○
政府委員(筧榮一君) お答え申し上げます。
私
どもの
関係では、横浜法務合同庁舎の工事に関しまして業者間で談合がなされ、落札業者があらかじめ決まっておったのではないかという御指摘を受けたわけでございます。
最初から申し上げますと、二月十二日が入札の日でございますが、その日の午前中に寺田
熊雄議員から、落札業者が清水建設・五洋建設になるという情報を得ておるので入札施行前に御通知をするという書簡を法務大臣あてにいただきまして、それが十三日土曜日に受け取ったわけでございます。そこで、私
ども寺田先生にもいろいろお話を伺い、大臣からは、この落札以降の手続は凍結して厳重に事実を調査するようにという御下命がございました。そこで、ちょうど十三日土曜日でございますので、十三、十四は抜きまして十五日の午前九時半ごろ、前に申し上げましたように、この事業は二十の共同企業体、つまり四十社が入札予定でございました。その四十社のうち、第一グループの二十社、これに連絡をいたしまして、月曜日午前中に見積明細書を持って出てきてくれというふうな連絡をしたわけでございます。
その結果、二十社全部出頭いたしまして、それぞれから事情を聞き、さらに持ってまいりました見積内訳書の提出も受けたわけでございます。そして、十六日に寺田先生から御質問があったわけでございますが、さらにその後、残りのBグループの二十社、これにも事情を聞きまして、さらに主要な
関係者十数名につきましては詳細に、指名を受けてから入札に至るまでの間の経過を聴取いたしました。これら
関係者の事情聴取の結果、それと提出を受けました見積内訳書二十五冊、その内容をしさいに検討いたしました。調査を行い、その結論を出すべく急いだわけでございます。
その結果でございますが、入札指名を受けた二十の共同企業体、これにつきましてそれぞれが見積もりをし、それぞれが入札に参加したわけでございます——一つの例外は後で申し上げます。わけでございますが、その中で、特に本件の受注に強い意欲を持っておったと思われますのが三グループございます。清水建設・五洋建設その他二つのグループでございますが、これらの企業体の入札に対応する対処方針を、方針と言いますか、その経過を見てみますと、設計図書を複数購入するとかあるいは積算
担当者が手分けをして約二週間の労力をかけて詳細積算を行うということで、入札に至るまで真摯にこれを落とすべく
努力していたということが認められたわけでございます。
それからもう一つの事実がございますが、これはいま申し上げました三つの意欲的なものの一つのグループでございますが、そのAグループの会社につきまして、一月下旬ごろ同じく神奈川県内で他の官庁の工事に絡みまして疑惑があるという新聞報道がなされました。そこで、私
どもとしてそういうことがあってはいかがなものであろうかということでその会社から聞いてみますと、私
どもとしてはそういう事実はございませんということでございました。ところが、その後新聞に、事実かどうかは私
どもわかりませんが、二、三のそれに関連するような疑惑と称する記事が出ております。そこで、さらにまたその点を確かめておったわけでございますが、その企業が、私
どもとしてはそういう事実はありませんと、しかし、法務省ということでもありますので、御心配をかけてはいけないので、本件については入札を辞退いたしたいということを言ってまいりました。それが十二日の入札の前々日——十一日は祭日でございます、十日の夕方でございます。そこで、それでは今回は不参加ということになったわけでございます。
ところが十二日、入札当日の午前中に、その辞退をいたしたいと言いました会社とグループを組んでおりましたBグループの会社の者が参りまして、辞退したというのは本当ですかということで、本当であるということを申しましたところが、私
どもとしてはきわめて残念であると、できれば私
ども一社でもこれをとりたいんだと、一社でも入札に参加させてくれという強い申し出がございましたが、しかし、本件につきましては二社ずつの二十の合同企業体による入札を予定いたしておりましたので、一社による参加は認めがたいということで、これはお断りしたわけでございます。
ただいま申し上げましたように、その直前に至るまで少なくとも特に意欲のある三社が熱心にやっておった、あるいはその入札の当日の午前中に、そういう単独でも参加したいというような申し出があったというようなことを勘案し、あるいはその他の社につきましても、見積書の内容それから入札に至るまでの現場
説明その他における行動と申しますか、これを詳細に検討いたしまして、その結果、本件につきましては入札の以前にこの清水・五洋という一つのジョイントグループに落札することが業者間で話し合いができておったという事実は認めることができないという結論に達したわけでございます。
そこで当省といたしましては、この調査結果を踏まえまして、清水・五洋との契約を締結したわけでございますが、その際には、清水・五洋に対しまして、談合等の不正な競争が絶対本件工事の入札に絡んではいなかったということ、及び万一かかる事実があったことが後に判明したときは、本工事の請負契約を解除されても
異議がない、解除に伴う一切の損害賠償の請求はしないという誓約書を徴しまして、その上で三月四日に契約を締結したわけでございます。
なお、談合等の事実につきましては、私
どものサイドでできる限りそういうことのないように
努力を重ねたいと思っております。