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1983-04-28 第98回国会 衆議院 逓信委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十八年四月二十八日(木曜日)     午前十時十一分開議  出席委員    委員長 左藤  恵君    理事 加藤常太郎君 理事 畑 英次郎君    理事 吹田  愰君 理事 阿部未喜男君    理事 鈴木  強君 理事 竹内 勝彦君    理事 西村 章三君       秋田 大助君    亀岡 高夫君       鴨田利太郎君    高村 正彦君       近藤 鉄雄君    佐藤 守良君       丹羽 雄哉君    福永 健司君       水野  清君    渡辺 紘三君       武部  文君    楯 兼次郎君       森中 守義君    大橋 敏雄君       中井  洽君    藤原ひろ子君       村上  弘君    依田  実君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 桧垣徳太郎君  出席政府委員         郵政大臣官房長 澤田 茂生君         郵政省電気通信         政策局長    小山 森也君         郵政省電波監理         局長      田中眞三郎君  委員外出席者         日本電信電話公         社総裁     真藤  恒君         日本電信電話公         社総務理事   山口 開生君         日本電信電話公         社営業局長   信澤 健夫君         日本電信電話公         社経理局長   岩下  健君         逓信委員会調査         室長      芦田 茂男君     ───────────── 委員の異動 四月二十八日  辞任         補欠選任   山下 徳夫君     高村 正彦君 同日  辞任         補欠選任   高村 正彦君     山下 徳夫君     ───────────── 四月二十七日  電電公社分割民営化反対に関する請願(林百郎君紹介)(第二九一六号)  重度障害者に対する郵政行政改善に関する請願梶山静六紹介)(第二九一七号)  同(草野威紹介)(第二九一八号)  同(佐藤誼紹介)(第二九一九号) は本委員会に付託された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  公衆電気通信法の一部を改正する法律案内閣提出第一五号)      ────◇─────
  2. 左藤恵

    左藤委員長 これより会議を開きます。  公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中井洽君。
  3. 中井洽

    中井委員 法案質疑に入ります前に電電公社お尋ねをいたしますが、現在もまだ燃え続けております岩手県の久慈地方火事に対する非常災害通信網確保ということでございます。被害に遭われている皆さん方に対して心からお見舞いを申し上げますが、こういう災害被害非常事態のときには、何と言いましても情報通信網確保が一番大事なことは言うまでもありません。現在あの火事に遭っている地方通信網確保されておるのかどうか、あるいはどういう態勢で公社の方はお取り組みをいただいておるのか、わかる範囲で結構でございます、御報告を願います。
  4. 山口開生

    山口説明員 お答えいたします。  昨日、二十七日、異常乾燥と強風によりまして東北地方岩手県の久慈中心としまして、その他宮城県、青森県、山形県等で十数地域林野火災が発生しております。現在までわかっております私ども情報では、全体で約四百の加入者が故障をいたしました。設備では架空ケーブルが約五千メートル焼失しておりますけれども職員約五百名が直ちに出動いたしまして、臨時公衆電話等の開通に当たりますとともに復旧作業を行っております。現在、本日いっぱいあるいは遅くとも明日中にはほとんど復旧できる見込みになっております。  なお、停電もございまして、東北地域全体で停電局所が約二十カ所程度ございましたけれども、特段に通話に異常は発生しておりません。そんなような状態でございます。
  5. 中井洽

    中井委員 素早く御対応いただいているように聞かしていただきまして安心いたしておりますが、今後とも災害時における非常災害通信網確保、こういったものにゆめゆめ御油断のない形で御準備いただきますように、強く要望を申し上げておきます。  法案質疑に入らしていただきます。時間が三十分ということでございます。簡単に申し上げたいと思います。  五十二年度以来六年連続で黒字確保され、今回の遠距離料金値下げ、こういう形になったわけでありますが、この間の電電公社黒字原因というのは、公社自身の御努力もあったでありましょうが、実際には電話料金収入予想しておったよりかはるかに多いということであるのでありましょうか、あるいはまた、五十一年度の値上げが少し大き過ぎたのじゃなかったか、こういう感じもあるわけであります。こういう形で毎年毎年黒字が出てくる、これは大変結構なことでありますが、還元をもしなければならない形での黒字が出る、これはどういうことが原因だと電電公社の方ではお考えでしょうか。
  6. 岩下健

    岩下説明員 お答えいたします。  五十一年の十一月に法律を改正させていただきまして値上げを実施いたしました。そのときの考え方は、五十一年から三年までの三年間を一応料金算定期間にしまして、この間の一応発生するだろうと予想された赤字の額、それからまた、四十九年、五十年の二年間の現実に発生した赤字の額、これを補てんする、同時に、お客様サービスの拡充、改善につながる設備投資財源もこの料金をもって一部を賄うということで、当時の料金水準を決定させていただいたわけでございます。  その後の推移を見ますと、先生御指摘のように、五十二年度以来、五十七年度見込みを含めまして現在順調に推移してきておりますけれども、これは収入サイドで言えば、基本的にはお客様の御利用に支えられたということになるわけでございます。新しいサービスに対する要望に対して、公社もできるだけ的確な新規サービス新規の機器の発売を行うといった形でこたえました。また、現場職員販売努力というものも、大変おこがましいのでありますが、これを多分に支えておったように思います。  片やまた、費用サイドを見ますと、当時予想をしたよりももっと低成長といいますか安定成長に移りまして、物価の鎮静化があったということもかなり大きな一因かと思います。加えて、各機関における経費の安易な使用を戒めるということ、特にここ二年来、月次決算制度等を軸にしましていろいろないわゆる効率化施策を実施してまいりました。こういった収支両面にわたるものが、お客様の御利用を基礎として現在のようないわば黒字の基調を生んできたというふうに考えられております。  そこで、こうした経営努力も含めました成果というものは、まずもってお客様に、利用者方々還元をするのが筋だと思っておりまして、そういった考え方に基づきまして、従来からの課題でありました遠近格差是正のための第一弾で五十五年十一月の夜間料金値下げ、また第二弾として一昨年夏の遠距離料金値下げ、また第三弾として今回の法律改正をお願いしておるということでございます。
  7. 中井洽

