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政府委員(深田宏君) 昨日来
外務省の試験の
委員を仰せつかっておりまして、その
関係で伺うのが遅くなりまして大変恐縮でございます。けさほどの御
審議の
経緯、したがいまして全部承知しておりませんで、失礼な点があるかと存じますけれ
ども、ただいまの先生の御
質問の最初の点でございますが、
ブロックさんの
書簡及びその別添の
性格につきましては、その冒頭に、英語で恐縮でございますが、パーソナル・アンド・コンフィデンシャルという言葉が書いてございまして、これはいわゆる御親展、御直披というような
性格のものであろうかと存じます。したがいまして、その
内容について詳細を申し上げるというのは差しさわりがあろうかということであったのであろうと思います。
この
書簡の大筋と申しますか、どういうものであったかと別添を含めてお答えいたしますと、
書簡そのもの
本文は
日本文に訳しまして二ページほどのものでございまして、
ブロックさんとしての
日本の
市場開放問題についての
考え方を申し上げたいという前書きでございます。
それから、
書簡についております一番の本体でございますが、これは
ブロックさんのいま申しました
考え方、いわば
アメリカ側の希望と言ってよろしいかと存じますが、これにつきまして農水産物から始まりまして、輸入手続の問題、
関税引き下げの問題等につきまして具体的に希望を申し述べているくだりでございます。一々申し上げるのは適切でないと思いますけれ
ども、たとえば農水産物に関しましては、どういう品目について輸入制限の緩和を希望しているということが書いてございます。また、
関税の
引き下げにつきましても、関心品目表をつけてリストアップしております。また、輸入手続の緩和につきましても、規格、検査、
関税手続等に対する関心の表明、さらにはサービス産業の問題、
市場アクセスの改善と申しますか、商慣行、流通網の改善、輸入の促進、先端技術分野におけるアクセスの改善というような事項が列挙してございます。
それからもう一つの別添でございますが、これがいわば
日本側で
総理大臣から、
外国品を大いに買おうじゃないかというようなことで、門戸を開こうじゃないかということで呼びかけていただくとすればこういうことも一つの案であろうということが盛られましたいわば
談話の一つの案と申しますか、サゼスチョンといいますか、そういうものがついているわけでございます。
それからもう一つ、この点につきまして若干私
どもといたしましても
先方にどういう
背景でこういうものが出てきたかということを問い合わせたわけでございます。これは、
書簡は五月の十一日付でございまして、私
どもの間い合わせば現地時間の十二日に行ったわけでございます。これももちろん
先方の
立場もございます。特に
先方の方から、余り自分の
説明そのまま表へ出るようなことはひとつぜひ勘弁してほしいということでございますので、ここで詳細を申し上げるということは御容赦いただきたいと思いますが、こういう
背景を尋ねました理由といたしましては、一つにはちょうど私自身お手伝いをいたしておりましたけれ
ども、
農産物の交渉に関しまして、
アメリカ側と若干
意見の食い違いと申しますか、行き違いがございまして、いわばその仕切り直しというようなこともございまして、ジュネーブの方まで
先方との打ち合わせに農林省の経済
局長と御一緒に伺ったような
経緯がございます。そのあたりのところが、
先ほど概要を御
説明しました
文書においてどういうふうに反映しているかという点につきまして、若干
先方にただしたい点がございました。
それからこの
書簡は、私
どもとしましては、
櫻内外務大臣あてということでちょうだいいたしたわけでございますが、同時に若干の他の
大臣方にもあてられておったということがわかりましたので、その辺これどういうふうに考えているのかなということで、私
どもとして
先方の意向を聞いてみたいと、こう存じたわけでございます。
最後に、
総理大臣の
談話についても、こういうものが別添されておった
背景については、向こう側の
考え方、これは一応聞いてみた方がよろしいというふうに思いましたので問い合わせた次第でございます。