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政府委員(
塩田章君) まず
試改修の
目的でございますが、第一には
延命ということを考えておるわけでございます。約三千時間を五千時間に、二千時間ばかり
延命できるかどうかということを試してみたいと思っております。
それから第二に、もしそういうことで
延命ができますと、約十年間長く使えることになりますので、その間古い
能力の飛行機のままでは
余り意味がございませんので、その十年間の使用に耐える
能力アップということを考えておく必要があるだろうということを考えまして、
能力アップということを考えたわけでございます。その
能力アップの主なねらいは、
一つは現在の
ファントムの一番の欠点としまして
ルックダウン能力、低い方を見る力が弱いので
ルックダウン能力を上げたい、そのためのレーダーの改装をいたしたい、これが
一つ。
一つは
戦闘能力をアップさせたいということで、
F15が持っております同じ
コンピューターを入れるということをやってみる。それによりまして現在持っております、まず
ミサイル類について申し上げますと、サイドワインダーあるいはスパローにつきまして、最新型のものが搭載できるようにすること。それから、
日本が開発しました空対
艦誘導弾を装置することができるようにするということを
ミサイルの
装備の面で考えていきたいと思っております。
それから、いま御指摘のございました
対地爆撃能力でございますが、これにつきましては、現在の
F15が持っております。その
コンピューターは
爆撃の
計算をすることができます。そこで現在、
F4ファントムはパイロットによるいわゆる勘による
爆弾投下しかできませんのですが、これを採用いたしますと、単なる勘による
爆撃でなくて
コンピューターが
計算をしてくれるということになります。そういう
能力アップは図られるわけであります。しかし、かつて
F4ファントムが元来有しておりましたような専用の
爆撃装置ではございませんし、
能力的にも
連続爆弾投下というようなもともと持っておりました、かつて落とした、そういう
能力を今回復活させるわけではございません。
それから、そのほかに、航法管制装置の改善といったようなものがございますが、これは要するに、機材が古くなっておりますので新しい性能のものにかえるということでございます。
なお、
生田目空幕長の
発言と私の答弁とが食い違うではないかという
趣旨のお尋ね、それからなお、F1の
後継機としても目指しているのじゃないかというような
お話がございましたが、
生田目空幕長の
発言は、およそ
戦闘機というものは、要撃
戦闘機と、もう
一つは、私ども、支援
戦闘機、
日本の場合はこの二種でございますが、どちらにしましても、要撃
戦闘機にしても対地
攻撃能力は大なり小なり持っておるわけだし、逆に、現在のF1のような支援
戦闘機といったものも、アラートハンガーについて対領空侵犯措置にも使っておるわけだし、そういう
意味で、それぞれの
能力をお互いに持っておるという
趣旨のことは確かに言っております。しかし、本来、要撃
戦闘機は要撃
戦闘機としての
機能を重視したものであり、付随的に対地
爆撃機能を持っておるということを言ったわけであります。
それから、F1の
後継機云々ということにつきましては、新聞記者の会見におきまして、F4を
対地支援に使う可能性はあるのかという質問に対しまして、それは考えられますということは確かに言っておりますが、続きまして、どこの国の
戦闘機でも空対地の
能力は持っております、性能の差はありますが
戦闘機は空対地の
能力を潜在的に持っておりますということを言っておりまして、先ほど私が述べた
趣旨のようなことを言っておりまして、これはF1の
後継機として断定的な、あるいは固まったような考え方であることを示したものではなくて、そういう両方の性能を持っておりますから、そういうことも
一つの候補としては考えられるという
趣旨で言ったと思います。私どもは現在、F1の
後継機を何にするかという問題についてまだ取り組んでおらない段階でございます。