    中井委員 今後も合理化努力あるいは収入増加努力、これは引き続きおやりをいただけるものだと考えますが、電話の需要の伸びあるいは電話料金収入伸び、これは後どのぐらい、どういう形で続くと公社の方では予測をされておるのですか。
  8. 岩下健

    岩下説明員 将来の収入予測、予見が多うございまして、なかなかむずかしいのでありますけれども、大きく言って二つファクターがあろうかと思います。昭和四十年代までは明らかにそうだったのでありますが、一つは、量的な拡大でありまして、加入電話増加が年率二けたで伸びる。収入全体の九割方をこの電話収入で占めます関係で、事業収入全体も二けたの伸びがございました。五十年代に入りましてから、電話の需給の均衡化とともに電話の数自体の伸びは数%、一けたに落ち込みまして、たとえば今年度あるいは五十七年度については三%台でございます。したがいまして、電話の数の増加による収入伸びというものは、恐らく今後もそう大きなものはなかろうと思います。  もう一つファクターは、従来の形の電話の使い方以外の新しい電話の御利用形態、さらには電話以外の、私ども電話系と呼んでおりますけれども、データ通信あるいは特定通信回線利用といった、あるいはファクシミリもそうでございますが、非電話系中心とした収入伸びというものが二番目にございます。これについては比較的順調といいますか、高い伸び率を示しておりますし、今後もこの技術開発、新しいサービス開発中心として、これをぜひ進めてまいりたいと思っております。  しかし、同時に、この分野競争分野でもございます。したがいまして、私どもとしましても、一般の民間の業者の方々に負けないような競争体制をつくりながら、このサービス販売については努力しなければいけないと考えておりますが、いずれにしても、電話、非電話系サービスを通じまして、現場職員努力というものを踏まえた上で、管理部門も新しいサービスの創設、制度の見直しといったものによって総合的な力を発揮して、今後も収入確保に努めたいというふうに考えております。
  9. 中井洽

    中井委員 公社の方では、今回の遠距離料金格差是正によりまして、料金体系として、世界と比べてもあるいは他の民間会社と比べても、基準はないけれども、大体合理的な料金体系となった、このようにお考えでございますか。
  10. 信澤健夫

    信澤説明員 お答えいたします。  ただいまの日本電話料金体系の諸外国に比べての問題点は、大別しますと、遠距離料金がほかの諸外国に比べてちょっと高いという問題と、逆に近距離は、市内通話料金も含めまして、諸外国に比べてかなり割り安になっておるということ、それと関連して、近距離市内通話とその隣の地域通話との間の格差がかなりあるということでございます。それで、その問題点の中で、今回は遠距離料金に焦点をしぼりまして料金値下げ改定をさせていただくわけでございますけれども、これによって、諸外国に比べて遠距離料金水準はそれほど大きな差はなくなったというふうに考えております。
  11. 中井洽

    中井委員 郵政省お尋ねをいたします。  電電公社が、営業努力あるいは合理化といったことによって思いもかけない利益というものを生み出していく。そのときに、公社というものの性質からいって、もうけというものを余り生み出してはいけないものだとお考えなんでしょうか。それとも、もうけというものを公社努力によって生み出したことは大変結構だ、それはサービスとしての国民への還元あるいは公社職員待遇改善、こういった形で公社が独自に判断をしてその利益を使っていける、このように郵政省はお考えでしょうか、どうでしょう、どちらでしょうか。
  12. 小山森也

    小山政府委員 お尋ねの、二つのどちらかというのはなかなかお答えしにくい点だと思います。ただ、公社現実利益というのは、技術革新の問題とお客様努力、それと職員のその技術革新に対応するそういった努力というものによって確かに支えられていると思います。  それでは、その利益をどうするかということでございますが、これは公共料金によって支えられているというところから、公共料金というのは、最終的になるべく使いやすい形で、いつも御利用皆様方還元していくべき性格のものだろうと思います。  ただ、しかしながら、還元の方法といたしまして、直接料金を下げる直接的な手段と同時に、これから先も良質通話等、いわゆる電気通信の質を維持していく、また現在多くの債務を抱えておりますが、それを返すことにする、またこれから先への投資を確実にしておくということは、結果的には、債務負担利子負担が減るということは、御利用皆様方負担が減るということにつながりますし、それから良質通話等を維持するための設備投資というものも、御利用皆様方還元していくということになろうかと思います。したがいまして、いろいろな具体的な手段はあろうかと思いますけれども、最終的には電気通信事業、特に公社形態を支えてくださっております御利用皆様方に、いろいろな形でもって使いやすい形の電気通信事業体を維持していくということが図られなければならない、かように思っております。
  13. 中井洽

    中井委員 そうしますと、いまの郵政省お答えのような形で利益が使われていく、こう解釈をいたしますと、国庫納付金といって、この四年間特に前倒しを含めて四千八百億円ですかやられましたが、この国庫納付金というのはどういうふうに理解をすべきなんでしょうか。
  14. 小山森也

    小山政府委員 臨時国庫納付金は、法的には昭和五十六年の法律によりまして特例法措置されております。法的な問題はそれでもって解決しているわけですが、ただしかし、これはあくまでも例外的な措置である、やはりこういったものは御利用皆様に返していくというのが本来の精神であろうと思います。したがいまして、国家の非常に破滅的な財政状況となりますと、公的な機関でありますので、それはある程度公社立場から、国家全体のためにやむを得ないという形でお願いしたわけでございますけれども、このような状態が一日も早くなくなるということを願望しているところでございます。
  15. 中井洽

