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1982-12-14 第97回国会 衆議院 本会議 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十七年十二月十四日(火曜日)     ─────────────   昭和五十七年十二月十四日     正午 本会議     ───────────── ○本日の会議に付した案件  永年在職議員北山愛郎君に対し、院議をもつて功労表彰することとし、表彰文議長に一任するの件(議長発議)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(国鉄労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(国鉄動力車労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全国鉄施設労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全国鉄動力車労働組合連合会関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(国鉄千葉動力車労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(鉄道労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全国電気通信労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(日本電信電話労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全専売労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全逓信労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全日本郵政労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全林野労働組合関係定員内職員及び常勤作業員常勤作業員処遇を受ける常用作業員を含む。)」)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全林野労働組合関係基幹作業職員常用作業員常勤作業員処遇を受ける者を除く。)及び定期作業員」)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(日本林業労働組合関係定員内職員及び常勤作業員常勤作業員処遇を受ける常用作業員を含む。)」)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(日本林業労働組合関係基幹作業職員常用作業員常勤作業員処遇を受ける者を除く。)及び定期作業員」)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全印刷局労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全造幣労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(アルコール専売労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  昭和五十七年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例に関する法律案内閣提出)の趣旨説明及び質疑     午後零時二十五分開議
  2. 福田一

    議長福田一君) これより会議を開きます。      ────◇─────  永年在職議員表彰の件
  3. 福田一

    議長福田一君) お諮りいたします。  本院議員として在職二十五年に達せられました北山愛郎君に対し、先例により、院議をもってその功労表彰いたしたいと存じます。(拍手表彰文議長に一任せられたいと存じます。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 福田一

    議長福田一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  表彰文を朗読いたします。  議員北山愛郎君は衆議院議員に当選すること十回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意の伸張に努められた  よつて衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもつてこれを表彰する     〔拍手〕  この贈呈方議長において取り計らいます。     ─────────────
  5. 福田一

    議長福田一君) この際、北山愛郎君から発言を求められております。これを許します。北山愛郎君。     〔北山愛郎登壇
  6. 北山愛郎

    北山愛郎君 このたび、私の本院在職二十五年につき、永年勤続議員として院議をもって御丁重な表彰議決を賜りました。身に余る光栄と存じ、まことに感激にたえません。(拍手)  私が本院に初めて議席を得ましたのは、一九五三年、昭和二十八年のことであり、占領後の諸課題が山積する波乱の時期でありましたが、それから約三十年、憲法の精神を守り、平和と民主主義の確立と国民生活の向上のために働いてまいりました。その間、先輩、同僚の皆さんから賜りました御指導に対し、厚く御礼を申し上げます。  特に、私の政治活動を支えていただいたのは、郷土岩手の県民の皆さんであります。ともに闘った同志や熱心に私を支持していただいた方々の中には、すでにこの世を去られた人も少なくありません。私はここに、この方々の霊をしのび、御冥福を祈りながら、郷土皆さんのいつも変わらない温かい御支援に対し、深く感謝を表するものであります。(拍手)  私の政治信条は、大衆道理にかなった政治を実現することであります。まじめに働いている人々の中に、人間を尊重し、命を大切にし、平和を愛し、真実を求め、社会の不公正、不平等を憎む気持ちがあるのであります。この大衆道理に即した政治をつくるということが、私の目指す政治信条でございました。  しかしながら、最近の世相が相変わらず無理や非道がまかり通って道理が引っ込んでいる風潮にあることは、まことに残念に思う次第であります。人間よりも金が大事にされ、政治が金の力で左右され、金力万能、強い者勝ち社会の中で、汚職と犯罪がはびこる傾向は、社会の荒廃と人間の堕落へ通ずる道であり、われわれは、まず最初政治の浄化を実現しなければならないと信ずるものであります。(拍手)  私も、いつの間にか社会党長老ということになりました。長老という肩書きに何かいいところがあるとするならば、それは、ここ数十年の波乱万丈の歴史を自分の目で見、耳で聞き、身をもって体験したことでありましょう。  私は、大正デモクラシーの時代に青春を過ごしました。昭和に入ると、悲惨な不況失業が待っておりました。この昭和恐慌とともに暗い政治反動化が始まり、軍部が政治の実権を握り、中国への侵略戦争に進みました。やがてファシズムのドイツ、イタリアとの三国同盟となって、ついに破滅的な太平洋戦争に落ち込んでいったわが国の足跡をまざまざと思い起こすのであります。  最近、世界不況が再び深刻さを加え、数千万の失業者が出ております。ちまたには、五十年前の大恐慌再現の不安が広がっております。このように世界経済が重い病気にかかっておるというのに、一方では、莫大な軍事費を使って危険な軍備増強が強行されておるのであります。この不穏な情勢に対して、私は、経済不況から戦争へと進んでいったあの半世紀の歴史を顧み、わが国が二度と再び同じ過ちを繰り返してはならないと、かたく思うのであります。(拍手)  私の人生の持ち時間は、残りわずかであります。この大切な時間を、最後まで私の政治信条を守り抜き政治反動戦争に反対し、わが国の平和と進歩のために微力をささげたいと存じておるのであります。(拍手)また、このことが、本日の表彰におこたえするゆえんでもあると信ずるものであります。  以上、いささか所感を述べまして、感謝の言葉といたします。  ありがとうございました。(拍手)      ────◇─────
  7. 保利耕輔

