○小西博行君 塾の問題はこの程度にしておきたいと思いますが、恐らくこれから先はこの塾以外にも専修
学校の問題、それからさっき申し上げたような各種
学校、こういう問題に対しても相当いろんな問題が私はあると思うんですね。ある
意味では、いまの
教育がだめだから何かそれとは違ったわれわれの期待できるような
学校をぜひつくっていただきたいと、昔で言えば寺小屋式の精神をひとつぴしっと入れていただいたようなそういう
学校に期待するというものも私がなり出ているんじゃないかなと。それだけに
文部省も教職員組合もあわせて、権利闘争みたいな形だけじゃなくて、何かいい
教育をしていきたいんだという、やっぱり私はそこが非常に大切な問題になってくると思うんですね。ところが、こういうふうな問題というのはなかなか審議の中でも触れにくいのかどうかしれませんけど、少ないだけに、私は全体としてもう一度
教育行政について、塾を含めて
学校教育を含めて、この際真っ正面から取り組んでいくべき大事な問題じゃないかなと、そのように考えますのでぜひとも
検討していただきたい。
そしてデータにつきましても、私は実はきょう一流大学についてはこういう所得だということも皆さん方にお知らせしたいなというふうに思っておったんですが、データが非常に古いんですよね。ごく最近にはそういうようなことはなかなか人権問題もあるんでしょうし、あなたの収入は幾らですかといって東大の
父兄に聞くわけにはいかぬというようなことで最近のデータはないんですが、大分前のデータをずうっと見てみますと、明らかにそれが出ておりますね。もちろん慶応、早稲田、こういうような
学校にしても相当収入がよくないと行けないという現実があります。これはお金がないという問題と、またそういうようなところへ
子弟が行くのはお父さんお母さんの
教育の程度が高いんだという結果も出ているわけです。特にお父さんよりもお母さんの
教育の程度によって
子供さんの進学の
方向が決まってしまうというようなことも非常に貴重なデータとして入っておりますので、私はそういうような分野もどんどん
文部省の中でひとつ研究していただきたいというふうに思うんですね。これは明らかに具体的な数字なもんですから、数字でもって
教育をやっぱり押えていくということではないと、大蔵省に対してのいろんな予算折衝しても非常に弱いんじゃないか、そういうふうに感じるもんですから、ぜひとも大学
局長もよろしくお願いしたいと思います。
次、
海外子女の問題について、もう午前中からずいぶん審議がありましたので、もう大半は飛ばしまして、特にいまちょっと資料をお配りしましたが、これは電機労連の資料で大変異味深いところが何点か載っておりましたので全部皆さん方には届かないんですけれ
ども、抜粋してお渡ししたわけです。
その中で、特にこの電機労連の三番の資料があります。この「
子供を残留させている理由」というのがありますね。つまり、お父さん、お母さんがアメリカならアメリカへ行っても
子供さんを
国内へ置いている場合がありますね。連れていかない。そういう場合の理由というのがここの数表にちゃんと出ておるわけです、これはたとえば一番は、「家族を帯同するには適さない地であったため」——たとえばアメリカの場合だったらわりあいスムーズに連れていくかわかりませんが、東南アジアなんかですと、ちょっとあそこへ連れていってもかえって
教育にならぬだろう、
英語の勉強にもならないとか、そういうようなことで連れていっていないというパーセンテージが出ているんですね。二三・六、四九・一%、これは
向こうへ実際に行っている場合と内地へ帰ってきてからのパーセンテージ、両方なんですね、後のが内地へ帰ってきた場合、四九・一%。二番目は、
日本での高校・大学
受験が迫っていたためにやむを得ず連れていっていなかった、こういう数字が入っておりますね。
海外子女の問題についていろんな
条件が整備されていないという問題がずっと言われておりますね。つまり、
日本から
向こうに出ていって、それで
向こうでの
学校での勉強の仕方、それから帰ってきた場合の
受け入れ体制、あるいはさらにこれからの進学、こういうような問題がうまく行っておれば、わりあいこれスムーズにいくんだと思うんです、その辺が整備されてないということでいろんな議論がなされますけれ
ども、これも現実のデータとして出ておりますね。
次は「
日本人学校の
問題点」というふうに書いてあります。これは電労の4の資料です。これを見ますと、校舎の規模及び設備これが非常に悪い、
授業料の負担が高い、それから通学距離あるいは通学手段が悪い、こういうふうなことがずっと書いてあります。
こういうような具体的な資料を、
大臣いま見られたかどうか知りませんが、こういうのを見られてこのデータの信頼性といいますか、この信頼性についてはどういうふうにお考えでしょうか。これは電機労連のたまたまのデータなんですね。