    中井委員 大臣、ひとつお答えをいただきたいのですが、時勢というもの、あるいは科学技術にマッチしたということもありますが、電電公社そのものの御努力あるいはサービス向上、こういったことによって利益を生み出していく。その生み出された利益が、電電公社そのもの体質強化あるいは職員への還元あるいは利用者への直接還元、こういうことに使われずに、国が貧乏だからという形で納付金として取り上げる。これは法律で決まったことだと言えば決まったことでありますが、このことは電電公社、そこに働く人たち大変無気力感といったものを生み出すのじゃないかと私は心配をするわけでございます。  公共料金利益還元ということについて、私どもはいつでも電力料金の問題にぶつかるわけでございます。電力の場合には、為替差益あるいは石油原価値下げ値上げ、こういったことによって料金が常にいろいろと議論の対象になるわけです。かつてオイルショックのときに、戻すのだという形で料金を戻した。しかし、それが結果的には一家庭三百七十円ぐらいという形になって、いまになって思うと、あのときにたとえば東京都の電柱だけでも地下へ埋めるというようなことに金を使えなかったか、こういう思いが痛切にするわけでございます。  そういった意味で、国庫臨時納付金というものはもうすでにやられているわけでありますから、そのことについてとやかくは言いませんが、電電公社努力して利益を生み出した分について今後こういった形でわけのわからないところへというのはおかしいですが、国庫例外的というお話でありましたけれども、一度つくった例外というのは往々にして続けられるのがいままでの政府財政の姿でございます。現実にいまの赤字国債の発行だって、一番初めに始めたときは例外ということで始めたのでありますが、ずるずると百数十兆円の残を残すような莫大なものになってしまっているわけであります。これを続けていきますと、電電公社そのものが幾ら努力したって仕方がないじゃないか、こういう空気が蔓延をする、このように思います。特に連休明けから国会へおりてまいります年金の問題なんかも、電電公社の下部あるいは職員の中で、働く意欲を大変喪失する、そういう形で受けとめられているわけであります。電電の職場のまじめな人たちにしてみれば、何か働いたら国に持っていかれる、年金国鉄だ、そうすると国へ持っていかれたお金というのは国鉄へ回っているのじゃないか、電電公社は働いて働いて国鉄を助けるためにやっているのか、そして給与国鉄と横並びだということで、もうけていようともうけていなくても同じ率で上げられていく、こんなばかなことなら働かなくてもいいじゃないか、こういう空気が非常に出ているわけでございます。郵政省は、郵便事業電電、この二つは第二の国鉄になるまいということで必死に労使で御努力をいただいておる、このように思います。この努力がむなしくなるような形の国の政策の押しつけは決してやるべきではないと私は思うわけであります。  そういった意味で、五十九年度で終わるということになっております国庫納付金はこれ限りにしていくのだ、そういう努力郵政大臣として極力する、こういった言葉をひとつ聞かせていただきたいと思うのですが、いかがですか。
  16. 桧垣徳太郎

    桧垣国務大臣 電電公社からの国庫納付金の問題につきましては、経緯はいま局長からお答え申し上げたとおりでございまして、国の異常な財政危機ということに対応いたしますために、私は率直に言いまして、これはもう背に腹はかえられないというやり方であると思うわけでございます。財政運営に必要な財源確保を図るための特別措置に関する法律ということであの四千八百億の納付金が決まったわけでございますが、これはあくまでも臨時特例的なものであると理解すべきものだと私は思います。そもそも電気通信事業というのは財政確保のための事業ではないわけでありまして、良質電気通信をあまねく国民に提供するということが任務であるわけでありますから、財務もまたそれに対応するような財務でなければならぬと私は思うわけであります。でございますので、このような異例の措置をとる必要のないような財政再建の道を早く実現してほしいと私はこいねがっておるわけでございます。郵政大臣としては重ねて国庫納付金を取るというようなことは考えてないということをお答えいたしたいと思います。
  17. 中井洽

    中井委員 もう時間がございませんので、電電公社総裁一つだけお尋ねを申し上げます。  先ほどもちょっとお尋ねをしまして、大体いつぐらいまでという話が出てこなかったわけでありますが、電話料金電話収入伸びというのはもうそろそろ頭打ちに来たのじゃないか。電電公社の一番つらいところは国際電話という部門を持っていないということである。日本においてこれから通信部門伸びていくとすればこの国際通信部門で、国内通信ということに関してはもう収入としては頭打ちになっている、このように思うわけであります。総裁御就任以来、内部におきまして、民間の頭脳あるいは民間産業考えという形でいわゆる公社的な感覚の打破に努められ、そしてその中でずいぶん合理化をしてお金を浮かされた。また、これからもそういう御努力をいただけると思いますが、それもいつまでも年間数百億、数千億という形で出てくると私どもは思わないわけでございます。やがてどこかで頭打ち状態が出てくる。これにどういう形で総裁として対応されていこうとされておるのか。新会社へあるいは新しい形態へとか、臨調あるいはいろいろなところで議論があります。総裁としてはどういうお考えをお持ちでしょう、お聞かせをいただければありがたいと思います。
  18. 真藤恒

    真藤説明員 いま御質問の中にありましたように、現在私どもがやっておりますのは、現在の公社制度の中で許されることをやっているわけでございますが、いまお話がありましたように、合理化と言うとちょっとあれですが、合理的な運営でむだな経費を外していく、落としていくというのでは、かなり浅いところに限度があるというふうに考えております。もっとできることが制度なるがゆえにできないということがあちらこちらに歴然とあるように私は個人的には思っております。  それともう一つ電話収入伸びの方でございますが、現在のところ収入伸びておりますのは、絶対額は少ないのでございますけれども、さっき申しました非電話系サービスの方の収入がまだかなり高い伸びで進んでおりますので、これが実は思ったよりも収入がふえるという現象の一部分でございます。  それともう一つ料金を下げてまいりますと何とはなしに通話時間が延びておるということがもうはっきり数字の上に出ております。したがいまして、通話の回数はさほどふえておりませんが、通話時間が延びているために収入がふえておる。だんだん世代が変わっていくに従いまして、電話というものを最小限度の時間で済ますという習慣がとれていくような傾向もございまして、私どもの孫のゼネレーションになりますとかなり長時間電話を使って平気でおる。こういうふうな現象もやはり、予想よりも一%なり何なり伸びが高いという一つ原因になっておるかと思います。  もう一つ、いまさっき触れましたが、これからいわゆる高度情報通信網の方向へ移っていくということ、これは経営形態のいかんにかかわらず、社会的な御要求に応じて私どもがやらなくちゃならぬ問題でございますし、これはまた国際的な立場で見ますと、これがおくれていきますと日本の社会全体の生産性というものにも非常に大きな影響を及ぼしますので、できるだけ早くいいものをつくっていかなければなりませんが、これを上手に皆さんの御要求にきちっとはまるようなふうに持っていくということで増収はある程度は期待できると思いますので、そういうことを見ながら、今後かじを取っていかなければいかぬのじゃないかというふうに考えております。
  19. 中井洽

