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1983-04-26 第98回国会 衆議院 内閣委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十八年四月二十六日(火曜日)     午前十時三十五分開議  出席委員    委員長代理理事 愛野興一郎君    理事 佐藤 信二君 理事 田名部匡省君    理事 堀之内久男君 理事 矢山 有作君    理事 渡部 行雄君 理事 市川 雄一君    理事 和田 一仁君       有馬 元治君    池田 行彦君       石井  一君    今枝 敬雄君       亀井 善之君    始関 伊平君       谷  洋一君    吹田  愰君       堀内 光雄君    宮崎 茂一君       小川 国彦君    小野 信一君       山花 貞夫君    鈴切 康雄君       神田  厚君    榊  利夫君       中路 雅弘君    楢崎弥之助君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      丹羽 兵助君  出席政府委員         総理府恩給局長 和田 善一君  委員外出席者         内閣委員会調査         室長      緒方 良光君     ───────────── 委員の異動 四月二十六日  辞任         補欠選任   宇野 宗佑君     谷  洋一君   小渡 三郎君     今枝 敬雄君   上原 康助君     小野 信一君   嶋崎  譲君     小川 国彦君   木下敬之助君     神田  厚君 同日  辞任         補欠選任   今枝 敬雄君     小渡 三郎君   谷  洋一君     宇野 宗佑君   小川 国彦君     嶋崎  譲君   小野 信一君     上原 康助君   神田  厚君     木下敬之助君     ───────────── 四月二十二日  元日赤救護看護婦に対する慰労給付金に関する請願田口一男紹介)(第二四九四号)  同(上草義輝紹介)(第二五一一号)  同(平石磨作太郎紹介)(第二五二六号)  同(矢山有作紹介)(第二五二七号)  同(永井孝信紹介)(第二五四八号)  同(佐藤誼紹介)(第二六二一号)  同(浦井洋紹介)(第二六三七号)  同(上原康助紹介)(第二六三八号)  傷病恩給等改善に関する請願海部俊樹紹介)(第二六〇三号)  戦後処理問題として在外預送金に関する請願愛野興一郎紹介)(第二六〇四号) 同月二十五日  戦後処理問題として在外預送金に関する請願小沢貞孝紹介)(第二六五七号)  新潟陸運局の存置に関する請願小沢貞孝紹介)(第二六五八号)  同(中村茂紹介)(第二六五九号)  傷病恩給等改善に関する請願石川要三紹介)(第二六六〇号)  同(足立篤郎紹介)(第二七七二号)  同(田中龍夫紹介)(第二七七三号)  同(藤尾正行紹介)(第二七七四号)  元日赤救護看護婦に対する慰労給付金に関する請願小坂徳三郎紹介)(第二七七一号) は本委員会に付託された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  恩給法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案内閣提出第二二号)      ────◇─────
  2. 愛野興一郎

    愛野委員長代理 これより会議を開きます。  委員長の都合により、その指名によりまして私が委員長の職務を行います。  内閣提出恩給法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対する質疑は、去る十九日終局いたしております。  この際、本案に対し、中路雅弘君外一名から、日本共産党提案による修正案提出されております。  提出者から趣旨説明を求めます。中路雅弘君。     ─────────────  恩給法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案     〔本号末尾掲載〕     ─────────────
  3. 中路雅弘

    中路委員 日本共産党を代表して、恩給法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案趣旨説明いたします。  政府提出した今回の法案は、傷病者遺族特別年金年額四万八千円の遺族加算を行う、七十歳以上の長期在職の旧軍人等仮定俸給の格づけを引き上げるとしているだけで、人勧凍結口実にして、仮定俸給引き上げと、これに伴うその他の改定を一切盛り込まないなどというきわめて不当なものとなっております。  これは、国民生活水準国家公務員給与物価その他の諸事情変動に対応して恩給額改定すると定めた法の趣旨に反するばかりか、国民生活犠牲臨調路線を最優先させて、二百四十万余の恩給生活者の切実な願いを踏みにじる冷酷な措置と言わなければなりません。  これが本修正案提出する理由であります。  次に、修正案概要説明します。  第一は、恩給年額計算の基礎となっている一般文官及び旧軍人のすべての仮定俸給年額を、八二年度人事院勧告による行政職俸給表(一)の改善傾向恩給局の従来方式で回帰分析した結果に基づいて引き上げることです。なお、七十歳以上の旧軍人等に係る仮定俸給については、政府提出法案どおり、その格づけを一号俸引き上げることとしております。  第二は、普通恩給普通扶助料公務扶助料増加公死扶助料特例扶助料最低保障額及び増加恩給傷病年金特例傷病恩給年額並びに傷病賜金を、恩給局の従来方式により、それぞれ、仮定俸給の最高の引き上げ率四・九%と同率の引き上げを行うことであります。  第三は、傷病者遺族特別年金を四・九%引き上げた上、政府提出法案どおり年額四万八千円の遺族加算を行うことです。  第四は、扶養加給を八二年度人事院勧告による扶養手当額増額の例により引き上げることであります。  第五は、高額所得制限に係る改定以外の改定実施期日を本年四月からとしていることであります。実施期日については、一年おくれの是正を求めてきた従来からの本委員会附帯決議趣旨から言えば、昭和五十七年四月からとすべきではありますが、恩給局の従来方式による修正を行うとの前提修正案を取りまとめることとしたため、これをあえて本年四月からとしたのであります。  以上が、本修正案提出する理由修正案の内容の概要であります。  なお、本修正に伴う必要経費は六百億円弱と見込んでおります。  委員各位の御賛同をいただき、恩給年金生活者の切なる願いにこたえて本修正案を可決されることをお願いして、趣旨説明を終わります。
  4. 愛野興一郎

