○
高木健太郎君 いま片に二回ですか、
研究会を開くという、これはいいと思うんですが、やはり旅費ということはお
考えいただかなきゃこれは何にもならないと思うんですね。それから、現在はいろいろのコミュニケーションのメディアがあるわけですから、そういうものも特に
設置するということもお
考えになっておいた方がいいんじゃないかと思います。それがないと、これはただ名前を
一つにしただけであるという有名無実になるのではないかと思いますので、せっかく許可をされる以上は、実が上がるような旅費の支給なりあるいは便宜的手段による、そういう手段による連絡のメディアをおつくりになるということが、私はこれが必須の条件になると思います。そのことだけを
一つ注文をつけておきます。
第二は、この
研究所は御存知のように
生体防御でございますが、ここでやりますのはがんだとか、慢性リューマチというようなことでございますが、私、東洋
医学に非常に関心を持っている者の一人でございますが、温泉というものはそれの温熱を使ってがんなんかの治療に当たる。これは物理的の方法を使っているわけですが、しかし機械的の方法、たとえばはりだとか、きゅうだとか、そういうものも、現在中国におきましてもヨーロッパにおきましても、すべての
研究者はやはり体の中のバランスをとるとか、あるいは防御の活力を高める、それによって疾病が治るのであるというふうに
考えております。事実私もそうであろうと
考えているわけですが、もしそうであるとするならば、この
研究所をさらに少しずつ今後拡大していかれる場合に、国立として現在東洋
医学の講座が全然ございませんから、こういうところに一部門なり二部門を設けられて、そして
生体防御機構の中に入れるということはぜひお
考えになっていたただきい。富山にいわゆる薬草の方の
研究がございますが、これは漢方の方でございまして、これとは違うわけですから、せっかく一緒にされるならば、行
財政で苦しい
財政でございますが、ここ数年の町にそのような講座をあるいは
研究部門をつくられることを私はお勧めしたいと思います。
ついででございますので時間までに申し上げますけれ
ども、現在はりを使っているお医者さんが十五万八千のお医者さんのうち六千人ぐらいおります。またはり医師は、二万ないし四万ぐらいのはり医師がおるわけでして、お医者さんも六千人ぐらいのお医者さんがおるということです。しかし、これはどこででもそういう
教育を受けていないという、そういう医師が実ははりをやっているわけなんです。非常に寒心というか、寒い心がするわけですが、何かこれの
教育方法をお
考えにならなければいかぬ時期にもう来ているんじゃないか。事実、はり医師にしてもらうと非常に
気持ちがいいが、お医者さんにやられると血だらけになるという訴えも患者はしておりますし、いろいろはりによる治療過誤というものもそろそろ起こってきております。そういう意味ではどこかでこれを
教育しなければならぬ。そのためにもこの
研究所がございまして、はりの治療の原理だとか、それからその実地の実習とか研修とかいうこともここが中心になっておやりになると。これは
一つじや足りぬでしょうけれ
ども、ぜひどこかにこれをおつくりにならないと後でほぞをかむということに私はなると思っておるわけです。
最後にもう一言だけ申し上げたいわけでございますが、最近バイオエシックスという言葉が非常に使われておりまして、アメリカではそういう講座が持たれております。これはいわゆる言いかえれば、医の倫理という学問でございまして、御存じのように、もう酸素吸入をここでとめるか、人工呼吸をとめてもいいか、あるいはもう安楽死をさせた方がいいか、あるいは生まれてくる子供がどうも身体障害児であると子宮診断がついた場合に、これは殺した方がいいか、あるいはこのまま生をうけさせるべきかということは、現在、医師一人の判断に任せられているわけでございます。そういうことでは、今後はうまくいかない、どうしてももう少し患者の
意思も聞かなきゃいかぬ。患者とそれから医師との合意の上でいろいろの判断がなされなければならない時代になってきておるということであります。これが現在、アメリカでも問題になってきたところで、医療の技術が進むとともにそのような問題がますます起こってくるということになりますので、これはどこの
大学ということはございませんが、大阪
大学で
医学概論というのをやろうとしましたが、なかなかそれの講座の許可がおりません。これは
大学内の
事情もございますけれ
ども、ぜひ将来バイオエシックスなり
医学概論なり、あるいは
医学の倫理なり、そういうものを教える講座をぜひつくっておかれることを強く
要望をして私の質問を終わりたいと思いますが、最後に
大臣の、いまのようなことに対して御感想があればひとつお伺いしたいと思うんです。