    中井委員 ありがとうございました。終わります。
  20. 左藤恵

    左藤委員長 次に、村上弘君。
  21. 村上弘

    村上(弘)委員 電電公社の五十五年度の収支差益が三千八百八十一億、五十六年度が三千五百五十八億、五十七年度の予想についてはいろいろな報道もありますが、三千二百億程度というのもありますが、五十七年度についてはどの程度差益予想していますか。
  22. 岩下健

    岩下説明員 お答えいたします。  収入面につきましては、二月末現在で一千億余り予算に対する増収がございますし、また経費につきましても、恐らく一千億程度予算に対する節減が可能かと思っておりますので、これから二月、三月の特にこの支出の状況等が不確定でございますのではっきりしたことは申し上げにくいのでありますが、いまの時点では少なくとも三千二百億程度収支差額確保できるのではなかろうかというふうに考えております。
  23. 村上弘

    村上(弘)委員 依然として高収益と言えると思いますし、それが続いておるわけですが、私五十六年四月十六日のこの委員会での質問で、この高収益原因はどこにあるかということについて、第一はやはり高い電話料金体系、第二は公社職員の低賃金、当時生活保護基準並みということも数字を挙げて指摘したわけですが、したがって、こういう高収益職員給与待遇改善や、そしてもう一つは、設備料だとか基本料金などを含む全面的な料金値下げによって国民還元すべきものであるということを主張したわけなんです。  ところで、公社が出している「図説電信電話サービス」という資料によりますと、住宅用電話が五十七年度で二千八百万ですね。五十八年度二千九百万、これは予想ですが。約三千五百万世帯と言われている国民状況から見ると、単純計算でいえば六百万世帯前後が電話を設置してないということになるわけで、もちろん事業用住宅用併用もあるでしょうから、半分に見てもやはり三百万世帯あるいは住宅電話を設置してないということになるし、また、この資料電話普及率を見ても、人口百人当たり四十七・九個と世界では十一位で、そう高くないのですね。カナダ、オーストラリア、フィンランドよりも少ないわけで、私ちょっと驚いているのです。電話即時自動化が全国的に完了して久しい状況のもとで、なぜこういう状況なんだろう、これはつまり、電話は本当は欲しいんだけれども設備料八万円がない、あるいは一遍に払えないとか、かけないときがあっても基本料を払わなくちゃならぬというような問題があるからではないかというように思いますが、こういう点、どう見ていますか。
  24. 信澤健夫

    信澤説明員 お答えいたします。  いまの日本電話普及率は、いま先生おっしゃいましたように、百人当たり四十七、八というような状態でございますが、この二十年間における普及率の向上傾向は諸外国に比べると異常なほどに高くなっておりまして、ランクとしてみますとまだ十一位ということでございますけれども普及率から見た国際水準というのも年々逐次向上していくものと考えております。  それから、いまお話しの設備料でございますけれども設備料というのは、本来加入電話新規加入の際、工事をして電話利用できるようにするために払っていただく一回限りの料金ということでいただいておるわけでございますけれども、これは一回限りの負担でございますし、加入者としての地位を永久にそれによって取得できる、それから、全国どこへでも引っ越しをされる場合には電話の移転というのもできるというようなシステムになっております。ということもございますし、それから、やはり公社としても新規架設に必要とする経費というのはかなりな工事費を要するわけでございます。もちろん、これから将来のことを考えますと、やはり公社としては、できるだけ安い料金で便利に電話をお使いできるようにしていかなければいけないということが公社の使命でございますから、将来の問題としては、できるだけ負担は軽減する方向で持っていく必要はあろうかと思いますけれども、現在の設備料につきましては、いろいろ福祉関係の方々については公的な負担をいただくとかあるいは分割払いをいただくとかというようなこともやっていただいておりますので、設備料につきましては当分現体系の中でやらせていただぎたいと思っております。
  25. 村上弘

    村上(弘)委員 目の子算で約三百万の住宅もしくは世帯が、電話を欲しいけれども引いてない状況があるのではないか、その根拠はそういう設備料などの壁があるからじゃないかという問いには答えてないのですね。したがって、それは客観的にはそういうことは認めていることになるんじゃないかと思うのですが、公社としてはINS、高度情報通信化ということにえらい力を入れておる。それ自体の意味は別にしても、それほどの高度化を一方では追求しながら、そしてそれを展望しながら、遠近格差是正というようなことをやっておるわけですが、その遠距離を下げるということ自体はいいことではあるのですが、そういう中で、一方では設備料だとか基本料が払えないから電話の設置すらできないという状況が、先進国とよく言われる日本でまだそれだけの数が現にあるという問題については、これは総裁も真剣に考えていいことじゃないか。そして、そういう点では、アメリカなど設備料を取っていないわけでしょう、本来設備料はもう全廃していいんじゃないかというように思いますし、いまの段階ではということを言っていますが、もっと全廃もしくは思い切ってこれを下げるということをやるべきではないかということについての総裁考えをひとつ聞いておきたい。  それからもう一つ、いま分割払いの話も出ましたけれども、最近の報道によると、月賦百貨店の丸井が、電話を引きたいがまとまったお金がないという学生や若いサラリーマンやOLを主な対象にして、電話をローンで設置するという事業をもうすでに開始した。初年度で年商約十億の取扱高を見積もっているわけですから、東京で約一万口ローンで電話を開設しようということも事業として始めているわけですね。民間ですでにこういう動きが出ておるほどにやはり設備料というものはネックになっておるし、実際に電話は実は必要なんだという状況に対しては、よく民営を口にするようないまの風潮の中で、公社の対応としてはきわめて立ちおくれておるんじゃないかというような気もするので、いまの設備料の分割払い制度は主として福祉関係などにやっていますが、もっと思い切って一般に分割払いもやるということもやってはどうか。その二点、設備料思い切った廃止もしくは引き下げ、それを積極的にやるという問題についての考えと、分割払いをさしあたりもっと広げたらどうかという二点について……。
  26. 信澤健夫