    保利耕輔君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。  すなわち、この際、第九十六回国会内閣提出公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(国鉄労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(国鉄動力車労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの作(全国鉄施設労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全国鉄動力車労働組合連合会関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(国鉄千葉動力車労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(鉄道労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全国電気通信労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(日本電信電話労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全専売労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全逓信労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全日本郵政労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全林野労働組合関係定員内職員及び常勤作業員常勤作業員処遇を受ける常用作業員を含む。)」)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全林野労働組合関係基幹作業職員常用作業員常勤作業員処遇を受ける者を除く。)及び定期作業員」)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(日本林業労働組合関係定員内職員及び常勤作業員常勤作業員処遇を受ける常用作業員を含む。)」)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(日本林業労働組合関係基幹作業職員常用作業員常勤作業員処遇を受ける者を除く。)及び定期作業員」)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全印刷局労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全造幣労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(アルコール専売労働組合関係)、右十八件を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  8. 福田一

    議長福田一君) 保利耕輔君動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 福田一

    議長福田一君) 御異議なしと認めます。     ─────────────  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(国鉄労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(国鉄動力車労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全国鉄施設労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全国鉄動力車労働組合連合会関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(国鉄千葉動力車労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(鉄道労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全国電気通信労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(日本電信電話労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全専売労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全逓信労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全日本郵政労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全林野労働組合関係定員内職員及び常勤作業員常勤作業員処遇を受ける常用作業員を含む。)」)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全林野労働組合関係基幹作業職員常用作業員常勤作業員処遇を受ける者を除く。)及び定期作業員」)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(日本林業労働組合関係定員内職員及び常勤作業員常勤作業員処遇を受ける常用作業員を含む。)」)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(日本林業労働組合関係基幹作業職員常用作業員常勤作業員処遇を受ける者を除く。)及び定期作業員」)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全印刷局労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(全造幣労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(アルコール専売労働組合関係)(第九十六回国会内閣提出
  10. 福田一

    議長福田一君) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(国鉄労働組合関係)外十七件の公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件、右十八件を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。社会労働委員長唐沢俊二郎君。     ─────────────  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(国鉄労働組合関係)外十七件及び各件の報告書     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────     〔唐沢俊二郎登壇
  11. 唐沢俊二郎