    愛野委員長代理 これにて修正案についての趣旨説明は終わりました。  この際、本修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。丹羽総理府総務長官
  5. 丹羽兵助

    丹羽国務大臣 本修正案については、政府としては反対であります。     ─────────────
  6. 愛野興一郎

    愛野委員長代理 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。渡部行雄君。
  7. 渡部行雄

    渡部(行)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、本案賛成するに当たり、本案の取り扱いについて本来あるべき姿を強調し、わが党の考え方を明らかにするため、討論を行うものであります。  まず第一の問題点は、年金たる恩給の額の改定については、恩給法第二条ノ二により、当然その前提となるべき人事院勧告完全実施措置がとられて、それに基づく全対象者恩給額改定を行うべきであり、それとあわせて今回の格差是正を行うべきであります。その際、今回行われようとする一号俸引き上げを二号俸引き上げにして、格差完全解消を図るべきであります。  しかるに、前述のような措置がとられず、今回のような格差号俸是正という不完全な措置に対しては、まことに遺憾至極であります。  第二の問題は、第九十六回国会において決議された附帯決議がほとんど実施に移されておらず、その不誠実さにはただただ慨嘆のきわみであり、国会無視もはなはだしいと断ぜざるを得ないのであります。  したがって、社会党は、次の通常国会に予定される恩給法等の一部を改正する法律案作成に当たっては、前述の諸点について実行に移されることを強く要望するものであります。  そこで、今回の改正案には多くの不備、欠陥があり、不満がありますけれども、これが全然改正されないよりは、格差是正だけであっても本案改正実施されることは一歩前進であり、対象者にとっても重大でありますから、恩給改善への過程における一段階と認め、ここに修正案反対し、原案賛成の意を表明するものであります。  以上で討論を終わります。
  8. 愛野興一郎

  9. 鈴切康雄

    鈴切委員 私は、公明党国民会議を代表いたしまして、恩給法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案に対し、賛成討論を行うものであります。  近年、恩給法は毎年改正され、国家公務員給与改定に基づき、恩給年額増額するとともに、戦没者遺族戦傷病者及び老齢者等に対する処遇改善措置を講じ、恩給受給者に対する処遇充実が図られてまいりました。わが党は、経済的基盤の弱いこれらの年金受給者に対しては、何はさておき、この年金の一層の充実を図るべきであると考えております。  しかるに五十八年度の恩給改善は、政府の五十七年度人事院勧告に基づく公務員給与改定の見送りに伴って、一つ長期在職の旧軍人等に係る仮定俸給改善二つ目には傷病者遺族特別年金改善の二項目のいわば格差是正措置だけで、恩給年額増額改定が見送られてしまったことはまことに残念であります。しかしながら、今回の恩給改善措置は、従来制度的にひずみとされてきたものであり、早急に改善されるべきものであると考えるものであります。  恩給年額改定については、総務長官大蔵大臣との了解事項もあります。でき得れば本年度の途中にもその増額改定が行われますよう特段の努力を政府に要請し、本法案賛成討論を終わります。
  10. 愛野興一郎

  11. 和田一仁

    和田(一)委員 私は、民社党国民連合を代表し、ただいま議題となりました恩給法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案につき、賛成の意を表します。  わが党は、恩給社会福祉政策上重要な制度一つとして位置づけ、その充実を求めるものであります。しかるに、昭和五十七年度人事院勧告が折からの厳しい財政事情理由政府により凍結され、国会公務員給与ベースアップが見送られたことに伴い、恩給年額増額戦没者遺族及び戦傷病者等処遇改善が一部を除いて据え置かれたことをまことに遺憾とするものであります。  もとより、人事院勧告制度労働基本権制約代償措置として維持、尊重されるべきであり、まして恩給退職者老齢者対象とするものであって、厚い配慮が必要とされるものであります。  しかしながら、かねてより懸案の長期在職老齢軍人等に係る仮定俸給傷病者遺族特別年金の二点につき、改善が図られることを評価するにやぶさかではありません。  昭和五十八年度の人事院勧告完全実施と、今後それに伴う恩給改善が図られることを強く要求いたしまして、賛成討論といたします。
  12. 愛野興一郎