    信澤説明員 従来、加入電話新規にお申し込みになる場合に御負担いただく料金としては、設備料と加入料と債券がございました。東京の場合には十五万円の債券を御負担いただくというのが制度としてあったわけでございます。先般、法案成立していただぎましたが、この債券制度がこの四月からなくなりまして、加入者方々電話利用される方々にとってはかなりこれで便利になられるのではないかというふうに考えております。これからは設備料、加入料ということで御利用いただくことになるわけでございますけれども、分割払いにつきましては、福祉関係だけでなく身障者等の特殊な事情におありの方については現在実施しておるところでございます。こういう必要なものについては、今後料金体系全体を考えていく中で検討をしていく必要がある問題かと思っております。
  27. 村上弘

    村上(弘)委員 いつも将来ということで、完全否定はしてないけれども、いつやるかわからぬような話なんですね。民間電話をローンで設定する事業まで始めておる状況のもとで、このごろは小包なんかでもずいぶんそういう面では郵政が立ちおくれるというような問題が出るぐらいで、いろいろな面でこういう点では古い独占体制、しかも電話を申し込んで何カ月もかかる時代の高料金体系をいまでも維持しておって、債券を外したことがまるで一つサービスであるような言い方では、非常に感覚がおくれておると思いますね。  それでは、福祉電話についてお聞きしますけれども、一応公社も福祉関係の機器の開発や付加使用料の引き下げ、点字電話帳とか車いす用公衆電話とか、いろいろな努力をしている点は評価をするわけですが、しかし、福祉電話の普及は余り進んでいないわけですね。全国の自治体でいまやっているのが五六%ですから、四四%の自治体ではこの福祉電話を扱っていない。つまり、やはり三分の一負担というのがネックになっておると思うのですね。  そこで、これは朝日新聞の三月十日付ですか、「電話料金のシルバー割引を」「「難しい」と公社、福祉電話の実施が筋」というところで、「地域によって福祉電話の恩典にあずかれないお年寄りなどがあるところが問題だ。厚生省でも、国の制度地域によって実施されないというのでは公平の原則に反する」、こういうように言っているのですね。つまり、四四%の自治体では福祉電話制度それ自体がないから、地域によってお年寄りが、これによると、突然の目まいで連絡がとれなくて心細い思いをした、やはり電話を引きたい、しかし福祉電話制度がこの自治体にはないからということで、こういう問題が起こっているわけですね。  そこで、まとめて三つほど聞きたいのですが、いまの福祉電話設備料、これはやはり自治体が三分の一負担することになるわけで、こういうものについて公社でもっと思い切って減免してはどうか。いま設備料問題について、福祉についてはという話があるわけですが、これが一つ。それから、基本料金や度数料の一定枠についても、自治体負担でなく公社の方で減免してはどうか。第三は、ファックスなどの非電話系サービスですね。聾唖者、口や耳の不自由な人の交流に欠かせないものですね。こういう面のサービスをもっと考えてはどうかというように思いますが、その点はどうですか。
  28. 信澤健夫

    信澤説明員 お答えいたします。  福祉政策といいますか、福祉対策というものは、本来国、地方公共団体の行政サービスに属する事柄でございまして、その中で考えていただくべき問題であろうと公社としては思っております。利用者からの料金収入をもとに独立採算で事業経営を営むということが本則であります公社としては、公社自身がそのような施策をとるべぎではないのではないかというふうに思っております。  そういう考え方から、基本料通話料、そういった利用者のすべての方々負担していただくことを原則にしている基本的な料金については割引をするということは考えておりませんけれども公社としても、できるだけのそういうハンディキャップを負った方々に対する協力をするという意味から、シルバーホン「あんしん」、そのほかいろいろな、体のぐあいの悪い方々が御利用になるような機器をできるだけ低料金開発をするという努力は続けてまいっておりますし、今後も続けていきたいと思っております。そして、そのような方々がお使いになる料金については半額程度で御利用いただけるようにしておるところでございます。  それから、いま先生がおっしゃいましたファックスなど非電話系の商品でございますけれども、これにつきましては、ファックスはちょっとこれは一般的なものでございますけれども、非常に会話が不自由な方々のための簡易型の、何といいますか、手で書いた文字が送れるというような、そういう簡易ファックス的なものにつきましては、これは身障者の方々がお使いになりやすいようなものを早く開発したいということで、いま開発努力は鋭意進めておるところでございます。
  29. 村上弘

    村上(弘)委員 いつも公社独自にはやらぬという考え方を述べるのですが、それはしかし、他の国鉄やあるいは道路公団その他のやり方に比べて、著しく福祉に冷たいところだという印象をいつも強くしております。しかし、いまもう分割払いは身障者やあるいは生活困窮者に対してやっているということから言えば、実際には完全にそうであるとも言えない面もあるので、一歩は踏み出しておる面もあるんじゃないかと私は思うのですが、それをもっと数歩進めてはどうかと言いたいですね。  せめてこういうことはやれないかということでちょっと聞きたいのですが、吹田市のいま福祉電話で四十三台、これはそのうちの三台ないし五台は局預けになるんですね。お年寄り福祉電話が不要になるときがありますから、それは局預かりになっておる。それで、また必要になったらそれを回す、こういうことになるのですね。そのときに、局預けになったときは基本料金がまた事務用の料金になるんですね。それはまさにしゃくし定規のきわめて官僚的なところやなということで、不合理きわまると市役所の職員は言っておるのですね。せっかく福祉電話住宅料金にしておきながら、局預けの間は事務用料金に戻るなどというようなことぐらいはやめて、そこで知っておるかどうか知らぬが、これは住宅用として継続する、一定の数が登録されておるんだろうからね。せめてそれぐらいやってはどうですか。
  30. 信澤健夫

    信澤説明員 福祉電話基本料につきましては、五十六年に公衆法を改正いたしまして、その年のたしか八月だったと思いますけれども、市町村名義であっても住宅用の料金を適用するということで実施をしておるところでございます。いま先生の御指摘のケースにつきましては、ちょっと私ども定かに把握しておりませんので、それは直ちに調べまして、適切な措置をとりたいと思っております。
  31. 村上弘