    唐沢俊二郎君 ただいま議題となりました公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(国鉄労働組合関係)外十七件について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本各件は、昭和五十七年五月八日、公共企業体等労働委員会関係労働組合の要求に係る昭和五十七年新賃金に関する紛争について行った裁定が、予算上不可能な資金の支出を内容とする裁定と認められるので、国会議決を求めようとするものであります。  本各件は、第九十六回国会から継続審査となり、本日大野労働大臣から提案理由説明を聴取した後、採決の結果、本各件は、いずれも全会一致をもって公共企業体等労働委員会裁定のとおり実施することを承認すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  12. 福田一

    議長福田一君) 十八件を一括して採決いたします。  委員長報告は、十八件とも公共企業体等労働委員会裁定のとおり実施することを承認すべきものと決したものであります。十八件は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 福田一

    議長福田一君) 御異議なしと認めます。よって、十八件とも委員長報告のとおり決しました。(拍手)      ────◇─────  昭和五十七年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例に関する法律案内閣提出)の趣旨説明
  14. 福田一

    議長福田一君) この際、内閣提出昭和五十七年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例に関する法律案について、趣旨説明を求めます。大蔵大臣竹下登君。     〔国務大臣竹下登登壇
  15. 竹下登

    国務大臣竹下登君) ただいま議題となりました昭和五十七年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例に関する法律案趣旨を御説明申し上げます。  昭和五十七年度予算につきましては、歳入面において、世界経済停滞影響等による経済情勢の変化に伴い、租税及び印紙収入は、当初予算に対し六兆一千四百六十億円の減収となることが見込まれることとなりました。  また、歳出面においても、史上最大規模となった本年の災害の復旧に要する経費等、緊急に措置を要する追加財政需要が生じてまいりました。  政府は、このような状況に対応するため所要の予算補正を行うこととし、従来にも増して既定経費の徹底した節減、税外収入の確保、追加財政需要圧縮等を行ったところでありますが、なお多額の公債追加発行が避けられない状況にあります。  しかしながら、公債消化環境はきわめて厳しく、公債追加発行額についても極力これを縮減し、市場の状況を勘案して消化可能な範囲にとどめる必要があります。  このような状況のもとで、当初予定した国債費定率繰り入れ等を停止することとすれば、それだけ公債追加発行額の縮減が可能となります。  他方、国債整理基金資金繰りの状況を見ますと、昭和五十七年度公債償還は、同基金にこれまで積み立てられた余裕金によって対処可能であり、国債費定率繰り入れ等を停止するとしても、公債償還に支障はないものと見込まれております。  このような状況にかんがみ、昭和五十七年度における国債の元金の償還に充てるべき資金一般会計から国債整理基金特別会計への繰り入れについて、前年度首国債総額の百分の一・六に相当する金額繰り入れ及び割引国債に係る発行価格差減額年割り額に相当する金額繰り入れを行わないこととする法律案提案いたしたものであります。  以上、昭和五十七年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)      ────◇─────  昭和五十七年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例に関する法律案内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
  16. 福田一