  13. 榊利夫

    榊委員 私は、日本共産党を代表して、恩給法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案及びこれに対する日本共産党提出修正案に関して、一括して討論を行います。  わが党は、政府提出の今回の法案には反対であります。  第一の理由は、人事院勧告凍結口実にして、恩給ベースアップとこれに伴う他の改定を一切盛り込まなかったことであります。これは、国民生活水準国家公務員給与物価その他の諸事情変動に対応して恩給額改定すると定めた法の趣旨に反するものであります。本法案の審査でも明らかにされたように、人勧を凍結したから恩給ベースアップを中止しなければならないとする必然性は、どこにもないのであります。  第二の理由は、今回のこの措置が、大軍拡と財界奉仕のツケを行財政のあらゆる分野で国民にしわ寄せするいわゆる臨調行革路線を最優先させ、恩給年金受給者の切実な願いを真っ向から踏みにじるなど、許しがたい措置だということであります。  第三は、傷病者遺族特別年金への遺族加算及び七十歳以上の長期在職の旧軍人等仮定俸給の格づけ引き上げを、臨調路線に沿って本年十月及び十二月から実施としていることです。これらの実施は、当然本年四月からとすべきものであります。  次に、共産党提出修正案でありますが、この修正案は、反動的、反国民的な臨調行革路線にきっぱり反対し、恩給年金受給者の切なる願いにこたえるものであり、国民生活の安定と向上を願う国民ならだれもが支持するきわめて当然の修正案であります。  以上、政府提出法案に対する反対理由と、共産党提出修正案に対する賛成理由を述べて、討論を終わります。
  14. 愛野興一郎

    愛野委員長代理 これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  15. 愛野興一郎

    愛野委員長代理 これより採決に入ります。  まず、中路雅弘君外一名提出修正案について採決いたします。  本修正案賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  16. 愛野興一郎

    愛野委員長代理 起立少数。よって、本修正案は否決されました。  次に、原案について採決いたします。  恩給法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  17. 愛野興一郎

    愛野委員長代理 起立多数。よって、本案原案のとおり可決すべきものと決しました。     ─────────────
  18. 愛野興一郎

    愛野委員長代理 ただいま議決いたしました本案に対し、佐藤信二君外五名から、自由民主党日本社会党公明党国民会議民社党国民連合日本共産党及び新自由クラブ民主連合共同提案による附帯決議を付すべしとの動議提出されております。  提出者から趣旨説明を求めます。矢山有作君。
  19. 矢山有作

    矢山委員 ただいま議題となりました自由民主党日本社会党公明党国民会議民社党国民連合日本共産党及び新自由クラブ民主連合各派共同提案に係る附帯決議案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     恩給法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について速やかに善処すべきである。  一 恩給実施時期については、現職公務員給与との遅れをなくすよう特段配慮をするとともに各種改善を同時期に一体化して実施するよう努めること。  一 恩給最低保障額については、引き続きその引上げ等を図ること。  一 扶助料については、さらに給付水準実質的向上を図ること。  一 戦地勤務に服した旧日赤看護婦及び旧陸海軍看護婦に対する慰労給付金増額検討すること。  一 恩給受給者に対する老齢福祉年金支給制限を撤廃すること。  一 外国特殊法人及び外国特殊機関の未指定分の件について、速やかに再検討を加え適切な措置を講ずること。  一 現在問題となつているかつて日本国籍を持つていた旧軍人軍属等に関する諸案件解決済みのものを除く。)について検討を行うこと。   右決議する。  本案趣旨につきましては、当委員会における質疑を通じてすでに明らかになっておることと存じます。  よろしく御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  20. 愛野興一郎

    愛野委員長代理 これにて趣旨説明は終わりました。  採決いたします。  本動議賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  21. 愛野興一郎

    愛野委員長代理 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、総理府総務長官から発言を求められておりますので、これを許します。丹羽総理府総務長官
  22. 丹羽兵助

    丹羽国務大臣 ただいま御決議になりました事項につきましては、御趣旨を体し、十分検討してまいりたいと存じます。     ─────────────
  23. 愛野興一郎

    愛野委員長代理 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 愛野興一郎

    愛野委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ─────────────     〔報告書は附録に掲載〕     ─────────────
  25. 愛野興一郎

    愛野委員長代理 この際、暫時休憩いたします。     午前十時五十二分休憩      ────◇─────     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