○持永
政府委員 まず第一点の、医薬品産業政策懇談会の問題でございますが、これは最近、医薬品産業を取り巻く周辺の環境がきわめて変化が激しいわけでございます。また一方、医薬品産業というのはいわゆる知識集約型の先端技術型の産業でございますから、そういった
意味合いから、私
どもとしては、医薬品産業のあり方についてひとつ長期的な展望についての
検討をしていただきたいということで、専門家の方々にお願いしまして、昨年の九月に懇談会を発足したところでございます。この懇談会の中で、実は大衆薬に関する分科会が設けられております。
大衆薬につきましては、もうこれも先生御承知のとおり、いろいろ問題があるわけでございます。そういう
意味合いで、大衆薬の分科会を設けて、それについての専門的な
検討を進めておるところでございますが、その
検討の過程におきまして、大衆薬の担うべき医療の範囲をいかに設定するかという基本的な問題も提起されまして、いろいろ議論がございます。これもいろいろな立場からのいろいろな議論がございまして、その関連の中で、医家向けの医薬品と一般用医薬品のあり方について意見が出されているというのが現実の姿でございます。私
どもとしましては、この問題は、先生御指摘のように医療保険のあり方の問題とも絡みます、また医療の場における医薬品の扱いの問題にも絡むといういろいろな問題がございますので、総合的な
観点からこの問題については
検討を進めていくべき問題だというふうに
考えておるわけでございまして、いまのところ私
どもとして、この産政懇でいろいろ御議論をいただいているその出方を待っているというところでございます。
それから、次にスモンの問題でございますけれ
ども、ちょっと最近の数字を申し上げてみますと、全体の提訴患者が六千三百八十六人、このうち和解がすでに成りましたのが五千八百八十九人で、九二%の和解ができております。したがいまして未和解者が四百九十七人、このうち鑑定が出ましての未和解者が百五十二人でございます。それから未鑑定の未和解者が三百四十五人。現在のところ、そういうことになっております。
まず、その末鑑定の者につきましては鑑定をできるだけ急いでやってもらうというのが私
どもの方の基本的な立場でございますが、鑑定は裁判所の活動の一環として行われるということでございますので、私
どもの方も裁判所の方に対しましては、できるだけ鑑定を急ぐようにというお願いはいたしております。
それから、鑑定済み未和解につきましては、すでにスモンという鑑定が出された後の未和解でございますので、これは原告、被告それぞれのいろいろな意見がございますけれ
ども、私
どもとしては、やはりこれは社会的な非常に大きな問題だというような立場から、必要な製薬
会社の説得その他に努めているところでございまして、そういう
意味合いで、基本的にはできるだけ早く多くの患者さんの和解が進むということが望ましいかと思っております。
ただ、この問題はあくまで和解という形で問題を解決するということでございますので、裁判所の指揮に従うというのが基本的な前提かと思いますが、製薬
会社その他に対しましては、できるだけ社会的な責任を感じて和解の進展に応じてもらいたいというような説得は、今後ともできるだけ続けてまいりたいというふうに
考えております。
それから、
最後の介護手当でございますが、介護手当につきましては、御指摘のように、本年度の国の出します介護手当は、人勧の凍結あるいは年金の凍結、それからこれに準じております社会福祉
関係のいろいろな諸手当の凍結、そういったものとの見合いで凍結されておるのは事実でございます。ただ、一般の民間の出します重度の障害者あるいは重症の患者に対します介護費用につきましては、実は昨年凍結いたしまして、あれは五%の物価上昇があれば上がるということになっておりますために、五十七年分が凍結になりまして、五十八年分は五十六年、五十七年の両方の物価上昇を合わせて五%以上になったということで引き上げが行われておるものでございます。私
どもとしては、こういった介護手当につきましては、そういった物価上昇の見合いというものを十分
考え、かつ、ほかの諸手当との関連も十分見きわめつつ、この問題をどうするか、これから対処をしてまいりたいというふうに
考えております。