    村上(弘)委員 それはぜひ善処してほしいと思います。  それから、遠近格差問題もあるわけですが、日曜・祝日の割引だとか夜間割引だとかいう問題についてもまだまだ不満が強い。これは自民党の電電基本問題調査会料金問題小委員会が依頼した「通話料金体系に関する利用者へのアンケート調査結果について」という資料がありますが、それによっても、夜間割引、深夜割引あるいは日曜・祝日割引については、大体三割から五割母親モニターは不満を持っておりますね。事業所ではこれも四割合不満があるということが、これは自民党がやった資料にも出ておるわけですが、その理由は、まずは六十キロ以内に適用されない不満、これが五割ある。これは西独、フランスなどでは全市外を対象にしているし、イギリスなんかは市内も対象にしておりますね。第二は、午後七時以後と時間が短い。これはアメリカなんか夕刻割引ですね。午後五時以後というのがありますね。それから第三は、土曜日も適用すべきじゃないか。これは西欧は大方土曜日も割引をやっていますね。第四は、割引率が少ない。こういうことが言われておるわけですね。近距離が安いからだとか、トラフィック上どうだとかいう答えもあったみたいですが、ちょっとこれは論拠が弱いんじゃないかと思いますが、こういう点は、距離の面も時間の面も土曜日も割引率も、もう一遍見直しをやってもっと改善したらどうか。グループ料金制も将来、いつもここで言うが、もっと早くやる、いつごろにはやりたいというようなこともちょっと聞いておきたいと思います。
  32. 信澤健夫

    信澤説明員 お答えいたします。  現在の料金体系にはいろいろな問題があるということは事実でございますし、私どももそれを認識しております。そしてまた、どのような形に手直しをしていくのがいいのかということにつきましては、専門家だけでなく、一般の皆さん方の御意見なども伺いながら、広く調査もしながら改定をしていこうと思っておるところでございますが、やはり現在の電話料金体系を諸外国と比べてみても、一番問題は遠距離料金水準が少し高過ぎるというところにあろうかと思います。したがって、今回の改定はそこに焦点をしぼって、できるだけわかりやすく整理をして改定案をつくったつもりでございます。  将来の問題としましては、私どももこれで料金体系はいいんだというふうには全く思っておりませんで、近距離問題、いま先生おっしゃったグループ料金制というものも含めまして、近距離料金の体系の手直し、あるいは遠距離料金についてもさらに必要な手直しを、今後とも時期を見て、あるいは財政事情の許す限り行っていくべぎだと考えておりますし、また検討は続けてまいりたいと思っております。
  33. 村上弘

    村上(弘)委員 近距離が安いということから、今度は見直しが引き上げにつながる危険性も感ずるのですが、日曜日や夜間の割引で、東京―横浜間、これ割引で三十円ですが、イギリスの場合は同じ距離だったら十九円二十銭というような面もあるのですね。ですから、近距離日本は特別安いのだなどとばかり言ってはおれぬのだということも指摘しておきたいと思うのです。  次に、通信衛星の軍事利用の危険性が大いに問題になってきているわけですね。きのうも衆議院の外務委員会で、わが党の野間議員の質問に対して科技庁の加藤研究調整局長が、自衛隊利用は平和目的に合致しないと一たん言っておったけれども、あれは舌足らずだったというような対応をしていますね。それで各省庁間で検討を重ねておる。安田科技庁長官も、自衛隊の対応を見きわめた上で検討したいということを言っているわけですね。そこで、協議が進んでおるんだろうと思うのだけれども郵政省は一体どういう考えでおるのかということを聞きたいわけです。  まず第一は、硫黄島と本土間に一般公衆回線を設置する予定あるいは計画があるかどうか。それからついでに、硫黄島に地球局を置く考えがあるかどうか、そこをまず聞いておきたいと思います。
  34. 信澤健夫

    信澤説明員 お答えいたします。  現在のところ、硫黄島から加入電話についての申し込みは出ておりません。したがって、申し込みがあった場合にどうするかということも、現在の段階では公社としてはまだ決めておりません。
  35. 村上弘

    村上(弘)委員 申し込みがあった場合にはどうするのかということと、それからいまのCS2なんかの地球局の配置は硫黄島には目下ないように聞いておるが、将来計画としてはあり得るのかということと、特に聞いておきたいのは、通信衛星の一定回線数を一般公衆回線を経由して自衛隊が専用したいという場合、どういう態度をとるかということを聞いておきたいと思います。
  36. 信澤健夫

    信澤説明員 衛星の利用をどうするかという衛星の平和利用の扱いにつぎましては、これは政府の御方針に従って公社としては実施をしてまいりたいと思っております。
  37. 村上弘

    村上(弘)委員 政府の方針というのは、各省庁が協議して、それに基づいて政府も決めるんでしょう。政府と言っても抽象的な政府があるわけではないのであって、あなた方はどういう考えでおるのかということを聞いておるわけで、とにかく自衛隊が通信衛星の一定回線数を、何を経由するにしろ専用したいという場合に、郵政省としてはそれも平和的な一ユーザーとしての申し込みだということで平和利用の範囲に入ると考えるのかどうか。もしそうだとするならば、軍事利用とは一体何だということをちょっと聞いておきたいですね。
  38. 小山森也

    小山政府委員 どういう回線を回すかは別問題といたしまして、公衆回線を借りたいということについては、いま現に専用回線も、電電公社の回線も貸しております。それが現状でございます。
  39. 村上弘

    村上(弘)委員 問題は、通信衛星約四千回線なら四千回線の回線がある。中継器が八つあるとかいうことも言われていますね。その通信衛星の回線を一定数専用するということについて、それは平和利用の枠の中に一ユーザーとしてはあり得るんだという考え方なのかどうか、そういうことを考えておる、あるいはそれ自身も検討の対象になっておるのかどうか、それを聞いておきたい。
  40. 小山森也

    小山政府委員 公衆電気通信の行政の立場からいたしますと、いまの公衆電気通信法のたてまえは、電電公社の方に申し込みがありまして、その場合、電電公社として御判断がなかなかできないという場合に、私どもにそういった相談があろうかと思います。そのときには、電気通信行政ということよりも、むしろ政府全体としてどういうふうに考えるかというその枠の中で理解し、実行していくということになろうかと思います。  中身につきましては、目下結論といいますか、そういう相談ができておりません。
  41. 村上弘