    議長福田一君) ただいまの趣旨説明に対して質疑の通告があります。これを許します。伊藤茂君。     〔伊藤茂登壇
  17. 伊藤茂

    伊藤茂君 私は、日本社会党護憲共同を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和五十七年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例に関する法律案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。  私は、まず最初に、このような法案を提出するに至った政府財政政策の行き詰まり、失政の積み重ねの政治責任を厳しく指摘するものであります。  本法案は、五十七年度予算における六兆一千四百六十億に及ぶ巨額歳入欠陥への対応策の一つとして提案されております。しかし、昨年度、本年度と相次いで発生した巨額財政赤字最大の原因は、あなた方政府ができるはずのない過大な経済成長率税収伸び率をもって予算を編成したことにあることは明々白々な事実であります。言うならば、みずからつくった粉飾予算の破綻がここに露呈したのであります。その政治責任は重大であります。  しかるに、国会に提出された本法案提案理由には「財政の困難な状況等にかんがみ、」とだけ書かれています。さらに、補正予算案説明には、「世界経済停滞等を反映して」税収が大幅に下回ったのでと書かれています。とんでもないことであります。これでは政府責任の一かけらもないという態度であります。今国会における総理発言にも、鈴木内閣主要閣僚として、また現総理としての反省責任感は見られないのであります。  総理、私はまずあなたに、このような事態に至らしめた深刻な反省と真剣な責任感がおありなのでしょうか、それを伺いたいのであります。明白な事実に基づいた反省責任、そしてこの失敗を絶対に繰り返さないためにどのような具体策をとる決意なのか、率直にお答え願いたいのであります。  次に、本法案に関連する今後の公債政策について伺います。  本法案によって骨抜きにされ、崩壊させられようとしている減債制度は、昭和四十二年に制度として法定化されたものでありますが、その前提となった財政制度審議会報告書には、「公債政策の健全な運用が重要であり、国民信頼と理解を得るためにこれを制度として法定化することとし、これによって公債累増に対する歯どめとなる」と指摘をいたしております。この制度を停止することは、公債政策をさらに不健全なものにし、信頼性と歯どめを失わせ、一層の乱発につながるものになるのではありませんか。  本法案は、今日の減債制度を法制化したときのあなた方自身提案説明と全く逆のことをやろうとしているのであります。これでは担保も保証もなしに巨額の借金を続けることになります。こんなことは世間に通用する話ではありません。  総理、今日の状態は、危機というよりは破局に近づいていると言うべき状態であります。この重大時局に当たっての公債政策基本をどう認識され、どうお考えなのか、お答えください。  さらに、政府の今後の対応策を見ると、より深刻な事態に引き込もうとしているのではないかと憂慮せざるを得ないのであります。いま政府が進めている五十八年度予算編成の中で、明年度定率繰り入れ措置を停止する態度であると伝えられ、また、財政制度審議会桜田会長も、財政再建まで定率繰り入れ停止はやむを得ないと語っております。政府は、特例法の形で提出した本法案と同様のことを五十八年度予算でも繰り返すつもりなのでしょうか。さらに、償還政策全面見直しの意図なのでしょうか。粉飾をやめて真実を語る決意があるならば、明確にお答え願いたいのであります。  また、大蔵省の方針として、あるいは財政制度審議会の方向として、赤字国債の借りかえを実施する予定であると報道されています。また、資金運用部保有国債日銀売却など、事実上の日銀引き受けも不可避であるとの声も出ております。これらは、戦後一貫して維持されてきた公債制度の原則が根底から崩されることであり、財政法基本精神を覆すことになりますが、どう考えているのでしょうか。これらについて大蔵大臣の見解を伺いたいのであります。  次に、財政再建の方途について伺います。  総理、あなたは、五十九年度赤字国債脱却の目標は現実的にむずかしくなっており、現在策定中の新経済五カ年計画と絡めて見直すと表明されています。しかし、その内容も骨格も何ら明らかにされておりません。いま国民はその内容がどうなるのかを注目をしているのであります。  鈴木総理は、「財政非常事態宣言」なるものを発表しました。しかし、昭和五十九年赤字国債脱却の公約は完全に行き詰まり、結局は鈴木総理自身の立場の非常事態宣言に終わったのでありますが、あなたはどういう決意ですか。  今日まで各界から指摘されてきたのは、当面する事態の深刻さと同時に、それ以上に見通しが不透明でわからないという点であります。