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国務大臣(田澤吉郎君) 対外経済問題については、すでに昨年の暮れ、対外経済閣僚
会議で五項目にわたる対外経済対策を決めまして、それにのっとって随時
作業を進めてきているわけでございます。農林水産省
関係にとって非常に厳しい条件でございましたけれども、さきに関税率の前倒しをやり、あるいはまた輸入検査手続の緩和等をしてまいりまして、
わが国の農林水産行政の
現状あるいはまた輸入拡大に対する私たちの
考え方等をアメリカあるいはECに
政府の機関を通じて、あるいはまた議員外交を通じて、これまでずっと進めてきているわけでございます。そういう折に九日、十日に日米の貿易小
委員会が開かれたわけでございまして、いま外務大臣あるいは通産大臣から御報告がありましたように、双方から活発な意見が交わされたのでございます。アメリカ側としても農産物の市場開放というものを非常に強く要請してございました。わが方としてはやはり残存輸入品目二十二品目についてはこれは限界であるから、これ以上はどうしても無理でございますよという旨を強く要請をいたしてまいりました。しこうして、これからの日程等につきまして、いま外務大臣から
お話がありましたが、御承知のように東京ラウンドでIQ、いわゆる牛肉、オレンジについては一九八三年まで合意されているわけでございまして、一九八四年以降の問題がこれから協議されるわけでございます。その折に一九八二年の後半に話し合いをしようということに相なっているわけでございまして、アメリカ側からは十月一日以前の早い機会に話し合いをしようじゃないかという要請がございましたけれども、それについては東京ラウンドのやはり合意事項に反するから、これはやはり十月以降の双方に適当な時期に話し合いを進めようじゃないかということを申し述べてあるわけでございます。また、その他の品目につきましては、これは先ほども
お話がありましたように、
作業部会を設けましてお互いに話し合っていく。これは単に市場開放を了承したという
意味じゃなくして、
日本は
日本としての
立場を主張いたしますよと、しかし感情的にならぬようにお互いに話し合おうじゃないかということで
作業部会を進めたわけでございます。
農林水産
関係では、アメリカはいろんな農産物の市場開放については双方に大きな問題がありますけれども、基本的には農産物の市場開放は良好であると、
日本はアメリカにとってのお客さんでございますと、しかもこの市場開放については、単に
日本にだけ要請しているんじゃなくして、ECについてもこれは要請をいたしているのでございますから、来月やはりECと協議をしたいというようなこともございますので、今後私たちは積極的に、精力的に話し合いをして、各国のいわゆる農産物の市場開放度の比較、あるいはまた各国の農業政策がアメリカにどういう影響を与えているか、アメリカ自体が一体どうなのかというようなことを率直に話し合って理解を求めたい、かように考えております。