    村上(弘)委員 聞いていることに答えてないんですね。一般のユーザーの一つとして電話回線を使うというようなことはあり得るわけですよ。問題は、通信衛星の一定回線数を自衛隊が専用するということに関して、目下そういう可能性の研究をやっておるかどうか。それも平和利用の枠の中に入るんだということになると、軍事利用とは何ぞやということになるわけで、きわめて重大問題だと思うので、それは検討対象に目下入っておるかどうかということ、及びそういうことが問題になった場合には、この前郵政大臣は、こういうことについては明確に国会決議もありますし、保証なんか要らないのでありますというくらいに私の質問に答えたわけで、全く保証のない、いまや歯どめのない、抜け殻みたいなかっこうで、通信衛星の自衛隊利用という問題が検討の対象になってきておるわけだから、いまの専用の問題についてのあなたの考え方を聞いておきたいと思います。
  42. 桧垣徳太郎

    桧垣国務大臣 前回もお答えいたしましたように、わが国の衛星の利用は平和利用に限るということが法律で明確になっており、また、衆参両院の委員会においても御決議をいただいておるところでございますから、平和利用に限るということは明確な一線であると私は心得ておるつもりでございます。ただ、自衛隊が公衆電話通信線を利用するという立場が平和利用に限るということに触れるのかどうかということについて、私は正直言いまして明確な判断ができない、少なくとも私が勝手に判断すべきものではないということでございますから、その点を関係各省庁間で検討、協議をするようにということで指示をいたし、ただいま協議をいたしておるところでございます。
  43. 村上弘

    村上(弘)委員 平和利用とは何ぞ、非軍事であるという決議も、具体的な問題になってくると自信がない、判断できませんというようなことじゃ、あの決議を守る資格がない、保証もないということを私はこの際確認しておきたいと思うし、あなたのようなそういう態度では、軍事利用とは一体何なのかということについて全く明確な認識を持っておらぬということになるわけです。いまや歯どめのない段階に入ったということで、これはきわめて重大であるということを言うておきたいし、当然ながら、あの決議も厳格に守るために、あなた方が、専用だとか、地上局の設置だとか、硫黄島みたいに民間のおらぬところへ回線を引くだとかということはあり得ないということを明確にすべきだということを主張して、質問を終わりたいと思います。
  44. 左藤恵

    左藤委員長 次に、依田実君。
  45. 依田実

    ○依田委員 時間が短いものですから、余り大きいことを聞きません。細かいことをちょっとお聞かせいただきます。  まず最初に、電話交換、いろいろサービスがありますけれども、その中でいわゆるサービス料に当たる、どういう形でお取りになるのか知りませんけれども、言ってみればサービス料として取るものと取らないものがあると思うのでありますが、その分類をちょっとお聞かせいただきたいと思うのであります。
  46. 信澤健夫

    信澤説明員 現在、電話交換手が間に立ちましてお客様の申し込みに対して処理をするというサービスは、大きく二つございます。  一つは、電話番号案内というような案内サービスでございます。これは番号情報お客様に提供するため電話帳の補完的な役割りを果たすものであるということでございまして、これは現在無料で提供しております。  そのほか、御自分でダイヤルするかわりに交換手に申し込んで接続をしてもらうという場合ですとか、それからさらに、それにプラスをいたしまして、相手に料金を払ってもらう、あるいはクレジットナンバー、別の口座に料金請求をしてもらうというような、そういう特殊なサービスにつきましても料金をいただくことにしております。これは現在、コレクトコール、通話料相手払い、それからクレジット通話、この二種類がございます。
  47. 依田実

    ○依田委員 そのいま二種類ある料金は、お幾らとお幾らになっているのでしょう。コレクトが九十円になっておるわけですが、クレジットの方はお幾らになっておりますか。
  48. 信澤健夫

    信澤説明員 現在、クレジット通話につきましては、月額百五十円の契約料をいただいております。それから、付加料金としましては、一通話ごとに三十円をいただいております。
  49. 依田実

    ○依田委員 コレクトで九十円を取るという計算、理屈はどこから出ておるのでしょうか。
  50. 信澤健夫

    信澤説明員 これはお客様通話申し込みによって相手と交換接続をするというだけのサービスをDSA通話と称しておりますが、それにプラスをいたしましてかなりな手数が必要でございます。つまり、相手の方を呼び出して、どこからあなたの方で料金をお支払いしてほしいという通話の申し込みがありますけれどもお受けになりますかという、通話料を払う意思の確認を相手の方にしなければいけないという手数、これが普通のDSA通話に比べますと一分ぐらいよけいに手数がかかります。それから今度は、その通話をし終えた後で交換証を相手局の方に送って、相手の局で料金請求の処理をしなければいけないという手間がかかります。そのような普通のDSA通話以上にかかる手数分の費用を積み上げて、一通話当たり九十円ということでいただくことにしてございます。
  51. 依田実

    ○依田委員 その九十円という根拠がわれわれには理解できないわけですが、いずれにしても、それはそういうことでわかりましたけれども。  ところで、コレクトなどは大体遠距離から金がないから相手方に払ってもらうということでやってくるわけでありますけれども、普通、遠距離公衆電話でたとえば十円とか百円を使ってやりますと、今度の改定でもたとえば十円でかけられるところは四・五秒以内とかということで、早く切り上げようと思えば、安く、遠距離であっても、そう金銭をかけないでもかけられる。しかし、コレクトでかけますと、三十秒しゃべっても三分間の料金で請求される、こういうことにいまのシステムだとなっているわけであります。そうすると、せっかく遠距離料金を下げていただけるのですが、そういう特殊なコールの場合は余り負担が安くならないということで、ぜひこの際、三分と言わず――これは簡単だろうと思うのです。三分以上の場合は一分刻みで料金が決められるわけでありますから、最初も三分ではなくて、一分、一分で料金を計算していただけないものかどうか。この点は機械的には簡単だろうと思うのですが、いかがでしょうか。
  52. 信澤健夫