もし、あなたが、濃霧の海に海図も持たないまま船出を強行する無責任船長のようなものではないというのならば、あなたの考える基本方向、その大綱、その骨格を示していただきたいと思うのであります。  私がこの点を強調するのは、その方向いかんが国民生活国民経済にとってきわめて重要な影響をもたらすからであります。今日まで政府は財界主導の臨調路線を推し進め、福祉、文教など国民生活向け予算を削減し、逆に軍事費を大幅に拡大してきました。今回の補正予算でも、当初予算に計上していた公務員給与改善費すらも削って、人事院勧告を凍結し、年金や恩給の受給者など約二千八百万人もの人々に犠牲を押しつけようとしています。  財政危機を最大の理由にして人勧凍結という理不尽な主張をしながら、また大きな犠牲を強要しながら、みずからの責任である財政危機打開の計画は何ら明らかでないという無責任さは断じて容認できないのであります。(拍手)  総理、あなたはいまどういう柱で財政再建を進める決意ですか。目標年次を含め、その計画を一日も早く策定する責任があると思いますが、いかがですか。  さらに、あなたが責任者となって、関係大臣も含め広く国民の意見を求める特別の仕組みをつくって、あなたが中心となって責任ある取り組みをすべきではないでしょうか。明確な答弁を求めます。  さらに、私は、財政再建にかかわる主要な点について見解を伺います。  その第一は、経済見通しについてであります。今日の破綻の原因が、不確実性の時代を象徴するかのような無責任政府経済見通し、税収見積もりにあったことは明白であり、いま重要なことは、その過ちを繰り返さない、確度の高い経済計画を策定することであります。  そういう立場から今日の内外の経済状況を見た場合、今後の実質成長率、税収伸び率を的確に推定することが必要であると思います。現在策定作業中の新経済五カ年計画は財政再建計画と深いかかわりを持つものでありますが、経済企画庁長官の見解を伺います。  第二は、税制改革であります。現在の状況は、税に対する国民の関心はかつてなく大きく高まっていると同時に、税に対する国民の不信が大きく渦巻いていることであろうと思います。いま必要なのは、税の不公平を抜本的に是正し、税の公平を国民的合意となし得るような対策を緊急にとることだと思います。これが重要な前提であります。そのためには、自主的な能力も信頼感もない現在の政府税制調査会を改革して、各界各層の意見を十分に吸収し得るような仕組みにするなど、抜本的な対策が必要であると思いますが、いかがでしょうか。  また、総理は昨日の予算委員会でも「増税なき財政再建」の基本線を守り、いわゆる大型間接税を念頭に置かないと言われておりますが、同じ昨日、大蔵省首脳は、国会決議で否定されたいわゆる一般消費税以外ならば、大型間接税は可能であると言っています。とんでもない話であります。政府税調は直間比率の見直しを提起して、新型消費税の検討を表明し、大蔵省からは、直間比率を当面六、四にするのが適当であるとの発言がなされてきました。これは明白な矛盾であります。直間比率を六、四とするならば、数兆円の間接税の拡大となるのであります。これは一体どういうことでしょうか。総理大蔵大臣の見解を求めます。  また、所得税減税についても、政府は、大蔵委員会減税特別小委員会の結論を尊重すると繰り返し答えておりますが、余りにもおざなりで、政府みずからの責任を回避している態度と言わなければなりません。  これは本来政府責任であります。税の不公平是正における中心的な問題であります。税制改革の基本問題として政府自身がどう認識し、どうするつもりなのかを伺いたいのであります。大蔵大臣に答弁を求めます。  私は、最後に中曽根総理に強い要望を込めて伺いたい。  あなたは、軍事費について、聖域ではないが特別の配慮をしなければならないという趣旨の答弁をされてきました。そうして間もなく訪米してレーガン大統領と会談しようとしています。その結果、軍事費負担がさらに大きく押しつけられることを多くの国民が憂慮をいたしております。  総理世界の現状を見てください。米ソ超大国から発展途上国まで、至るところで巨大な軍事費負担に悩み、経済危機が広がっているのであります。いま必要なことは、平和共存、軍縮の経済を積極的にアメリカにもソ連にも提案して、世界経済の再活性化に貢献することではないでしょうか。このような国際的な視点が日本の財政再建にも不可欠になっているのが今日の時代ではないでしょうか。  以上本法案に関連して質問をいたしました。今日の事態は日本の財政史においても例のない重大な局面であります。これに誤りなく対処することを強く要求いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣中曽根康弘君登壇
  18. 中曽根康弘

