○
井上説明員 お答えいたします。
確かに
日米加
漁業委員会におきましては、先生が指摘されました三点について主として関心が集中したと言えると思います。
まず違反問題につきましては、一部の
漁船が
アメリカの二百海里
水域内に入りまして違反
操業したのじゃないかということで、カラー写真を突きつけられてその事実
関係の判定を求められたわけでございます。わが方としては、現在その違反事実の有無につきまして調査をしている
段階でございます。国際
協定といいますのは、約束いたしました事項を完全に守るということでそういった
協定が継続していくものでございまして、この点、厳に
協定が守られるようにわれわれも
関係者に注意し、徹底を図りますとともに、監視その他の方法による取り締まりを一層強化していく必要がある、このように考えている次第でございます。いずれまとまりましたら、その結果を
アメリカ、カナダの方に通報いたしたいと、このように考えているわけであります。
第二点の、イカ流し、大目流しの問題でございます。これにつきましては、今回の
会議におきましては従来よりはやや
アメリカ側の疑問点が解明されまして、従来ほどにはしつこく追及されなかったように私は理解するわけでございます。特にイカ流し網が
アメリカの西海岸に流れ着くということからどうもサケ・マスを混獲している疑いがあるのじゃないかということをわれわれに申してきているわけでございますが、イカ流し網
漁船に
アメリカの
漁民がオブザーバーとして乗船をいたしますとか、あるいは
アメリカ側が証拠として出しましたサケ・マスのネットマーク――サケ・マスにネットマークがついているわけでございますけれ
ども、そのネットマークから検討いたしますと、どうもイカ流し網によるネットマークではないのじゃないか、こういうようなことをわれわれは説明いたしたわけでございまして、この点、従来の
アメリカ側が持っておりました疑問点が幾分なりとも解けてきたんじゃないか、このように考える次第でございます。
なお、この点につきましては、
日本側も十分
資料を集めますとともに、
アメリカ側からも
資料の提供を求めましてさらに疑問点について解明をいたしていきたい、このように考えるわけでございます。
それから、イカ流し網あるいは大目流し網につきましては所要の
規制を行いまして、サケ・マスの混獲がないように
水域規制を行っていることは先生御案内のとおりでございます。
それから、第三点のマスノスケの混獲の問題でございます。マスノスケにつきましては、昨年から
向こう三年間マスノスケの混獲の自主
規制を行っておりまして、ことしはその成果が大いに上がったわけでございます。
アメリカ側が
主張いたしますのは、マスノスケが、ベーリング公海と言っております
アメリカの二百海里
水域のやや北側でございますけれ
ども、ベーリング公海の東の部分でとれるものはどうも
アメリカ系が多いのではないか、こういうことでベーリング公海の東の部分の
操業規制についてもう少し検討してもらえないか、こういう問題の提起でございます。わが方といたしましては、
アメリカ側に約束いたしました自主
規制を忠実に守っているわけでございます。またその成果も上がっているという現状を踏まえましてその旨反論をいたしまして、なお、さらに詳細な点につきましては、来年三月に
日米の科学者間の
会議がございますが、これはマスノスケの
会議ではございませんけれ
ども、その場でもう少し詳しく検討をして、果たして現在の
規制以上に
規制をする必要があるのかどうか検討しようじゃないか、こういうことに相なっているわけでございます。
以上でございます。