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宮之原貞光君 特に私はこの点
指摘しておきたいと思うのですが、
地方選挙を一年一回やるという問題ですね。これは私も
新聞を見る限りでわかりませんけれ
ども、そのメリットの点としてよく報ぜられておりますところのこのために
全国規模の
啓発活動で
自治意識が非常に高揚する、あるいは
投票率の
引き上げに役立つとか、あるいは
選挙経費の
節減になると、こういうことが一番の
理由になっておると報ぜられておるんですがね。
選挙の
経費の
節減と、こうなりますと、それは行革の中で受けるかもしれませんけれ
ども、中曽根さんが一番好きそうなことなんでしょうけれ
ども、私はここで非常に問題があるのは、
一体投票率の
引き上げ云々ということをこういう便法を講ずることによってやろうとするところに
一つの
問題点があるんじゃないかと思うのです。
なぜ
投票率が低いかと、こう言うと、やっぱり
一般住民の、
地域住民のそれぞれの
地方の
行政、
政治に対するところの
不信感、あるいは
関心度が薄いというところが
一つの問題なんだ。同時に、最近の傾向としては、いわゆる
首長の
相乗り選挙というのがありますね。それはわが党もやはりそういう部類の中に場合によってはあるわけですけれ
ども、非常に
首長選挙は安易にもう
考えてみんな乗りたがっておる。こういうことが
地域住民に非常に白け
選挙だという気風をつくっておる。こういうことがむしろ、
投票率の
引き上げ云々の問題は、問題の原因であって、それを一年のうちの一回の日を決めてやれば
投票率が上がるんだという物の
考え方は非常に安易であるし、
便宜的な私は
考え方じゃないだろうかと、こう思います。
同時にまた、先ほど来言っておりますところの
任期の四年制という問題が
地方自治の
あり方の問題として崩れるところの
可能性も出てくる。これは一時期だと、こう言いますけれ
ども、じゃこの
法案つくって
首長が今度これを実施された後に死んだりあるいは
議会の
解散があったら一体どうなるのか、死んでも
議会の
解散があってもそこまで待たなければならぬかと、こういう論理も出てくるのですよ。こうなりますと、いやそれはそのときでいいのだということになれば、これはまただんだんそういうものがふえていけばもとのもくあみになってくることは必至なんですよ。現に今日の
地方選挙の実際の
選挙の状況にありましても、いろいろな
事情からこの
統一地方選挙方式がずっとばらまかれていったところの
要素があるわけでしょう。こういうところの点から言っても私は非常に問題があるのではないかと思う。
同時に、いま
一つは、これは私
どもが
考えなければならないのは、
全国規模の
一括選挙をやれば
一体自治意識の確かに高揚になるかどうかということなんです。私はむしろ逆になっちゃうんじゃないだろうかと思うのです。というのは、
統一地方選挙になりますと、しかも
全国一斉の、また
政党が
表面に出ていく、言うならば
全国的ないろいろな
地方自治の問題でなく、
国政選挙におけるところの
問題点、
争点というものだけが浮き彫りになって、肝心なそれぞれの
地域の
皆さん方の
地域住民の切実な問題の
争点というのはむしろ薄れてきてしまうところの
危険性があるのではないだろうか。こういうようなことを
考えますと、端的に言わせてもらいますけれ
ども、この
一括方式というものは角を矯めて牛を殺す結果になりやせぬだろうか、こういう危惧さえ持つものです。
その点、何かの
機会があって、また
与党の
皆さんといろいろ
議論する
機会があれば結構だと思いますけれ
ども、こういうやはり
要素も絡んでおるだけに、私はやはりこの問題については、
自治省も
与党の
皆さんが言ってきたからそれにつじつまを合わすというような安易な気持ちでこの問題に対処しないでいただきたい。十分いろいろな
角度から
検討をして
問題点は
問題点として強く
指摘をしていただきたい。この点を強くこの
機会の申し上げておきたいと思いますが、その点どうお
考えになりますか。