    ○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 伊藤議員の御質問にお答えいたします。  まず、歳入欠陥に対する責任論でございますが、本年度におきまして六兆一千億円に及ぶ租税収入の欠陥を生じましたことは、はなはだ遺憾でございます。  これは、御指摘のように、高度経済成長時代の情性になずんだ考え方、あるいは世界経済の冷厳な動きに対する見方が甘かった、そういう点を大いに反省しなければならぬと思っております。今後は、この見積もりの精度を向上させまして、そうしてこのような情性になずんだ考え方を一てきいたしまして、歳入歳出ともに厳正な見積もりを行い、財政の均衡を回復して、財政の対応力も回復するように努力してまいりたいと思っております。  さらに、減債制度の停止について御質問がございました。  この制度は、戦後、公債を発行いたしました四十二年度から創設された制度でございます。本年度のこの停止ははなはだ遺憾でございますが、五十七年度の事情にかんがみ、やむを得ず実行いたしたものでございます。国債整理基金資金繰り上、国債償還につきましては支障がないという前提のもとにこれを行っております。  この減債制度は、今後も基本的には維持していかなければならぬと思いますし、さらに公債の確実な償還を心がけまして、公債に対する国民信頼を確保することが大事であると考えております。  財政再建の考え方について御質問がございました。  五十九年度赤字公債脱却ということは、最近の情勢を見まして非常に困難になったと申し上げたとおりでございます。まことに遺憾な次第でございます。今後は、歳入歳出について抜本的な見直しを行ってまいりたいと思います。来年度予算におきましては、五十七年度予算と同額に圧縮する、そういう意気込みで思い切った歳出の削減を行わなければならぬと思います。歳入につきましても、「増税なき財政再建」ということを心がけまして、今後懸命な努力をしてまいるつもりでございます。  今後の財政再建構想につきましては、五十八年度予算の編成を踏まえまして慎重に検討してまいるつもりでございます。  さらに、軍事費の削減について御質問をいただきました。  わが国の防衛は、専守防衛ということで、必要最小限の有効な防衛力を整備しようという考え方でございますが、自衛隊を中心にする防衛、安保条約による日米の提携のほかに、やはり国際環境の整備ということも非常に重大な項目でございまして、この中には軍備管理、軍縮の促進ということももちろん含まれているわけでございます。鈴木総理は、国際会議におきまして、軍縮を励行してその余力を発展途上国に振り向けて、世界経済を振興させようと御発言になりましたが、この考え方は私も踏襲してまいりたいと思う次第でございます。  「増税なき財政再建」に絡みまして、一般消費税について御言及がございました。  安易な増税を念頭に置くことなく、歳出の削減を懸命に試みまして、均衡を回復するように努力してまいりたいと思っております。いわゆる一般消費税というものは考えておりません。  あとは関係大臣に答弁をお願いいたします。(拍手)     〔国務大臣竹下登登壇
  19. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 私に対する御質問、桜田財政審会長の発言を踏まえて、定率繰り入れを五十八年度にいかにするか、こういう御趣旨の御質問がまず第一でありました。  五十八年度の定率繰り入れの取り扱いにつきましては、五十八年度予算編成の過程で、五十六年度決算処理に伴う同基金への繰り戻しの問題と一緒に、財政事情を踏まえて検討したいというふうに考えております。  そして五十九年度以降の検討の日程、こういうことになりますと、いまだ具体的に申し上げる段階ではございませんけれども、いずれにしても、この公債償還の問題につきましては、中長期的視点に立って、幅広い検討をしなければならないというふうに考えておるところであります。  それからまた、この発言によりまして、いわゆる借りかえ問題についての御質問がございました。  とにかくこれだけの大量償還が始まるのは六十年度以降でございますが、当面は新規の財源調達手段としての特例公債の縮減、これにまず全力を挙げていく、これが先決であると思うのであります。したがって、償還問題につきましては、時間をかけて幅広い検討をしなければならないと思っております。  それから、日銀引き受け問題について、いわゆる財政法第五条の立場からの御指摘でございました。  あくまでも市中消化の原則、これを堅持していくことは当然のことでございますし、そしていわゆる資金運用部を経由する問題等についても適切な指摘がございましたが、新発債を買う財源として手持ち債を日銀へ売る、こういうようなことは考えておりません。  それから、税調の性格等に触れながら、不公平税制の問題についての御指摘がございました。  税負担の公平の確保という点からもろもろの問題を検討していくことは当然のことでございますが、税制の諸問題について、従来から、政府の税制調査会に検討をお願いしておりまして、その意見を参考にしながら対処してきておるというのが今日までの姿でございます。税制調査会の委員の先生方というのは、まさに幅広く国民各界各層の学識経験者にお願いしてございますので、その答申には国民の意見が十分反映されておる、こういう考え方の上に立っておるわけであります。  そうして国会で協議しておる減税問題、これに対して政府責任においての考え方を示せ、こういう御指摘であります。  これは、今日まで政府が答えておりますのを整理いたしますと、まず一つ、歳出歳入両面にわたる徹底した見直しによって財政再建に明白なめどをつけるとともに、二つ目として、所得税減税の適切な財源の手当てが可能であること、こういう二つの条件を掲げております限りにおいて、今日その環境が熟しておるとは思いません。  がしかし、衆議院議長見解、こういうことによって設けられております大蔵委員会における減税問題に関する特別小委員会、この検討がなされて、中間報告もなされておる今日でございますので、この小委員会で財源問題も含めて与野党合意の結論が得られれば、当然のこととしてこれを尊重してまいる、こういう姿勢に変わりありません。  次は、直間比率の見直し問題と、そして総理の御発言と異なった発言を大蔵省首脳がやったではないか、こういう御指摘でございます。  「増税なき財政再建」ということについては、かねて行財政改革のまさに理念であります。安易に増税を念頭に置くということではなく、まず行政の簡素効率化、制度・施策の見直し、削減に努力する。  いずれにいたしましても、それらのことを徹底して行って、そしてなおこの施策水準を維持する必要があるという場合に、改めて受益と負担との関係はどうか、こういうような議論を踏まえて、そうして税制自体についても、直接税と間接税のバランスといった税体系の問題というような問題も、そこで考慮することになろう。したがって、いずれにせよ、国民の合意と選択の問題でございますので、今後とも十分各方面の御意見を伺いながら対処してまいりたいと思っておるわけであります。  そこで、昨日の発言の問題でございますが、それは五十四年、本院におきまして、財政再建の手法としていわゆる一般消費税(仮称)の措置はとってはならないというきつい戒めが決議の中にあらわれておるということを私どもが発言をした、それがそのように伝えられたものである、こういうふうに認識いたしております。  以上でお答えを終わります。(拍手)     〔国務大臣塩崎潤君登壇
  20. 塩崎潤

