○
加藤(万)
委員 これについては言う
言葉もございませんけれ
ども、非
課税分に対するいわゆる租税特別
措置、今度
地方税法の
改正案によって租税特別
措置からはね返ってくる税収入はたしか二億円ですね。本
会議で私も
質問をいたしました。租税特別
措置の特に利子あるいは配当に対する不公平感というのは、
国民感情としても私はぬぐい切れないものを持っていると思うのですね。これは
大蔵省の方にもぜひともお願いをしますし、
自治省からも、そういう税の不公平感を持つようなことは、結果的に今日の政治に対する信頼を失墜するということにもつながっていくわけですから、ぜひ強力に進めていただきたい、こう思います。
最後に、全体の日本の
財政計画の中に占める
所得税にいたしましても、
法人税関係にしても、相当税の負担が重くなったという実感、これはぬぐい切れないものがあろうと私は思うのですね。私は、五十二年のときにこの席で、実は
所得税関係、源泉にしろ申告にしろ、大変きつい税率になってきた、税金を納める側にとってみては大変きつくなってきた、この際
法人税率を何らかの形で引き上げて、実効税率をいま少し上げてみてはどうか、諸外国の例もとりながら当時お願いをしたことがある。二%前後上げてみてはどうか。
当時私が聞いたときは、
法人税の実効税率が四九・四七%でございました。今度資料をいただきましたら五一・五五%、いわば二%ぐらい上がったわけですね。私
どものそういう意見が反映されたと言えば反映されたわけです。ところが、私がその際に申し上げたのは、その二%拡大するものはできる限り
地方の自主
財源に回すべきではないか。いわば
法人税全般にかかわる
税法の中で、
先ほどの
均等割を上げたのもそうですね。そういう
意味では、
地方団体の
財源を強化する側にいまの二%分を引き当てていくようにしてはどうか、当時はこう要請をしたわけです。
ところが、今回同じ資料を見ますと、その
法人税の
地方への
配分割合は、依然として五十二年当時と同じなんです。それは二%上がったけれ
ども、
法人税の各市町村あるいは府県
段階に割り振る割合は、これは今度いただいた資料が、国が六七・五%、都道府県が二四・二%、市町村が八・三%で合計が一〇〇、個人
所得でいきますれば、国が七〇・七%、都道府県が九・五%、市町村が一九・八%、こういう比率になっているわけですね。
これは五十二年、私が聞きました当時の
法人税関係の
地方への
配分と大体同じなんです。ということは、
法人税関係全体では二%上がりましたけれ
ども、その
配分は依然として同じだった。
地方団体へその分が多くなって、結果的に国の
配分率が少なくなったということになっていない。そういう数字なんですね。私はそこがきわめて不満なんです。
当時は、
地方の時代という時代で、特に
地方で新産都市計画があるとか産業分散が行われるとかいう時代も踏まえて、
地方団体が自主
財源としてそういう
財源の確保をすべきではないか。今日でも私は同じニーズを
地方団体は持っていると思うのです。
そこで、私がいまこの
配分方法を変えろと言っても、これはできないでしょう。問題は、いま実効税率を含めて五一・何%というと、法人としては、勤労
所得者が持っていると同じような税に対する負担率がやや重くなったという感じを持ちつつあるのではないか。特に勤労者の場合には、御
承知のように五年間
減税がないわけですから、大変なことになっているわけですけれ
ども、法人
関係でも五一・五五%までに実効税率がなってきますと、ややきつい。もちろんこの中には、
法人税は御案内のように
所得方式ですから、四九%までは税を納めていないところもあるわけですけれ
ども、そういう実感じゃないかと思うのです。
さあそこで問題は、
臨調が言っている
増税なき
財政再建と、これから起きるであろう
地方団体あるいは
国民の側のニーズ、その
財源をどこに求めていくかという
課題をこの二つの中から引き出していかなければならぬわけです。
所得税はもう
減税せよという
国民的要求です。一方、
法人税の実効税率も五一・五五%というと相当諸外国並みですね。西ドイツが五六%ぐらい取っていますから、西ドイツまでいくのにはまだ四%ほど上げる余地はありますけれ
ども、しかし、アメリカやイギリス等に比べると大体この辺だ、こうなってくるわけです。
さあそこで、これから起きる国の
財政再建というものに関連して一体どこから税を取っていくかというふうになってくると、直接税はもう無理だ、税調はそこから出ているのですね。したがって、税調はもう直接税から取ることは、源泉の方ではもう目いっぱい。片っ方の方では五一・五五%という実効税率になってきた。したがって、直接税は無理だから、今度は間接税で云々、こうなっているわけです。
いまここで、ちょっと資料がなくて困っているのですが、今度の税調が出したもの、あるいは
自治省が出した資料にもどこかに載っておったのですが、
財源の視野を広くする、いわゆる国の
財源の視野を広くする、そういう文章が書かれているわけですね。これは税調の
答申かもしれません。そうなってくると、これは直接税から間接税を導入して直間比率を変えると同時に、間接税によってこれからの住民ニーズ、そういうものを高めよ、こういう発想になってくるのじゃないかと思うのです。
そこで問題になりますのは、前回一般消費税、大型消費税の導入の際に、
地方財源に対して
地方消費税というものをひとつ考えてみてはどうかという提言がありまして、当
委員会でも大変問題になったのですが、どうなんでしょうか。これからの国の
財政全体の需要の中から見て、いま税調が言っていること、すなわち直間比率の
見直し、同時に視野を広く見た中から
財源を求めていくというこの
考え方と、一方では、これ以上はもうあきまへん、
臨調は
増税なき
財政再建と言っている。この二つのことを
政府としては
一つの政策にまとめていかなければいかぬわけです。
自治省としてはこの辺はどう見られますか。
なかなかむずかしい政治
論議ではありますけれ
ども、これから
地方におけるニーズ、たとえば
先ほど言いましたように
減税を
一つやる。
所得税減税からくる歳入欠陥が一方に起きます。同時に、
先ほど大臣がおっしゃったように、
地方税の減収分もそこから起きてくる。それを今度は
地方団体としては
財源措置を講じなければなりません。講ずる場合に、たとえばいままでやっているように、借り入れでやるのかどうかわかりませんけれ
ども、この
減税を賄う場合に間接税の導入ということは当然
一つの話題として出てくるわけです。
いま言ったような施策を行うという場合に、これは
減税だけに限りませんよ。他の市民的なニーズ、
国民的なニーズが起きた場合に、全体の
財源として確保できない場合に、直間比率の
見直しないしは間接税、大型消費税の導入ということに対してどういうお考えをお持ちなのか、それと同時に、一方では
増税なき
財政再建ということで
臨調が
答申をしている。それとの接点をどういう形でお求めになって、
政府側に、たとえば閣議があれば、あるいは税調があれば、
自治省側としてどういう態度をおとりになるのか、ひとつお聞かせ願いたいと思うのです。