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金子(満)
委員 あなた、何を言っているのですか。あなたは、
議員のときはこういう
発言をし、こういう
質問をしてもいい、しかし
法務大臣になったから私はそれはできない、言いません、差し控えたいと思う。それほど
議員のときと
法務大臣のときと区分けをし、そして無理に分類しながらこれまで
答弁をされてきたわけです。それほど厳格に
議員と
法務大臣という
立場が違うのだったら、こういうような点についてもあなたのとるべき態度というものははっきりしておると私は思うのですね。
いまの
答弁、だれも納得しないですよ。私は、ここに書いてある方が納得すると思うのです。「これが派閥事務所か、目白の豪邸での出来事であるならば、さもありなんと思う。しかし、
国会の議場内で手を握り合うとは、もはや異常な神経としかいいようがない。刑事被告人「オイ、オレが法相にしてやったんだ。わかってんだろうな」
法相「ハッ、すべて承知いたしております」なんて会話が交わされたのでは、と疑われても仕方がない。李下に冠を正さず、である。」私は、この方が感じとしては出ているのじゃないかと思いますが、これはもう
答弁は要らないです。
結局、こういう問題については、最終的には
国民が
判断をするということになるわけですね。こういうように「わかりやすい
政治」ということを
総理が言う中で、違った
意味でのわかりやすさというのが次から次に出てくるわけです。そういう点が今度の
内閣の、突き詰めて言えば
一つの新しい特徴にもなっている、私はこういう点を申し上げておきたいと思うのです。
そこで
総理、今度は
総理に伺いますが、結局灰色高官とかあるいはいまの
秦野法務大臣の問題についてもこれを弁護するというその中曽根
内閣、中曽根
総理自身について、いろいろ世論調査のことはきのうから
総理からも言われますけれども、支持しないという者の一番大きな数字というのは、これは読売新聞に先般出たものでありますけれども、最高は、「首相を
信頼できない」からというのが一番多いのです。これはずば抜けて多いのですね。その次には「汚職追及に真剣でない」というのが二番目です。この二つがずっと上になっているのですね。私はそういう点からも、
政治姿勢を正す、そして、いろいろの面で、本当に清潔な
政治ということを言うのだったら、はっきりさせていくことがいまの政府に課せられた
責任だと思うのです。
そこで、次に
憲法問題に移りたいと思います。まず
憲法問題については、いままでずっと
総理の
答弁もありますから、結論的なことからお聞きしたいと思います。
総理は、昨日この
委員会でみずからを改憲論者であるということを宣言されました。戦後、
総理大臣の中で、私の知る限りでは、私は改憲論者でありますと言った
総理は中曽根さんが初めてだろう、こういうように思います。勇気のあるという評価をする方もあるそうでありますが、そこで、
憲法改正という問題を政府としては、
総理としては
政治日程にはのせないということを言って使い分けをしています。だから自分は改憲論者である、しかし
総理としてはその
憲法改正を
政治日程にのせることはしない、こういう使い分けをしているわけです。さらに昨日は、
憲法論議が
国民の中でも
国会の中でも大いにやられること、それはいいことだ、そういう点で論議することを提唱しておるわけですね。
そこで、
総理はきょうの午前中もいろいろ言われましたけれども、結局、
憲法を遵守する義務が
総理大臣にはある、
閣僚にはあるから、個人の
発言は差し控えたいということを何回も繰り返しあなたは言われてまいりました。
そこで、私は
一つ申し上げておきたいことがあるのです。
あなたが
総理大臣になったのは先月、十一月二十六日であります。二十六日にあなたは外国人の特派員の方々に対して、私の
政治信条といいますか、経歴というか、それをお渡しになりました。私はそれを翻訳してここに持ってまいりましたが、次のようなことを述べております。これはもちろん
総理としての
立場から言ったわけでありますから、使い分けをできないわけですね。その
総理としての
立場で次のように言っております。
「私の願望は、
憲法ができるだけ早く改定され、日本が自衛力を持ち、現在の防衛的条約を対等なパートナー間の軍事同盟に変え、われわれの自衛力を強化しつつ日本からアメリカ兵を撤退させうるようにすることである。」いま私が読み上げたところは一九五四年のもので、これは古いわけです。これ自身は古いのですが、その次に
総理がつけ足したところがあります。「私の
立場はその後も変わっていない。」これは
総理大臣
中曽根康弘が外国人特派員協会の会員にあてた添え状の内容ですから、
総理になってからも、とにかく私の願望は、できるだけ早く
憲法を改正することと言っているのでありまして、差し控えているのではなくて、みずから積極的に
発言をした。使い分けもきかない。ですから私は、その都度
答弁、場所によっていろいろなことを言う、こういうように言わざるを得ない。この点はどうなんですか、これは自分のことでありますから。