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山中国務大臣 この点は外国がどう受け取るかの問題で、やり方いかんによっては、国が主導権を持って今度は
地域活性化の名のもとに、さらに
全国的に展開した
企業にプラス
行政権力の助成によって、新しくまた世界の市場の攪乱要因をつくろうとしているという見方をされるおそれが絶無とは言えないと私も思うのです。
というのは、現にここで皆さんと議論いたしまして、内容について各党、そんなに意思の相違はなかった構造不況業種の対策についても、アメリカはその
法律そのものを取り上げて、それが
一つの例である、そういう衰退
産業は、たとえばアルミならアルミは
日本はもう電力で及びません、お手上げだと言いなさいよ、そうしたら私
たちが二分の一の地金を供給してやるから、というようなことを裏では言っているだろうと思うのです。私
どもは反論もしておりますが、その
法律だけでも問題にする。しかし、いつか申しましたように、じゃ
日本じゅうにアルミ
産業がゼロとなった場合に、アメリカ、カナダもありますが、それは水力で安いからと言っていまは売り込んできていますけれ
ども、完全な売り手市場になった場合には、アルミのOPEC化というようなことをされた場合には、
日本はもうお手上げになるわけです。だから最低、総合安全保障の一環としてそこは支えようというのは各党合意していただいたわけですが、それすらもアメリカは文句をつけている。
あるいはまた、
日本のその他の
先端産業について、これも国の助成があって、そしてある日突如としてアメリカのレベルを追い越したものをもって殴り込んでくる。万事そうだということを——たとえばモトローラ社はアメリカの民間会社ですが、それがニューヨーク・タイムズあるいはワシントン・ポストに、恐るべき金を使って意見広告を十五回も掲載しているのです。そうすると、アメリカ側の国民の常識から言えば、少なくとも意見広告がある者を指さし、ある会社を指さして掲載をされたら、当然その会社なり人は反論を意見広告でやるのが常識。ところが
日本は、十五回も相当どぎつい言葉でやられているのに、新聞に関する限り、その掲載された新聞に一行も何の反論もしていない。ということは、やっている証拠じゃないかと言われても黙っているほか手がないのだろうというふうに、いまなりつつあるということでございます。
これは民間
産業のやっていることでありますから、公的な立場の
政府としては大変やりにくい。ですから、経団連等にお願いして、そこに、
日本はかく主張するとか、
日本は非難に対して反論する、あるいは
日本の主張、そういうものを同じ新聞の同じスペースでやってもらったらどうか、いま相談いたしております。国と国との問題は、
経済摩擦の一環としてすでにECも、
日本の
産業政策も含めてガット提訴を決めました。したがって、ECにはダビニヨン副
委員長に私は昨日イニシアルを、サインをして抗議の手紙を送りました。
対応は個々にやってまいりますが、アメリカの方からもヨーロッパ大陸からも、
日本がそういう国際的に不公正な、国の助力でもって、最後は民間
産業のやることだから知らぬというような顔をして失業を
輸出するという、そういう短絡的なことにならないように、私自身も役所を挙げて、外務省と歩調をそろえて、懸命の努力をする必要がある。ましてやこの
法律がそのような誤解を招かないような配慮は、
審査中の質疑応答においても、いい質問をしてくださったと思うのですが、明らかにしておく必要がある。言われない前から言われたときのことを言う必要はありませんが、言われないようにする必要があるという御注意はまさに適切なものであると受けとめております。