○鶴岡洋君 過去の実績を含めてというお話がございましたけれども、
防除では間に合わなくなった。したがって、よりベターな方法ということで
反省の意味も含めてこの
題名が変わったんじゃないかなと、こういうふうに推測するわけでございますけれども、この五十二
年度の
現行法の制定において、法第三条には五カ年間において
マツクイムシが運ぶ、いわゆるマツノマダラカミキリが運ぶマツノザイセンチュウ類による
松林に
発生している異常な
被害が
終息することとなるように云々と、こういう
目的が掲げられておるわけです。このことについて当時の記録を見ると、本当にこの五年間でできるのかどうなのかという議論がたくさんされております。その議論の中で
特別防除、すなわち空散をやって五カ年間でどうなるのかというこの問題については、
政府の方は、記録を読みますと一貫して大体
終息型になると、このよろに言っているわけです。たとえば五十二年の四月の七日の記録でございますけれども、ちょっと長くなりますけれども、記録を読ましてもらいますと、「五カ年間で完全にその
目的が貫徹するという意味なのか、」と、こういう質問に対して、「私どもは、
昭和四十八岸以来、
空中散布によりまして
マツクイムシの
防除を実験的に
実施いたしております。その結果によりますと、私ども激害地と称しておりますけれども、これは五%以上の
被害が出ておる
地域でございます。これは、大体三年まけば
終息型になり得る。それから中害地、これは五%以下でございますが、一%以上のものについては二年程度まけば
終息型になり得る。さらに微害地等におきましては、一カ年でおおむね
終息型になり得るという実験データを持っております。」と、これは
政府が言っているんですよ。「したがいまして、現在
被害が出ております四十五万
ヘクタール」これは五十二年時点ですね、「のうち、
空中散布によりますものを約二十六万ヘクタール見込んでおりますけれども、それを重要なところから、緊急度の高いものから五十二
年度から
実施いたしまして、五十六
年度にはすべて終わるという形で対応すれば
終息型に誘導し得るというふうに考えております。」これが
答弁です。これに対してさらに、それじゃ、「あなた方のこの
計画が予想どおりいかなかった場合に、その後の
対策はどういうことを考えておられるのか、どうしようとおっしゃるのか。」こういう質問が重ねてあります。これに対して
政府の
答弁は、先生方がおっしゃるように、自然、天然現象の中には予測し得ないものが起き得るかもしれません。しかし、私どもといたしましては、過去四年間やってまいりました
経験をもとにいたしまして、それぞれ重要林地というものを見きわめながら対応していけば一応五年間ではおさまり得るという確信を持って今度の
計画を出しておるわけでございます。こういう
答弁になっておるわけです。しかし、あれから五年、現実にはどうかというと、たくさんの予算を使いながらいろいろ
努力しているのは認めますけれども、現時点においては依然として
被害は、おさまるどころかかえってますます進んでおるわけです。北海道、青森を除く全県下に蔓延しておるような
状況になっておるわけです。このような状態までしたというのは、これは
政府の
責任ではないか。こういうことを言いながら、こういうふうになっているわけです。もちろん天然現象もあるでしょうけれども、この
反省を大胆どうされているのか。
林野庁長官、担当ですから、お二人の方にお答え願いたいと思います。