    国務大臣(塩崎潤君) 伊藤議員にお答え申し上げます。  お尋ねの新しい経済五カ年計画は、現在、経済審議会におきまして、各界多数の有識者に御参集していただき、鋭意検討中のところでございます。  この新しい経済計画の骨格は、現行の新経済社会七カ年計画について、これが昭和五十四年八月に策定されました後に生じた顕著な経済的、社会的変化を取り入れて、全面的に見直そうとするものでございます。  顕著な変化とは、第一に、第二次石油危機の影響または世界経済の予想外の低迷によって、世界貿易や経済成長率が計画の想定を下回っていることでございます。第二は、エレクトロニクスの技術を中心としました技術革新の進展でございます。第三には、女子労働力の進出といった労働市場の構造変化などでございます。  そこで、お尋ねの経済成長率でございますが、政府経済計画策定の趣旨に基づいて、最近の経済情勢を十分に織り込んで、実現可能で、かつ、望ましい姿を明らかにすべく、慎重に検討してまいりたいと考えております。  また、財政再建の問題は、新計画策定に当たっても重要な課題でありますので、財政当局とも慎重に検討してまいりたいと存じます。  以上でございます。(拍手
  21. 福田一

    議長福田一君) これにて質疑は終了いたしました。      ────◇─────
  22. 福田一

    議長福田一君) 本日は、これにて散会いたします。     午後一時十二分散会