○長岡説明員 御
質問の三点について
お答えを申し上げます。
第一点は、外葉の使用率の問題でございまして、ただいまおっしゃいましたように、現状では、外葉使用率が大体三三%
程度になっております。私
ども、国産のいわゆる葉たばこ耕作農業を維持していくことが、専売公社の重要な役割りの
一つであるという認識は十分持っておるつもりでございまして、何とか現在の
規模を維持していきたいというふうに考えておるわけでございます。
でき得れば、もっと国産葉をたくさん使用すべきではないかという御趣旨の御
質問だったと思うのでございますが、戸田
委員御
承知のように、たばこにつきましては、アメリカと比べました場合に、
一つは気象条件の関係でどうしても、品種の改良あるいは耕種改善その他技術的な面でもいろいろと努力を重ねておりますけれ
ども、正直に申し上げまして、味と香りの面でもう
一つかなわない点がございます。
それから、日本農業の宿命と申しますか、経営
規模が小さいために、主としてその理由で、価格もアメリカの葉たばこに比べますと割高でございます。したがいまして、できるだけ安い価格で味のいいたばこをつくって、競争激化が予想されるアメリカたばこ等に負けないようにしていくためには、どうしてもある
程度外国の葉っぱを使わざるを得ないという宿命にあるわけでございます。ほっておきますと外葉がふえる可能性がある。しかし、私
どもは、何とか外葉をふやさないで現状の率を維持することによって国産葉の使用も図っていきたいということを考えているのが現状でございます。正直に申し上げまして、国産葉の使用率を高めることはなかなかむずかしいと思いますけれ
ども、今後の努力といたしましては、国産葉をたくさん使用した銘柄で
国民の
皆さんに喜んで吸っていただけるような商品の開発には、全力を傾けてまいりたいというふうに考えております。
第二点の、葉たばこ耕作面積の問題でございますけれ
ども、これも御
質問で御
指摘がございましたように、五十七年産の葉たばこをつくりますための五十六年夏に開かれましたたばこ耕作審議会におきまして、約五千ヘクタールに近い大幅減反をお願いいたしたわけでございます。
そのときの
議論といたしまして、毎年大きな減反が行われるということは、葉たばこ耕作農家にとっては大変経営が不安定になるという御
指摘がございまして、約五千ヘクタール近い減反というのは、やや長期的に見て需給が均衡する、これ以上葉たばこの在庫がふえないような面積というものを求めたわけでございます。したがいまして、私
どもは、来
年度以降もこの面積を簡単に動かすわけにはいかないという
考え方を基本に置いて考えてまいりたいと存じます。
それでは、耕作面積は一切現在のままで据え置くのかということになりますと、これは、私
どももそういう努力はいたしますけれ
ども、いろいろの事情によって、仮に在庫がどんどんふえていくというような事情が出るような場合には、また御相談を申し上げなければならないというふうに考えております。
第三点の、小売組織の問題でございますが、御
承知のように、外国、主としてアメリカから日本の市場にもっともっとたばこを輸出させろ、要するに、輸入たばこをふやせという要望が非常に強く出ております。その要望の中で、日本の国内市場におけるたばこの売り方が非常に閉鎖的であって、いわば一種の非関税障壁のようなものである、もっと自由に売らせろという要望が強いことも
承知いたしております。
そのようなアメリカ側の要請に対しては、私
どもも、その要請を無視するわけにはいかないと存じます。いろいろと
検討いたしておりますけれ
ども、ただ、その
検討に際して根本的にわれわれが忘れてならないのは、流通秩序が混乱してはいけない、それから既存小売人に不安を与えてはいけない、この二点を十分
念頭に置いて、どういう流通
制度を求めるべきかということを考えてまいりたいというふうに存じております。