○和田(一)
委員 今日のわが国の社会情勢を見ますと、きわめて厳しい情勢ではないかと思います。内政面を見れば、経済成長というものも大変鈍化をいたしまして、この鈍化に伴ってここ三年来まれに見る長期不況の経済情勢である、財政もまた極端な悪化をしておる、こういった経済情勢に加えて社会構造そのものも非常に急速な高齢化社会への移行が始まっている、こういう現状でございます。そういう中で新しい
行政の需要というものの拡大もあるわけでございまして、そういったものへの対応の
必要性というものも求められている時代でございます。それから外に向かって
考えますと、世界的な経済情勢の悪化の中で、わが国の経済あるいは貿易、こういったものの摩擦も一段と激しさを加えておりますし、また国際社会の一員としてのわが国、特に自由主義陣営の中での一員として求められている役割りとその責任をどうやって果たしていくか、こういったものに対する負担の増大というものはふえつつあるのではないか、こういうふうに理解をいたしております。こうした厳しい情勢の中で、いまわが国がとるべき的確な政策、この選択を誤ると大変なことになる、こういうふうに
考えております。
そういう情勢を
考えまして、まず
国民がいま政治に期待しておるものは何といっても徹底した
行政組織の簡素化合理化、こういったことが急いで行われなければならないであろう、こういうふうに理解しているわけでございます。こうした基本的な
考え方を私
どもは持っておりまして、民社党は今日までこの行革については一貫してその
必要性を強く主張してまいったわけでございます。昭和五十六年に今度の
臨時行政調査会が発足をいたしまして、五次にわたった
答申が出されたということは、それでもわれわれの主張から言えば遅くはございましたけれ
ども、
政府が改革の必要を認めて具体的な対応を図られた、こういう点については私
どもは評価をいたしているわけでございます。
そういった中で五次にわたった
答申は、中身を見ますと、これは本来
行政改革の一番中心に据えられるべき機構そのものの簡素化、合理化、これが一番中心でなければならないと思うのですが、そういう大事な面での切り込みが少し足りないな、こういう感じがいたします。あるいは補助金だとか許認可、こういったものの改革について、地方分権を図るという
観点から見るとまだまだそこへの切り込み方も不十分である、こういった不満な点はありますけれ
ども、
行政改革の中心目標、柱というものを、活力ある福祉社会の建設、ここにきちっと求められたこと、そして国際社会に対する積極的な貢献を果たしていくために必要だ、こういう位置づけをされたこと、そしてさらに増税なき財政再建を推進していくんだ、この点を明確に打ち出しているということは私
どもは評価をするのにやぶさかではございません。全体としてそういったことを踏まえましておおむね妥当なものであるとは評価するわけでございます。
その臨調が解散をいたしました今日、その
答申の実行は、これはもうすべてその責任は
政府にある、私はそういうふうに思います。その大事な行革に対して、いま
国民も大変関心を深めて熱いまなざしでこの行革の成果を見ている、こういうふうに思うわけでございます。
答申は
政府における実行を求めておるわけでございますけれ
ども、その実行を推進していく立場と責任者である長官に、まず臨調
答申に対する評価と、それからこの行革を推進、実行していく責任者としての姿勢をお伺いしたいと思います。