○川村清一君 ただいまの質問並びに答弁を承りまして、ちょっと関連してお尋ねしたいんですが、御
承知のように、二百海里時代を迎えたわけですけれども、
昭和五十二年以降日本の
水産物の生産量というものは減ってないわけですよ。一千万トンをずっとオーバーしているんですね。それじゃ、それはどういうことかというと、言うまでもなくイワシだとかサバだとか大衆魚というか、そういうような魚が非常にとれておるために、高価な魚は減りましたけれども、こういう大衆魚の生産がふえているために、二百海里時代に入ってもずっと横ばいで一千万トンを超えておると。こういう観点から言うならば、イワシとかサバとかこういう大衆魚のいわゆる
措置をどうするかというところが一番大きな問題になってくる。
で、イワシの話なんかしておりましたんでちょっとお尋ねするんですけれども、いま
坂倉委員が質問されましたように、調整保管というやつをやりましたね。この調整保管は、たとえば北海道あたりはイワシをやっているわけですね。これ、漁連が主体になってやっているわけですが、去年私は千葉県の銚子へちょっと行ったところが、ちょうどイワシのまき網が魚をおろしておる。そこでたまたまそれを見ておりましたら、私を案内していった県会議員の方がその人に、この人は参議院議員だということを言ったんですよ。そうしたら、その方が、船主らしかったんで、とてもとてもこの油が高いときにイワシがキロ十二円だとか十三円だと、こんなものではどうにもならぬと、何とかしてくれということを浜でもって陳情を受けましたがね。
そこで、この調整保管
制度ができたときに、釧路港では大体イワシがキロ三十円から三十五円を下回るような場合には調整保管をやったんですが、しかしいまのような
状態ではさっぱりその効果がない。そこで一体どうなっているのかということを、これは
坂倉委員とともに私はお伺いをしたいことが一点なんです。
それからもう一点は、五十二年、いわゆる二百海里時代に入りましてから一番大きな影響があったのは、スケソウはずっと減っちまったと。要するに、一番多い年は二百五十万トンを超えるぐらいスケソウが漁獲があったわけですね。で、釧路港では一年間に八十万トンぐらい水揚げしまして、そのうち六十万トンぐらいはスケソウであったわけですね。そのスケソウが二百海里時代に入りましてからずっと減ってしまったと。そこで、スケソウを
漁業としてやっておる
水産加工が全部まいってしまったと。そこで、スケソウは、言うまでもなくすり身をつくるのが加工の一番の大きな仕事ですが、そのすり身はこれはかまぼこの原料になるわけですね。そうしますと、これに伴いまして、たとえば仙台の笹かまぼこだとか、あるいは愛媛県のかまぼこの産地だとか、こういうような日本じゅうのかまぼこの生産地におきまして、このスケソウの漁獲減、すり身の減少ということによって大影響を受けましたね。そこで、あの五十二年の年に、政府は大急ぎでいわゆる加工
業種に対する
対策を立てました。そして、法案を出して審議して大急ぎで通したわけですが、その法案の内容というのは、いままでスケソウをすり身にする加工業のいろいろ施設があるわけですね、この施設がもう使えなくなった。そこでこれをスクラップしまして、新しく今度はたくさんとれる魚としてはイワシですよ、このスケソウを原料にするかまぼこを、イワシを原料にするかまぼこにかえられないかと、それで、かえるということで新しい施設をした場合においては、これに対する融資を、いままでは
水産加工は
中小企業金融公庫しか借りられなかった、融資を受けられなかったのを、これは御
承知のように、農林
漁業金融公庫の資金を借りることができるような
法律を提案されまして、われわれは審議して、これも大急ぎでこの法案をつくったことがあるわけですが、しかしながらその後一向にこのイワシのかまぼこというのは出てこないと、どういうような一体——いわゆるこのスケソウからイワシにかわるという、それは大変なことですわな。研究なりそういうことが進められておるのかどうかということ、この問題をお聞きしたいんですね。
それと同時に聞きたいことは、いろいろ問題があるんですが、いずれか機会があるときに
大臣に十分
お話して議論したいところですが、要すれば、こういうもの一切合財を含めて
水産庁の予算がきわめて少ないということなんです。これは農林省予算の五%が昔は
水産庁の予算であったんですよ。これをやかましく言って、言って、言って、いまようやく七%ぐらいまで上がりました。昔は畜産局一局の予算と
水産庁の予算と匹敵するぐらいの予算で、一体、国民のたん白食料の五〇%を提供しておる日本の
水産の行政をつかさどっておる
水産庁の予算が農林省全体予算の五%と、そんなばかな話があるかということをもう議論して議論して、ようやくだんだん上がってきて七%まで来ましたけれども、
水産庁の予算の一番大きな特徴は、そのうちいわゆる公共
事業費、つまり
漁港予算ですよ、
漁港予算に大半を持っていかれるわけですよ。ですから一般行政費というのはまことに少ない。いまでも総額一千億ぐらいしかないんじゃないですか。そんなものの中でやるものですから、ちょっぴりちょっぴりやっておるだけであって、何にも効果が上がらないようなこと。たとえば一例を申し上げますと、漁災法というのが出てくるわけですが、ハマチの養殖では一番大きな問題は魚の病気なんですよ。魚病ですよ。この魚病によってハマチ養殖というものは大変な目に遭っている。大体損害の八〇%は魚病によっている。魚病、魚の病気、これを防疫するような、そういうような薬品だとか、あるいはそういうような技術だとか、そういうものが一体いまだに開発されないのかどうかというところに問題がある。で、農水
大臣は農水省全体のあんた責任者でございますから、農業と比べてごらんなさいよ。農業に一体、病害虫の防除だとか農薬だとか、どれほど——いまそんなものによって農業がまいっているということはないでしょう。したがって、私はこんなような研究なんかというものがどの程度なされているのか。要すれば、やりたいと思ったってお金がないからできないということになるんじゃないでしょうか。ですからいろんな問題が出てくるんであって、これは後ほどの問題ですが、それは御答弁は要りませんけれども、いま言った調整保管の問題と、それから例のスケソウからイワシにかえるという、あのために
法律をわれわれ大急ぎで一本つくったことがあるんだが、その効果が何ら上がっていないような気がするんですが、この
法律の運用なんというものはどういうことになっているのか。余り長くしゃべっていると大事な
坂倉さんの時間がなくなりますのでやめますが、これらについて御答弁願います。