の発生状態の現地調査をいたしております。
以上の三つのことを現在やっているわけでございますが、これはやはり何と申しましても、まず出す側の
アメリカにおきましてこのようなものが
生産されるもとを断つということが必要だと思いますので、一遍申し入れたというだけではございませんで、今後におきましても、またこういう問題が出ました場合には再度強くこういうことを要請しまして、まず商品自身の中にそういうものが入ってくる
可能性を極力少なくするということをいたしますと同時に、そういうことが商業ベースとしても徹底されるよう輸出入
協議会等を指導してまいるつもりでございます。