○四ッ谷
委員 いま
高木参考人からいろいろと具体的な、こういうふうに
改善をしているというお話があったのでございますけれ
ども、大変残念なんですが、新聞記事に「疑心暗鬼 コックピット
健康相談 黙っているほうが無難」などというふうなことが載っておりまして、せっかくよかれと思っておつくりになった健康管理室の拡充やカウンセラー制度の創設などが、かえってパイロットの皆さん方から「「管理、監視
体制が強化されただけ」と評判が悪く、自覚症状があっても申告しないという逆効果さえ生んでいる。」というふうな新聞記事も載っている点につきまして、私は非常に大きな問題点をそこに感じているわけなんです。
航空会社の責任は、先ほどから
高木さんが何遍もおっしゃっておりますように安全が第一だ。これは口でおっしゃるとおりでございますけれ
ども、多数の乗客の人命をお預かりになっているのが何よりの責任でございますので、会社の運営は
航空機の運航、それから
航空機の整備、そして乗務員及び全
職員の健康管理、そして労使
関係、あらゆる会社の運営すべてにわたって安全が第一だということが本当に徹底をされているのかどうか、ここのところが抜けますと大変なことになる。石にしめ飾りを飾って、石にかじりついてもこの売り上げをやるんだというふうな営利優先主義が日航の中に、口では安全と言っているけれ
ども、その辺制度上、構造上大きな欠陥がたくさん残されているのじゃないか、こういうふうに思うわけです。
しかも、ここ十年ほどの日本の定期
航空機の人身事故を伴った重大事故といいますと、これはもう大変残念ながら、持ち株が減ったとはいいながら国も株を持っています国策会社である日航さんだけなんです。しかも合計して百二十五名という大変な数の方が犠牲になっておられる。そして、この去年の二月九日の事故が起きましてからも、これはさすがに人身事故ではないけれ
ども、重大な事故が幾つか発生をしている。なぜこういうことが繰り返されるのか。これは後で事故調の方にお聞きしますけれ
ども、本当に日航の
体制の中でそういうことがきちんと反省をされているのかどうか、こういうことについて非常に重大な問題が欠落をしているのではないかと思うのです。といいますのは、いかに健康管理の
体制を整えた、そして直通電話があって、とって職制にすぐ何でも報告ができるようになっているんだ、こういうふうな
体制をとつても、さっき新聞記事を読みましたように、監視
体制がきつくなるだけで、自覚症状があってもそれを言うことができないような、なぜそういうふうなことが起こっているのか。これは私が去年の二月二十三日の運輸
委員会でも、これも
高木さんに質問をさせていただいたところですけれ
ども、この日航の安全運航の一番重要な問題の
一つとも言える、いわゆる労使の
関係をコックピットの中に持ち込んでいる機長管理職制度、この問題がやはり大きな影を落としている、こういうふうに思うわけです。
コックピットの中というのは非常に狭うございますね。ああいう狭い中で、最も深い信頼と熱い連帯の中で乗客の安全のために運航に精を出さなければならない機長及び副操縦士など、三人のコックピットの中の乗員の
方々の中にそうした労使の深刻な対立
関係が持ち込まれるという
状況は、本当にいまの日航が目指しておられる安全運航の重大な問題を解決する、そういうふうなかぎの
一つが抜けているのではないか、このように思います。
調査報告の中身にもそういう問題がありますけれ
ども、そういう問題につきまして、上司と部下の方が自由に物が言えないというのは問題だというふうに指摘はしてあります。そのとおりなんですよ。これは、個人個人が自由に物が言えるように
努力をされるのはあたりまえですけれ
ども、しかし、個人が一人一人
努力をしても自由に物が言えないような組織がある。そういう組織
体制というのは、これは一人や二人の人の
努力で解決されるものではないわけでございます。これは、ラインと職制の間で相互理解が欠けておったというふうに
高木さんが指摘をされて、反省もしておられるわけです。お互いにもっと仲よく話し合いの機会が持てておったらこういう事故がなかったのではないかというふうに
高木さんもおっしゃってはいるけれ
ども、そういうふうな非常に大事なところについては、いまお話を聞きました上では、直そうとしていらっしゃらない、こういうふうに思いますが、その点について
高木さんのお考えを改めて聞きたいと思います。大変恐れ入りますが、時間が迫っておりますので、御答弁は簡潔にお願いをしたいと思います。