    信澤説明員 先生おっしゃいましたように、機械的には確かに簡単なんでございますけれども、交換手が通話が始まったときと通話が終わったときに確認行為をして、それまでの時間について課金をするということのために、最初の一分で刻むということになりますと大変に交換手の手間がかかることになってしまうのです。一般的に通話は大体二分ないし三分ぐらいでおかけになるのが多いわけでございますけれども、その辺を完全にモニターをして、いつ通話が終わるかということを監視しっぱなしでしなければならないことになりますと、交換手の数も非常にふえてしまうということもございまして、これは国際通話も三分、一分という制度をとっておりますし、交換手が間に介在して行う通話については大体三分を最低の課金単位としているというのが国際的な慣習にもなっておりますし、一応ここは現在のような制度で御利用いただきたいと思っております。
  53. 依田実

    ○依田委員 では、次の問題でございますけれども、よくホテルでわれわれ電話をするとき、一階のロビーの公衆電話で十円ないし百円玉を入れながらしゃべります。そのときの料金と、室内でゼロを回してホテルの自動交換設備を使って外へかけるときと、その料金が非常に違うわけであります。これはホテルがそういう自動交換施設みたいなものを設備しておるから、その料金をお客の方へ負担をさせるという考えなんでしょうけれども、その基準というものもありませんし、それからまた、非常に高過ぎるというような気がするわけであります。これはどういう基準電電公社の方ではホテルに言っておるのか、あるいはまた、ホテルのそういうものに対して無条件で野放しにしてあるのか、その辺のことはどういうふうになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
  54. 信澤健夫

    信澤説明員 ホテルで内線電話機を利用して一般の宿泊客の方に御利用いただくというケースが大変ふえてきておるわけでありますけれども、多くの場合は、ホテルで交換設備を用意しあるいは専属の交換手も用意して、お客様の要請に応じて接続をするというようなやり方をしておるところが結構あるようでございます。それでその場合には、通話料は通話料とし、通話料以外に、そのホテルがお客様要求に応じて接続をするために要する費用を、サービス料として通話料に加算をしているケースがあるわけでございまして、それに対してその料金はどうかというお尋ねかと思いますが、そこの部分につきましては、サービス料についてはホテルと利用者との間の問題であると考えておりまして、公社として特に関与しないことにしております。  それから、これは余談でございますけれども、最近は各ホテルに公衆電話がロビーには必ずあるというような状態になってきておりますので、お客様が普通通常の料金利用されたいという場合には、公衆電話をお使いになれば、そういう部屋で利用するということでなく、一般の料金として御利用いただけるというようになっておりますので、その辺はホテルのサービスがどのようなサービスをするかということによって決まるのではないかと思っております。
  55. 依田実

    ○依田委員 たとえば、今度のように遠距離のが料金値下げになります。そうした場合に、そのホテルの自動の交換施設の計算機というものを入れかえなくてはならぬだろうと思うのであります。ホテルが果たしてそれを入れかえるのか入れかえないのか、そういうことについての指導というのは、やはり野放しになるのですか。
  56. 信澤健夫

    信澤説明員 先般、遠距離料金の改定、それから夜間料金の改定を行ったときにも、各ホテルに対しましてはできるだけ早目に御連絡をいたしまして、通話料についてはこのように変わりますので、ひとつできるだけ早目にそのように措置をとっていただきたいというお願いはしてございます。  それから今回も、その辺の周知についてはできるだけ十分に周知をし、ホテルの方で措置ができるようにお願いをしていきたいと思っております。
  57. 依田実

    ○依田委員 ただ、その場合に、期限を切るとき、今度はたとえば三カ月後に一応チェックして、果たして新しい料金での料金計算が正しく行われているかどうか、そういうことのチェックは全然ないわけですか。
  58. 信澤健夫

    信澤説明員 特にそこまでは考えておりません。
  59. 依田実

    ○依田委員 まあホテルから利用する方も非常に多いわけでありまして、古い料金でいつまでもホテルが電話料をとっているのじゃ、これは幾ら料金値下げしても利用者には還元できないわけです。そういうところはぜひ、いままでのような方針でなく、もう少しホテル側の指導をしっかりしてもらいたい、こういうふうに思うわけであります。  最後に、ちょっと時間が残っていますので、お尋ねをさせていただきます。  INS構想がいまいろいろなところで話題になりまして、いろいろな業界でも乗りおくれてはいかぬという一種のフィーバーみたいになっておるわけでありますけれども、武蔵野・三鷹地区でこれから実験が行われる。それに対して民間企業、銀行とかそういうところからいろいろ、ぜひうちもそれに参加させていただきたいという申し込みが非常に多くなっている、こういうふうに言われておるわけでございますけれども、この武蔵野・三鷹地区の実験段階で、端末つまり一般家庭とか企業ですね、その端末はどの程度になるのか、そしてまた、その端末として選ばれるものはどういう基準で選ばれるのか、その辺についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
  60. 信澤健夫

    信澤説明員 現在、三鷹のモデル地区のモデルシステムにつきましては、来年秋からサービスを提供できるようにということで準備を進めております。その際に、実験に参加をしていただくモニターの方々の中で、特に高度なディジタルシステム、テレビも含めましてファックス、データ端末、電話、そういった複合された端末を御利用いただく利用者方々としては、いまのところ五百加入程度考えておりますけれども、募集は来月その地域方々を対象にしていたしたいと思っております。  それで、最近かなり関心も高まっておりますし、希望者がかなりふえるということも予想されますので、参加希望者が非常に多い場合には、できるだけ多くの方々にその実験に参加していただけるような工夫をしていかなければいけないと思っております。たとえば、日にちを変えて利用できるようにするとか、あるいは何カ月かごとにかわっていただくとか、そういったような工夫もしながら、できるだけその地域方々が参加できるような形で工夫をしてまいりたいと思っております。
  61. 依田実

    ○依田委員 以上で終わります。
  62. 左藤恵

    左藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ─────────────
  63. 左藤恵

    左藤委員長 これより本案について討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  公衆電気通信法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  64. 左藤恵

    左藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)  なお、ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 左藤恵

    左藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ─────────────     〔報告書は附録に掲載〕     ─────────────
  66. 左藤恵

    左藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時二十六分散会