○松沢
委員 わかりました。
もう時間がありませんのでその次に進みますが、今回の
法律改正の中身としましては、一つはさっき申し上げましたものが一番大きい問題だと思いますけれども、その次には、
農業改良研究員
制度の廃止ですね。もう一つは共同研究ですか、地方の研究機関と中央
政府の研究機関とが合作でいろいろやってみる、そういうことが
改正の新しい点ということになっておりますね。それとの絡みというものがあってこの改良研究員の廃止ということになっているんじゃないかと思われるのです。
ただ、地方の御
意見を聞きますと、この改良研究員ということの資格はなかなか大変な努力をしなければ取れない資格だということを聞いているわけです。各県に一人ずつ配置されているということを聞いておりますが、やはり資格は資格として残しておいた方が、一つの誇りといいますか、生きがいといいますか、そういう
意味では非常に必要なんじゃないか、こういう感じを持っておりますが、その点はどうお考えになっているか、これが一つであります。
それから、
改良普及員の
資質の
向上という問題がございます。それはきのう
参考人の人も言っておられましたけれども、採用してから、採用する前でもいいのですが、とにかく現場で働く前に一定の期間というのは、やはり
普及員として現場に配置された瞬間から十二分に活動のできるような、そういう教育研修期間というようなものを新たに考えて
設置をして、そこで養成した者を現場へ送り込んでやるという方法というのが必要なのじゃないか。いままでの経過からしますとそういうあれがあったそうでありますが、これはやはり
資質の
向上という面からしまして一つ考えていかなければならぬところの問題だと私は思っておりますが、その点、どうお考えになっているか。
それからもう一つの問題は、
普及員の仕事というのが、これはもちろん行政の一
部分として
普及事業があるということは私も知っておりますけれども、しかし、
普及員というのは
技術の
普及をやっておるわけなんでありまして、行政事務の出先機関としての
役割りというのは果たしていないはずなんであります。そういう
意味からすると、
普及の分野というものと行政の分野というものを、要するに
普及員に活動の自由の幅というものをうんと持たせる、そういうことが農民の
考え方にこたえていけるところの
普及員になるのじゃないか、こんなぐあいに実は思っております。そういう点、各県の
状況等を見ますと、行政事務職員のような動かし方で、大体三年ぐらいいるともうよその
普及所の方に移してしまうという。やっと三年ぐらい居座っていることによって少し芽が出てきているというのに、もう動かしてしまうということになれば、これはさっぱり成果が上がらぬうちにどんどん配転が行われていく。それはやはり
事業成果を上げるには芳しくないじゃないかというふうに私は思っておるのですが、そこらのところを、国の方から金を出していくということになれば、当然
運営指針だとかそういうのを決める際、県とも打ち合わせをやって、なるべく長くその
地域にいて定着するようにして、定着する中でそこの
技術水準というものを高めていって、また新たな創造的な
農業発展というものを考えさせるという必要があるのじゃないかというようなことを当然
指導されたらいいのじゃないかと私は思っております。
それから、
普及所がございまして、私の町にもありますけれども、そこの町の住民は一人もいないですよ。全部よそから来ているのです。それはいま申し上げたような配転の
関係からだと思いますが、あるいは人がいない、数が減らされたという
関係もあると思いますけれども、
普及員が
地域の
農業と密着するためには、その
地域に定住してもらわないとうまくないのです。活動の自由の幅を持たせる。ということは、つまり一般の職員と違って、朝八時半に出勤して五時に退庁なんというものではないと思います。夜の十二時ごろまでいろいろと
農村のリーダーなんかと話し合いをするということも必要であろうと思います。そうすると、十二時ごろまで働いて、そして翌朝八時半に出勤するなんというわけにはいかないわけであります。たまには若い人たちと酒も飲まなきゃならぬと思いますね。そういう場合に、三十分も一時間も離れたところから通勤しているなんということになったらなかなか大変なんでありまして、自由の幅というものを持たせるということを考えてもらうように、ひとつ地方の自治体と御相談を願ってもらいたいと思いますが、そういうことはできるものかどうか。
それからもう一つは
生活改良普及員の問題です。これはいろいろ言われておりますけれども、具体的に申し上げますならば、
農村はなかなか嫁がなくて困っているのです。嫁がないというのは、やはり
生活の面でほかの社会とはそれなりの格差があるから嫁が来ないということになるのじゃないかと私は思うのでありまして、要するに、それをどのようにして改善していくかという努力をやっていくというのが
生活改良普及員だというふうに私は受けとめておりますので、それらの点についてもこれからやはり強化をしていかなければならない。お話を聞きますと、全国で二千人ちょっとしかいないのじゃないですか。これをさらに減らしていくなんということになったら、とてもじゃないけれども、いま私が申し上げましたような、いまでも解決がつかぬところの大きな問題があるわけでありますが、その解決なんというのはつけようがないじゃないか、こう思っておりますので、それらの点につきましての局長の
考え方を承りまして、終わりたいと思います。