○川村清一君
宮原参考人と
中里参考人、お二人に二、三お聞きしたいんですが、まず第一問は、お二人から御
意見を賜りたいんですけれ
ども、実はこの
制度が
昭和三十九年にできまして
昭和四十二年に国の再
保険制度ができたわけです。その
昭和四十二年の国の再
保険の
制度化のときに実は私がこの
委員会で質問いたしまして、当時
中里参考人は専務さんをされておりまして、たしか当時の安藤
会長さんと傍聴されておったことを記憶し、私も安藤
会長さんにいろいろ教えていただいて勉強して質問したわけですが、その質問の中で私が最も強く申し上げたのは、これは一つの
保険なんですから、それで一つの危険を全漁民によって分担するという、その基本原則に基づいて組み立てられておるわけでございますから、やはり
保険に
加入している人が多くなければこれは保っていけないわけです。ですから、
加入率を高めるということ。
加入率を高めるというためにはむしろこれは
義務加入にすべきではないのかと、
義務加入にすべきであるということを強く申し上げました。当時の
政府は、これはあくまでも民主的に個人の意思によって
加入するんだということで、私の主張を入れなかったわけでございます。その後、やはり私が言っているとおり情勢がそうだんだん進展していって、
昭和四十九年の
制度改正でこれは
義務制ということになったわけですが、
義務制になった今日いまだに、先ほどのお話によりますというと、
漁獲共済においては
加入率は二四%である、
養殖共済においては三七%である、きわめて低いわけですね。これは一体どこに原因があるのか。いろいろありましょうけれ
ども、行政の一つの怠慢と言えば失礼ですが、行政もこれに力を余り入れなかったんだろうし、それから先ほど
宮原参考人はこの
加入率を高めるということを強く主張されておりました。当然であります。そしてこの
共済というものを系統
運動として取り上げたいという御
説明があったわけでございますが、やはり系統としてどれだけ
加入率を高めるために
努力されておったのか。四十九年に
義務制ができましても、今日になおまだこんなような
状態では、これは本当に
努力しておったのか、——各
都道府県の
共済組合があります、あるいはまた単協もあるわけですね。単協においてあるいは
都道府県の
共済組合において、いわゆる
全漁連の系統の中においてこのためにどれだけ
努力をされてきておるのかどうかということにちょっと私は疑問を持たざるを得ませんし、それから全
共済の方も一体このためにどのような
努力をされてきたのかということもちょっと私としては疑問を持つわけでございます。したがって、何としましても
加入率を高めなければ、これは
災害補償法、いわゆる一つの
保険ですが、これの
目的を達することができませんので、今後どうなされようとしておるのか、これをお聞きしておきたいことが第一点であります。
それから第二点は、私は、漁船損害
補償法のやはり
審議がときどきあるわけですが、その
法案が出てまいりましたときには、いつもその
審議に当たって主張しておりますことは、漁船
保険と、それから
漁業災害保険、これは一体となるべきものではないのかと。もちろん、この
制度が発足した時点あるいは歴史的な
発展の違いがあるわけですから一概に一つになれといってもなかなか困難であることは当然わかっておるわけであります。しかしながら、両
制度とも、言うならば漁民の幸せのために、
漁業の
発展のために、漁民のいわゆる経済的な一つの安定を得る、
発展のためにある
制度でありまして、それから、この事務をやっておるのはずうっと末端へいきますと単協でやっておるわけです。この単協と言ったって大から小までありまして、小さな単協ですと職員がわずか四人か五人ぐらいでやっているような単協もあるわけです。その単協の職員が一方においては
漁災の方の事務をやる、一方においては漁船
保険の事務もやると、同じような事務をやっているわけです。そしてねらいは何かというと、いわゆる
漁協におけるところの漁民の生活安定、
漁業の
発展というためなんですから、
目的は同じなんで、山の上に登るのに両方から登っていけばいいのであって、むしろこれは一体になるべきじゃないかということをいつも主張しておりますが、これはなかなか実現いたしません。漁船
保険の方はたくさん金を持っておると、そして
漁業共済の方はたくさんの借金を持っておると。借金と金を持っているものが一つになればおのずから道が開けるんではないかと思うのでありますが、この件については私はそう主張しているんですが、これ、こんなことを言ってもう十何年以上もたっているんですが、いまだに実現されないんですが、御両者におきましては、これはどういうような見解を持たれるか。
いろいろ聞きたいことがありますが、時間がありませんからやめますが、もう一点、最も基本的な問題なんですが、これは農業
共済と違うのは、農業
共済はいわゆる農畜産物の、農業生産物の生産量でやるんです、量で。ところが、
漁業共済の方は生産量でなくて生産額なんです。いわゆるPQ
方式、ここに問題があるんじゃないか。いわゆる金高でいくわけですよ。農業の方は生産量でいくわけですよ。魚価というのは、二百海里時代どうなったこうなったと言いますが、べらぼうにぐんと魚価が上がってみたり、またがたんと下がってみたり、その経済
事情なりあるいは
需要の動向によってどんどん変わっていく。そこでこういう問題が発生するんですが、抜本的に、根本的にこれをやるならば、その辺の私は
制度を何とか変えなければ根本的な解決にはならぬのではないかと思うんですが、この辺に対する御見解はいかがなものでしょうか。
それからもう一点だけてありますが、
漁業災害補償法というものは、あくまでも
自然災害というものを
対象に仕組まれた一つの
保険でございます。したがいまして、二百海里時代になってどうなったとか、もちろん二百海里時代になって漁獲量も減ったこともわかっていますが、漁獲量が減っただけでなくて、二百海里の時代に入って
漁業の情勢ががらっと変わってしまったということがありますし、それから赤潮なんというものはこれは一体
自然災害なのか、あるいは
自然災害でなくて一つの公害であるのかといったようなことも学者の
意見も必ずしも一致しておらないような気がするわけでありますが、これが
自然災害でないとするならば、二百海里の問題だとか赤潮の問題は当然この
保険の
対象外になることであって、別の方途によってこの問題への解決のために対処していかなければならないものではないかと私は思うんですが、どうか。
この四つについて、時間がありませんので、ごく簡単で結構でございますが、御見解を承りたいと存じます。